GALAXY Noteがジョリーグッドな件

スタパ齋藤
1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコ ンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称 衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。


GALAXY Noteがジョリーグッドな件

 今回のネタはドコモのdocomo NEXT seriesスマートフォン「GALAXY Note SC-05D」。サムスン製端末ですな。海外では既に発売されていた端末だが、日本でもやっと発売に。ズギャッと予約購入した。

 そして使って約1ヶ月。現在のGALAXY Note SC-05D(以下、GALAXY Note)に対する印象を言えば、1ヶ月使ってきているのにワクワクが継続中であり、その使い勝手を良い意味で「ヤバい」と感じるのであり、まあホントにジョリーグッドな端末だと感じている。

ドコモのdocomo NEXT seriesスマートフォン「GALAXY Note SC-05D」付属のデジタルペン「Sペン」で手書きでの入力を行えるのが特徴だ5.3インチ(800×1280ドット)の有機ELディスプレイを搭載している

 先行して発売された海外版GALAXY Noteの評判を聞いていたので、かなり期待してドコモ版を予約購入した。ら、期待を上回る良さがありまくったGALAXY Note。

 もうとにかく、専用ペン「Sペン」による手書きや手描きがスゲくイイんですよ。GALAXY Noteは大画面で高解像度でポータビリティが高くてそーとーレスポンスの良い端末で、と、イロイロと売りはあると思われる。が、Sペンで操作&入力でき、そのサイズ感と使用感がナイスという時点で、俺におけるGALAXY Noteは他各種Android端末の追従を許さないグレイトさだと言えよう。かなり最高。こんなに興奮が続くAndroid端末は初めてだ。

 てなわけで以降、GALAXY Noteの機能や使用感などをレポートしてみたい。なお、GALAXY Noteの詳細についてはドコモサムスンの製品紹介ページをご参照いただければと思う。


手書きも手描きもイイ感じ♪

 GALAXY Noteは5.3インチ/800×1280ドットの有機ELディスプレイを搭載したAndroid 2.3搭載スマートフォンで、通信機器としてはFOMA(3G)とXi(LTE)に対応する。サイズは約147×83×9.7mm、質量は約184g。少々デカめのスマホなんですな。

 サイズ感や処理速度など特徴は多いが、最大の特徴は付属の「Sペン」と呼ばれる専用タッチペン(デジタルペン)。Sペンにより、画面上に直接、文字やメモを書き込める。Sペンでの入力は128段回の筆圧を感知でき、筆圧対応アプリなら描いた軌跡が筆圧により変化するなどして自然な雰囲気の描線が可能だ。もちろんペンによるUI操作も可能。当然ではあるが、指先による操作も可能だ。

標準搭載の「Sメモ」アプリで、筆圧対応のメモ書きなどを行える。手書きメモによく向くアプリだが、ペンのバリエーションなどもあり、お絵描き用にも使えるどの表示からでも呼び出せる「Sメモライト」機能。レスポンスは良好。とっさのメモ書きもわりと余裕な感じ。メモを保存すると「Sメモ」アプリ上で扱えるより高機能なアプリを使えばGALAXY Noteをお絵描き用ペンタブレットとして十分活用できそうだ。スクリーンショットはAutodesk社の「SketchBook Mobile」(https://play.google.com/store/apps/details?id=com.sketchbook&feature=more_from_developer#?t=W251bGwsMSwxLDEwMiwiY29tLnNrZXRjaGJvb2siXQ..)


手書き文字認識機能方式としてMetaMoJiのmazecを利用できる。スムーズなデジタルペン+認識率の高いmazecの組合せは、文字入力の常識を変えたりもするMetaMoJiの「7notes with mazec」アプリがプリインストールされている。手書き文字とテキストの混在や、手書き文字の入力後の認識が可能なメモアプリだSペンはワコムのfeel IT technologiesを採用。同じ技術を用いたThinkPad X60 Tabletデジタイザーペン(41U3143)などでGALAXY Noteに手書きすることも可能

 Sペンはワコムのfeel IT technologiesを採用したデジタルペン。「静電容量式タッチパネル対応のペン」とは別モノだ。ぶっちゃけた話、ポインティングデバイスとしての精度が高く、前述のように筆圧も感知する。ので、大雑把に言えば「筆記具のように書ける」し「画材のように描ける」。

 その書き味/描き味、ぜひショップで実動実機に触れて確かめてほしいが、Sペンで手書きできることでGALAXY Noteは従来型スマートフォンの範疇を超えたと感じる。イロイロ超えてる感じ。

