新型LOOX U……ん~っ、欲しい!!

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


新型LOOX U……ん~っ、欲しい!!

 富士通から2010年1月21に発売された新型LOOX U(G90)従来モデルより大きい感じ? ソニーのVAIO typePより小さい!? サイズ以外にも興味をそそられた点がいくつかあったので、実機をお借りしてイジってみた。

富士通のLOOX U G90。2010年春モデルのFMVシリーズ中、最もコンパクトな“ポケットサイズPC”てな感じ。富士通直販サイトのカスタムメイドモデル価格は8万9800円から

 質量約495g、本体サイズ204×106.5×23.8mm(標準のバッテリパック装着時)。「Real Pocket size」をキャッチフレーズにした新型LOOX Uなんですけど、確かにこのサイズ、ズドンと魅力的。カバンにスッポリと入りそう、とかいう予測以前に、俺、コレが入らないバックを持ってるかニャ的なインパクトがある。

男性ならフツーに片手で持てるボリューム。質量の軽さ(500mlのペットボトル飲料程度)から、片手で持ち歩いても不安な印象はない旧型(2008年モデルのLOOX U/B50N)と比べるとこんな感じ。旧型も超コンパクトだったが、新型は薄さと実用的な携帯感が際立つ拙者が常用する財布と比べたところ。この財布、ややデカめ。お札のサイズから新型LOOX Uのコンパクトさがよくわかる

 このクラスのサイズ/質量のモバイル系PCはほかにもある。んだが、新型LOOX Uには、なんつーか、総合的な魅力っつーか購入後押し要素が備わっているからチョイとヤバい。

 現在の拙者、LOOX Uの2007年モデルと2008年モデルとDELL Inspiron mini 9とVAIO typeT(VGN-TZ90NS)とThinkPadX200Tabletを使っていたりするんですけど、つまり既にモバイルPCは物理的にお腹いっぱい状態なんですけど、それでも、今すぐ新型LOOX U買いたい欲が滲んできている。もちろん「ココがこーだから新型LOOX Uは買わないし」という我慢のための理由も見つけられるんだが、いろいろ天秤にかけると非常に欲しい一台になる。

 てなわけで、以降、拙者の葛藤などを含め、新型LOOX Uを1週間程度使っての印象などを書いてみたい。

ギリギリで絶妙なサイズ

 新型LOOX Uの魅力の源泉は、やはりそのサイズだ。VAIO typePより一回りコンパクトと言えば想像がつくと思うが、十分ラクに持ち歩けちゃうサイズ&質量である。

 ただ、持ち歩きがラクってコトだけ考えれば、旧型のLOOX Uもそうだし、さらにはWILLCOM D4の方が有利だと思う。でも、これらの機種、ハッキリ言っちゃうと、そのサイズの小ささから汎用性における限界があり、「この部分が小さすぎて不便だニャ」的な不満が出てくる。

 ぶっちゃけ、拙者の場合は旧型LOOX Uとかでモバイルすることがあまり多くなくなった。ヘンな話だが、旧型LOOX Uの用途の多くをiPhone 3GやBlackBerry Boldに奪われているカタチ。ノートPCの利便が欲しい場合はVAIO typeTあたりを持ち出しちゃうのだ。

 そんなトコロへ新型LOOX U。どーなのか、と。細々した説明抜きで印象だけを言えば、室内でも屋外でも身近に置いて使いたいと思わせる使用感があった。てゅーかぶっちゃけ、コレがあれば2台の旧型LOOX U完全にお蔵入りじゃね、的な。

 そう思わせたのはギリギリなサイズ。ギリギリ、常時携帯を厭わせない。ギリギリ、キーボードを使う気にさせる。ギリギリ、立ったまま使おうと思わせる。もう少しだけ小型軽量を重視した途端に崩れちゃいそうなギリギリのバランスがあるように感じたのだ。拙者も小さなコンピュータをイロイロ使ってきたが、そのなかでもサイズと使用感のバランスがかな~り絶妙だと思う。

