「Twitter対応」で楽しくするソフトバンク2010年夏モデル

法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows 7」「できるPRO BlackBerry サーバー構築」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。Impress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。


 5月18日、前日のauに引き続き、ソフトバンクは2010年の夏商戦へ向けた新機種のラインアップを発表した。

 ソフトバンクの孫正義社長と言えば、ここのところ、SIMロック解除や「光の道」などに関連する論争で話題を振りまいてきた。その一連の論争や騒動では、孫社長自ら積極的に「Twitter(ツイッター)」を活用してきたことで知られるが、今回はそのTwitterを積極的に活用する端末ラインアップを発表してきた。

 発表会の詳細な内容は、すでに本誌レポート記事が掲載されているので、そちらを参照いただきたいが、ここでは発表会の印象をはじめ、タッチ&トライで試用した端末の印象、ラインアップ全体の捉え方などについて、紹介しよう。


 

今日唯一で最大のテーマは「Twitter」

 現在、国内ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、イー・モバイルが携帯電話のサービス、ウィルコムがPHS、UQコミュニケーションズがモバイルWiMAXのサービスを提供しているが、これらの移動体通信事業者の中で、もっとも話題性のある事業者と言えば、おそらく多くの人が「ソフトバンク」を挙げるだろう。ソフトバンクとして、携帯電話サービスを提供して、すでに4年が過ぎようとしているが、その間、さまざまな形でユーザーに、業界にと話題を提供してきた。もちろん、話題が豊富であるだけではなく、純増シェアNo.1を獲得し続けたり、iPhone 3Gの国内における販売を実現したりと、実績面でも確実にインパクトを残してきている。

 その話題の豊富さは、ソフトバンクが商戦期ごとに開催する新商品発表会にも表われている。たとえば、新商品発表会ごとに「女性」や「Wi-Fi」といったキーワードを掲げ、そのキーワードに基づいた商品ラインアップを発表したり、またあるときは一般来場者を招き、お笑い芸人とともにバラエティショーのような発表会を催したりといった具合いだ。もちろん、その内容には良しとするところも「今イチ」と感じるところもあるのだが、常に毎回、何かを期待させてくれるのがソフトバンクという印象だ。

 そして、今回のソフトバンクの発表会は、「Twitter」をテーマに掲げた。Twitterについては今さら説明するまでもないが、140文字のメッセージを自由につぶやくことができるメッセージサービスで、他のユーザーを「フォロー」したり、他のユーザーのメッセージを「リツイート」することなどで、多くのユーザーがゆるいつながりとともコミュニケーションを楽しむことができるものだ。

 孫正義社長は昨年12月からTwitterでつぶやきはじめたそうで、約半年という短い期間にもかかわらず、さまざまな形で孫社長のTwitter活用が話題となってきた。たとえば、今年3月に行なわれた「ソフトバンクOPEN DAY」は、あるユーザーがTwitterで「ソフトバンクの社食でランチがしてみたい」とつぶやいたのがきっかけで、そのつぶやきを見た孫社長が「やりましょう」と受け、ソフトバンクの創業30年記念イベントとして実現した。4月には総務省で行なわれた「携帯電話端末のSIMロックの在り方に関する公開ヒアリング」を受け、孫社長は原口総務大臣にTwitterを通じて、『陳情』とも受け取れるメッセージを送り、それに対し、原口大臣が「総務省がビジネス・モデルを強制することは、ありません。」(原文一部抜粋)とTwitterで返答するという一幕もあった。

 こうした話題性のあるTwitterだが、実際に使われているシーンを見てみると、やはり、専用のアプリケーションが利用できるiPhoneに代表される、スマートフォンでの利用が多く、通常のケータイでは基本的にブラウザやメールでの投稿になるため、今ひとつ使いにくかったり、手間が掛かる印象があった。そこで、今回発表された夏モデルの内、通常の音声端末13機種、発表済みの2機種を加えた計15機種にTwitterのクライアントとなるウィジェット、あるいはS!アプリをプリインストールし、今までTwitterを楽しんだことがない人、あるいはTwitterを使っているものの、まだつぶやいたことがない人が気軽にTwitterを楽しめる環境を実現しようとしている。

