みんなのケータイ

AQUOS K SHF31(左)と、4年半前の機種であるAQUOS PHONE IS11SH(右)。IS11SHはスライド型のテンキー搭載スマートフォン。中古で売られているが3Gのみ対応

 筆者の手元には2011年6月発売、つまり4年半前のAndroidスマートフォン「AQUOS PHONE IS11SH」がある。この機種の特徴はテンキー搭載。本誌の読者なら、かつてテンキー搭載のスマホがポツポツと現れ、あっさり消えていった時期があったことを覚えているだろう。まさにその時代の機種である。

 そして筆者は今、Android搭載のフィーチャーフォン「AQUOS K SHF31」、通称“ガラホ”と呼ばれる機種も持っている。こちらもテンキー搭載だ。当然、戦わせるしかないではないか(強引)。

 まず、両機種の主なスペックとして3項目を比較してみよう。

機種名IS11SHSHF31
OSAndroid 2.3.3Android 4.4.4
CPUMSM8655 1.4GHz(シングルコア)CPU/MSM8926 1.2GHz(クアッドコア)
連続通話時間約400分約620分

 スペックシート上はSHF31の圧勝である。この3項目を見ただけでもSHF31の方が、サクサクであり、動作は安定し、スタミナもあるであろう、ということが容易に想像できる。SHF31はフィーチャーフォンタイプとはいえ、4年半前のスマートフォンに負けるわけにはいかない。

 だが「使ってみたら違いはよく分からない」ということも、世の中にはよくある。せっかくテンキーを搭載しているのだから、文字入力の時間で勝負しようじゃないか。

 対決時の入力文章は「いつもお世話になっております。ライターの小林です。12月31日の除夜の鐘の件、よろしくお願いいたします。」という、若干意味不明な内容とした。
 まずテンキーの実力を見るため、予測変換は使わず、全文を入力することにした。当然片手操作だ。3回入力をして最短タイムが以下の通り。

・IS11SH……2分0秒739
・SHF31……1分55秒816

 その差、5秒。SHF31の勝ちだが、IS11SHがだいぶ健闘している印象だ。「4年半で5秒しか短くできないのか!」と体罰教師のようにガラホを叱りつけたい気分だ。いや、しかし予測変換を使って入力するのが普通だ。その場合どうだろうか。最速タイムは以下の通り。

・IS11SH……42秒013
・SHF31……35秒212

 その差、7秒。4年半で……以下、略。実は文字入力のレスポンスはIS11SHとSHF31でそう差が無いように思える。むしろIS11SHはテンキーのボタンひとつひとつが小さく、窮屈なせいで誤入力が多発する、そのせいで時間をロス。逆に言えばテンキーが大きければこの時間差は覆せる。

SHF31ではEメールの新規作成画面(左)で、IS11SHはSIMが無いので、Wi-Fiのみで使えるGmailアプリの新規作成画面(右)で、文字入力をテスト。予測変換に違いはあまり無いのだが、通常変換、文字種の変換ボタンが違うため、IS11SHでは慣れるまでまごついた

 それにしても筆者は4年半前の機種がいまだサクサク使えることに驚いたし、良い勝負をしてくれて嬉しかった。もちろんアプリを入れたり、使い続けるうちに重くなり、不具合多発になるのだろうけど、とりあえず自由にアプリをインストールできるし、Gmailも使える。この点は本当に魅力だ。

キーボードを拡大。SHF31(左)のテンキーが大きいというよりも、IS11SH(右)のテンキーが小さ過ぎる。DELキーもクリアキーのほうが分かりやすい。発売当時から言われていたことではあるのだけど

 現状、ガラホと呼ばれる機種の機能は、スマホと比べるとだいぶ制限されている。それが良いという人もいるだろうが、物足りない、という人もいるはず。もしかして今こそ、IS11SHのようなテンキー搭載型のスマートフォンの出番ではないか……。

 いや、結局受け入れられるかどうかは料金次第なんでしょうけど。確実に言えるのは「IS11SHよ、お前は早過ぎた」と。あとテンキーが狭過ぎた。蛇足でしたね。