法林岳之の「週刊モバイルCATCH UP」

完成度を高めつつ、3D Touchなどで新しい体験「iPhone 6s/6s Plus」

 9月9日、アップルは主要製品のラインアップを一新する発表を行った。なかでも多くの人がもっとも期待を寄せ、注目していたのは、やはり「iPhone 6s」と「iPhone 6s Plus」だ。国内でも発表会直後の9月12日から予約が開始され、25日から販売がスタート。筆者も実機を手にすることができ、ようやく1週間ほど、試すことができたので、使用感などを踏まえながら、iPhone 6sとiPhone 6s Plusのレビューをお伝えしよう。

完成度を高めてきたiPhone

 2008年7月にソフトバンクから「iPhone 3G」が発売されて以来、7年超の時を経て、国内市場にしっかり定着した感のあるiPhone。簡単に振り返ってみると、2009年6月に「iPhone 3GS」、2010年6月にソリッドなデザインを採用した「iPhone 4」、2011年10月にはソフトバンクに加え、auも扱うことになった「iPhone 4s」、2012年9月にはLTEに対応し、画面サイズをひと回り大きくした「iPhone 5」、2013年9月にはiPhone初のバリエーションをラインアップし、ついにNTTドコモが扱うことになった「iPhone 5s」と「iPhone 5c」、そして、昨年9月には丸みを帯びたデザインに一新し、画面サイズの異なるモデルをラインアップした「iPhone 6」と「iPhone 6 Plus」と展開してきた。iPhoneの世代をどう表現するのかはなかなか難しいが、国内で販売されなかったGSM版の最初のiPhoneを含めると、これまでに8世代のiPhoneシリーズが世に送り出されてきたことになる。

 すでに多くの人が認識しているだろうが、この流れを見てもわかるように、iPhoneは基本的に2年に一度のタイミングでボディデザインを一新し、その間の年は内部的な機能を更新するという周期で取り組んでいるようだ。クルマで言うところのフルモデルチェンジとマイナーチェンジのような関係にも見えるが、OSのバージョンアップなども絡んでくるため、毎回、ユーザーに新しい驚きと体験を与えてくれる。

 これまでiPhoneはこうして世代を積み重ねることで、着実に完成度を高めてきたわけだが、iPhoneが新たに採用した機能などがその後のスマートフォン全般のトレンドを創り出し、ライバルのスマートフォンをリードする流れにもなってきた。

 たとえば、iPhone 5が対応したLTEはその後、各社が追随することになり、国内のLTE普及を後押しすることになった。国内では富士通などの一部のメーカーしか採用していなかった指紋認証センサーはiPhone 5sで搭載されると、徐々に採用例が増え、今年の秋冬モデルでは大半の機種が採用することになった。グローバル市場で見ても指紋認証センサー搭載スマートフォンが増えており、こちらも普及をプッシュした形となっている。この他にも64ビットCPU搭載をはじめ、スローモーションやタイムラプスなどの多彩なカメラ機能、メタル製のユニボディなど、技術的な細かい部分も含め、市場のトレンドをリードしてきた印象だ。

 また、日本はiPhoneのシェアが非常に高いが、元々、日本の消費者はさまざまな商品に対して、高いクオリティを求めると言われており、国内におけるiPhoneのシェアの高さはその厳しい日本のユーザーのお眼鏡に期待にしっかりと応えてきた証とも言える。単純に先端のテクノロジーを追うだけでなく、ユーザビリティを向上させながら、商品としての完成度を高めてきたからこそ、今日のiPhoneの位置付けを獲得できたと言えるだろう。

同じだけど、まったく違うiPhone 6s/6s Plus

 さて、国内では9月25日に発売されたiPhone 6s/6s Plusだが、前述の周期で言えば、フルモデルチェンジの間の年に当たるため、外見は昨年のiPhone 6/6 Plusとほぼ同じデザインを踏襲している。新たにボディカラーにローズゴールドが追加されたが、その点を除けば、端末を手にしたとき、違いがわかるのは背面の「S」と記載されたロゴくらいだ。しかし、内容的には新しい操作である「3D Touch」をはじめ、まったく違うiPhoneとして仕上げられている。