まずまず打てるキーボード

 どのように絶妙か、具体的に。まずはキーボードから。

 新型LOOX Uのキーボードは、キーピッチ約16mmでキーストローク約1.2mm、かな表記ナシの、まあ超小型に類するものだ。旧型LOOX Uよりもほんの少しだけ余裕があるキーボード。旧型のキーボードについて「これで原稿書くの絶対無理」と思っていた拙者は、新型のキーボードにも疑問を抱いていた。使えないんじゃないか、って。

新型LOOX Uのキーボードと拙者の指。かなり小さい。一部キーは変則的な配列で、高密度でもある。……打ちにくそうですな新型LOOX Uのキーはこのようなサイズこちらは旧型LOOX Uのキーボード。新型のそれよりも小さく高密度だ

 しかし実際に使ってみると、一部キーの並びに戸惑いはするものの、短時間でタッチタイプできたりした。英語キーボード派であり指も太い拙者なので、コレで原稿を書くのは無理(というか非常に疲れそう)だと思ったが、検索キーワードをペペッと入力したり、付箋アプリにメモったりする程度なら大きなストレスはない。このキーボード、旧型LOOX Uのそれよりちょっとだけ余裕がある程度なのに、実使用感の差は大きい。

 この時点でまず、新型LOOX U欲しいかもな気分に。結局、拙者の場合、このようなサイズのノートPCに、PCの全ては求めていないのだ。原稿書くとか写真取り込んでイジるとかドキュメント作るとかってのは望んでいない。主にはブラウジング。ドキュメントを開き、メールを送受信し、ウェブを閲覧できて、それらをある程度実用的に行えれば十分だニャ、と。

 ブラウザとしてなら、iPhone 3GやBlackBerry Boldがある程度その役をこなしてくれる。んだが、それら端末よりもずっと快適に文字入力できるとなると……急にPCで使えるブラウザの利便がチラつくようになった。制限なし工夫不要でブラウジングに適する端末となり、しかもその端末、常時携帯楽勝なサイズ/質量。んむ~、欲しいかも、みたいな。

美麗表示だが文字極小のディスプレイ

 次にディスプレイ。拙者的結論から言えば、ちょっとビミョー……なんですけど、じゃあどうすればいいの? と問われると、「ココがこうなればいい」てな答えがそうそう出てこない、なんつーか悩ましい部分/仕様である。

 新型LOOX Uのディスプレイは5.6型ワイド/1280×800ドット。サイズのわりには解像度が高いのである。その結果、Windows7のデフォルト設定では、アイコンも小さく文字もヤケに小さく、タッチパネル式液晶を指先で触ってウィンドウを閉じるのがけっこー至難の業であり、キーボード右上にあるポインティングデバイスのスティックポイントでアイコンをダブルクリックしたりするのも難儀。

5.6型ワイド/1280×800ドットのディスプレイ。発色やコントラストなどは非常に良好で、写真の表示などにも適するが、小型で高解像度ゆえ使いこなしが難しいかもWindows7のデフォルト設定では、デスクトップのアイコンがこのようなサイズになるWindows7でありかつタッチパネルなので指先でのさまざまなタッチ操作ができる。が、デフォルト設定だとターゲットとなるボタン類が小さすぎて操作がタイヘン

 パネル自体はイイ感じである。色もキレイだしコントラストなんかも良好で、文句はほぼナシ。

 ただ、上記の5.6型/1280×800ドットというバランスにはキツいものがある。デフォルトだとダイアログやファイル名などの文字が読みにくい小ささだ。まあ、これは表示フォントのdpi値などを変更するなどして、好みのサイズに合わせればいいだろう。また、フォントサイズを少しだけ大きくすると、たとえば立って使う場合にディスプレイと顔が近い状態なら読みにくさはあまり感じない。

 また、ディスプレイ左側にあるズームボタンを使えば、表示解像度を1280×800ドット/1024×600ドット/800×480ドットの3段階に切り替えることもできる。ツイデに、Windows7&タッチパネルなので、たとえばウェブブラウザの表示文字を指2本の操作で拡大/縮小することもでき、コレかなり便利。

画面左側には3つのボタンが並ぶ。上がズームボタン、中央が辞書ソフトの起動、下が省電力モードへの切り替えとなる表示を一時的に800×480ドットにしたところ。一度に見られる情報量は減るものの、文字の可読性は上がるタッチパネルなのでWindows7のWindowsタッチ機能も使える。指でブラウザをスクロールしたり拡大/縮小できたりするのはたいへん快適だ

