ロジクールの高性能&多ボタンマウスはどーか!?

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


ロジクールの高性能&多ボタンマウスはどーか!?

 ロジクールから新型マウスが登場。って、ロジクールからは頻繁に新型マウスが登場しまくりなんだが、拙者がピクッとしたのは「ロジクール ワイヤレスマウス G700」(以下、G700)という“プロクリエイター向け高性能・多機能ワイヤレスマウス”である。

ロジクール ワイヤレスマウス G700。「プロクリエイター向け」を謳う高性能・多機能マウスだ。2010年8月現在の実勢価格には幅があるが8,000円前後というイメージ

 プロクリエイター向けという点がミョーに大げさだが、拙者が注目したのは、まずボタン数が多い点。それとボタンの位置がけっこー押しやすそうなところ。ボタンの機能をほぼ自由にカスタマイズ可能なので、常用アプリをより効率よく使えるようになるかもしれない。

 ロジクール製の高級方面マウスはトラッキング性能が高いので、G700のポインタ追従性などについてはあまり気にしていない(というか信用している)。が、解像度(いかにポインタを緻密に制御できるかの指標ですな)が200~5700dpi(可変式)と、スゲく高解像度なのはやはり凄そう。

 ほか、有線マウスとしても無線マウスとしても使えたりして、なんか興味深い点が多々あるG700。てなわけで以降、どーなのよG700!? 的な観点で気の向くままに使ってみた印象などを書いてみたい。

M950よりプチ小型で拙者ハンドにフィット

 現在の拙者はロジクールのフラッグシップマウスことPerformance Mouse M950(以下、M950)を使用中。1年弱使い続けているので十分に慣れ、また機能/性能面でも気に入っている。

 そんなM950ユーザーから見た新型G700だが、まずサイズ/形状的な違和感のなさが好印象。若干の形状の違いはあるんだが、まあだいたいよく似たカタチのマウスとして、M950→G700に持ち替えてもスンナリと使える。

左が新型のG700、右がPerformance Mouse M950。サイズも形状も良く似たマウスなのだ

 形状およびサイズにおける使いやすさを率直に述べると、拙者にはG700のほうが使いやすく感じられる。てのは、細かい話なんですけど、G700のほーがちょっとだけコンパクトなのだ。

 マウス本体サイズは、新型のG700が幅79.8×奥行126.3×高さ45.9mmで、拙者愛用中のM950が幅83.5×奥行128.3×高さ47.0mm。幅も奥行きも高さもG700のほうが数ミリ小さい。両機とも初体験という人だとその差を感じにくいと思うが、M950を使い慣れた拙者からすると、G700を握るとすぐにその少々のコンパクトさを感じ取れた。

 数ミリの僅かな差なんだが、拙者においてはその使用感の差はけっこー大きい。この記事にも書いたが、じつはM950は拙者にとってプチ大きめ。慣れられる範囲内だが、それ以前に使っていたMX Revolutionと比べると微妙に背が高く、使用開始当初は手のひらにマウスの背中やお尻が当たるという違和感があった。

 が、G700はいきなり拙者ハンドにフィット。手のひらにマウスの背中やお尻が当たりにくいので、よりスムーズにマウス操作ができつつ、やや前方にあるボタン類へも指が届くのだ。

 って超細かいしピンポイントなコト書いてる気がしてきたが、つまりは「M950はちょっとだけ大きいニャ」と違和感を抱いている人にとって、G700はかなりイイ感じのサイズだヨ、と。

 あと、M950つながりってわけじゃないが、G700もM950と同様に充電式。付属のUSBケーブルでPCにつなげば、G700内のニッケル水素電池に充電される。付属ニッケル水素電池はエネループですな。

付属のUSBケーブルでPCなどに接続すれば充電される。PCのUSBポートに接続した場合、有線マウスとして機能する電源は付属の単三形エネループ×1本。PCとUSB接続して有線マウスとして使った場合、電池は外しても動作する無線マウスとして使う時は付属のUSBレシーバをPCにセットする。小型のレシーバで、電池室内に格納することもできる

 無線マウスとしても有線マウスとしても使えて、充電はUSBポートからできるってわけですな。ただ、有線マウスとして使った場合、付属の専用USBケーブルにほんの少ししなやかさが足りない気がする。十分柔軟なケーブルだが、G700は非常に繊細なポインタ操作を行えるマウス。ケーブルのちょっとした引っ掛かりやしなりがマウス操作の妨げになるかもしれない。

カスタマイズ可能な13個のボタン

 G700のオモシロミっていうか便利カモ知れないポイントは、カスタマイズ可能なボタンを13個も搭載しているという点。

このように多数のボタンを搭載する。ほとんどのボタンにさまざまな機能を割り振ることができるボタンは本体左側に集中しており、右側にはないLEDインジケーターがある。赤、緑、橙に点灯し、電池残量や解像度、選択した動作設定(プロファイル)などを確認できる

 拙者ハンドにおけるボタンの押しやすさだが、本体左サイドにある4つのボタンのうち、前方にある2つのみがチョイ押しにくい感じで、ほかはフツーに押せる。左クリックボタンの横に3つ並ぶボタンのうち最も前方に位置するボタンも問題なく押せてビックリ的な意外さもあった。