 こうした取り組みは、もちろん、孫社長自身のTwitterに対する熱い思いが活かされているが、実はTwitterがソフトバンクとしてもメリットのあるコミュニケーションサービスだという側面もある。以前、このコラムの記事でもご紹介したが、現在、ソフトバンクが他の携帯電話事業者に比べ、データARPUが低いことが明らかになっている。非常に多くのパケット通信を利用するiPhoneなどのスマートフォン、ハイスペックな高機能端末などを数多くラインアップしているにも関わらず、ソフトバンクのユーザーのパケット通信料が少ないというのは、少し意外かもしれないが、ARPUはその名の通り、「Average(平均)」を表わすものでしかない。つまり、ソフトバンクの全ユーザーがiPhoneだったり、ハイスペック端末を使っていれば、データARPUも確実に他社並みか、それ以上になるはずなのだが、実はパケット通信をあまり使わず、ソフトバンク同士の1~21時の音声通話無料サービスを中心に使うライトユーザーが一定数、存在するため、どうしても平均値が下がってしまうわけだ。

 では、こうしたユーザーにもパケット通信を使ってもらうにはどうすればいいか。これまでも『S-1バトル』や『選べるかんたん動画』といった動画コンテンツを提供することで、積極的に使ってもらえるようにアプローチしてきたが、今回はTwitterを使ってもらおうというわけだ。動画コンテンツはアクセスが集中すると、トラフィックが増えすぎ、ネットワークに負荷を掛けてしまうリスクもあるが、Twitterは元々、送信できるメッセージが最大140文字と少ないうえ、フォローしたユーザーのメッセージの受信についてもユーザー数が増えすぎてしまうと、ケータイでは実質的に管理できなくなってしまうため、ネットワークに負荷が掛かってしまうような極端な使われ方を心配もない。つまり、ソフトバンクにとって、あるいはケータイで利用するサービスとして、Twitterはバランスがいいサービスでもあるわけだ。

 また、今回発表された端末でのTwitterに対する取り組みは、単純に機能をサポートしただけではないところが興味深い。Twitterはユーザーのつぶやきによって構成されているが、まったく知らない人にしてみれば、「人がブツブツ言ってるのを聞いて(読んで)、何が面白いの?」と考えてしまう。また、Twitterではフォローやリツイート(転載)、写真の投稿など、いろいろな機能を利用することができるため、実際に使いはじめると、使わないで見ていたときとは違った世界観が拡がると言われることも多い。つまり、使わない人にはさっぱり響かないし、使ってみると、意外に奥が深いというわけだ。

 そこで、ソフトバンクではユーザーの習熟度に応じて利用できる複数の利用環境を提供している。まず、今までTwitterにほとんど触れたことがないユーザー向けにはウィジェットで「twinavi」(CGMマーケティング提供)が用意され、Twitterのアカウントを持っていなくても有名人のつぶやきなどを見られるようにしている。

 人のつぶやきを見ていて、何となく様子がわかってきたら、今度はウィジェットの「Twitter」(米Twitter提供)にステップアップする。このTwitterのウィジェットではアカウントを取得して、タイムラインなどが閲覧できるため、自分自身もTwitterに参加して、自由につぶやくことができるわけだ。

 そして、第2ステップまででTwitterの世界観がある程度つかめてきたら、今度は本格的にTwitterを楽しむために、「TweetMe for S!アプリ」(フライトシステムコンサルティング提供)に移行する。このTweetMe for S!アプリは元々、iPhoneで提供されていた「TweetMe」を移植したもので、フォローや写真の投稿といった機能も利用することが可能だ。

 Twitterそのものはこれまでも通常のケータイで利用でき、「モバツイ」のように、ケータイ向けのWebベースのクライアントツールも提供されていたため、ソフトバンクのケータイでしか楽しめないというわけではないが、やはり、これだけの環境を短期間で整えてしまうのは、さすがソフトバンクとしか言いようがない。

 さて、Twitterの話ばかりになってしまったが、端末のラインアップはどうだろうか。今回はデータ通信アダプタや通信モジュールを利用した端末なども含め、合計20機種がラインアップされている。