 端的なトコロでは、手書き文字をテキスト認識させての文字入力がスゲく実用的。手書き文字認識機能方式としてMetaMoJiのmazecを利用できる点ではほかのAndroid端末などと変わらないが、GALAXY Noteの場合は端末自体の処理性能が高く、さらにSペンという高精度のデジタルペンが使える。これにより「思った軌跡で書けない」とか「速く書くと線が途切れて誤認識する」とか「書きにくいうえに待たされる」みたいなストレスが非常に少なく、入力効率がグッと高まる。

 個人的には、これまでAndroidスマートフォンでGoogle検索を利用する場合、ひとりで居るときはキーワード入力を音声入力で行っていた。が、出先だとソレも恥ずかしいので、ソフトウェアキーボード入力を使っていた。が、現在は音声入力か手書き入力のみとなった。Sペンで使うmazecの認識率はかなり高いので、この点も実機で確認してみてほしい。Sペンは快適に使えて、mazecの実力を十分引き出し、ときとしてソフトウェアキーボードからの入力を非効率的だと感じさせる。

 それから「手描き」。GALAXY Noteを「ポータブルなCintiqっぽく使うスタイル」とでも言おうか、画面に描けばその軌跡とその強さで画材っぽく線が引けるわけですな。筆圧対応アプリにもよるが、お絵描きにスケッチに書道にと、いろいろ楽しめるし、本職の方ならサブ的な画材として利用できるかもしれない。ともあれ、腕のあるなしに関わらず、体温が感じられる筆跡がAndroidスマートフォン上に次々と現れるのは斬新な体験である。

GALAXY Note標準アプリの「Sメモ」は筆圧対応。4種類のペンを利用でき、ペンの太さなども変更できる。これだけでもイラストを描けますな筆圧対応のペイントアプリ「LayerPaint」。5種類のペンを利用でき、太さなども変更できる。レイヤー対応。キャンバスサイズの変更も可能手軽に習字~筆による日本画風イラストを楽しめる「Zen Brush Free」。Sペンでの書道は筆ペンで書くのに似ている。筆跡もなかなかリアルだ

 あと、SペンによるUI操作はことのほか快適だ。たとえばウェブブラウザ使用中に小さなリンクをストレスなくクリックできるし、ソフトウェアキーボードやアイコン/メニューなどの操作もテンポ良く行える。指や手が画面を覆いがちで表示が見づらいというストレスも減る。また、Sペンでの操作の快適さには、5.3インチという画面サイズも大きく寄与しているように思う。


イケてるサイズ感

 GALAXY Noteのサイズは、147×83×9.7mm。手元に千円札があれば広げてみてほしい。ちょうどそんな大きさ。常時携帯するスマートフォンとしては、けっこーデケぇんですよ。ちなみに質量は184g。

GALAXY Noteのサイズは147×83×9.7mm。質量は184g。千円札とだいたい同じ大きさの、ちょいと大きめのスマートフォンなのだ比較的にデカい俺の手で持ってもこんな感じ。片手だけで扱おうとするとわりと落としがち。既に机上で何度も落としております左から、GALAXY Tab 7.0 Plus SC-02D、GALAXY Note、GALAXY S SC-02B。一般的スマホより大きめで、小型タブレットよりは小さい

 このサイズ感、スマート「フォン」としては大きい。この油揚げみたいなサイズの端末を耳に当てている様子は、電話しているというより顔を隠しているような雰囲気になるかもしれない。

 のだが、「スマート」フォンとしては非常にイケてるサイズ感だと思う。もはやスマホの主要機能はコンピュータとしてのソレであると考えている俺の場合、多少電話しにくかろうが、アプリ利用が快適であるほーが有り難い。

 そんな観点からすると、GALAXY Noteのサイズと質量は「常時携帯して使う通信端末として絶妙」だと感じるのだ。「いつも持ち歩くにはちょっと大きいなぁ」でもなく、「アプリを多用するには表示が小さいなぁ」でもない、今のところスゲくちょうどいいと感じられるサイズであり、重くもないので常時携帯が容易だ。

 で、こういうポータビリティがあり、さらに5.3インチ/800×1280ドットのディスプレイとなると操作しやすい。というか「細かい操作にイラッとくるケースが少ない」と言ったほうがいいかも。アプリの機能ボタンやメニューをタップし損じて「あーもー」とストレスを感じることが非常に少ない。

