法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

あらためて考える「ドコモ版iPhone」の可能性

 9月に入り、そろそろ秋冬商戦向けのモデルの話題が噂になり始めているが、それ以上に注目を集めているのが次期iPhoneだ。9月上旬にも米国で発表会が催されると言われており、インターネット上にはすでに数多くのリーク情報が流れている。国内市場ではソフトバンクとauから発売されているiPhoneだが、かねてから話題になっているのがNTTドコモがiPhoneを扱うかどうかだ。次期iPhone発表を控えた今、ドコモ版iPhoneの可能性について、あらためて考えてみよう。

ソフトバンクとauから提供されているiPhone 5

iPhoneを巡って、メディアも右往左往

 国内市場において、40%近くまで普及したと言われるスマートフォン。この2年ほどの間の爆発的とも言える普及の早さは、業界の構造をも変えてしまうほどで、国内の端末メーカーの撤退や事業縮小などのニュースも相次いでいる。

 そんな国内のスマートフォン市場の中で、もっとも話題になることが多いのがアップルの販売するiPhoneだ。2007年に米国向けに初代モデルが発売後、国内向けには2008年にソフトバンクから「iPhone 3G」が発売され、2011年に発売された「iPhone 4S」ではKDDIと沖縄セルラーによるauでも扱いが始まり、今や国内のスマートフォンではトップシェアを確保している。

 このiPhoneを巡っては、これまでも業界内で、さまざまな事柄が話題になってきた。「次期モデルはいつ出る」「今度はディスプレイが○インチになる」「通信方式は新しい○○に対応する」といった新機種の話題は、一年を通して、語られているほどだ。なかでも国内においては、どの携帯電話事業者がiPhoneを扱うかといったことが当初から話題になっている。例えば、国内でも使える最初のiPhoneである「iPhone 3G」が発表される際、筆者を含め、多くの関係者は「当然、出るなら、ドコモでしょ」と考えていたが、いざフタを開けてみれば、ご存知の通り、ソフトバンクのみが扱うことになり、その後の同社の飛躍的な成長を後押しすることになった。

 そして、現在でも話題になり続けているのが、NTTドコモが扱うかどうかだ。当初は「NTTドコモがiPhoneを扱わないのは、iモードが使えないため」といったトンチンカンな分析も散見されたが、最近はNTTドコモの発表会や決算会見の質疑応答などでもiPhoneが話題に取り上げられることもあり、業界内はもちろん、ユーザーも含めた大きな関心事になっている。特に、昨年あたりからは新聞などの一般メディア、なかでも経済紙と呼ばれるメディアで積極的に取り上げられるようになり、それを元にした問い合わせで、ドコモショップが対応に追われるといったことも起きている。

 そんな中、いよいよ今年も次期iPhoneの発表が近いと言われている。早ければ、9月上旬に米国で発表会が催され、9月中に、国内向けにも販売が開始される見通しだという。これを受け、今回も「ついにドコモからiPhoneが出る」「いや、出るのは来年だ」「交渉は決裂したから出ない」といったことが再び話題になっている。さて、実際のところはどうなのだろうか。

今ひとつ揃わない状況証拠

 NTTドコモがiPhoneを扱うかどうかを考える前に、過去の事例がどうだったのかを少し振り返ってみよう。

 まず、2008年のiPhone 3Gについては、前述の通り、筆者自身も含め、見事に予想が外れたというのが率直なところだ。元々、アップルは秘密主義だと言われるほど情報統制がしっかりしていたため、直前までソフトバンクが扱うとは予想できなかった。当時、関係者から「ソフトバンク内でも限られた人しか知らない状態で、導入の準備が進められた」という話を耳にしたこともある。

