小型3画面デバイス、萌えっ!!

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


小型3画面デバイス、萌えっ!!

 小さい画面がミョーに好きだったりする俺の場合、こんなニュースを見ると思わずポチッとしちゃうのであり、フォースメディアのデジタルフォトフレームことJF-DPF315をスコッと購入。

フォースメディアのJF-DPF315。3つの画面を持つ小型のデジタルフォトフレームだ。ボディーカラーは白と黒がある。実勢価格は5500円くらい

 拙者はですね、こういうですね、小さいデバイスにですね、画像を表示しているという状況がですね、ヒジョーに好きなわけですよハイ単純に。たとえば以前にOptimus mini three keyboardってのを買ったが、アレも「小さいデバイス」に「画像が表示される」という点が大きな魅力だった(しかもボタンを押せた、が、結果は少々残念であった)。

 このJF-DPF315はデジタルフォトフレームとなっているが、しかし、デジタルフォトフレームとしての性能を求めたら、たぶん買っていなかったと思う。だって今時もっと大画面のデジタルフォトフレームが多々あるし。要は、この小さいデバイス上に3つもの小さな画面があってソコに小さな画像とかを自由に表示させられる、みたいなデジタルなチマチマ感に萌えてJF-DPF315を購入したってコトですな。

 拙者のこの嗜好、ちょっとわかりにくいかもしれないが、まあ単なる購入の動機として横に置いといていただいて、以降、JF-DPF315の機能や使用感などを見ていこう。

美麗アイコンを3つ並べる感覚

 JF-DPF315は、1.5型のTFT液晶画面を3つ搭載したデジタルフォトフレームだ。各画面の解像度は128×128ピクセルで6万5000色の表示が可能。内蔵の2MBメモリに約110枚の画像を格納でき、格納した画像を画面に表示できる。画像の転送は、PCとはUSB接続して行う。電源は内蔵バッテリー(リチウムポリマー二次電池)で、PCなどと接続してUSB充電する。満充電で約4時間連続して動作する。

3つの画面を保ち、各画面に別の写真が表示される。時計やカレンダーを表示することもできる本体サイズは幅135×奥行き45×高さ60mmで、質量は203gこんな形状。全体的にクセのないスッキリしたデザインですな
背面にはUSBポート、電源ボタン、リセットボタンが並ぶ本体上部には機能設定などのためのバックライト付きタッチセンサーボタンがある底面にはシリコン製と思われる滑り止め脚が2個ある。机上に置くとわりと安定感がある

 てな感じのデジタルフォトフレーム。ただ、画面サイズが1.5型で実測で縦横26mm程度の大きさっていうか小ささで、かつ、解像度が各128×128ピクセルという時点で、画像を美しく表示させて鑑賞するという目的には合わない。ぶっちゃけ、デジタルなアイコン表示装置って感じである。

 表示画質は、この価格帯で3つも画面を持つデジタルフォトフレームならまあまあという印象。発色面ではアンバー(琥珀色)が少し抜けたイメージで、少し寒々した色合いに寄るが、極端にヘンって感じではない。表示コントラストが高いのか、白飛びや黒潰れが出てしまうケースもあるが、まあ画面サイズが画面サイズなので、そーんなには気にならない。

JF-DPF315での表示例。表示サイズが小さくピクセル数も少ないので、写真鑑賞は……ムリ。しかしキレイなアイコンを並べて眺める的な使い方には向く感じ。表示もわりとキレイだ若干コントラストが高いようで、暗部や明部の階調表示の滑らかさが少々物足りない印象アンバーがやや薄いような発色で、すこーし寒々した色に見えたりする

 ぶっちゃけた話、私見ですけど、JF-DPF315の画質は製品価格を考えれば十分健闘していると思う。上記写真だと微妙画質に見えがちだが、実際はもうちょいキレイに表示される。

