ネットでサクッと3D写真を注文

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


ネットでサクッと3D写真を注文

 デジカメWatchにこんなニュースが。フツーのデジカメ写真を3D化し、そのままオンラインで注文でき、3Dメガネとともに立体写真を送ってくれるらしい。ちょいとオモシロげ&便利そう。てなわけで、早速試してみた。

プリントマスターDX2。手持ちの写真を指定し、オンラインでプリントの注文を行える。プリントショップ「ABC.格安デジカメプリント」を利用するためのソフトだプリントマスターDX2に加わった3Dフォト変換機能。普通のデジカメ画像を3D画像(アナグリフ)に変換できる3Dフォト変換機能で処理した写真をプリント注文すると、このようなプリントが送られてくる。これを赤青メガネで眺めるわけですな

 どーゆーコトなのか順を追って説明すると、まず、オンラインで写真を注文できるショップこと「ABC.格安デジカメプリント」ってのがある。Lサイズのプリントを1枚3.9円や5.9円という低価格で印刷してくれるお店ですな。

 このショップ、さまざまな方法でプリントの注文を行えるが、そのひとつとして画像アップロード専用ソフトのプリントマスターDX2を使う方法がある。プリントしたい画像を選んだり修正したりしつつ、そのまま注文まで行える同ショップ専用ソフトだ。

 で、プリントマスターDX2の最新版を使うと、フツーの写真を立体写真へと変換でき、そのままプリント注文を出せる。また、プリントされた写真が送られてくるとき、注文した立体写真を眺めるための3Dフォトメガネ(赤青メガネ)も付いてくるヨ、と。

 なんか簡単に手持ち写真を3D化&プリント&鑑賞できそーな予感!! 全体的に人任せってゅーかショップ任せでラクできそうだニャ、ということで、試してみたわけだ。以降、これらソフトやサービスがどーゆー感じだったのかをレポートしてみたい。

プリントマスターDX2を使ってプリント注文

 ユーザーがやることは、主にプリントマスターDX2の操作。と、支払い&プリントを得てからの写真鑑賞。プリントマスターDX2の使い方を知れば、まあほとんど完了したも同然ですな。

 プリントマスターDX2はシンプルなソフト。ファイルエクスプローラで画像入りフォルダを表示できる人なら誰でもサクッと使えると思う。以下、どんな感じで使っていくのかを写真で見ていこう。

プリントマスターDX2を起動。まずはショップ側のサーバに接続するようだ無事接続できるとこの表示に。OKをクリックする次に価格情報を自動ダウンロード。プリントなどの時価情報を得るわけですな
続いてプリントマスターDX2が起動するプリント注文したい写真が入ったフォルダを指定すると、こんなふうにサムネイルが表示される。プロファイルがRGB/sRGBの画像のみプリント注文可能サムネイルのサイズは[表示サイズ]のバーで自由に調節できる。もちろんウィンドウサイズも自由に変えられる
このようにサムネイルをクリックすれば(赤枠が付く)注文できる。この場合、全てLサイズでの注文になる注文詳細タブを使えば、各写真をどんなサイズでプリントするかなどを細かく設定できるプリントの時価も参照できる
プリントする写真やプリント枚数などが決まったら[注文へ]ボタンをクリック。注文ウィザードを使って支払い方法や送付先などを入力していく支払い方法に[コンビニ後払い]があるのがナイス。後払いなので、注文後すぐにプリント開始~発送が行われる全てのプリントをLサイズで注文した様子。Lサイズで後払い注文だと1枚5.9円。安いですのう。ただ、手数料や送料で400円弱かかっている
注文を確定すると、写真のアップロードが始まる。このときは意外なほど短時間で画像転送が完了したアップロードが終わるとこんなダイアログが出る注文完了。後は写真が届くのを待つのみ

 以上が基本的な手順だ。プリントしたい写真を選び、プリントサイズなどを指定し、支払い方法や注文者の情報を入力する程度ですな。

 それから、プリントマスターDX2では写真のちょっとした加工や調整も行える。具体的には、文字の付加や明るさやコントラストの調整などが可能だ。

[画像編集]タブを使えば写真のちょっとした加工/調整も行える。これはセピア変換明るさやコントラストの調整も可能フリーハンドの書き込みもできる
テキストの付加もOK好みの位置に日付を入れることもできる種類はあまり多くないが、こういったスタンプを使うことも可能
そして3Dフォト変換機能。画面右下にある[3D変換]をクリックするだけで、写真が立体写真へと変換される赤青メガネを使って鑑賞するアナグリフ式の3D写真ですな3D化に向く写真とそうでない写真があったりする

 ちなみに、加工/修正した画像は新規に保存することができる。ので、たとえば3Dフォト変換機能を使って手持ちの写真を3D化しまくることも可能。このソフトと赤青メガネがあれば、3D化した写真をプリントせず画面上で立体視することもできますな。

写真はソッコーで届いたが……

 今回、拙者がプリントマスターDX2を使って写真を注文したのが木曜日の夜。正確には、2010年4月8日木曜日の20時30分頃だ。この注文に対し、翌日に(自動返信でない)注文確認メールが来て、その翌日には写真がメール便で投函されていた。中一日ですな。木曜の夜に注文して土曜着なので、速攻で届いたという印象である。