 とは言っても、手のサイズや指の長さは人それぞれ。購入前にこれらボタンの使用感を実機にて確認すべきですな。

 ボタンのカスタマイズは、G700に対応するバージョンのSetPointソフトウェアで行う。各ボタン機能を自由に設定できたりキーストロークを登録できたり、さらにはマクロの登録も可能だ。

ボタンのカスタマイズはSetPointソフトウェアで行う。右クリックと左クリックの入れ替えも可能マウスのボタンにキーボードのキーストロークを登録することもできる。Ctrlなどのキーと組合せたキーストローク登録もOKボタンへのマクロ登録が可能なので、G700のボタンにそーとー独自的な機能を持たせることもできる

 また、マウスの基本的な設定もこのSetPointソフトウェアで行う。たとえばポインタの移動速度や加速、解像度(dpi)、垂直/水平スクロール速度などですな。

 こういった一連の設定はプロファイルとしてひとまとめに保存できる。PC上には複数のプロファイルを保存しておけるので、状況に合わせてマウスの挙動を容易に切り替えられる。ゲームのときはこのプロファイル、仕事のときはコレ、ネットするときは……みたいに。

マウスの基本的な設定もSetPointソフトウェアで行う。これはマウス感度を設定しているところ。100dpi間隔で、ナンと5700dpiまで設定できるボタンカスタマイズなどを含めた設定は、ひとまとめにプロファイルとして保存される。プロファイルは用途などに応じていくつでも作成できるプロファイルは5つまでG700本体内のメモリに転送できる。これらプロファイルはG700上のボタン操作で切り替えや、起動アプリに合わせての自動切り替えが可能

 プロファイルは5個までG700本体内(オンボードメモリ)に転送保存できる。つまりはG700のボタン操作だけでプロファイルを変えたり、起動したアプリに応じてプロファイルの自動変更を行わせることができる。G700内に保存したプロファイルは、ほかのPCにG700を接続した場合でも使えるあたり、ほかのマウスにはちょいとナイ利便かもしれない

ルーチンワークをボタンで効率化

 既出のSetPointソフトウェアのスクリーンショット上に「Wireless Gaming Mouse G700」とあるように、米国ではゲーミングマウス(http://www.logitech.com/en-roeu/gaming/mice-keyboard-combos/devices/7244?WT.ac=GSeries|7295|G700Getthedetails)とゆーコトになっているG700。前述のようなカスタマイズ性の高さがあるし、その解像度やポーリングレート(マウスがPCへデータを送る回数)の高さゆえゲーム向けとも言える。

 でもこんなに自由度の高いカスタマイズが可能でありかつ、プロファイルの容易な切り替えが可能だったりすると、やはり業務の効率化とかが現実的だと思えてくる。

 たとえば拙者の場合、Adobe Photoshopで週に何度かレタッチ作業を行う。作業内容自体似たようなモノで、ある種のルーチンワークなんだが、それ以上に非常に頻繁なツールの切り替え(持ち替え)を行うのがタルい。具体的には、修復ブラシツール、自動選択ツール、切り抜きツールあたりのツール持ち替えや、レベル補正、明るさ・コントラストなどの機能使用などなど。

 こういうツール持ち替えやメニュー操作などのうち、とくに頻繁に使うものをマウスボタンに割り振ったらどうか? と思ったので実際にやってみたら、すっげく効率UP!! 単純に、これまでポインタを移動していちいちクリックしてまた作業エリアにポインタ戻してという手間がなくなるだけで、非常に効率がよくなってストレスが減る!!

 ま、ソフトウェア操作のキーボードショートカットを使ったり、ソフトウェアのカスタマイズにより機能をボタン化したりするのと同じよーなコトではある。が、右手の指をちょっと動かすだけで行えるので超迅速。また、複数キー同時押しのキーストローク(キーボードショートカット)をボタンに登録すれば、キーボード操作ミスは皆無であり快適になる。

 唯一、G700のどのボタンにどの機能を割り振ると効率的かというコトを導き出しつつ設定するのが面倒だし、時間もかかる。が、それさえ済めばじつに快適。アプリケーション検出機能を使えば、プロファイルの切り替えさえ意識せず、G700上のボタン類によりアプリ上の機能をダイレクトに叩ける感覚なのだ。

 実際、上記のように頻繁に使うPhotoshopの機能をG700のボタンに割り振っただけで、なんかも~G700がPhotoshop専用マウスになったような感じ!! 凄いぞ俺!! 流れるように作業している俺イヤッハァ!! てゅーかG700に大いに助けられたっつーわけですな。

 てなわけでG700、アイデア次第、工夫次第でさまざまな用途に役立てられそうだ。G700は、多ボタンマウスにしては意外にも各ボタンが押しやすい位置にあり、ボタンのカスタマイズ性も高い。多ボタンをちゃんと役立てられるので、アイデア倒れや工夫し損にならない点がグレイトである。

 でも、サイズや操作感の好き嫌いがあるジャンルの製品。興味があるならぜひ実機に触れて、自分の手とマッチするかどうか、質感やボタンの感触がどうかなどを確かめてみて欲しい。

2010/8/30 06:00