 まず、ボディは従来モデルと同じ丸みを帯びたデザインを採用し、7000シリーズのアルミニウムによるユニボディで仕上げられている。ただ、まったく同じ筐体というわけではなく、iPhone 6sは従来モデルと比較して、幅で0.1mm、高さで0.2mm、厚さで0.2mm、iPhone 6s Plusは0.1mm、高さで0.1mm、厚さで0.2mm、いずれも大きくなっている。わずか0.1〜0.2mmの違いなので、手に持ったときのサイズ感はほとんど変わらないが、iPhone 6s/6s Plusは従来モデルのカバーを装着しようとすると、製品によっては少しキツくなってしまう程度の違いがある。ちなみに、アップル純正のカバーも新たに発売されているものは「iPhone 6s用」「iPhone 6s Plus用」となっており、従来のiPhone 6/6 Plus用とは区別されている。

 表面のガラスについては、「現在、スマートフォンでもっとも強いガラス」と表現されている。ここで「硬いガラス」と表現されていないのは、今回のiPhone 6s/6s Plusの特徴のひとつである「3D Touch」のユーザビリティに関係している。

 ボディそのもののサイズ感は変わらないが、手にしたとき、少し差を感じるのが重量だろう。iPhone 6sで14g、iPhone 6s Plusで20gの増量となっている。iPhone 6/6 Plusとの比較だから、「少し差を感じる」程度の表現だが、iPhone 5sとの比較になると、iPhone 6sで31g増、iPhone 6s Plusで80g増ということになってしまう。ディスプレイサイズが大きく異なるため、一概に比較できない部分もあるが、iPhone 5s以前のユーザーは持ち歩き方も含め、少し気をつけた方が良さそうだ。

 ボディサイズに大きく影響するディスプレイサイズは、従来モデルのラインアップを継承し、iPhone 6sが1334×750ドットの4.7インチディスプレイ、iPhone 6s Plusが1920×1080ドットの5.5インチディスプレイを搭載する。解像度やコントラスト、最大輝度などの仕様は同じだが、従来モデルと違い、後述する3D Touchに対応しているため、部品としてのディスプレイは別物ということになる。ちなみに、前述の従来モデルとの重量差の主な要因は、おそらく3D Touch対応のため、ディスプレイに感圧センサーやTaptic Engineを搭載していることが関係している。

 また、CPUについては従来モデルのA8チップに代わり、64ビットアーキテクチャのA9チップと組み込み型M9モーションコプロセッサで構成されている。アップルによれば、従来のA8チップに比べ、CPUパフォーマンスで最大70%、GPUパフォーマンスで最大90%の高速化が図られているとのことだが、実際に操作した印象もかなりキビキビ動くようになったと感じられるレベルだ。

 CPUパフォーマンスと密接に関係するバッテリー駆動時間については、1週間程度の利用でしかないが、普段持ち歩いていても従来モデルに比べ、少し電池の減りが緩やかになった印象を持った。iPhoneに限らず、どんなスマートフォンでもパフォーマンス向上とバッテリー駆動時間の関係はバランスの取り方が難しいが、今回のiPhone 6s/6s Plusはパフォーマンスを向上させつつ、バッテリー駆動時間をほぼ同等か、少し長持ちするレベルに仕上げたということになる。もっともこれはハードウェアのみに起因するものではなく、iOS 9というプラットフォームのチューニングによるところも大きい。

 ボディ周りのハードウェアでは、従来モデルに引き続き、指紋認証センサー「Touch ID」がホームボタンに内蔵されている。基本的な操作は従来モデルと変わらないが、アップルでは認識の速度が2倍に向上したとしている。こうしたハードウェアの反応速度の向上は、実使用ではなかなかわからないものが多いが、iPhone 6s/6s PlusのTouch IDは使っていて、「なんか速くなったな」と実感できるほどの違いがある。

使いやすく進化したiOS 9

 標準でインストールされているiOS 9については、9月17日に既存のiPhone/iPad向けに公開され、iPad mini 4にもプリインストールされているが、iPhone 6s/6s Plus発売を前にした9月17日には、「iOS 9.0.1」が公開されているため、初期出荷分のiPhone 6s/6s Plusを購入したときは、セットアップ後にアップデートの操作が必要になる。その後、10月1日にも「iOS 9.0.2」が公開されており、いくつかの不具合が解消している。iOS 9の新機能については、iPad mini 4の「SplitView」のようなものがないが、ホーム画面から右にスワイプしたときに表示される検索画面やホームボタンを二度押ししたときに表示されるアプリ切替画面など、画面表示のスタイルがいくつか変更されている。