 逆に、2011年にau(KDDI/沖縄セルラー)が取り扱いを始めたときは、状況証拠がしっかりと揃っており、auが扱うことは半年以上前から既定路線だったとも言える。例えば、iPhone 3GSまではUMTS(W-CDMA)/GSM版のみが販売されていたが、2010年6月発表のiPhone 4では、半年遅れの2011年2月に米VerizonからCDMA版iPhone 4が発売された。米国とは上り下りが逆だった日本の800MHz帯の周波数利用が、周波数再編によって、2012年7月に完全に切り替わる予定だったが、auは2011年4月には先行して新800MHzと2.1GHz帯に対応し、旧800MHz帯で利用できない「htc EVO WiMAX ISW11HT」を発売していた。さらに、当時のauが独自仕様としていたCメール(SMS)も、2012年前半にシステムが変わることが明らかにされており、iPhoneをはじめとしたグローバルモデルが導入しやすい環境が整っていた。

 これに対し、今回は上記のような状況証拠が少なく、NTTドコモでのiPhone取り扱いはまだ実現しなさそうに見える。

 例えば、8月には東京・有楽町にあるNTTドコモの「ドコモスマートフォンラウンジ」が9月11日に休業することを取り上げ、アップルが9月10日に次期iPhoneを発表するのではないかという話に引っかけて、「ついに、ドコモでiPhone導入?」と報じられたが、休業は元々、スタッフ研修のために予定していたもので、iPhoneとは関係ないとNTTドコモ広報が回答している。

 同じNTTグループ内のNTTレゾナントが運営するオンラインストア「NTT-X Store」が、OCNのモバイルデータ通信SIMカードとiPhone 5をセットにして販売することを取り上げ、「まずはNTTグループ内から取り扱い開始」と報じられたが、iPhone本体は香港から仕入れており、いわゆる事業者(キャリア)としての取り扱いが始まったものではなく、他のオンラインショップ同様、並行輸入の形で扱っているに過ぎない。保証などの点を考えれば、とても同列には語れないものだ。

MNP転出対策にiPhoneは必須?

 NTTドコモがiPhoneを扱うのではないかと報じられる要因のひとつとして、昨今、挙げられることが多いのがMNP(携帯電話番号ポータビリティ)による転出増だ。

 2006年10月にMNPのサービスが開始されて以来、各社のMNPによるユーザー獲得競争が繰り広げられてきているが、スマートフォンが主力商品となったここ数年は、MNPで移行するユーザーに対し、新機種の無料提供だけでなく、数万円の販売奨励金を出すなど、既存ユーザーからは批判的な意見が飛び出すほどの過熱ぶりとなっている。

 こうした動きが生まれてきた背景には、MNP移行時のひとつのデメリットとして指摘されてきたメールアドレスを引き継げない問題が、「Gmail」などのスマートフォンで利用しやすいメールサービスに移行し、LINEやTwitter、Facebookといった新しいコミュニケーション手段により、携帯電話事業者の提供するメールアドレスを継続する重要性が少しずつ失われてきたことが挙げられる。

 NTTドコモのMNP転出については、元々、最大契約数を持つ携帯電話事業者であるため、転出(転出超過)は避けられないと見られていた。他の諸外国の例を見ても全般的に国営の通信事業者などを母体としたトップキャリアは、MNPで転出を増やしており、2位以下の事業者がシェアを増やす傾向にある。このことを考えれば、NTTドコモのMNP転出増はある程度、しかたがないという見方もできるが、それにしても毎月10万件以上のMNP転出が続いており、一時は純減を記録するなど、ほぼ一人負けの状態が続いている。

 事業としては、黒字を確保しているため、即座に方針転換というわけでもないのだろうが、やはり、株主対策的にも何らかの手を打たなければならず、そのためには、他社が扱い、NTTドコモだけが扱っていないiPhoneが必要、という解釈だ。だからこそ、経済紙はこぞってドコモ版iPhoneの話題を取り上げているという見方もできる。

2013年5月、夏モデル発表会でNTTドコモの加藤社長は“ツートップ戦略”を明らかにした

 ただ、「iPhoneがないから、MNP転出が多い」という指摘については、筆者はNTTドコモの夏モデル発表の記事でも触れたように、必ずしもそこがもっとも大きな要因ではないと見ている。

 詳細はその記事を読み直していただきたいが、NTTドコモのユーザーがMNPで転出する典型的なパターンのひとつとして、Android 2.2以前のスマートフォンを購入し、使い込んでいく中で端末の動作が遅くなったり、おかしくなったりして嫌気が差し、結果的に「他社へのMNP転出」「どうせなら、異なるプラットフォームのiPhoneを……」という流れが挙げられる。筆者の周りでも何人もこうしたケースを見聞きしたが、おそらく読者のみなさんも周囲で同様のケースを見かけたのではないだろうか。

