パソコンで地デジ観てリラックス!?
PC用地デジチューナー「GV-MVP/HZ2W」

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


パソコンで地デジ観てリラックス!?

 俺の場合、自宅仕事場でパソコンと向き合っている時間が多い。ダラダラと仕事してるわけなんですけど、ときどき、気分転換に“動く絵”を観たくなる。ので、PC用の地デジ(フルセグ)チューナーを買ってみた。

 購入したのはアイ・オー・データ機器「GV-MVP/HZ2シリーズ」の、「GV-MVP/HZ2W」。チューナーを2基内蔵したダブルチューナーモデルですな。Amazonで1万4385円だった。

アイ・オー・データ機器のGV-MVP/HZ2W。PCとUSB接続すると、PCが地デジチューナー/レコーダーになるという製品だ。通常使用にはやや高いPCスペックが必要になる。2008年8月現在の実勢価格は1万4000円前後GV-MVP/HZ2Wを使った結果。拙者環境では非常にイージーに“PCを地デジテレビ化”できた。画質なども良好。セットアップ~使用まで、大きなトラブルはなかった

 気分転換に“動く絵”を観たくなると前述したが、これマジ。静止しているテキストをずーっと見てると目の疲れを通り越してクラクラしてくるんスよ。リフレッシュ方法はいろいろあると思うが、拙者の場合は動画を何となくボーッと眺めるのがいちばん効く。

 のだが、仕事の合間にYouTubeなんか観ちゃうとヤバい。オモシロ過ぎでありディープ過ぎなので逆に注視しちゃって、動画閲覧疲れしてしまう。
 じゃあフツーにテレビ観れば? となるが、仕事場を離れてテレビのトコロまで行くと、5分休憩のつもりがいつしか10分15分と長引き「……仕事は明日でいいかな」てなコトに。

 それでUSB接続のワンセグチューナーをポチポチと使っていたのだが、これだとイマイチ。目的は何となく動画を眺めてのリフレッシュなのだが、画質がザラザラだと“眺めていてイラつく”のであった。情報を得るために音声や動画にやや集中しつつ観るなら、あのワンセグ画質でも大丈夫なんだが、ボーッとしている状態で視野に入るザラザラ画質はリラックスになりませんな。

 そんなわけで上記のGV-MVP/HZ2Wを購入した。仕事の合間の一休みに地デジを全画面表示とかして、ボーッとCMやニュースなんかを眺めたり、ときには「仕事終わったらコレ観よう」的な番組をPCに録画したりするのだ。

 てなわけで以降、GV-MVP/HZ2Wの使用感などを書いてみたい。

拙者の環境では大きな問題ナシ

 GV-MVP/HZ2W(以下、HZ2W)を買った理由は、USB接続の外付けモデルであり、ダブルチューナー仕様だから。また、電源がUSBバスパワーである=別途ACアダプタなどが必要ナイという点も良さそうに感じた。

端子はUSBポートとアンテナ用F型コネクタのみ。本体サイズは約98×25×92mm(突起部含まず)と非常に小さい本体裏面にB-CASカードを入れて使う。カードは出っ張らずに収まるパッケージには「地デジWチューナー搭載」の文字が。にしても、ミョーにデカくてスカスカのパッケージなんですけど

 ただ、下調べ時にちょっと不安があったHZ2W。メーカーの対応機種表を見ると、拙者のデスクトップ機でフツーに動作しそうだった。が、ネット上の評判がどーもよろしくない感じ。録画に失敗したとかエラーが出たとか。一方で問題なく動いているという人もあるようだ。

 しかし、こういった外付けのPC用地デジチューナー製品で、USBバスパワーかつダブルチューナーって製品は他に知らない。のでコレを選ぶしか!! みたいな気分に。

 ま、著作権保護方面とか、ソフトウェア動作環境とか、もちろんPCのパフォーマンスとか、このテのハイビジョンなデータを扱う製品は、まだまだ相性問題なんかがあるんでしょうな、どの製品買ってもハマるときゃハマるんでしょうな、的に無理矢理達観し、HZ2Wにイッてみたというわけだ。