 なお、本体への画像転送は後述のDPFMate/MacDPFMateソフトウェアを使うが、使い方に注意しないと、転送後の画像がヤケに低画質化してしまう。

専用ソフトで画像を転送

 JF-DPF315は、Windows7/Vista(SP1~SP2)/XP(SP2~SP3)とMacOSX 10.4以降に対応しており、本体への画像転送はDPFMate(Windows用)やMacDPFMate(Mac用)といった専用ソフトウェアを使って行う。またこのソフト、本体に内蔵されており、本体をPCに接続すると自動や手動で起動させることができる。PCへ専用ソフトウェアをインストールをせずに使えるわけですな。ただし64bit OSには対応していない。

 具体的な画像転送手順は、まずJF-DPF315をPCにUSB接続すると、DPFMate/MacDPFMateソフトウェアを起動できるようになる。DPFMate/MacDPFMate起動後は、JF-DPF315に転送したい写真を選ぶ程度の作業をすればOK。最後にDPFMate/MacDPFMate上で[同期]ボタンを押せば転送完了だ。

JF-DPF315をPCにつなぐと、このようがウィンドウが表示される(Windows Vistaの場合)。JF-DPF315に内蔵された専用ソフトを起動できるようになるDPFMateを起動した状態PC上の写真入りフォルダや転送したい写真を選んでいく。画像ブラウザとしての機能は貧弱で使いにくい
転送したい写真を[追加]ボタンにより(プレビューアルバム内に)加えていく。最後に[同期]ボタンを押せば、選んだ写真がJF-DPF315に転送されるドラッグ&ドロップで写真を追加していくこともできる。ただし、プレビュー画面上に表示された時点で、画像データはリサイズされて扱われるようだ。プレビュー画面上の四角い枠が128×128ピクセルと思われる写真の一部分をトリミングして転送することもできる。が、プレビュー画面上でトリミングした場合、128×128ピクセルの画像の一部分を128×128ピクセルに拡大するため、画像が劣化するようだ

 転送作業自体はラクですな。ただ、いくつか難点つーか事前に準備しておく点があるかもしれない。

 ひとつは、専用ソフトのDPFMateは、転送作業にはさほど使いにくさを感じないものの、転送する画像を選ぶのが面倒。画像をブラウズしつつ転送する画像を選ぶが、1度に1枚の画像しかサムネイルが表示されないようだ。画像ブラウザとして使うのはハッキリ言って苦痛。なので、あらかじめ転送したい画像を選んでおき、適宜フォルダに入れておき、DPFMateでは転送作業のみ行うのがいいだろう。

 DPFMate上で画像の回転やトリミングも行えるが、DPFMate上で画像のトリミングを行ってJF-DPF315に転送すると、画質が大幅に劣化する。

 その理由は上の写真の最後の2枚のキャプションにも書いたが、DPFMateに読み込んだ時点で、転送される画像データは128×128ピクセル(もしくは縦128ピクセル)にリサイズ(縮小)されるようだ。この、解像度が低くなっちゃった写真の一部をさらにトリミングし、それを128×128ピクセルに拡大してJF-DPF315へ転送することになるもよう。結果、DPFMate上でトリミングした写真をJF-DPF315に転送すると、おまえは黎明期のデジカメ画像かっ!! つーほど劣悪な画質での表示になってしまう。

 ので、最初から正方形の元画像を用意するのが得策。もちろん、JF-DPF315上で表示したい部分のみ事前にトリミングしておいて、である。そうすればDPFMateで転送時、画像が単に縮小されるだけなので、画質が大幅に劣化してしまうようなことはないと思われる。

 あ。「思われる」とか「もよう」とか曖昧な表現でスマンスって感じだが、こーゆー細かい仕様が説明書などのどこにも書いてないし調べようがないのは、JF-DPF315および付属ソフトのイマイチなところだ。まあマニアックに使い込むようなハードウェアではないと思うので仕方がないが、メーカーのウェブサイトにFAQなり使い方指南なりの情報くらい公表しておいて欲しいものだ。