 お~もう届いたゼ!! 早く3D写真見たい~!! とかテンションが上がる拙者であったが、メール便を手にして間もなく、テンション急降下。うぞ~!? これなのぉ~? んむむむ~。

写真は速達メール便(ヤマト運輸)で届いた。わーい、速いネ!! と喜んだが……付属の3Dメガネって……コレ? 思った以上にチープ。ってか間に合わせ的な3Dメガネはメール便の配送袋にプリントされていて、これを切り取って使うのであった

 写真注文時に3Dフォトメガネを無料送付してくれるわけだが、こーゆーメガネだったんスね。確かに、ABC.格安デジカメプリントのサイトの、このページの下のほーに「当社の配送袋裏面の3D簡易メガネ」として紹介されているが、こんなにペラペラでフニャフニャだとは思わなかった。まあ、袋にあるとおり「メガネの上部を割り箸等で固定」すれば使えそうだからイイんですけどね。

 ちなみに、2010年4月16日にABC.格安デジカメプリントから「3Dフォトbyクロスメガネ」という3Dメガネが発売されるようだ。84円とのこと。恐らくきっと、こちらの有料3Dメガネは、少なくとも紙の台紙にセロファンが貼ってある程度はマトモ感があるんだろうと思うんですけど、どうなんでしょう?

立体感はどーなのか?

 気を取り直し、ペラペラでフニャフニャな3Dメガネにハリガネを取り付けて使えるようにして、いざ、3Dプリントを立体視!! さぁ飛び出せ!! ズガーンと!! 来いコイ来い~!!

同じ写真をフツーのプリントと3Dプリントとして2枚ずつ注文。「この平面的な写真が、3Dフォト変換機能で処理するとこんなに!!」と喜ぶための比較用であるいろいろなパターンの写真を注文。擬似的な3D化なので、恐らく向き不向きがあるだろうと踏んで、ですなプリントマスターDX2の3Dフォト変換機能を適用したプリント

 結果から言うと、まあ半分くらい予想していたことだが、ビシッと立体化!! とまでは行かなかった。けっこー立体っぽい雰囲気が出る写真もあるが、なかには「コレってどこがどう立体的?」という写真も。

 プリントマスターDX2の3Dフォト変換機能は、1枚の写真からアナグリフ画像を生成するものだ。これにより、立体としての情報がなかった写真を擬似的に立体視できるようにしている。

 ただ、本来のアナグリフ画像って、ステレオ写真から生成するんですな。微妙に異なる位置から撮った2枚の写真を、青画像と赤画像として処理して1枚に合成し、これを赤青メガネで見ることにより平面上を見ているんだけど目には視差を感じさせる情報が伝わる、みたいな。

 なので、ハナからホントに平面の写真からでは、本来のアナグリフ画像のようにリアルな立体感は得られないのだ。

 これらを踏まえた上で言えば、それでもわりと楽しめるプリントマスターDX2の3Dフォト変換機能かもしんない。本物のアナグリフ画像のように辻褄の合った立体感は得られにくいものの、しかし「けっこー立体っぽい雰囲気がある」てな印象にはなりやすい。

 ポイントとしては、当然と言えば当然かもしれないが、プリントマスターDX2の3Dフォト変換機能を使う時に「赤青メガネで画像を確認しながら調整する」ことですな。これをしないで全てデフォルト値で処理すると、前述のように「コレってどこがどう立体的?」みたいな画像ができちゃう確率が高まる。

 ともあれ、プリントマスターDX2を使えば手持ちの写真を擬似的に3D(アナグリフ)化できる。どの程度の効果が得られるのか知りたいなら、プリントマスターDX2をダウンロードして使ってみておくんニャさい。あ。赤青メガネの調達も忘れずに。

3Dは置いといて、満足度の高いサービス

 3D写真に関しては、冒頭で書いたように「簡単に手持ち写真を3D化&プリント&鑑賞できそー」な予感はチョイ外れた感じ。お手軽オモシロ3D的な、余興的に遊べる疑似3Dプリントって雰囲気ですな。

 しかしABC.格安デジカメプリントおよびプリントマスターDX2のオンラインプリントサービスとしての使用感は良好であった。前述のとおり発送も早いし、プリントマスターDX2の使用感も良かった。

 また、最安値のLサイズプリント(1枚5.9円)を注文したが、プリントの品位も十分満足できた。この値段でこのくらいプリントできればコストパフォーマンスかなり高いんじゃないスか、的な。

 一瞬、送料や手数料が高いかナ? てな気がした。具体的には速達メール便(送料)の198円と、コンビニ後払い(プリント枚数49枚以下)手数料の200円。今回のプリントはLサイズ(1枚5.9円)が24枚だったので、プリント代金が142円。手数料のほーがずっと高い~!! みたいな。

 しかし、よくよく考えてみると、24枚プリントしてもらってソッコーで送ってくれて、合計代金が540円って、やっぱ安いですな。自宅でLサイズのプリントをすることを考えたら───用紙買ってきて、各画像をプリントして、インク代はどの程度かニャみたいなことまで含めても、この金額じゃ無理な気がする。

 ……てか、何かしら強めのコダワリがない限り、写真を自分でプリントする意義って!? とか考えてしまう。そこそこキレイならOKで、むしろサクッと手軽&安価に済ませたいなら、写真のプリントってもーこういうサービスを使えばいい時代なんじゃないのかニャ、と思った次第である。

2010/4/12 06:00