 それと同時に表示が大きめで見やすい。たとえば俺の場合、GALAXY NoteならPC向けにレイアウトされた(スマートフォン向けではない)ウェブサイトを快適に読める。縦位置だと場合によっては拡大標示が必要になるが、まあスマートフォン向けサイトを利用することはない。これもやはり解像度の高さと画面の大きさがあるからこそだろう。

GALAXY NoteでケータイWatchの「スマートフォン版」を表示したところ。読みやすいが、それぞれの文字がちょっと大き過ぎ!?こちらはケータイWatchのPC版を表示した様子。GALAXY Noteの横位置ならまずまず問題なく読めるテキスト/画像サイズとなる記事本文はこんな感じで表示される。本文は問題無く判読できる文字サイズになる。写真のキャプションも十分読めるサイズだ

 GALAXY Noteのサイズ感や一覧性は、常時携帯するポケッタブルな情報端末として非常にバランスの良いものだと思う。ただ、スマホのノリで「片手だけで扱おうとすると無理が出る」ってのもある。

 たとえば画面の向きを縦から横に持ち替えるとき、片手だけでやろうとすると、ツルリと落としやすい。実際、俺は机上にて何度もコロリガタンと落としている。片手だけで(指による)キーボード操作や、アプリアイコンタップも、場合によっては無理だったり端末を落としやすかったりする。

 俺の場合、「GALAXY NoteはSペンでサクサク使う端末」になっているので、まあほとんどのケースで両手での使用となっている。が、「スマホは片手で扱えてこそ」という価値感の人は、やはり実機を一度手にして「どうなのか」を確認してみてほしい。


ほか、こんなトコロも良い

 GALAXY Noteの良さはSペンによる操作性&活用幅と画面サイズ&ポータビリティが圧倒的な感じ。だが、使っていてほかにもちょこちょこ良いところがある。

 たとえば「わりと電池の保ちが良い」こと。使い方次第ではあるが、俺の使い方だとどうにか一日保つ。メール読んでSNS使ってウェブで調べて、たまに絵を描いたり電話したり、てな感じなら1日イケると思う。それと意外なことに、絵を2~3時間描き続けたりしていてもそーんなに電池が減らなかったりする。

 ただ、Xiサービスエリア内でデータ通信していると「えっ?」ってほど電池の減りが目立つ気がする。ので、都市部でビシバシと通信しまくりな利用スタイルだと予備バッテリーが欲しくなりそうだ。

 それからGALAXY Noteはテザリング対応で、ドコモ版GALAXY Noteでももちろんテザリングを利用できる。ただ、やはりXiでのテザリングは電池の減りがミョーに速い気がするので、都市部でビシバシと通信しまくりでテザリングも多用的な利用スタイルだと予備バッテリー必須となりそうですな。

 バッテリーで思い出したが、GALAXY Noteは「フリップカバー」と呼ばれる独自のカバーが使えて便利。フリップカバーは電池室(背面)のフタをカバーの一部として利用する「ブックカバースタイルのカバー」で、装着しても本体があまり厚くならず、本体とカバーがズレたりすることもなく、イロイロと快適。日本版GALAXY Noteにはオレンジ色のフリップカバーが付属している。

ドコモ版GALAXY Noteにはオレンジ色(薄茶色?)のフリップカバーが付属する。GALAXY Noteの背面(電池室)のフタを外し、そこに装着するブックカバータイプのカバーだ。


画面をピッタリと覆うカバーで、純正品は非常に薄く作られている。カバーを装着しても厚みは1~2mmしか増さない。背面の接合部はピッタリと隙間がない。カバーは手で簡単に外せる。

 このフリップカバー、ナニゲにスゲく良いアイデアっていうかギミックだと思う。画面を覆うカバー部分を巧く使うと、システム手帳内にGALAXY Noteを仕込むこともできそう。

 なお、GALAXY Note用として多々売られているフリップカバーだが、購入時はプチ注意。ドコモ版GALAXY Note(および韓国版GALAXY Note)とその他欧州版などのGALAXY Noteでは「背面(電池室)カバーの爪の位置が異なるために共用できない」のだ。

 あとワンセグ。個人的には「ワンセグを使ってまでテレビ放送は見ない」派なんですけど、去年の震災を経験してから考えが少し変わった。通信回線が輻輳したりなんかする状況下でテレビ放送やラジオ放送を受信できると、無理せずともある程度信頼できる情報が得られて有り難いなあ、と。また、輪番停電(計画停電)を体験した身としても、停電時に情報を得られるポータブルテレビとしても価値がある。そういう意味でGALAXY Noteのワンセグ受信機能はイイと思う。

