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イロイロはデキない電子文具、マメモ

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


イロイロはデキない電子文具、マメモ

 ファイルとテプラとポメラでおなじみのキングジムから、2010年6月29日に2種類の新型電子文具が発表された。ピットレックマメモである。前者は名刺の読み取り〜OCR〜閲覧を1台で行えるガジェットで、後者はタッチパネル式の電子メモ。

キングジムのピットレック。本体のみで名刺の読み込みから管理/閲覧まで行えるデジタル名刺管理ツールだ。メーカー価格は2万7300円で2010年8月6日発売予定 キングジムのマメモ。タッチパネルの液晶画面に直接メモを書き込める電子文具で、カラーはオフホワイト、ビビッドオレンジ、ダークグリーンがある。メーカー価格は6279円で2010年8月6日発売予定

 両方とも興味深い電子文具だが、拙者的にはとくにマメモのほーに興味が。ぶっちゃけた話、マメモには“イロイロなコトはできない”のだ。タッチパネルの液晶画面にメモ書きができ、そのメモを閲覧できるだけである。

 この“デキナさ加減”って、なんかポメラに通じるところが!! もしかしたら意外にも実用的なのでは!! みたいな。そんな興味から、とりあえず発売前のマメモを試用してみた。以降、マメモの機能や使用感について書いてみたい。

タップして、書いて、見るだけ

 マメモは画面に手書きできる電子メモパッドといった感じの製品だ。要は、ポストイットとかメモパッド類でやってたコトを、タッチパネル画面とスタイラスを使って電子的にやっちゃおう!! という電子文具である。

 とりあえず主要となるスペックを見てみると、まずそのサイズが約102×93×36mm(縦×横×高さ)で質量は約130g(電池含まず)。存在感も重さもメモパッドに近いという印象だ。

 電源は単4形アルカリ乾電池×3本もしくは単4形エネループ×3本。1日10分使った場合、アルカリ電池使用時は約7ヶ月、エネループなら約6カ月、電池が保つ。

 液晶パネルはモノクロでタッチ対応(抵抗膜式)。メモ入力エリアのサイズは3.08インチ(縦41.32×横66.54mm)で、解像度は縦159×横256ドットである。

本体サイズは約102×93×36mm(縦×横×高さ)で質量は約130g(電池含まず)。机上に置いても邪魔になりにくい大きさですな 電源として単4形のアルカリ乾電池かエネループを3本使う。ACアダプタなどには対応していない 液晶画面はこのように角度がついている。また裏面のゴム脚により滑りにくく、書き込みやすい
基本的には付属のスタイラスで書き込む。が、PDA一般用のスタイラスならどれでも使えると思われる 圧力をかければ描けるタッチパネルなので、指や爪でも書ける メモ入力エリアの解像度は縦159×横256ドット

 使い方は簡単っていうかなんか間違えようがないっていうか、ヒッジョーにシンプル。スタイラスなどで画面に触れれば電源が入るので、専用スタイラスを使って画面にメモ書きする。別のメモを書きたい場合は新規メモアイコンをタップすれば空白の新規ページができる。メモを削除したい場合はゴミ箱アイコンをタップすればいい。

 メモ書き時、保存操作は必要なく、書けば逐一自動保存される。また、メモは最大99枚まで使えて、画面左右端のアイコンで順繰りに送り戻ししてブラウズできる。メモは不揮発性メモリに保存されるので、電池交換時に消えてしまうことはない。なお、30秒間操作しないと自動的に電源が切れる。

画面をタップすれば電源が入る。メモを一切書いていない状態の表示はこうなる メモを書くと新規メモアイコンやゴミ箱アイコンが出現し、それらの操作が可能になる メモ枚数が2枚以上になると画面下左右にページ送り/戻しアイコンが出現する

 てな感じで、基本、画面にタッチしてメモ書きして、新しいメモを追加したり、複数のメモをパラパラとめくりながら閲覧したりする、だけ、ですな。同時に複数ページを見られない点を除けば、ほとんど紙のメモパッドや付箋紙と同じよーな感覚で使える。

 ちなみに、複数のメモを送り戻ししつつブラウズしたときの使用感だが、意外にも高速なパラパラめくりが可能だ。液晶の追従性や次のメモを表示(描画)する速度が十分高速なので、やろうと思えばマメモ上にパラパラ漫画を描くこともできるだろう。

+αの便利機能

 マメモにはメモを手書きしてそれを閲覧するという機能に加え、ちょっとだけなんだが、付加的な便利機能がある。具体的には、ToDo機能とタイムスタンプ機能。それから設定によりペンの太さ(描ける線の太さ)を変えることができる。

 順に説明していくと、ToDo機能はメモにアラームを設定できるというもの。目覚まし時計のように、メモに対して何年何月何日何時何分になったらアラームを鳴らすか設定できるのだ。

 本体がオフの状態でアラームの時刻が来ると、自動起動してアラーム音を鳴らし、表示はアラームを設定したメモになる。本体がオンの状態でアラーム時刻が来た場合は、アラーム音やアラームアイコンの点滅でToDoがあることを知らせる。なおアラーム音を鳴らさずにToDoの存在を知らせることもできる。