 実際に使っていて、「あ、iOS 9って、こうなったのね」と感じさせるものとしては、ひとつ前の画面に戻る操作が上げられる。細かいところだが、たとえば、受信メールに含まれるリンク(URL)を選び、Safariを起動して、Webページを表示したとき、画面左上には[メールに戻る]が表示され、ここをタップすると、メールの画面に戻ることができる。iPhone/iPadの場合、物理的なキーがホームボタンひとつしかなく、他のプラットフォームの[戻る]キーのような操作がしにくい環境にあったが、これでひとつ解消されることになる。

新しいタッチ操作「3D Touch」

 さて、今回のiPhone 6s/6s Plusで、もっとも注目されている新機能と言えば、やはり、新しいタッチ操作である「3D Touch」が挙げられるだろう。2008年にiPhoneが登場するまで、ディスプレイをタッチする操作は「タップ」「ダブルタップ」などのシンプルな操作が主流だったが、アップルはiPhoneに複数の点で画面に触れて、さまざまな操作を実現する「マルチタッチ」を搭載し、スマートフォンのユーザビリティを大きく拡げることに成功した。その後、マルチタッチは各社のスマートフォンにも標準的に搭載され、パソコンのWindowsでも使われるようになってきたことは、誰もが知るところだ。

 今回のiPhone 6s/6s Plusに搭載された「3D Touch」は、iPhoneにとって、初代モデルのマルチタッチ以来の大きな変革の1つであり、新しいユーザビリティを実現している。3D Touchは簡単に言ってしまえば、画面を指先で押したときの圧力を検知する「プレス」という操作で、さまざまな機能を起動するものだ。ディスプレイには容量性圧力センサーが内蔵されており、少し力を加えて押すと、Taptic Engineによるフォースフィードバックと共に、メニューなどが起動されるしくみだ。フォースフィードバックはちょうど画面の裏側からディスプレイをコンコンッと叩いたような反応がある。同様のプレス操作とフォースフィードバックは、Apple WatchのディスプレイやMacBookのタッチパッドなどにも搭載されているもので、アップルが新しいユーザビリティとして定着させようとしていることがうかがえる。

 具体的な機能としては、まず、アプリのアイコンが並ぶホーム画面で、アプリのアイコンをプレスすると、そのアプリの代表的な機能の一覧がメニューで表示され、そこをタップして起動することができる。たとえば、カメラであれば、「セルフィーを撮る」「ビデオ撮影」「スローモーション撮影」「写真を撮る」が表示され、電話であれば、[新規連絡先を作成]のほかに、「よく使う項目」に登録された相手の連絡先が表示される。アップルの[マップ]のプレスで表示される「自宅への経路」「現在地をマーク」「自分の現在地を送信」「周辺検索」は、いずれも実際の利用シーンでも役立ちそうな項目だ。

 また、個別のアプリでも便利な使い方ができる。「のぞく」という意味を持つ「ピーク(Peek)」という操作で、メールやメッセージアプリで一覧表示をしているとき、メールをプレスすると、内容が「ポップ(Pop)」表示される。さらに、このピーク&ポップで内容が表示されている状態で、そのまま上方向にスライドさせると、[返信][転送][マーク][自分に通知][メッセージを移動]という項目が表示され、メールの返信を作成したり、他の人に転送したりできる。メールの内容がポップされた状態で、もう一段、プレスすることで、メールを通常表示(開いた状態)に切り替えることも可能だ。ちなみに、SMSなどで利用するメッセージの場合は定型文として、「OK」「ありがとう!」「後で話しますか?」が表示され、さらに自分で定型文メッセージをカスタマイズすることもできる。

 この他にも写真ではサムネイル表示からポップで拡大表示したり、カレンダーも月表示で特定の日をプレスして、内容を表示したり、SafariもWebページを表示しているときにリンクをプレスして、リンク先のWebページをポップ表示するといった使い方ができる。

 ただし、これらの機能が利用できるのはアプリが対応している場合のみで、当初はアップルの標準アプリを中心に対応する。ホーム画面でのアプリアイコンのプレスからのメニュー表示もすべての標準アプリが対応しているわけではなく、未対応のアプリについてはTaptic Engineによる反応と同時に、画面表示が一瞬、切り替わるのみで、すぐに元の状態に戻るため、未対応であることがわかる。

 さて、この3D Touchの使い心地についてだが、うまく操作がハマれば、なかなか心地良く使えるものの、まだ対応アプリが限られているうえ、ユーザー自身も慣れというか、頭の切り替えが必要だ。特に、iPhone 6s/6s Plusの他に、iPadなどを併用しているユーザーはiPadでも3D Touchと同じような操作をしてしまう可能性もあり、やはり、慣れと切り替えが重要になってきそうだ。とは言うものの、新しい操作としてはなかなか快適なものであり、こういう新鮮な感覚が味わえるのもiPhoneならではの楽しみと言えそうだ。

