ええっUSB接続のバーコードリーダーって最近4725円なのォ!?

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


個人で愉快&便利にバーコード利用

 久々にバーコードリーダーを買ってみた。ビジコムBC-PS800P-Uという製品。Amazonで4725円だった。てゅーかUSB接続で汎用性の高いバーコードリーダーが4725円だったから「えっコレって安くない?」的に思わず買ったと言えよう。

ビジコムのCCD式バーコードリーダーBC-PS800P-U。パソコンのUSBポートに接続すればバスパワー駆動で使える。購入価格は4725円ボタンを押せばバーコード(JAN/EAN/ISBNなどの1次元コード)をピッとスキャンできるのだ商品のJANコードや書籍のISBNコードをスキャンすれば、そのコード(数値など)がパソコンに読み込まれる

 はあぁ? バーコードぉ? と思われた方も多いと思う。確かに、一昔前ならバーコードリーダーなんざぁ専門的な機器のさらに一部分を構成するセンサだ。フツーの人とは無関係なシロモノだ。

 が、現在、Google様が世界中の情報を集約しつつあり、Amazon様をはじめとする各オンラインショップがロングテールな感じで製品情報を提示しまくったりしていて、つまりネット上にバーコード利用に好都合な情報がありまくりな時代。なので、個人でもバーコードを愉快に活用できるようになった。

 試しに、手元にある商品の値札のバーコードをピッとスキャンしてみよう。上記のバーコードリーダーの場合、たとえばウェブブラウザでGoogleホームを開いておき、検索キーワード入力ボックスにカーソルを置いておけば、ピッとスキャンした直後に検索が実行され、多くのケースで該当商品へのリンクが表示される。

手元にあった掃除用スプレーのJANコード(EANコード)をスキャンしてみる。パソコン側のカーソルはGoogleホームの検索語入力ボックスにセットしておくスキャン直後、JANコード(数値)をキーワードとしたGoogle検索が行われ、その結果が表示されるリンクをクリックすると、あらま、まさにその商品。一昔前はこーゆーコトはできなかったが、最近では当然的にデキる
とてもナイスな内容の書籍のバーコード(ISBNコード)をスキャンしてみるそのISBNコード(数値)が示す書籍があっけなく検索された。ぜひクリック&購入しておくんニャさいまさにこの本のISBNコードであった。Googleのボットや各ネット店舗などの情報により、こういう検索ができるようになった

 こういうコト、知ってる人なら「だから?」的でアタリマエのコトなんだが、そうでない場合、急にバーコードリーダー欲しくなりません? 何に使うかは、まあ使い方次第~遊び方次第って感じではあるが、身の回りにあるバーコードがネット上の情報とリンクするってのが楽しい。
 そのためのスキャナことバーコードリーダーが5000円以下とかで買えちゃうんですな。てなわけで拙者の「ええっUSB接続のバーコードリーダーって最近4725円なのォ!?」とプチ驚いてからの衝動買いをご理解いただいたところで、以降、バーコードなどを個人で利用するパターンをいくつか見ていきたい。

流行りの蔵書リスト作りも楽勝

 身近で使われているバーコードは案外多種多様だが、商品などに共通して使われているのはEANコード(JANコード)。それから書籍のISBNコード。で、こういったバーコードをスキャンし、数値に変換してパソコンへ送れるのが上記のバーコードリーダーである。

いろいろな商品に印刷されているEANコード(JANコード)。国際標準の共通した商品コードで、数字がその商品そのものを示す上がISBNコード。やや特殊なEANコードだが、国際標準/共通コードで書籍を示す。下は、ほかの商品と同様に扱うためのJANコード(書籍JANコード)ケータイとかではおなじみのQRコード。EANコードなどのバーコードより情報量が多い2次元コードだ。上記のバーコードリーダーではスキャン不能

 でもこういう細かいコトは置いといて、ポイントは、EANコードもISBNコードも世界共通で使われていて、それらコード(数字)は商品や書籍を示している、ということだ。要はバーコードをピッとスキャンしてググれば、わりと多くのケースでそのコードに紐付けされた商品などを見つけられるというわけですな。
 なお、「わりと多くのケースで」というのは、EANやISBNといったコードを持つ品物でも、ネット上にその情報がナイとか、ネット上にその商品はあるけどコード(数値)が書かれていないとか、まだサーチエンジンのボットがまだサーチしていないとか、いろいろな理由が考えられる。
 ともあれ、レジでこういうバーコードをピッとスキャンすれば合計金額が出たりするわけだが、個人ではどう使う/楽しむのだろう? 流行りどころでは「蔵書リストをサクッと作る」てな使い方がある。具体的な方法はけっこーイロイロあるが、たとえばブクログ。手持ちの本を登録すれば、自分の蔵書リストを作れるというクラウドサービスですな。

クラウドとして使えるWeb本棚サービスことブクログ。蔵書リストを容易に作っていける登録した蔵書は、このように本棚の見栄えでも一望できる。もちろんリスト表示も可能だ書籍などのデータはAmazonからのもののようで、Amazonにある書籍などなら全て登録できる
登録時の検索は商品名や著者名、出版社名から検索できるほか、ISBN/EANコード検索にも対応バーコードリーダーで本のISBNコードをピッとスキャンすれば一瞬で書籍情報が出る。これを登録すれば完了こんなふうに登録された。バーコードリーダー+ブクログで、スキャンのみの蔵書登録ができちゃった