 つまり、NTTドコモのMNP転出増の原因は、NTTドコモがiPhoneを扱いっていないことも要因のひとつとして挙げられるが、むしろ初期のAndroidユーザーをはじめとした既存ユーザーへの優遇措置がなければ、根本的な問題解決にはならないというわけだ。

 また、NTTドコモがiPhoneを扱わないことについて、NTTグループ内やNTT持株会社内部から否定的な意見、もしくは扱うように働きかけているという見方もある。確かに、NTTグループの規模から考えれば、そういった声が挙がってきてもまったく不思議はないし、むしろ自然な動きだと言えるだろう。

 ただ、筆者がこれまでの見聞きしてきた情報を総合すると、NTTドコモがiPhoneを扱うことについて、いわゆる賛成派と反対派が存在し、それぞれにお互いを牽制し合いながら、NTTドコモのiPhone導入を働きかけたり、阻止しようとしていたりするという。しかし、全体としては反対派の意見が強く、iPhone導入はないだろうと言われていた。筆者自身もいろいろなところで、「ドコモのiPhoneはありそう?」と聞かれることが多かったが、これまでは一貫して、「反対派の意見が強いから、たぶん、ない」と答えてきた。

 このNTTグループ内の賛成派と反対派の件については、長くNTTドコモで端末プラットフォーム開発や商品企画などに携わってきた永田清人氏が今年6月の人事異動で、常務執行役員関西支社長に就任したことを挙げ、「iPhone反対派の中心的な存在だった永田氏が異動」などと報じられていたが、永田氏がこれまでのNTTドコモで果たしてきた役割は大きなものであるものの、一人の役員の異動によって、NTTドコモのiPhone導入が左右されてしまうほど、簡単な問題ではない。ここでは詳しく説明しないが、NTTグループは数百社から構成されるほどの大きな企業グループであり、電電公社時代からも含め、さまざまな思惑と駆け引きが絡み合って、多くの事業が左右され、決定されている。もちろん、NTTドコモのiPhone導入も例外ではない。

アップルにとってのドコモ版iPhone

 では、ひとつ視点を変えて、アップルの現状からドコモ版iPhoneの可能性について、考えてみよう。

 あらためて説明するまでもないが、現在、国内でもっとも売れているスマートフォンはiPhoneだ。都市による差はあるかもしれないが、街中を見ていると、いかにiPhoneを持っている人が多いのかがよくわかる。もちろん、iPhoneは単一メーカーの製品であり、国内でソフトバンクとauが販売してきたモデル数は、7機種(メモリ容量のバリエーションを除く)しかないため、すでに100機種以上がリリースされてきたAndroidスマートフォンに比べれば、目につきやすいという指摘もある。しかし、それを差し引いてもiPhoneは優勢であり、国内シェアの集計によっては多少の差異があるものの、おそらくトップ、もしくはトップ争いをしていると見て間違いないだろう。

 しかし、その一方で、iPhoneの勢いは一時期に比べ、落ちてきているという指摘もある。例えば、各社の(Androidの)夏モデルが相次いで発売された6月〜8月、ソフトバンクとauはiPhone 5の拡販にも、かなり力を入れていた。特に、auは夏モデルが4機種と少なかったこともあり、販売店などでは何度もくり返し、キャンペーンやイベントを実施し、かなり積極的な販売拡大に乗り出していた。auは次期iPhoneの登場で、再びMNPの競争が激しくなることを予想してか、既存のiPhone 5ユーザーに対し、機種変更の優遇クーポン、iPadの販売優遇クーポンなどを送付している。

 こうした状況を考えると、アップルとしても次に供給すべきは、やはり、NTTドコモであり、これが実現しなければ、今以上のiPhoneの販売拡大はなかなか難しいという見方もできる。キャリアそれぞれの時期によって、市場を取り巻く環境が異なるため、一概に比較はできないが、auのiPhoneが発売される少し前は、「このまま、ソフトバンクだけでiPhoneを展開し続けるのは無理」と指摘されており、現在の2社体制もかなり販売施策を拡充しなければ、継続的にiPhoneのシェアを拡大するのは難しいというわけだ。