 まず、メーカー別で見ると、シャープが7機種、パナソニックが2機種、サムスンが2機種、NECカシオモバイルコミュニケーションズが2機種、ZTEが3機種(カメラは形状違いで同等モデル)、Huaweiが2機種となっている。ソニーが1機種(ソニーブランド)となっている。ZTEがはじめて音声端末の供給を開始したことが注目される一方、今回は東芝が端末を供給をしておらず、通常端末は国内メーカーと海外メーカー3社ずつで供給することになったようだ。ちなみに、ソニーは通信モジュール内蔵のフォトフレームの供給であり、ソニー・エリクソンとしての端末供給ではない。スマートフォンについては、すでにHTC Desireが4月から販売されているうえ、おそらく数カ月以内にiPhoneの新機種が登場すると見られており、今回の発表には新しいスマートフォンが加わらなかったようだ。

 形状別では通常の音声端末14機種中、折りたたみが9機種、二軸回転式が3機種、スライドとフルタッチストレートが1機種ずつとなっており、他社に比べると、今ひとつ形状のバリエーションが少ないように見える。防水については、今回発表されたシャープ製端末が全機種防水防塵対応となっているため、これにパナソニック製の1機種を加えた合計8機種が防水対応となっている。

Twitter対応機種を中心にラインアップを展開

 さて、ここからは発表会後に、タッチ&トライコーナーで試用した実機の印象について、紹介しよう。ただし、今回も5月18日の午前中にソフトバンク、午後にNTTドコモというスケジュールで発表会が行なわれたため、ソフトバンクの端末はわずかな時間しか触ることができなかった点をお断りしておく。発表会で展示されていた端末は、いずれも最終的な製品ではないため、実際に発売された端末と違いがあるかもしれない点も合わせて、ご了承いただきたい。なお、各機種の詳しい仕様などについては、ぜひ本誌のレポートを記事を参照して欲しい。

mirumo2 944SH(シャープ)

 2009年夏モデルで登場したmirumo 934SHの後継モデル。従来モデル同様、トップパネルにメモリ液晶を搭載するが、今回はタッチ操作に対応している。側面のボタンを押すと、タッチが可能なモードに切り替わり、メニューからメールなどを表示することが可能。もはやサブディスプレイというより、「セカンドディスプレイ」という印象。カメラはCCD 800万画素だが、ケータイWi-Fi対応など、今回のラインアップではもっともハイスペックな一台。


AQUOS SHOT 945SH(シャープ)

 昨年のAQUOS SHOT 940SHの後継モデル。1210万画素カメラとケータイWi-Fi、防水・防塵対応の組み合わせに加え、内蔵カメラでのHDムービーの撮影が可能。撮影した動画や静止画はHDMIケーブルでテレビに出力ができるが、テレビのリモコンで、テレビに映し出されたケータイの画面を見ながら、操作することも可能。mirumo 944SHと並んで、もっともハイスペックな一台。


VIERAケータイ 942P(パナソニック)

 Panasonic製端末では珍しい二軸回転式のボディを採用したモデル。ディスプレイはタッチ操作にも対応しており、撮影した写真などに落書きができるほか、手書きメモや手書きダイアリーで自由に文字を『書く』ことができる。付属のスタイラスは一見、太そうだが、スタイラスの先は細く、実際に書いてみると、なかなか楽しく落書きができる。


941SC(サムスン)

 昨年登場した有機ELディスプレイ搭載で人気を集めた940SCの後継モデル。同じ有機ELディスプレイを搭載するが、一段と美しくなっている。ケータイWi-Fiにも対応したため、他の9xxシリーズとスペック的には同等以上になっている。


SOLAR HYBRID 842SH(シャープ)

 昨年発売されたSOLAR HYBRID 936SHの後継モデルだが、従来が9xxシリーズだったのに対し、今回は8xxシリーズになり、ディスプレイがワイドQVGAになるなど、若干、スペックが抑えられている。ソーラーパネルは従来品よりも高効率のものが採用されているが、他社向け製品同様、CEATEC JAPAN 2009に参考出品されていた最大出力電力が450mW(従来モデルは300mW)の「高効率ソーラーモジュール」と推察される。


