みんなのケータイ

動画閲覧時など、横画面にすると左右にスピーカーが来るデザイン

 ALCATEL ONETOUCH IDOL 3の特長の一つは「音」。とにかく音に注力しているスマホだ。実際に端末に触れてみると、ハードとソフトの両面で良い音を追及していることが分かる。

 まず、フロントパネルの上端と下端にスピーカーが配置されており、横画面で動画を再生するとき、ちょうど画面の左右になるようにデザインされている。この構造により、ヘッドホンを装着しなくとも、端末一つでステレオで音声を楽しむことができる。

 側面や背面にモノラルスピーカーを配置している普通のスマホと比べると、ハッキリと違いがわかる。横画面で動画を再生するとき、普通のスマホだと映像の表示位置と音の発生位置にズレがあって違和感があるのだが、IDOL 3の場合はそういった違和感もなく、当たり前だが映像から音が出てるように聞こえる。今まで側面・背面にスピーカーのあるスマホばかり使ってきたのであまり意識したことがなかったのだが、この差はかなり大きい。

 例えば、生放送系の動画ならば画面内の人がしゃべっているような感覚が得られ、ゲームの効果音も方向と奥行きが感じられる。もちろん音楽もステレオなので、モノラルに比べると臨場感は圧倒的な違いがある。

コンパクトな筐体ながら、スピーカーはけっこう大きそう

 また、このスピーカーは、著名なスピーカーメーカー「JBL」の認証を取得しているもので、スマホ内蔵のスピーカーとしてはかなり高品質だ。人の声もこもらずによく聞こえるので、やはり生放送系の動画などでは非常にありがたい。スマホゲームや動画再生などでは、ヘッドホンや外付けスピーカーをわざわざつなぐのが面倒だなぁといつも思うのだが、IDOL 3ならば内蔵スピーカーでも十分なので、より気軽に楽しめるだろう。

 ちなみに、映像についても液晶ディスプレイには色彩技術の老舗、テクニカラーの技術が導入されており、高度な色彩表現が可能になっている。コントラストを高め、明るい場所などでも見やすく表示されるので、場面を選ばずに映像コンテンツを楽しめるのもポイントだ。

 さらに、ヘッドホンやスピーカーを接続したときの音質にもこだわっており、「JBLクラリファイ」という音響技術が搭載されている。通常、スマートフォンや音楽プレーヤーで音楽を持ち運ぶには、デジタル圧縮の際に高音や低音が失われ、生音の臨場感が上手く楽しめなかったりする。しかし、JBLクラリファイでは、失われたそれらの音を極限まで再現して音楽を再生するため、生音に近いアーティストの意図した高音質な音楽を楽しむことができるというわけだ。

音楽再生プレーヤーには「JBL」のロゴも入っている

 最近は非圧縮の高音質音源、いわゆるハイレゾ音源対応のスマホも増えつつある。しかし、ハイレゾ音源は入手方法が限られる上、ファイル容量が大きく、大容量のmicroSDカードを使用しても持ち歩ける楽曲数がかなり少なくなってしまう。実際のスマホの利用シーンでは、圧縮音源を聴くことがほとんど。

 JBLクラリファイは、原音に近づけるというものなので、256kbpsくらいの高ビットレートだと効果は小さく、低ビットレート音源ほど効果が高くなる。最近流行りの音楽の定額配信サービスは、環境によって64kbpsくらいの低ビットレートになるので、そうした環境で特に効果を発揮してくれるのがありがたい。パケット節約のために、外出時はあえて低ビットレート固定にして聴く、といった使い方でも役に立ちそうだ。

 そんな音への自信もあってか、IDOL 3のパッケージにはJBL製のイヤホンが同梱されている。ちゃんとサイズ違いのイヤピースも付属するカナル型だ。さすがに数万円クラスの高級イヤホンとは比較しにくいが、音質はスマホの付属品とは思えないほどしっかりしているので、イヤホンを買い足す必要はなさそうだ。

 カナル型はサイズを合わせてちゃんと装着すれば音漏れしにくいので、電車の中などでも利用しやすい。また、リモコンとマイクも付いているので、ハンズフリー通話などにも使える。筆者はよく移動中に音楽を聴いたりするので、これは非常に役に立っている。

JBL製のイヤホン。オマケとは思えない高品質

 ちょっと面白いのは、標準でオリジナルのDJアプリ「ONETOUCH MIX」が搭載されていることだ。2つの音楽ファイルをミックスさせて再生したり、エフェクトやイコライザーを使ったり、サンプリング音を鳴らしたり、円盤を動かして「キュコキュコ」いわせることもできる。

ONETOUCH MIXの画面
発表会でDJプレイを披露した☆Taku Takahashi氏(右)

 正直、筆者はDJのことがよくわからないので詳しく解説はできないが、IDOL 3の発表会でm-floなどで知られるゲストの☆Taku Takahashi氏によるデモプレイを見た感想としては、そのままクラブで使えるんじゃないかというレベルだった(※関連記事)。腕前さえ伴えば、プロレベルのDJプレイができそうだ。筆者には到底無理そうだが……。

 SIMフリースマホというと、コストパフォーマンス重視であまり特徴のないものも多いが、IDOL 3は「音楽」という面で個性を出している点が面白い。JBLの音響技術も使っているので、その品質はなかなか本格的。日常的にスマホで音楽を楽しむのに最適な端末だ。