 で、結果、拙者環境でHZ2Wが抱えた問題は、インターレース表示絡みで映像がギザギザな感じに表示されちゃうというコトだけだった。インストールはほぼウィザード任せで、セットアップ後はすぐにHZ2Wの各機能を使えるようになった。また、そのインターレース表示絡みの問題は、ビデオカードのドライバ設定を変えることで解決できた。

 それから、イキナリであるが全体的な使用を通しての難点を書いてしまうと、HZ2W使用時に必ず使うことになるソフトウェア(mAgicTV DigitalやmAgicガイド Digital)の挙動がミョーに遅い場合があるということ。とくに映像表示のためのソフトウェアであるmAgicTV Digitalは、起動もチャンネル変更も再生コンテンツ切り替え時も、なーんか待たされる感じ。HZ2W本体となにかやり取りしてるから遅いの? みたいな雰囲気。

視聴用ソフトウェアであるmAgicTV Digitalの表示例。起動時やチャンネル切り替え時に若干の“待たされ時間”がある。電子番組表ソフトウェアであるmAgicガイド Digital。挙動はある程度スムースだが、予約録画や視聴などの要素が加わる操作をすると、若干待たされる感じが。

 PCの拡張スロットに挿すタイプの地デジチューナー製品だとこういった“遅さ”が少ないという話も聞く。が、まぁ、地デジ観まくり録りまくりというスタンスで使うわけではないので、拙者的には我慢できる範疇かな、という印象だ。

 ちなみに、HZ2Wをインストールした拙宅仕事場デスクトップ機は、このページにあるとおり。多くのソフトウェアがクイックに起動~動作するまずまず高性能なマシンだが、な~んで上記のmAgic○○ソフトだけ遅いの? てな疑問は残り続けている

チラ観・ダラリ視聴が安楽なmAgicTV Digital

 HZ2Wをしばらく使っていて、結局、案の定、やっぱ地デジは映像がキレイだなぁと思ったりして。当然っちゃぁ当然ですけどネ。

 やはりですね~、単にボーッとして眺めるだけの動画でも、緻密でキレイってのは重要ですな。あー疲れたテレビでも眺めよう的な状況では、単にCMの映像がキレイだったりするだけでも、なんかこう、アタマの緊張がほぐれるような感覚。もちろん、観たい番組をシッカリ視聴したい場合も、この表示の美しさは有り難い。

 HZ2Wで番組やその録画を視聴するために使うアプリはmAgicTV Digital。シンプルなインターフェースを持ち、比較的に容易に扱える。また、画面サイズも自由に変更でき(もちろんフル画面表示も可能であり)、全体的に快適に扱えるアプリだと感じる。

mAgicTV Digitalの表示例。最も小さく表示したところ通常サイズと呼ばれる表示サイズ。著作権上モザイク処理したが、非常に高精細な動画が表示されている1920×1200ドットのディスプレイで全画面表示にしたところ
mAgicTV Digitalのコントロールボタン類を非表示にすることもできる。マウスオーバーでボタン類が表示されるNHK教育テレビを受信中にデータ放送を利用しているところ。双方向リモコン(右側)を表示させて、そのボタン類をクリックして操作する。映像上のメニューは直接クリックできないコンテキストメニューからもさまざまな操作を行える

 何となくテレビを眺めたり録画を眺めたりするにおいては、フツーに実用的なmAgicTV Digitalだと思う。が、細かな仕様に疑問が残ったりも。

 例えば字幕表示。具体的な表示をキャプチャできなかったのでお見せできないが、字幕が画面のド真ん中に表示されることがあったり、フォントがヤケにチープだったりするのが気になる。映像とは別のデータなんだから、ゼヒ!! 映像の下側とかに字幕表示エリアを追加して表示して欲しいところだ。