 ところで、この3D Touchが搭載されたことで、液晶保護フィルムや保護ガラスを貼った場合の操作感がどうなるかが気になったが、筆者が複数のiPhone 6s Plusに液晶保護フィルムや保護ガラスを貼ってみたところ、とりあえず、現時点では問題なく、操作できている。保護フィルムはまず問題が起きることがなさそうだが、保護ガラスについては念のため、購入前にiPhone 6s/6s Plusでユーザーの評価をチェックすることをおすすめしたい。

ワンランクアップしたiSightカメラ

 3D Touchに注目が集まるiPhone 6s/6s Plusだが、ハードウェアではもうひとつ大きく仕様変更されている。それはカメラだ。

 従来のiPhone 6/6 PlusのiSightカメラには、800万画素のイメージセンサーが採用されていたが、基本的なセンサーの解像度は2011年発売のiPhone 4s以降、共通となっていた。もちろん、毎回、カメラについてはチューニングが行われており、モデルごとに着実に進化を遂げてきたが、今回は搭載されるイメージセンサーを1200万画素のものに変更し、一段と美しい写真を撮影できるようにしている。

 もともとiPhoneのカメラについては、どんなシチュエーションでも安定してキレイな写真が撮影できるという印象を持っていたが、今回の1200万画素のiSightカメラも同じ方向性をキープしながら、全体的に被写体の輪郭などが一段とくっきりと撮影できるようになったようだ。スマートフォンに搭載されるカメラは一般的に画素数が多くなると、ノイズが増えて、暗いところでの撮影が今ひとつになってしまうことがあるが、iPhone 6s/6s Plusについては従来モデルとほとんど変わらない撮影が可能だ。ちなみに、iPhone 6s Plusについては従来モデルに引き続き、光学手ぶれ補正が搭載されているため、明かりの少ないところでも手ぶれを抑えた写真を撮影できる。

 一方、ディスプレイ側には500万画素のFaceTime HDカメラが搭載されるが、こちらはイメージセンサーのスペックこそ、従来モデルと同等であるものの、新たに自分撮りにも便利な「Retina Flash」という機能が搭載されている。このRetinaFlashはiSightカメラ横に備えられているような専用のLEDフラッシュではなく、ディスプレイを専用のチップで駆動し、色味を調整して光らせることで、フラッシュの役割を果たすというユニークなもので、広いディスプレイを光らせるため、かなりの光量を得ることができる。しかも色味が調整されているため、自分撮りの肌色なども自然な色合いで再現することが可能だ。iSightカメラのスペック向上もうれしいが、昨今のセルフィーブームを考えると、こちらの方が多くのユーザーにウケそうな印象だ。

 カメラに関連する部分で、もうひとつ面白いと感じられたのが新たに搭載された「Live Photos」だ。これは写真を撮影するとき、同時に数秒の動画を録画するというものだ。撮影した動画付きの写真はiPhone 6s/6s Plusの写真アプリで表示でき、写真のいずれかの部分を3D Touchでプレスすると、撮影した瞬間の動画が再生されるというしくみだ。たとえば、一見、子どもが笑っているだけの写真だが、プレスすると、写真の中の子どもが動き出し、笑い声がいっしょに再生され、臨場感のあるシーンを思い出させてくれるわけだ。撮影したLive Photosは端末内で再生できるだけでなく、ロック画面などに設定することも可能だ。イメージングの楽しみ方としては、なかなか面白いアプローチだが、今のところ、Live Photosを再生できるのはiPhoneをはじめとするアップル製デバイスに限られている。今後、FacebookやTwitterなどでサポートされるようになれば、今まで以上にその場の感動を伝えられるようになりそうだ。

 この他にも従来モデルからサポートされているタイムラプス撮影やスローモーションビデオなどに加え、新たに4K動画の撮影、iMovieによる4K動画の編集などもサポートされており、写真もムービーも撮影と閲覧、編集などがトータルで楽しめる環境に仕上げられている。

完成度を高めながら、新しく生まれ変わったiPhone 6s/6s Plus

 国内にiPhoneが登場して、早7年。この間にスマートフォンは進化を遂げ、フィーチャーフォンが強いと言われた国内市場にもしっかりと定着することができた。その最大の功績はやはり、iPhoneによるところが大きく、そのことが現在の国内市場でのiPhoneの強さに結び付いている。