THE PREMIUM WATERPROOF 841SH(シャープ)

スリムで美しいデザインで人気のTHE PREMIUMシリーズの第6弾。昨年のTHE PREMIUM WATERPROOF 935SHが9xxシリーズだったのに対し、今回は8xxシリーズになり、ディスプレイがワイドQVGAに変更されており、その分、店頭価格が抑えられることが期待できる。リーズナブルな価格で購入できる美しい防水端末が欲しいユーザーにはおすすめ。


AQUA STYLE 840SC(サムスン)

国内向けではSamsung電子初の防水ケータイ。シートキーを採用するが、それぞれのキーが独立し、意外に押しやすい。この他に、見やすいUDフォントや紫外線センサーなどの特徴を持つ。FeliCaやBluetoothなどに非対応なので、これらの機能を必要としないユーザー向け。


842P(パナソニック)

2009年夏モデルとして発売された832Pの後継モデル。Panasonic製端末おなじみの超スリムボディは薄さ約10mmを実現しながら、FeliCaやワンセグも搭載し、Twitterウィジェットにも対応する。ボディ周囲のゴールドのフレームが美しく、大人のユーザーにおすすめ。


840N(NECカシオモバイルコミュニケーションズ)

 丸みを帯びた柔らかいボディ形状でまとめられた普及モデル。グラデーションカラーの仕上げも美しく、独立タイプのキーは比較的、押しやすい。派手さはないが、マイ絵文字が4500個もプリセットされるなど、コミュニケーション重視のユーザーを狙ったスタンダードな端末。


841N(NECカシオモバイルコミュニケーションズ)

 2009年春モデルに登場した830Nの後継モデル。若干、円弧を描くようにディスプレイ部がスライドするアークスライドを採用。モックアップのみの展示だったが、今回発表された中では唯一のスライド端末。


かんたん携帯 843SH(シャープ)

 シャープとしては初のかんたん携帯。シャープはアクティブシニアをターゲットにした端末として、GENTシリーズを展開しているが、それよりもさらに上の年齢層に狙ったモデルだ。防水・防塵にも対応し、ワンタッチで発信ができる「楽ともボタン」が装備される。未読メールがあるときなど、操作が必要なときは該当する場所のボタンが光る「お知らせお知らせボタン」なども備える。


かんたん携帯 840Z(ZTE)

 中国のZTE初の音声端末。843SHとは少しデザインが異なるが、キーも少し盛り上がった形状で仕上げられており、過去に国内メーカーが開発してきたかんたん携帯に遜色のない仕上がり。


Photo Vision DPF-NS70(ソニー)

 ソフトバンクブランドではなく、ソニーブランドで販売されるフォトスタンド。従来のPhoto Vision同様、通信モジュールが内蔵されれており、受信メールに添付された写真を表示することができる。スライドショーで再生できるだけでなく、付属のリモコンを操作して、何枚も写真をめくることができる。製品そのものの質感も仕上げも美しい。


C02HW(Huawei)

 USBポート接続するタイプのデータ通信アダプタ。他のデータ通信アダプタ同様、イー・モバイルの回線を借りて、運用するタイプだ。


みまもりカメラ Z001/Z002(ZTE)

Z001

 遠隔地からTVコールで電話を掛けると、本体に着信し、内蔵されたカメラで周囲の状況を見ることができる端末。着信専用カメラ付きTVコール端末ということになる。外出先からペットを見たり、離れた部屋から赤ん坊の様子を見るといった使い方ができる。今回は料金プランなどが明らかにされなかったが、料金設定とボディ形状のバリエーション次第では、今後、フォトフレームを超えるヒット作に成長するかもしれない。


945SH G Ver.GP30th(シャープ)

 ガンダムプラモデル30周年を記念したモデル。パッケージにはガンダムのプラモデルが付属し、専用充電ベースに端末と完成したプラモデルをいっしょに飾ることができる。端末はAQUOS SHOT 945SHだが、同梱されるデカールなどを貼ることで、異なるイメージの端末に仕上げることもできる。ガンダムのファン、なかでもガンダムのプラモデルにはまってきた世代には、かなり気になる端末と言えそうだ。