シンプルに使えて、プレゼントにも向く

 JF-DPF315は、ハードウェアとしてはあまり迷うことなく使えるデジタルフォトフレームだと思う。本体の設定や表示切り替えなどの操作は、本体上部のバックライト付きタッチセンサーボタンで行い、メニューなどは3つの画面のうち中央に表示される。

本体上部のバックライト付きタッチセンサーボタン。通常は消灯していてボタンがほぼ見えなくなる触れると青く点灯する。軽くタッチするだけで反応するボタンだメニュー表示はこんな感じ。機能も多くなく、表示もシンプルでわかりやすい

 タッチセンサーボタンは、ヒッジョーに軽いタッチで反応するので、慣れるまでは誤操作しがち。また、本体を持ったときにも反応したりして、ちょっと注意が必要だ。が、操作面ではほかに大きな違和感はなく、機能僅少&シンプルなメニューゆえ、迷わず使っていけると思う。

 JF-DPF315では、特定の写真を表示しっぱなしにしたり、スライドショー表示を行えるほか、カレンダーやアナログ時計も表示しておくことができる。

3つの画面に写真を表示し続けたり、スライドショー表示での自動切り替えが可能画面のひとつにこのようなカレンダーを表示することもできるアナログ時計の表示も可能。カレンダーとアナログ時計と写真、という表示パターンにもできる

 てな感じで、ちょっとしたユーティリティ性も備えるJF-DPF315であった。ちなみに、カレンダーとアナログ時計はどちらも、1分に一度書き換え処理が行われるようで、画面が一瞬パッと動くようなフラッシュするような、そんな変化がある。静的に表示させておきたいユーザーにとっては「あっ、なんか今チラッとした」などと気になるかもしれない。

 ちなみに、カレンダーやアナログ時計の配置パターンは、全部で7パターンあるようだ。メニューからパターン1~パターン7で選んで切り替えるが、それぞれどんな表示パターンになるかは以下のとおり。

 
パターン1カレンダー写 真アナログ時計
パターン2写 真写 真写 真
パターン3写 真写 真写 真
パターン4アナログ時計写 真写 真
パターン5カレンダー写 真写 真
パターン6写 真カレンダー写 真
パターン7写 真写 真カレンダー

 ……なんか規則性があるようなナイような。パターン2とパターン3の違いがわかんないような。パターンのプリセットではなくて、任意の画面に対して表示する内容を指定するような設定のほうが有り難いなぁとか思ったりした。

 JF-DPF315についてちょっとイイとか思ったのが、プレゼントを想定している点。JF-DPF315のパッケージには、写真を入れたJF-DPF315を誰かに贈るためのギフトボックスも含まれているのだ。

製品パッケージのなかに入っているギフトボックス一式。この箱にJF-DPF315を入れてプレゼントできるのだこのようにしっかりと梱包できるようになっているピッタリと箱に入る。箱にはUSBケーブルや説明書を入れる余裕もある

 たとえば、アナタのお子さんの写真をJF-DPF315にいっぱい入れて、アナタのご両親とかに贈るわけですな。孫の写真がどんどん変わる装置をもらったジジババ大喜び!! 的な。恋人に贈るとか卒業時に先生に贈るなど、いろいろなパターンがあると思うが、そーゆーシチュエーションを想定しての付属ギフトボックスは非常にナイスだと思う。

 また、そのよーな用途なら、こういう画面の小ささや本体の小ささもアリかな~、と。要はアレですな、お財布のなかに大切な人の写真を入れる的な、いわば癒し系ビジュアルガジェットとして楽しげだし役立つんではないだろうか、みたいな。

 そういった感じのJF-DPF315。専用ソフトにちょっとクセがあったり、カレンダーや時計といったユーティリティに少し残念感が残るものの、アレコレ遊べるしプレゼントにも向くしで、なかなか楽しいんじゃないだろーかと思う。さほど高価でもないので、わりとオススメ。気になる方は一度じっくりチェックしてみて欲しい。

2010/6/28 06:00