 また、世界的に見て、最大手の携帯電話事業者がiPhoneを扱ってないところは少なく、特に日本のように、モバイルのリテラシーが高い国や地域において、トップキャリアがiPhoneを扱わないのはむしろ特異なケースだという指摘もある。

 先般、NTTドコモ副社長の坪内和人副社長が取材に対し、「アップルにとって国内最大の携帯電話事業者に扱わせないのは経済合理性がない」とコメントしていたそうだが、まさにその通りで、アップル側から見れば、国内で約50%のシェアを持つNTTドコモは非常に魅力的な市場というわけだ。NTTドコモのiPhone導入について、NTTドコモの加藤梠纒\取締役社長はインタビューや囲み取材などで、過去に何度となく、「条件が難しい。2割、3割なら、扱えないことはないが……」と述べている。NTTドコモの契約数は約6000万を超えており、スマートフォンやフィーチャーフォンなどに限ったとしても、約2割で1000万台前後の販売が見込めるわけだ。アップルにしてみれば、仮にソフトバンクやauのiPhoneからのMNPがあったとしても市場全体に占めるiPhoneの数は確実に増えることになる。

 ところで、NTTドコモがiPhoneをなかなか扱わないことについて、アップルが提示する条件が厳しいという話は過去にも何度も伝えられている。取り扱い条件が開示されているわけではないので、真偽のほどは定かではないが、「事業者内の販売台数に対し、一定のシェアが必要」「iPhoneのみに割安な料金プランが必要」「得られた通信料金からアップルに対して、支払いが必要」など、いろいろなことが取り沙汰されてきた。

 しかし、アップルのiPhoneのビジネスもひとつの転換期を迎えているという指摘があり、こうした流れが条件緩和につながるのではないかという見方もできる。

 これは国内というより、海外のニュースサイトなどで指摘されることが多い話だが、iPhoneは元々、付加価値の高い商品であり、携帯電話業界的には高価な商品のひとつとして扱われてきた。しかし、そういったユーザー層への拡大は徐々に落ち着いてきており、今後はより普及モデルを展開していかなければならない状況にある。

 例えば、これまでは各国で、日本で言うところのソフトバンクやKDDI/沖縄セルラーといったクラスの通信事業者がiPhoneを扱ってきたのに対し、昨年あたりから米国ではMVNO各社がiPhoneを扱い始めたり、プリペイドで利用できるiPhoneなども販売されたりしているという。

 そして、今回発表される次期iPhoneの噂の中に、iPhone 5Cと呼ばれる普及モデルがあり、背面を樹脂製にすることでコストダウンを図っていると伝えられているが、これもそういった市場動向に対する回答になっているというわけだ。

 各携帯電話事業者のビジネスモデルも少しずつ変化してきており、今後は、今までのような一時的な販売奨励金などで顧客を釣るような販売施策では難しいという声もある。スマートフォン市場全体も高付加価値商品と普及モデルに二極化が進んでおり、この状況に対応するには、アップルも今までのような強気のビジネスが展開できないとも言われている。

 また、アップルとしては、確かにiPhoneがひとつの稼ぎ頭であることは間違いないが、同社にはiPadやMacといったハードウェアがあり、iTunesというコンテンツビジネスもある。こうした事業を展開していくうえで、iPhoneは非常に重要なデバイスであり、そのためにもブランドイメージをしっかりと保持しつつ、幅広いユーザー層に使ってもらえるように、商品ラインアップを展開していかなければならない。

 元々、アップルの製品は統一された世界観が非常に優れており、「iPhoneを買ったから、パソコンをMacにした」「iPhoneの次はiPadを買った」という人も少なくない。事業の転換期を迎えている今だからこそ、iPhoneにまつわる条件を多少緩めたとしても、日本においては「NTTドコモ」という大きな市場を開拓する必要があるというわけだ。

現実的にドコモ版iPhoneはあり得るのか?

