SmartiaでAndroid始めるのがラクかも

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


SmartiaでAndroid始めるのがラクかも

 比較的に急激にキた雰囲気がある各種Android端末。スマートフォンをはじめ、各メーカーからいろいろな端末が登場しており、な~んかスゴそーな勢いで普及しているよーな気がする。拙者も何機種かAndroid端末を使ったが、個人的にかなり気に入れたのがBIGLOBE(NECビッグローブ)Smartia(スマーティア)だ。

BIGLOBEのSmartia。Android 2.1搭載のタブレット端末で、ネットへの接続はWi-Fi経由で行う

 Smartiaは、ホントはBIGLOBEのサービスと上の写真の端末(NEC LifeTouch)を合わせた呼び名なんですけど、ここでは端末自体もSmartiaと呼ぶことにする。

 さておき、拙者がSmartiaのドコをイイと思ったかと言えば、まず純粋にAndroid端末として購入できて、価格が比較的に安価だというところ。Smartiaの通信手段はWi-Fi(IEEE802.11b/g)のみなんだが、スマートフォンなどと比べると、回線契約とか基本料金とかパケット定額とかかそーゆーシガラミが一切なくて気が気楽。Android端末自体どんどん変化していく雰囲気なので、2年縛りとかでAndroidなスマートフォン買っちゃったりするのはなぁ、と思う拙者である。

 それから、何と言うか、端末/サービスに「おんぶにだっこ」でラクして使えるところ。Android端末自体は難しいものではないと思うが、柔軟にイロイロできるプラットフォームなので、端末を前にして「何をどうすれば?」的な漠然と迷う人は少なくないと思う。が、Smartiaの場合、そのあたりもスンナリと使っていけるように思うのだ。

 てなわけで今回はSmartiaの使用感などをレポートしてみたい。ちなみにSmartia、店頭での販売は行われていない。購入はウェブサイトや電話からとなる。基本的な販売価格は4万2800円だが、BIGLOBE会員だと3万9800円で、BIGLOBEのネット接続サービスとセット購入だと1万9800円になったり、割引もイロイロあったりする。

サクサク動くタブレット

 Smartia(LifeTouch端末)の仕様はココにあるとおりだが、7型タッチパネルのAndroidタブレットですな。サイズは約220×120×14mmで、質量は約370g。片手で持って、付属スタイラスや指先で操作できるポータブルな端末である。

SmartiaとDVDのトールケースを並べたところ。質量は約370gなのでフツーに携帯できる。操作は画面タッチ(指やスタイラス)およびボタンで行える付属のスタンドに立てて机上などに置いておける。Smartiaの下端には充電用接点らしきものがあるが、充電用クレイドルなどは市販されていないスタンドはこのような簡易的な作りのものだ。写真の角度で止まるように作られてはいるが、これ以外の角度にも自由にセットして使えちゃう
本体左側にはボタン類およびコネクタ類が並ぶ。使うコネクタはACアダプタジャックとイヤホンジャックですな。USB端子は、フツーは使わない本体背面にはカメラがある。画素は3メガピクセルでオートフォーカスに対応している。このカメラで静止画や動画を撮影することができるSDカードスロット(フルサイズ)もある。センサー類はGPS、加速度、地磁気、光を搭載している。対応BluetoothプロファイルはA2DP/AVRCP/OPP

 まずタッチパネルやボタン類の使用感だが、操作感も端末の反応も全体的に滞りなく動くという印象だ。抵抗膜タッチパネルを採用しているので、指先でもスタイラスでも使える。iPhoneなどが採用している静電容量方式パネルでないため、ピンチイン/アウトなどはできず、また、あまり弱く画面に触れると反応しにくいことがあるが、慣れれば違和感なく操作できるだろう。

 あとSmartiaを使った人がけっこー高確率で言うコトだが、このパネルはスタイラス操作のほーが快適。指での操作もフツーに快適だが、スタイラスで操作したほうが繊細かつ確実に使える。また、本体左上の4方向ボタン&決定ボタンでも使える。多数のアプリアイコンからヒトツを選んで実行するときなどはこれら物理ボタンが快適だと思う。ただ、ボタンの押し心地がちょい硬めかもしれない。