アラームを設定したいメモを表示させた状態でToDoアイコンをタップするとToDo機能を使える アラームを発動させる年月日や時刻などを設定する 設定した時刻になると、アラームが鳴ったりアイコンが点滅したり、あるいは該当するメモが表示されたりする

 このToDo機能、実際に意識して使ってみたら、意外なほど便利であった。たとえば電話。「あと30分くらいしてからもう一度かけてください」てなシチュエーションで、電話番号メモにアラーム設定すると、まあ要はチラチラと時計見て30分後を意識する必要がなくなるわけですな。マメモがそのときを教えてくれるからだ。

 ほかにも、来客予定時刻前にアラームを鳴らしたり、出かけるべき時刻をアラームで示させたり、いろいろプチ便利。最大99のメッセージ付きアラームをパパパッと設定できるって話ですな。これが身の回りの些細な不便やストレス、あるいは失敗を、けっこースマートに解消してくれちゃったりする。

 あと、細かい機能ではあるが、タイムスタンプ機能。メモ上に現在の年月日時刻のタイムスタンプを表示できる(追加できる)というもので、操作は時刻表示をタップするだけ。

画面中央下の時刻表示部分をタップすると、メモの右上にタイムスタンプが表示される 設定メニューから線の太さを2種類から選べる 太字と細字。通常の画面で太字/細字を切り替えられれば、さらに便利ですな

 上の写真のように、書く線の太さを2種類から選ぶこともできる。ただ、太字/細字の切り替えは、設定アイコンをタップして表示される設定メニューから行う。ので、臨機応変&即時的にって感じで切り替える気にはなれない。拙者的には、メモが表示される画面のどこかをタップする程度で、太字/細字の切り替えができて欲しかった。

マメモ、どうなのよ?

 マメモを数日間試用しての印象だが、なかなかイイ感じっスね。イイと言ってもわりと地味な部分だが、これならわりと6,279円という価格分役立ってくれるかな、と。

 たとえば、ポストイットのような付箋紙とか、A7サイズとかのポケットメモみたいなメモパッドより、書きやすいシチュエーションがあること。拙者の場合、電話をかけつつ付箋紙やメモパッドを使うことが多いのだが、小さな付箋紙やメモパッドに片手で書こうとすると、紙がズルズルと移動しちゃってイライラしがち。マメモの場合、机上での座りもいいし画面が書きやすい角度になっているので、電話中の片手メモ書きが快適だ。

 てか、小さいメモ用紙全般において、拙者は片手じゃ書けないんであった。左手で用紙を押さえ、右手で書く。そうしないとズルズルとズレたり動いたり。そう考えると、机上に置けばほとんどの状況で片手で書けるマメモはかなり実用的だと思うのだ。

 あと、メーカーは「紙のメモでは、書いたメモが行方不明になったり、机の上がメモだらけになってしまったり、せっかくメモを残しておいても必要なときにその情報を活かすことができないというケースが多く見受けられます。マメモは手書きの内容をデータで保存するので、メモを探しやすく、机の上がメモだらけになることもなくなります」と言っているが、この点にもわりと同意できた。

 付箋紙やバラのメモ用紙とか使っちゃうと、確かにメモの混乱や散逸が起きやすい。マメモの場合はそういうことが非常に少ないですな。また、メモにタイムスタンプを付ける癖をつければ、年月日時刻が役立つ。テキトーで意味不明になりがちなメモでも、タイムスタンプから「そのメモがナニを意味しているのか」を推測しやすくなる。

 ただ、付箋紙やバラのメモ用紙はやっぱり無くせない。壁のカレンダー上に付箋紙で用件をペタリ、なんて芸当はマメモには無理。メモ用紙に連絡先をパパッと書いて相手に渡しちゃうみたいなコトも不可能である。ので、やはり、紙類は必要。マメモは、紙類と併用しつつ、紙だと問題が起きたりイラついたりする状況を減らす、てな方向で活用すると良いのだと思う。

 まあ、紙のメモ類とは縁が切れないのではあるが、マメモは書きやすいし後から見つけやすかったりもするし、前述のように電子文具ならではのアラーム機能などもある。そのあたりの利便を知ると、なんだかんだでマメモにメモ書きする頻度が高くなる。実際のところ拙者の場合、紙のメモ類を使うのは、貼るとか渡すとかポケットやサイフに入れて持ち歩くとか、出先でメモるとかいうケースに限られるようになった。

 てな感じで、拙者的には試用開始時からかなり使用頻度が高かったマメモ。タッチ対応モノクロ液晶を使った電子メモ、と捉えると、6279円というメーカー価格は微妙に高く感じる。のだが、紙のメモの不便の多くをなくせる実用性を体感すると、わりとコストパフォーマンスが高い電子文具なんじゃないだろうかと思う。

 ともあれ、機能僅少のわりに意外に便利という点ではポメラと共通するところがあるので、発売されたらぜひ一度実機に触れてみてほしい。



2010/7/5 09:19