 あと、これはmAgicガイド Digital(電子番組表ソフト)絡みのことだが、電子番組表データを更新しているときはmAgicTV Digitalを使えないということ。ダブルチューナーなんだから片方を視聴用に、片方はEPG取得用に使っても良さそうなモンだが、そういう仕様にはなっていない感じ。

 ほかにも、地デジ対応テレビではフツーにデキるのにHZ2Wやその付属ソフトでは全然できないコトってのもある。例えば番組視聴中に録画を開始すると、(ダブルチューナーなのに)チャンネル変更ができないこと。ま、地デジ対応テレビの場合、ずっと動作中である受信専用機であり、PC用チューナーはそこまで特化されていないということなのだろう。そこまでやろうとするなら地デジ対応のダブルチューナーとかのレコーダーとか使えって感じか?

 そういった細々した違和感はあるが、全体的に非常に容易にパソコンが地デジ対応テレビ/レコーダー化するし、パソコンの画面上で非常にキレイな地デジ映像を観られるので、満足と言えば満足なんですけどネ。

ついつい録画したくなるmAgicガイド Digital

 HZ2Wで利用できる電子番組表は、iEPGもあるが、拙者的には付属アプリのmAgicガイド Digitalが気に入っている。

 mAgicガイド Digitalは、クリック数度でチャンネル変更や録画予約などの操作ができる電子番組表で、録画した番組(ライブラリ)を視聴・管理することができる。

mAgicガイド Digitalの表示例。フォントサイズや縦横の枠スケールを変更できる。ジャンル別の色分けもカスタマイズ可能詳細表示にすると表示する日や選んだ番組の情報が見やすくなる特定の番組を選ぶと、その番組内容やキャストのデータがポップアップ表示される
特定の番組を右クリックすることで、視聴や録画を行える番組のキーワード検索なども可能「ニュース」をキーワードとして検索した結果
こちらはジャンル検索でキーワードを「バラエティ」とした結果。観たい番組を素早く探すのに役立つ任意の時間にEPGを取得することもできる。が、このように時間がかかり、その間は番組の視聴ができない。番組を見ない時間帯に自動取得する設定にするのが現実的だろうこちらは録画済みの番組を一覧しているところ。ここからコンテンツの再生を行える

 てな感じのmAgicガイド Digital。視聴ソフトのmAgicTV Digitalほどは動作が遅くなく、機能的にも実用性を伴った充実感がある。

 拙者的には、数分から数十分程度テキトーにテレビを眺めてリラックスすればいいやって感じなのだが、このmAgicガイド Digitalを使っちゃうと、微妙にヤバい。こんな番組やるのか、これもオモシロそー、的に興味がわいてしまう。同時に、右クリックからの録画予約をしてしまう。

 HZ2Wはダブルチューナーなので「この番組おもしろそーだからあとで観よう」的に録画予約をし始めても、時間帯がカブってどちらかの番組が録画できないというケースが少ない。結果、mAgicガイド Digitalをイジり始めると、最終的に観きれないほどの予約録画がたまったりする。

 ま、そういう番組をあとから飛ばし飛ばし眺めるのも楽しいんですけどネ。てゅーか普通はそーゆー使い方するモンなんでしょうけどネ。

 てなわけで、1万5000円弱で購入したHZ2W。わりと毎日使用中であり、部分部分動作が遅いとかいった不満は残るものの、とりあえずパソコン上で楽しめる地デジ・フルセグとしておおむね満足している。

 シメとして、パソコン持ってれば1万5000円弱で地デジ対応テレビとレコーダーが手に入る!! とか言ってみたいところだが、しかし、このHZ2Wに限らず、PC用の地デジチューナーやキャプチャ関連のハードウェア、相性問題を始めとするトラブルも少なくないようだ。なので、購入する場合は、事前にジックリ調べて、後悔のないようにしておくんニャさい。

2009/8/31 11:00