シャープのGALAPAGOSをイジってみた!!

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


シャープのGALAPAGOSをイジってみた!!

 2010年9月27日に発表されたシャープのGALAPAGOS(ガラパゴス)。そのメディアタブレット2機種がつい先日の2010年12月10日に発売されたので、早速実機を借りて触ってみた。

GALAPAGOSのメディアタブレットのうち小型のほうのモバイルモデル。5.5型の液晶画面を備える携帯向け端末だ。販売価格は3万9800円こちらは10.8型の液晶画面を備えるホームモデル。販売価格は5万4800円

 GALAPAGOSブランドの端末は何種類かあり、たとえばSoftbankのスマートフォンである003SH005SHがある。が、これからイジってみるメディアタブレット2機種は、スマートフォンとかタブレットPCとかってコトではなく、電子書籍端末だ。

 メディアタブレット2機種は、OSとしてAndroidを採用していてWi-Fi対応端末でもあるが、使えるのは電子書籍関連ソフトウェアやウェブブラウザ、それから少々のアプリケーションのみ。Androidマーケットからアプリをダウンロードして使ったりすることはできない。ネットにつないでちょいと使えたりもするけど基本的には電子書籍端末ってことですな。

 ちなみに、メディアタブレット2機種で読める電子書籍コンテンツは、電子ブックストアサービス『TSUTAYA GALAPAGOS』から購入できる。『TSUTAYA GALAPAGOS』はメディアタブレット2機種から直接使えるほか、パソコンソフト「GALAPAGOS Station」からも使える。

 ……のだが、今回借用したメディアタブレット2機種は、サンプル実機のため、単体での購入は試していない。また、パソコンソフト「GALAPAGOS Station」の提供もジャスト本日12月20日からってコトで、電子書籍コンテンツの購入は試せなかった。そんなわけで以降、メディアタブレットのハードウェア的な使用感や、サンプルとして入っている電子書籍の読み心地あたりを中心にレポートしてみたい。

チッコイのとデッカイのがある

 GALAPAGOSのメディアタブレットは2機種あるんですけど、まずはそのハードウェア的な違いから見ていこう。

 両機の大きな違いは画面サイズおよび本体サイズ、それからトラックボールの有無、バッテリー持続時間といったあたり。そのほかの仕様は同じで、内蔵するソフトウェアも同様。機能的な差はナイと言えよう。

 まず画面/本体サイズの違いだが、小さいほうのモバイルモデルの液晶が5.5型(1024×600ドット)で、本体サイズは約幅92×奥行12.9×高さ167mm/質量約220g。大きいほうのホームモデルの液晶が10.8型(1366×800ドット)で、本体サイズは約幅177×奥行14.7×高さ286mm/質量約765g。サイズも質量もかな~り違う両機である。

ホームモデルとiPhone 4を比べたところ。高解像度で大画面で大きめ重めなので、なるほど、家などでゆっくり使う端末って感じですなモバイルモデルを持ったところ。片手でラクに持てる。バッグのなかになら余裕で、上着のポケットにもフツーに入る携帯端末だホームモデルの上にモバイルモデルを重ねたところ。ホームモデルはモバイルモデルの3倍以上大きいというイメージ

 両機ともマルチタッチ対応の静電容量方式タッチパネルを備えているので、指で画面に触れてピンチイン/アウトで表示の拡大縮小を行えたり、フリックしてページめくりしたりして操作できる。ほかの操作用インターフェイスとしてはホームキーやバックキーがある。

 さらに、モバイルモデルのみ、トラックボールを搭載している。これは片手で持ってその手のみでも使えるようにと配慮されたインターフェイスですな。

ホームモデルには、電源キーのほかにホームキーやバックキーといった操作ボタンがあるモバイルモデルには、ホームモデルのボタン類に加えてトラックボールが内蔵されているトラックボール操作により、ページめくりや画面スクロールを行える。片手での読書が可能

 バッテリー持続時間は、ホームモデルが約10.5時間で、モバイルモデルが約7時間となっている。これら以外の仕様/機能の違いはない。

 で、イキナリなんですけど、拙者における電子書籍のイメージとしては、でっかいほーのホームモデルはちょっとナイって感じ。実際使ってみると閲覧も操作も快適で、電子書籍コンテンツを表示させることだけを考えればホームモデルの方が快適だ。が、やっぱ携帯したいっすよね電子書籍……となったとき、けっこーヘビーでビッグなホームモデルである。

 てな現実があり、拙者的には、まずモバイルモデルがあって、さらなる必要性があるならホームモデルも、という印象となった。ので、以降は拙者的本命であるモバイルモデルの使用感を中心に見ていきたいと思う。

直感的に使える電子書籍端末

 メディアタブレットのモバイルモデルを使ってみての印象だが、まず操作を直感的に行えてイイですな。こういう言い方はちょっとアレかもしれないが、スレート型端末におけるタッチ操作(作法)の基準となっているiPhoneやiPadの使用感に近い操作性がある。

 たとえば「ページめくりはこうだろ、きっと」とか「このあたりタップしたらメニュー出たりするだろフツー」というような、iPhone/iPadの常識がだいたい通用する。さらにこういう言い方はよりいっそうアレかもしれないが、Kindleの、画面をフリックしたけどページめくれないんですけど的な肩すかし感はないわけですな。