 2007年に発売された初代iPhoneから数えて9世代めに位置付けられるiPhone 6s/6s Plusは、これまでアップルが推し進めてきたiPhoneの進化を継承しながら、一段と完成度を高めたモデルに仕上げられている。しかし、単純にこれまでの機能をブラッシュアップすることによって、完成度を高めるのではなく、3D TouchやLive Photosをはじめ、新しいユーザビリティにも取り組んでおり、今までと同じ、もしくはそれ以上にユーザーを楽しませてくれるiPhoneとして作り込まれている。

 現在、国内市場ではiPhoneユーザーの多くが2年周期程度で買い換えると言われているため、今回はiPhone 5s以前のユーザーが主な対象ということになる。今回のiPhone 6s/6s PlusはiPhone 5s以前と比べて、2つの画面サイズが選べるとは言え、ひと回りもふた回りもボディサイズが大きくなってしまうため、機種変更に躊躇するユーザーがいるかもしれない。しかし、グローバル市場の流れから見て、アップルが将来的に4インチ前後のディスプレイを搭載したiPhoneを開発するとは考えにくいうえ、2016年モデルでiPhone 6sと同じ4.7インチディスプレイを搭載したiPhoneがラインアップされるかどうかもわからない。これらのことを考慮すれば、iPhone 5s以前のユーザーは、今回のiPhone 6s/6s Plusのタイミングで買い換えた方が堅実という見方もできる。もちろん、長く使うことができれば、それはそれでいいことなのかもしれないが、iOSがバージョンアップして、要求されるスペックが高くなってくることを考えてもやはり、よりパワフルなモデルに買い換えた方が安心と言えそうだ。携帯電話事業者によっては、iPhone 5s以前のユーザーに対し、クーポンなどを提供することで、機種変更しやすい環境を提案しているところもあるので、それらをうまく活用するのも手だ。

 iPhone 6s/6s Plusを購入するうえで、ひとつ懸念事項があるとすれば、やはり、10万円前後にも達してしまった価格だろう。各携帯電話事業者から購入するものについては、月々サポートなどの月額割引制度が利用できるため、実質負担額を少し抑えられるが、それでも5万円前後の価格になってしまうため、それなりにユーザーの負担は大きい。新規購入やMNPであれば、ある程度、優遇措置があるかもしれないが、機種変更のときはこれまで使ってきたiPhoneを中古などで売却することも考えつつ、少しでも負担を軽減できるようにしていく必要がありそうだ。ちなみに、今回のiPhone 6s/6s Plusは16/64/128GBのモデルがそれぞれラインアップされているが、特別な理由がない限り、はじめてのユーザーでも64GB以上のモデルを購入することをおすすめしたい。16GBのモデルは価格が安いが、写真やアプリなどで、ストレージが足りなくなってしまうことが多く、Androidスマートフォンなどと違って、メモリーカードが装着できないiPhoneでは結果的に使いにくい環境になってしまうからだ。

 また、今回のiPhone 6s/6s Plusは発売当初からSIMロックフリー端末が販売されており、各携帯電話事業者が販売するiPhone 6s/6s Plusも一定の条件に基づき、SIMロックを解除できる。これを活かして、MVNO各社のSIMカードを利用するのもひとつの手だ。MVNO各社のSIMカードをiOS 9で利用するには、「Cellular Payload」と呼ばれる形式のプロファイルが必要とされるが、iOS 9公開当初、いくつかのMVNO各社はこの形式のプロファイルを提供することができず、少し混乱した部分も見受けられた。しかし、現在はほとんどのMVNOが「Cellular Payload」形式のプロファイルを提供しており、問題なく、利用できている。筆者も今回、IIJmioなどのSIMカードを利用したが、いずれもまったく問題なく、利用することができた。

 今回のiPhone 6s/6s Plusは予約販売を中心に展開したため、発売日の混乱もなく、入手も比較的スムーズだと言われている。今のところ、iPhone 6s Plusが品薄で、カラーではローズゴールド、ストレージでは128GBのモデルが少ないとされている。なかでもiPhone 6s Plusは各社とも入荷が少ないようで、しばらくは入荷待ちが続くことになるかもしれない。携帯電話各社の系列店、アップルストア、家電量販店などではデモ機も置かれているので、ぜひ一度、実機を手に取り、iPhone 6s/6s Plusの新しいユーザー体験を試していただきたい。