 

Twitterを使わせるためのもうひとつ工夫にも期待

 いつものことながら、何かとサプライズの多いソフトバンクの新商品発表会。今回は2010年夏モデルのテーマとして掲げた「Twitter」を積極的にフィーチャーした発表会だった。発表会の映像をUstreamで流しながら、一般のユーザーにもTwitterでつぶやいてもらい、それを発表会のメインスクリーン上に映し出すわけだから、ユーザーとしては当然、面白くないわけがない。その反響の大きさは、わずか3時間ほどの間に、4万を超えるツイートが集まったことからもうかがえる。孫社長のTwitterに対する熱い思いとファンの気持ちがこもった発表会だったと言えるだろう。

 ただ、その一方で、少し気になる話もあった。すでに、本誌のレポート記事をはじめ、一部のメディアにも報じられたので、お気づきの方も多いだろうが、質疑応答で「TwitterはEMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)の審査を受けていないため、フィルタリングの対象になってしまうが……」という質問に対し、「Twitterがフィルタリングされるのであれば、世界中から笑いものにされてしまう」「もし、政府が18歳未満に対して、Twitterをフィルタリング対象とするのであれば、総務省にガソリンを持っていって、火を付ける。犯罪予告だ」と熱く答える場面があった。発表会終了後、囲み取材で「あれは冗談でした」と発言を取り消し、Twitterでも「完全な冗談です。不適切発言お詫びします。」と謝罪したが、熱意のあまりの冗談とは言え、企業のトップとして、あまりにも勇み足が過ぎる発言ではないだろうか。記者発表の質疑応答だから許されるというものでもないだろうが、通常、インターネット上の掲示板への書き込みなら、逮捕されてもおかしくないレベルの発言だ。

 しかし、筆者が気にしているのは、むしろ、その発言の引き金になった「18歳未満のユーザーのTwitter利用をどうするか」という質問だ。青少年のフィルタリングについては、本誌執筆陣に詳しい方がいるので、いずれ記事にされることを期待しているが、少なくとも現時点でTwitterがフィルタリングされるのは、各携帯電話事業者が自主的に提供しているフィルタリングサービスに引っかかるからであって、総務省が差し止めているわけではない。

 もし、ソフトバンクが本気でTwitterを18歳未満でも使えるようにしたいのであれば、ソフトバンクだけが自主的にTwitterをフィルタリングの対象から外せばいいはずだ。ただ、そうなると青少年に好ましくないコンテンツ(この場合はユーザーのつぶやきや写真投稿など)も閲覧できるようになってしまううえ、ヘンな言い方だが、未成年者と成人が不適切に出会ってしまうことも起こり得る。そこで、今度は「ソフトバンクなら、18歳未満でも安心してTwitterを使えます」と言えるように、何らかの対策を取っていく必要があるわけだ。Twitterは公式アカウントを除き、基本的に本人確認が取れていないことになるが、たとえば、18歳未満の利用については、ソフトバンクのユーザー情報と紐付け、本人確認を取り、安全な範囲でのフォローやリツイート、DMを許すようなしくみを作ると言うくらいの姿勢があってもいいのではないだろうか。あるいは、一部のサービスプロバイダが提供しているように、Twitterに似たサービスやTwitter互換のサービスをソフトバンクのネットワーク内で、18歳未満でも利用できるようなルールの下に提供する方法も考えられるだろう。もちろん、いずれの方法にせよ、簡単に実現できることではないが、「デジタル情報革命」を謳う孫社長だからこそ、冗談で『火を付ける!』ではなく、もっと建設的なアプローチで、この問題に取り組む姿勢を見せて欲しかったところだ。

 さて、またしても厳しいコメントを書いてしまったが、端末ラインアップは魅力的なモデルが並んでおり、ユーザーとしても発売が楽しみだ。すでに、一部のモデルは予約が開始されているようだが、今後、本誌に掲載される開発者インタビューやレビュー記事を参考にしながら、ぜひ、自分に合った一台を見つけ、孫社長イチ押しの「Twitter」による新しく楽しいコミュニケーションを楽しんで欲しい。

 



(法林岳之)

2010/5/24 12:19