 超楽勝なる蔵書リスト作りができるんですな。書籍のみならず、CDやDVDなどの市販コンテンツなどもリストに加えられる。また、PC版(ウェブインターフェース)以外にも、モバイル版やiPhone/iPad/Androidアプリも用意されているので、パソコンの前にいなくてもリアル書棚の前で登録できるとか、出先で自分の本棚を見られるなどの利便もある。iPhoneアプリを使ったりすると、iPhoneでバーコードをスキャンして登録、てなことも可能。

iPhoneアプリ(iPhone 4で使用)のブクログ本棚詳細情報を表示したところ。レビューなども書き込める[バーコード読み込み]を使うと、iPhoneのカメラでISBN/EANコードをスキャンして登録できる

 てな感じで、ちょいと以前にはデキなかった……というか、やろうと思うとマジ大変だったコトがサクッとデキちゃう現在なのであった。ブクログなどの蔵書管理サービスを使いつつ自炊(←自力での蔵書電子書籍化)したりすると、非常にスッキリかつ快適な電子コンテンツ環境を作れるかもしれない。

モバイルでバーコード/QRコードならiPhone 4

 バーコードと言えば、さらに情報量の多いQRコードはどーなのよ? てな話になるが、QRコードをパソコンなどでスキャンするのは面倒だったりお金がかかったりする。QRコードを読めるハンディスキャナは安価なものでも5万円弱だったりするし、スキャナなどでスキャンしてからデコードサービス系ウェブサイトに転送するのも手間がかかる。今時的ケータイのほうがずっとラクにQRコードを読めますな。

 モバイルでバーコードやQRコードを利用したい、てな場合、拙者的観点ではiPhone 4がとてもイイ感じである。iPhone 3GSでもイイのかもしれないが、以下、どーゆーふーにイイ感じなのかを見ていきたい。

 ひとつは、Google GogglesをiPhone用アプリGoogle Mobile Appの一機能として使えること。Google Goggles(グーグルゴーグル)はGoogleの画像認識型の検索サービスで、たとえばスマートフォンで撮影した画像をもとに「これは何か? 何と書いてあるのか? 類似したイメージはあるか?」などを探せるというもの。

GoogleゴーグルはiPhone用アプリGoogle Mobile Appの[検索]から(も)利用できるたとえば映画「ブレードランナー」のパッケージをゴーグルしてみる。具体的には検索時にパッケージの写真を撮るんですなすると、パッケージ上の文字列やイメージを自動認識し、さらにこれをもとに自動的に関連情報を検索してくれる
「Blade Runner」という文字列が認識され、自動検索された結果こちらは認識された画像をもとに、その類似画像が検索された結果販売店などもズギャッと検索されちゃうわけですな。スゴ~イ♪

 Googleゴーグルだけでそーとー遊べるし使えるって感じだが、この凄い検索機能、バーコードやQRコードも認識してくれるんであった。iPhone 4で手近なモノのバーコードを撮れば、その商品の情報が自動検索されたりするわけだ。

同じく映画「ブレードランナー」のパッケージにあったEANコードをゴグって(!?)みるバーコードが画像ではなくコードとして認識/デコードされた!!で、このように商品情報へ飛べるというわけですな

 いつの間にやらスマートフォンが汎用バーコードリーダーになっちゃう時代に!! 衝撃を受けたりした拙者なのであった。

 なお、GoogleゴーグルではQRコードもシッカリ認識&デコードできる。十分実用的だが、QRコードをより快適に読むなら、QRdeCODEという専用アプリがオススメ。QRコード本家のデンソーウェーブ製だけに、認識速度も正確さも抜群。ただし有料で230円。

デンソーウェーブのQRdeCODE。iPhone用のQRコードデコードアプリだ。230円だが、強力!!QRコードを画面に映すだけで即デコード。あまりに速いので画面キャプチャが難しいほど正確にデコードできた。スキャン時はQRコードを自動ズームアップしたりして、仕事に使えそうな使用感
読み取り結果は(内容によって)メール送信、リンクへアクセス、アドレスへ登録などできたりするたとえば名刺にあったQRコードを読み込んで、その内容を誰かにメールで送るのもスムーズだQRコードを作成して画面に表示したり、画像として保存することもできる
ちなみに、iPhone 4に読ませたQRコードはバーコード工房(http://www.de-net.com/pc3/seihin-annai/barstudio/index.htm)というWindows用ソフトで作ったバーコードを作成できるほか、QRコードの作成にも対応しているケータイ向けのQRコードも容易に作れますな。作ったQRコードは画像としても保存できる

 SF映画のロボコップ(だったかな!?)とかSFアニメの攻殻機動隊とかって、けっこーイロイロなトコロにバーコードとか出てきましたな。アレはけっこー未来なイメージだと感じていたが、技術的には十分出揃っており、出揃っているだけでなくて日常生活に近い部分でフツーに役立てることができる。わりとGoogle様のお陰様だと言えたりもするが、さておき、改めてバーコードやQRコードの積極活用を考えてみるもの一興かと。ぜひヒトツ。

2010/11/8 06:00