ホームキーを押すと表示されるトップメニューである「デスク」。端末内の書籍などを一望できるデスクはフリック操作により、回転棚のようにクルクルと回る。直感的に本を探して行ける感じ1冊の書籍を長押しすると、書籍情報や並べ替えなどの情報閲覧/操作を行えるモードに入れる
小説を表示させたところ。縦画面で文字サイズは最小としているが、とくに問題なく読書できるフリック操作でページめくりを行える。モバイルモデルの場合はトラックボール操作でもめくれるピンチイン/アウト操作で文字サイズを細かく変えていける。このときの動作もスムーズだ
本体を横向きにすると書籍のレイアウトも変わる本体が横向きのときにページめくりをすると、ページの裏側の文字も表示されたモバイルモデルを横向きで使うのは、電車内などで電子書籍を読むのにイイかも!! 的な

 率直な話、ほとんどのシチュエーションで非常に快適に操作できるモバイルモデルであった。ページめくりとか文字サイズ変更とか表示切り替えとか、どれもそのスムーズさに違和感ナシな感じ。

 とりわけ、追従性の高さが快適。たとえばフリック動作と画面アニメーションがほぼ一致するあたり。それからこれはデバイスの優位性と言えるが、高速でページをめくっても自然に表示され続けること。やっぱり電子書籍は電子ペーパーじゃなくて液晶なのかなぁ、なんて思ってしまう。

 もちろんこういった電子書籍端末は、読みたいコンテンツがどのくらいあるかが超重要なんだが、とりあえずの使用感の良さでこのモバイルモデルが欲しくなった拙者であった。

電子書籍を便利に使う機能

 ポータビリティも十分だし、読むときの快適さもナイス。でもせっかく電子書籍なんだから、電子書籍コンテンツをラクして使用/利用するための機能も使ってゆきたい!! てなわけで、便利機能をいくつか試してみた。

 たとえばフツーに便利っていうか必須なのが、しおりやマーカーといった機能。ページにしおりを挟んでおいて後から一発でそのページを開いたり、重要と思われる文章などにマーカーを引いたり。

任意のページや文章にしおりやマーカーを設定することができる。マーカーは文字サイズを大きくしないとやや扱いにくいこんなふうにしおりやマーカーが入る。左上がしおりのマーク。しおりやマーカーは色で分類することができるしおりやマーカーは、該当書籍上でリスト表示できるほか、ブックシェルフから全書類のしおりやマーカーを一望することも可能

 メディアタブレットで読書すると、最後に開いていたページが記憶され、次に同じ本を開いたら続きから読める。ので、しおり機能は本物の本のしおりとは異なり、どちらかと言えば「あとでチェックし直すから」と付箋紙を挟み込むように使うわけですな。マーカーは普通のマーカーと同じ。文章の一部分にマーキングできる。上の写真のように、ブックシェルフ上から複数書籍をまたいでしおりやマーカーを一望できるあたりが電子書籍的ですな。

 ページ探しのためにしおりやマーカーが役立つという観点では、目次/移動バー機能も電子書籍的だ。まあアタリマエ的な機能ではあるが、目次機能を使えば目次にある読みたい記事へジャンプできる。移動バー機能を使えば、スクロールバーを操作して一気に数十ページなどのページめくりを行える。

目次/移動バー機能を使えば、目次にあるページにジャンプできたり、多数のページを一気に送り戻しすることができる目次がある電子書籍の場合、目次をタップするだけで目的のページにジャンプできる移動バーを使えば数十ページなどのページを一気に飛ぶことができる

 ほか、本文検索機能や辞書連携機能も快適に使える。たとえば「あの部分、たしか『さんをつけろよデコ助野郎』というセリフがあったよな、何ページだっけかな?」とか思ったら、キーワードを[デコ助]あたりに設定して本文検索をすればそのセリフがあるページをサクッと探せる。辞書連携はわからない言葉を内蔵辞書で調べられる機能だが、電子書籍上の文字をなぞる程度の操作で調べられるのが便利だ。

本文中から特定の文字列を探せる本文検索機能入力は予測変換機能付きのソフトウェアキーボードで行う検索結果。資料性の高い電子書籍を効率良く利用できますな
文章中の語句の意味をその場で調べられる辞書連携機能このように、調べたい語句を指でなぞって選択する検索結果。複数の辞書からの串刺し検索が可能だ

 地味な部分ではあるものの、電子書籍コンテンツをより快適に扱うための機能もちゃんと揃っているわけですな。また、これらの機能の実使用感として、どの場面でも十分速いレスポンスにて機能してくれるのが好印象。メディアタブレット2機種はほとんどの場面でサクサクと軽快に動いてくれるが、電子書籍コンテンツを積極的に使うための各種機能においてもモッサリ感がナイのが嬉しい。

 それから、蛇足と言ってはナンだが、ウェブブラウザをはじめとする少々のアプリケーションも内蔵している。モバイルモデルの場合は画面がやや小さめで解像度も低めなので、ウェブページを画面一杯に表示すると若干文字がかすれるものの、見たい部分をタブルタップすれば拡大表示される。このあたりはiPhoneやiPadとよく似ていて快適に使うことができた。

数は多くないが、ウェブブラウザやtwitterクライアントなどのアプリケーションを利用できるたとえばYahoo!天気情報のページを表示させるとこんな感じ。PC用サイトだと文字が小さいかもでも表示の拡大などは自在。読みやすいサイズに調整可能だ。ブラウザ活用上最低限必要な機能もある

 てなわけで、電子書籍コンテンツを扱って読書をするためのハードウェアとして、その表示や操作感とも、メディアタブレット2機種はナイスな感じ。さらに携帯しての使用という実用面を考えると、持ち歩くにはやはりそのサイズ/質量からモバイルモデルが現実的。それにモバイルモデルの質量やトラックボールは、片手でフツーに読書できまくりでグレイトであった。

 表示もキレイだし動作も速いし、ユーザーインターフェイスも快適なメディアタブレット、かな~り好感触っス。量販店では実機展示もあるようなので、ぜひ一度ブツに触れて操作してみてほしい。

2010/12/20 06:00