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無線LANでSD/SDHCカードを使えるAirStash

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


無線LANでSD/SDHCカードを使えるAirStash

 今回のブツは日立マクセルのAirStash。コレ、Wearable社製の「無線LAN機能搭載SD/SDHCカードリーダー」なのだ。利用スタイルはいろいろあるが、たとえば「デジカメで撮って、そのSD/SDHCカードをAirStashに挿し、iPhoneなどスマホからSD/SDHCカードの写真を読み出す」といった使い方ができる。

日立マクセルの「AirStash」。挿したSD/SDHCカードへ無線LANでアクセスできるアダプタで、SD/SDHCメモリカードリーダーとしても使える。内蔵バッテリー駆動でUSB充電対応。サイズは幅33.2×高さ92.5×奥行き13mmで、本体質量は約41g。2012年4月現在の実勢価格は1万円弱

 AirStashを一口に言えば「USB接続のSD/SDHCカードリーダーに無線LAN機能が加わったもの」てな感じ。

 まず、SD/SDHCカードリーダーとしての機能。AirStashにSD/SDHCメモリカードを挿してPCにUSB接続すれば、フツーのSD/SDHCカードリーダーとして使える。

 それから無線LAN機能。AirStashに挿したSD/SDHCカードへ、無線LAN接続でアクセスできる。アクセス可能な端末は、無線LANとウェブブラウザが使える各種端末。

 なお現在のところ、iPhone/iPad用アプリの「AirStash+」が無料で提供されており、これを使えばより手軽にAirStashの各機能を利用できる。ちなみにAndroid用アプリの提供もこの春に予定されている。

 さて、AirStashを購入した理由だが、お察しのとおり「デジカメで撮った高画質の写真を手軽にスマホに転送したい」ということ。以降、AirStashの機能や使用感について見ていきたい。が、イキナリ俺的結論を言っちゃうと「デジカメ→スマホへの画像転送には一手間かかるが、現在使っているカメラやメモリカードを専用品に置き換える必要がなくて汎用的」となる。利用スタイルを比較的に幅広く設定できるので、わりと多くの人に向く製品だとも感じた。


シンプルに使い始められるAirStash

 まずはAirStashのセットアップから。このテの製品は、多かれ少なかれ、使用前の無線LAN方面の設定が必要だ。が、AirStashは非常に手間が少ない。というのは、無線LANおよびウェブブラウザが使える端末とAirStashがあれば、すぐ使い始められるからだ。

 AirStashの設定は、端末をAirStashへ無線LAN接続し、端末のウェブブラウザもしくは専用アプリ(現在はiPhone/iPad用アプリの「AirStash+」のみ使用可能)から行う。また、アクセスポイントとしてのAirStashには、出荷時は暗号化パスワードはかけられていない。ちなみに、出荷時のAirStashのSSID(スマホからの接続先)は「Airstash※※※※※※」(※※……はAirStash識別用の6文字)となっている。

 ので、要はイキナリAirStashの電源入れて、オモムロにスマホからAirStashへアクセスして使い始めればいいのだ。PCなどを使っての設定は一切不要。以降、使用する端末をiPhone 4Sとして、AirStashの使い始めの手順を見てみよう。

まずはAirStashへ接続。AirStashの電源ボタンを長押しして電源をオンにしたら、端末(この場合はiPhone)からAirStashにつなぐ。[設定]→[Wi-Fi]→[ワイヤレスネットワークを選択]で「Airstash※※※※※※」(※※……はAirStash個体識別用の6文字)を選ぶ。出荷時のAirStashには暗号化パスワードがかけられていないので、これだけで接続は完了する


AirStashに無線LAN接続したら、ウェブブラウザでAirStashにアクセスする。接続先URLは「http://airstash.net」(実際は「airstash.net」だけでOK)。AirStashにSD/SDHCメモリカードを挿していない場合、上のような表示になるので、[Settings]から設定画面に入る。と言ってもSSIDや接続チャンネルの変更や、暗号化パスワードの設定をする程度ですな。暗号化パスワード([Security]の項目)以外は初期値でも問題ない


こちらはiPhone/iPad用アプリ「AirStash+」の表示例。AirStashに無線LAN接続後、アプリを起動すると上の表示になる。画面右下の歯車マークから設定に入り[DirectLink]で設定を行う

 てな感じ。簡単っスね。Airstashとモバイルデバイスだけあれば設定を済ませられるのがイイですな。
 ちなみにAirstashは内蔵バッテリーで駆動し、充電はUSB充電。充電にかかる時間は約2時間で、公称では約7時間使用できる。Airstashへは8台までの端末を同時に無線LAN接続できる。


ウェブブラウザで使うとどんな感じ?