 個人的に「非常にイイ」と思うのは手軽にスクリーンショットを取れる点。サムスン製端末はラクにスクリーンショットを取れるものが多いが、GALAXY Noteはいろいろな方法で取れる。

 GALAXY Noteでスクリーンショットを取る方法は4つある。具体的には、ホームボタンを押しながら電源ボタンを押す方法、Sペンのボタンを押しながらペン先で画面を長押しする方法、手刀の小指側で画面を左から右にスワイプする方法、それからPCとUSB接続してAndroid開発ツールを使う方法(←コレが面倒なのでほかのスクリーンショット撮影方法が有り難い)。「手刀の小指側云々」は文章ではわかりにくいと思うが、つまり画面左→右へ「1本の指の面でスワイプ」する方法だ。

 スクリーンショットを容易に取れることは、記事に画面表示例を掲載しやすいので仕事上非常に有り難い。またココにも書いたが、メーカー広報上でも有利につながると思う。

 それと、マップやウェブサイト上の画像などを手軽にキャプチャーしてメールで送信したりスクラップしたりできること。スマホ上の情報を画像として汎用できるようになるのは、ことのほか便利だ。GALAXY Noteの場合は、スクリーンショットにペンで書き加えて利用できるのでさらに実用性が高い。


使いにくいところもある

 1カ月使ってきてもまだワクワク感があるGALAXY Note。ハッキリ言って大好きっ♪ てな感じなんだが、率直なところ「使いにくさ」も少々ある。

 ひとつはペンが抜き差ししにくいところ。けっこーシッカリ硬く本体内に収まっているので抜き出しにくいのだ。ワンセグのアンテナも同様だが、ペンのほーは多用するのでもう少しスムーズに抜き差しできるようにして欲しかった。

 それとペンが細め短めな点。慣れれば大した問題にはならないが、手書きや手描きにはちょ~っと頼りない握り心地。なので現在互換品をアレコレ試しているところだ。

 それから、画面下部にあるホームボタン左右のタッチ式ボタン(メニューボタンと戻るボタン)をSペンでタッチできない点。ペン先でUIを操作していると、これらのボタンもペン先でタッチしたくなるが、これらボタンは指先でないとタッチできない。まあSペンを持った手の薬指かなんかでタッチすればいいんですけどネ。

 あと、電源ボタンの反対側側面にボリュームボタンがある点。つまり電源ボタンとボリュームボタンがシンメトリな位置にあるわけですな。この位置関係にあるため、電源ボタンを押して端末をスリープさせるとき、10回に3回くらいの率でボリュームボタンを誤押下してしまう。予期せずマナーモードと小音量状態が切り替わったりするのがウザいと言えよう。

 それと、少々前述したが、そのサイズや薄さや表面質感から、本体をスルリと落としやすいこと。スマートフォンを落とさないことにおいては自信たっぷりの俺なんですけど、いやホント落とした経験は数えるほどのホールド野郎なんですけど、GALAXY Noteはこの1カ月で何度も何度も何度も落とした。幸い手元から机上に落としただけなので壊れてはいないが、GALAXY Noteが「今週のクラッシュ」に登場しまくる日が近いような気もしている。

 ただ、前述のフリップカバーを使っていれば、この「落としやすい感じ」が激減する。摩擦が増えてホールドしやすくなるのと、カバー部でホールド感が増すためだろう。ツイデに、フリップカバーを使うと上記の「ボリュームボタン誤押下問題」もかなり軽減する。ボリュームボタン側にカバーの「ノド」があるので誤押下しにくくなるのだろう。

 あと、本体を縦以外の向きにすると、アプリによってはペンで描いた位置と画面上の軌跡がズレたりすること。とくに本体を逆さにすると多くのドロー系アプリでペン先位置と軌跡の位置がズレる。横でもズレるアプリもある。

 絵を描く場合、線によっては紙などを向きを変えて描いたほうが綺麗な線になったりするが、GALAXY Noteでも同様。ときには横にしたり斜めにしたり逆さにしたりして描くが、そんなときにペン先位置と描画される位置がズレて若干ストレスがたまる。ただ、こういう使い方はあまり想定していないような気もするので、仕方がないのかもしれない。

 てなところがGALAXY Noteの使いにくい点。ただ、多くは慣れて克服できるものですな。また、これらの細かな使いにくさをズギャッと一蹴&払拭してくれるくらい、GALAXY Noteは便利で愉快でグレイトでジョリーグッドな端末だと感じている。Androidな人はぜひ一度触ってみて欲しいっていうか触るべきだと思う。


2012/5/7 06:00