 動作スピードは、使うアプリや処理内容によって違うので一概には言えないが、全体的にサクサク動くという印象だ。ウェブブラウザでの表示/スクロールがもたつくとか、Googleマップアプリの拡大/縮小/スクロールが遅くて使い物にならないとかいうことは(拙者の環境では)皆無な感じ。画面の解像度は800×480ドットと、そーんなに高くないんだが、7型ワイドという大きさはウェブサイト閲覧などを快適に行える。

ホーム画面を操作しているところ。茶色のタブを引くように操作するとアプリを一望できるが、こういったスクロール操作時の表示も滑らかだGoogleマップを表示したところ。拙宅環境では十分快適にマップの拡大/縮小/スクロールが行えた。各レイヤともスムーズに表示されるSmartiaを縦にする(左側を下にする)とGoogleマップなどの表示もこのように90度傾く。つまりは縦表示で閲覧することができるわけですな
ケータイWatchのPC版ページにアクセスしたところ。7型TFT液晶での見えかたは非常にクリア。文字だらけのウェブサイトなども快適に閲覧できる文字サイズは設定で変更可能。これに加え、ページの一部分を拡大することもできる。フリックによるスクロールなどもスムーズで実用的だもちろん縦表示にもできる。なお、端末左側が下のときのみ縦表示になる。端末右を下にしての縦表示や、端末を逆さまにしての横表示には非対応

 なお、実際の画面で見た表示は、発色/コントラストともに良好。視野角も常識的な範囲で広いと感じられる。ウェブをはじめとした各種情報を表示するデバイスとしてはとくに問題ナシっていうかイイ感じである。

初心者にはとくにオススメかも

 Smartiaを使っていてたびたび思うのは「ラクしてAndoroidプラットフォームを楽しめる」てなコト。Smartiaには独自のホーム画面が6枚あるんだが、何をするにもまあソコから始めれば「あ、そういうコトね」と直感&理解しつつ使えたりする。

独自のホーム画面6枚のうちの「ホーム」。写真のように日付や時刻、ニュースヘッドライン、占いなどを一望できる「ニュース」ではトピックをはじめ、芸能、スポーツなどの最新ニュースを閲覧できる。もちろん自動更新される「アプリ」ではAndroidアプリのレコメンドやランキングを見られる。全部日本語解説付き(andronaviサービス)
「買い物」は文字通りネットショッピング。BIGLOBEショッピングが使われるので、ほかで買いたいならブラウザを利用「おでかけ」では、BIGLOBE旅行、BIGLOBEグルメ、BIGLOBE地図を使った検索や比較が可能。手っ取り早く使えて便利「マイルーム」はカスタマイズ専用のホーム。気に入ったアプリやウィジェットを自由に配置して使える画面なのだ

 6つのカテゴリ/テーマ別にホーム画面があるわけですな。特徴的なのが、いろいろな情報をプッシュ配信してくれているところ。クラウドサービスとしてのSmartiaが、Smartia端末に最新情報を送ってくれているというわけだ。

 たとえば「なんかオモシロいアプリないかな?」と思ったら「アプリ」のホーム画面を開く。すると、おすすめアプリが見られたり、人気アプリランキングをチェックできたり、もちろん求めるアプリを検索することもでき、当然、ダウンロードして使用するところまでイケる。

ホーム画面「アプリ」では、おすすめのアプリやランキングがプッシュ配信されるランキングから絞り込み検索をして探すこともできる。人気アプリを容易に入手できるそのままアプリのダウンロード~実行までイケる。Smartia単体で全部済むんですな
積極的にアプリを検索することもできる。これらのサービスはandronaviによるものandronaviでは、各アプリの比較的に詳細なレビューが日本語で読めるのだプリインストールアプリのアップデートを知らせてくれたりも。全体的にラクっす

 話が逸れるが、これらホーム画面のカスタマイズは(「マイルーム」でなくとも)自由に行える。たとえばアイコンやウィジェットは自由に置いたり消したりできる。画面右に縦に並ぶアイコンは好みに応じて自由に変えられるし、無くすこともできる。