 これまでのiPhone導入時の状況、国内の携帯電話事業者でのiPhoneの展開、NTTグループ内での多様な意見、国内外の市場でアップルが置かれている状況などを説明してきたが、では、現実問題として、この秋、ドコモ版iPhoneは登場する可能性があるのだろうか。

 結論を先に書いてしまうと、筆者はこの秋、NTTドコモが次期iPhoneを扱う可能性は十分にあると見ている。

 これまで筆者は「おそらくNTTドコモはiPhoneを扱わないだろう」「アップルがSIMフリー版を販売すれば、十分ではないか」という意見を述べてきたが、ここのところの業界内の動向や関係者のコメントなどを総合すると、状況が大きく変わってきたと見ている。

 まず、前述のくり返しになるが、アップルとして、NTTドコモは大きな市場であり、ここにiPhoneを導入しない理由は『経済合理性がない』と言える。それ以上に、ユーザーからは「NTTドコモでiPhoneを出して欲しい」という声が挙がっているのであれば、NTTドコモとしてもアップルとしてもこれに答えるべきだろう。現在、国内では並行輸入版のiPhoneが流通しているが、NTTドコモやNTTドコモの回線を利用するMVNO各社のSIMカードを挿してもLTEで接続することはできない。これもユーザーにしてみれば、不幸な話だ。

 また、一部の業界関係者からは、NTTドコモは同社ネットワークでのiPhoneの動作テストをすでに終えており、ネットワーク的にはいつでも導入できる状況が整っているという話も聞く。iPhoneに限った話ではないが、各携帯電話事業者はここ数年、スマートフォン導入に伴い、何度となく通信障害を起こしているが、それを見越したテストを実施したということを意味しているのかもしれない。

 ただ、メールについては、spモードメールがiPhoneでそのまま利用できるとは考えにくい状況で、仮にドコモ版iPhoneが実現しても当面はメールサービスを一部制限することになるかもしれない。NTTドコモではspモードのメールの後継サービスである「ドコモメール」導入が遅れ、今秋サービスインの予定となっているが、もしかすると、iPhoneではこのドコモメールを利用することになるのかもしれない。ちなみに、メールについては、ソフトバンクもauもiPhone導入時に少し手間取っており、そのことを考えれば、多少はリスクがあるかもしれない。

 そして、ドコモ版iPhoneが登場したときの反響だが、当然のことながら、これは大きなものになるだろう。NTTドコモに端末を納入しているメーカーにとって、iPhoneというライバルが登場することは大きな障壁になりそうだが、すでにNTTドコモに端末を納入してきたNECカシオがスマートフォンから撤退し、パナソニックモバイルもNTTドコモ向けの供給を検討課題としているため、影響は以前に比べると、限定的という見方もできる。

 ソフトバンクやauについても、一定のユーザーがMNPでドコモに移動することになるかもしれないが、両社ともこれまでiPhoneを扱ってきたノウハウが蓄積されており、仮にドコモ版iPhoneが実現しても、どれだけのユーザーが移行するのかは未知数だ。先日、KDDIの田中孝司代表取締役社長がauのネットワークについての会見を行なった際、「ドコモからiPhoneが発売されることを前提に準備を進めている」とコメントしており、迎撃態勢はすでに整っているようだ。

 まだ、次期iPhoneが正式に発表されたわけでもなければ、NTTドコモが扱うことが明らかになったわけではないが、機が熟してきつつあるのは間違いない。アップルの次期iPhoneの発表を待ちながら、今後の各社の動向に注目していきたい。

法林岳之

1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows 8」「できるポケット docomo AQUOS PHONE ZETA SH-06E スマートに使いこなす基本&活用ワザ 150」「できるポケット+ GALAXY S4」「できるポケット au iPhone 5 スマートに使いこなす 基本&活用ワザ 210」「できるポケット SoftBank iPhone 5 スマートに使いこなす 基本&活用ワザ 210」「できるポケット+ Optimus G Pro」(インプレスジャパン)など、著書も多数。ホームページはこちらImpress Watch Videoで「法林岳之のケータイしようぜ!!」も配信中。