 次にAirStashに挿したSD/SDHCカードへ、スマホのウェブブラウザからアクセスしてみよう。たとえばデジカメにSD/SDHCカードを挿して撮影し、そのSD/SDHCカードをAirStashに挿せば、写真を無線LANを介してスマホ上で閲覧したりスマホにダウンロードしたりできる。

 また、扱えるのは写真だけでない。AirStashに挿すSD/SDHCカード上にはどんなファイルを置いてもよい。閲覧できるかどうかは、スマホ側のブラウザやブラウザからファイルを共有できるアプリ次第。というわけで、SD/SDHCカードにいろいろなファイルを入れて試してみた。

 SD/SDHCカードに入れたファイルは、Microsoft Wordファイル(.doc)、Microsoft Excelファイル(.xls)、PDFファイル、テキストファイル(.txt)、QuickTimeムービー(.mov)、MP3ファイル。ムービーは、iPhone 4Sで撮ったものをいったんPCに転送し、これをFlashAirにコピーしたものだ。テキストはShift-JISフォーマットのものを使った。

 なお、端末はiPhone 4S。使うブラウザは標準ブラウザ(Safari)だ。

AirStashに挿したSD/SDHCカードに、iPhone 4Sの標準ウェブブラウザでアクセスしたところ。フォルダ階層を辿って各ファイルを開いていける。画像のサムネイル一覧表示には非対応


JPEGファイルを開いたところ。画面長押しで画像の保存やコピーができるなど、ブラウザの各種機能でファイルを扱える


画像以外のファイルも扱える。Microsoft WordやExcelのファイルも開くことができた


PDFファイルやテキストファイルも開けた


QuickTimeムービー(.mov)やMP3ファイルの再生もできた。

 てな感じで、どのファイルも開いて閲覧することができた。テキストやOffice書類、PDFなどの場合、対応アプリがあれば共有機能を使ってiPhone内(対応アプリ内)にファイルを保存することも可能だ。

 画像もフツーに閲覧したりiPhone内に保存したりできるが、残念ながらサムネイル一覧表示はできない。ので、ブラウズしていく場合は、ファイル一覧からファイルを選び、一枚を表示し、ファイル一覧に戻り、また選び、一枚を表示し……という少々面倒な操作が必要になる。


iPhone/iPad用アプリで使った場合

 さらに、前述と同様のファイルをiPhone/iPad用アプリの「AirStash+」でも開いてみた。

iPhone/iPad用アプリ「AirStash+」を使用している様子。フォルダ階層を辿ってSD/SDHCカード内のファイルを見ていける。ただし残念なことに画像のサムネイル一覧表示には対応していないようだ。写真の閲覧は一枚ずつとなる


スワイプによる前後の写真への送り戻しは可能。[+]アイコンをタップすれば、表示中の写真をiPhone内にコピーすることができる


Microsoft WordやExcel、PDFといったファイルも開けた


もちろん各種ファイルは拡大表示できる。ただ、テキストファイル(Shift-JISエンコード)は文字化けしてしまった。しかし各種ファイルは共有操作ができるので、テキストファイル表示時のエンコードを選べるアプリがあれば正しく表示できる(たとえばGoodReader)


QuickTimeムービー(.mov)やMP3ファイルも再生できた。ムービーは「さっきの続きから再生」ができた


このアプリではSD/SDHCカード内にフォルダを作ることもできる。作ったフォルダにiPhone上の写真をコピーして保存できるのだ


写真をコピー保存している様子。iPhone/iPad内の写真をその場で外部のSD/SDHCカードに書き出せるというのはチョイ便利かもしれない

 このアプリの全体的な使用感は悪くないが、たとえば写真のサムネイル一覧表示ができないあたりはチョイ痛い。写真は一枚ずつ閲覧していくことになる。ただ、前後の写真を自動的にキャッシュしていくらしく、スワイプによる送り戻し表示はわりとスムーズだ。

 ほか、Shift-JISエンコードのテキストファイルが正しく開けなかったが、まあ外国メーカーのアプリなのでしょうがない? エンコード変更が可能なアプリを経由して開けば問題ないので、まあさほど大きな問題でもないのかもしれない。


やはり魅力的なAirStashの汎用性

 以上、AirStashの機能や使用感を見てきたが、「デジカメで撮った写真を手軽にスマホへ転送する」という観点だと、「デジカメからSD/SDHCカードを抜いてAirStashに挿す必要がある」ことと、前述のように「SD/SDHCカード内の画像をサムネイル一覧表示できない」というあたりで、ビミョーに不便かもしれない。

 が、実際に使っているとUSB接続および内蔵電池駆動という点に実用性を感じる。ビジネス用途にかなりイイのでは? みたいな。

 たとえばSD/SDHCカードにドキュメントを入れてモバイルで使うというスタイル。SD/SDHCカードにドキュメントを書き込むなどしているとき、AirStashには自動的に充電される。そのままAirStashを持ち出せば、たとえばミーティングに集まった数名に対し、無線LANでドキュメントを提供できたりする。AirStash自体がアクセスポイントでありファイルサーバーとなるので、インターネット上のクラウドを使うよりずっと確実にファイル共有できるように思う。

 撮った写真をスグにスマホで活用、という場合は、正直言ってFlashAirカードや無線LAN対応デジカメのほうが手間なく快適だと思う。が、AirStashには「SD/SDHCカードならどれでも」という汎用性があり、これが大きな魅力だ。スマホともノートPCとも親和性の高い製品なので、それら端末をさらに活用したい方はぜひ一度チェックしてみてほしい。


2012/4/16 06:00