 結局、表示文字やアイコンのサイズが「見にくい」と感じたら、フォントサイズ(dpi設定)を調整したり、一時的に表示解像度を変更したり、何かしらのカスタマイズは必要になる。使いやすくするにはチョイと手間がかかるってわけですな。

 それと、ぶっちゃけた話、解像度を活かしつつ読みやすさ見やすさを追求すると、どこかで妥協が生じがち。情報の一覧性を求めれば文字の視認性(大きさ)を我慢することになるし、視認性を求めれば一覧性が下がる、とか。ま、このサイズのミニミニなPCにはアリガチな、悩ましい問題ですな。画面サイズがデカければいいんだが、そうなると本体サイズが……てなわけだ。

 ただ、Windows7のWindowsタッチ機能はイイ感じ。こう言うとナンだが、iPhone 3Gのように指だけでブラウザ表示の拡大率を変えたり、縦横スクロールができたりするのはナイスである。

強烈な後押し理由、モバイルWiMAX対応

 ポータブル~ポケッタブルで、意外に使えるキーボードを持ち、表示の小ささも工夫次第である程度ナントカなる。Windows7で使うと、ちょっと遅いナと感じることはあるものの、でもブラウザ利用~簡単なファイル/ドキュメント操作くらいなら、まあだいたい十分なパフォーマンスを持つ新型LOOX U。

 でも、そこまでだったら「魅力的なマシン」ではあるが、「買いたい」と思わなかったような気がする。新型LOOX Uは常時携帯楽勝のミニノートPCとしては非常に優れたバランスがあると思うが、これに似たバランスや使い勝手のマシンは他にもあると思うからだ。

 しかし、現在、新型LOOX Uが超欲しい拙者。それは、このマシンがデフォルトでモバイルWiMAXに対応しているからだ。

 PHSとか3Gとかと比べると、ヒッジョーに快適(高速)にネット接続できるモバイルWiMAX。通信可能エリアも広がりつつあり、たまにしかモバイルしないユーザーにも向く料金プランも出てきたりして、そろそろ使い時。

 そこへ新型LOOX U。コレがあれば、外付け通信機器とか不要。モバイルWiMAXの利用契約さえすれば即、快適にネット接続しまくれるようになる!! これは、前述の「他にも似た機種があるしな」という“実は敢えて新型LOOX Uを買わずにスルーするための俺的物欲抑制理由”を破壊する仕様なんだよアニキ!! WiMAXしてぇんだよアネキ!! でもガチャガチャなんかアダプタとか装着するのヤなんだよブラザー!! 液晶パッと開いてサクッと起動(Windows7だからネ)してズギャッと通信して快適にモバイルしたいんだよな>俺!! そうそう、現在最もコンパクトだけどギリギリ実用的なマシンでWiMAXしたいの>拙者!! みたいな。

 というわけで、実用レベルで最強に小さく薄く軽くWiMAX対応の新型LOOX U、今にもポチッとしてしまいそうな拙者なのであった。

 が、最近、電子タバコMOD買いすぎのため、先立つものが僅少もしくはゼロ状態なので、以下、新型LOOX Uを買わないための俺的理由を並べてみたい。

 えーと、新型LOOX Uには付属ストラップ付きスタイラス通す穴あるけどソレが左側ってヘンだろ>俺。第一オマエは英語キーボード派だろ、カスタムメイドでも英語キーボードはナイんだぞ>俺。見ろ、USBポートが全部本体手前側だ、通信アダプタを取り付けると邪魔になるぞ>俺。だ~か~ら~WiMAXだっつーの>拙者。

新型LOOX U本体左側にストラップホールがあり、そこに付属のスタイラス(ストラップ付き)を装着できる。……でも、右利きの人には不便なんですけどこの位置意外にもタッチタイプできた日本語配列キーボードを搭載。でもコレが英語配列だったら、拙者的にはさらにミスタイプ率低減な気がするインターフェイス類は本体手前側に集まっている。2つのUSBポートもココ。本体を机上に置いて使うには若干使いにくそうな位置だ。恐らく本体を両手で持って使うことを重視したインターフェイス位置だと思われる


2010/2/15 06:00