 さて、Android端末を使い始めてすぐ「どうしよう!?」と思うのは、ほかのプラットフォームの端末と同様、アプリ探しだ。結局、ネットで検索することになる。

 で、現状、多くの日本人Android端末ユーザーが行き着くのがandronavi。andronaviには大量のAndroidアプリがあってダウンロードでき、人気ランキングなどの情報もあり、さらにアプリやAndroid端末のレビュー/解説なども読めて、もちろん全部日本語。

 このサイトからAndroidアプリ探しを始めるのが最短ルートだと思うが、Smartiaには最初からandronaviが入っている。andronaviアプリがプリインストールされているというわけだ。

 andronaviアプリで好みのアプリをサクッと探せたり、ニュースなどがプッシュ配信されたりで、面倒僅少で使えるAndroid端末がSmartiaってわけですな。

楽しく使えるSmartia独自サービス

 SmartiaはAndroid端末なので、たとえばGmailとかGoogleカレンダーを快適に利用できる。GmailならIDとパスワードを入れれば即使えるようになり、スリープ中でもメールを自動受信する。また、Smartiaの場合、メールなどが届いたらスリープ中でも効果音が出て本体左上のLEDが点滅したりする。

 それと、Smartia独自のサービスも使える。具体的には、たとえば「お届けフォト」や「BIGLOBEゲートβ」あたり。率直な話、こういう独自サービスってアレでナニなケースが多いが、これらのサービスは実用的&愉快。もちろん無料で使える。

 まず「お届けフォト」だが、これはSmartiaに対して写真が添付されたメールを送れば、その写真がSmartia上にどんどんたまっていくというクラウドサービス。気に入った写真をメールするだけで、Smartia上にお気に入り写真だらけのギャラリーが完成する感じですな。

お届けフォトはSmartia用アプリ/サービス。メールに写真を添付してSmartiaに送れば、Smartia内でフォトギャラリーが育つというイメージのサービスだ写真の送付先メールアドレスは、各Smartia専用のものが発行される。そのメアドを知っていれば、端末/ユーザーを問わずSmartiaへの写真送付が可能だお届けフォトのオプション設定により、画像共有サイトにアップロードされた写真をSmartiaに自動転送することもできる。なかなか斬新なサービスですな

 ちなみに、写真の送付先メールアドレスは独自のものが生成される。これを得るためにはBIGLOBEへの会員登録(無料)が必要となる。また、メールアドレスは再生成も可能だ。

 で、そのメアドに写真添付メールを送れば、写真がSmartia内に取り込まれる。たとえばSmartiaを実家のジジババに贈り、孫写真を毎日送って喜ばせるとかいった使い方もできますな。また、オプション設定によりTwitPicなどに投稿された写真を自動送付させることも可能だ。

 それから「BIGLOBEゲートβ」だが、これもクラウドサービスなんですけど、その機能のうち現在は「つんどく」が使える。コレ、「後で読んだりするためのブックマークをスマートフォン/PC/Smartiaで共有するためのサービス」である。たとえば、iPhoneで「後で読むページをチェック」すると、そのURLをPC(ウェブブラウザ)やSmartiaで共有できる。

iPhone 4で「つんどく」アプリを使っている様子。読みたいと思ったニュースなどウェブページをチェックすると、未読としてたまっていくチェックした未読ページは、ウェブブラウザ(プラグイン)に同期され、このように表示される。PCで後で読みたいページをチェックしてもいいSmartiaでも「つんどく」が使えて、未読を読むことも、未読として登録することも可能。各端末上で後で読みたいページを同期できるわけですな

 両方ともヤリ過ぎず地味すぎず、なかなか使えるサービスなのであった。「つんどく」のほーはSmartiaと関係なく利用できるので、興味のある方はゼヒ。

 てな感じで、恐らく初心者でもあまり迷わず使い始められて、容易にAndroid端末の面白さを実感できて、Smartia端末/サービス自体の利便もよくわかると思う。ナイスなのは、ソレを短時間で、ほとんど悩んだり苦しんだり(!?)せずにデキること。

 イマイチ目立ってないSmartiaだが、手っ取り早さ&取っつきやすさではそーとーなナイス度だと思う。ので、機会があればぜひ一度触れてみて……って、店頭にナイからなかなか触れないんですな、Smartia。うーむむむ。

2011/2/14 06:00