スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ビジネス用途にハイエンドゲーミングマウス、再び

ビジネス用途にハイエンドゲーミングマウス、再び

 はいはいはい、寒中お見舞い申し上げつつゲーマーでもないのに「また」ゲーミングマウスをポチッた俺が通りますよ、はいすいませんね、おっとソコごめんなさいね、はいはいはいはい、的な。そして今回のネタはMad Catzのハイエンドゲーミングマウス「Cyborg R.A.T.9 Gaming Mouse」(以下、R.A.T.9)である。arkオンラインショップにて1万4800円で購入した。

Mad Catzの「Cyborg R.A.T.9 Gaming Mouse」。幅や長さや高さや重さをカスタマイズ可能なワイヤレスマウスで、6つのボタンを持つ。最大解像度は6400dpi。電源は専用リチウムイオンバッテリー

 何でコレを買ったかと言うと、今年のアタマにレポートした米Razerのハイエンドゲーミングマウス「Ouroboros(ウロボロス)」の調子がどーも悪い。具体的には、「PC起動時には認識されず、USB接続し直すと認識される」というトラブルが連発するのだ。USB接続し直せば直るので、タチが悪い問題ではないが、いちいち面倒!! というわけで、R.A.T.9に手を出してみた。

 R.A.T.9も、ウロボロスと同様に、サイズをカスタマイズできるギミックを持つ。幅、長さ、高さ、そして重さを自分に合わせて調節できるんですな。俺の場合、ゲーム用途ではなく、R.A.T.9を仕事用に購入。手にピッタリとフィットして超気持ち良く使えるマウスを求めてR.A.T.9も試してみたというわけだ。

 以降、やはり「ビジネス用途におけるサイズ可変ゲーミングマウス」という視点でR.A.T.9の機能や使用感を見ていきたい。でも結論から言えば、電池が専用品であり若干消耗が激しいことを除けば、かな〜り使いやすい。半月以上毎日使ってきたが、非常に快適である。

高性能ゲーミングマウス

 まず、R.A.T.9のマウスの主な仕様を少々。センサーはレーザーで、解像度は最大6400dpi。PCとは専用USBレシーバによる無線接続(2.4GHz)。電池は専用品で2個付属し、USBレシーバで充電できる。充電時間は約2時間(初回のみ約3時間)で、連続使用時間は最大9時間(ゲーム時)/最大4日間(通常使用時)となっている。

 ボタン数は6個で、それぞれカスタマイズ可能。3つのモードを切り替えられるので、最大18個の機能を割り振れるカスタマイズ結果はプリセットとして保存でき、必要に応じて切り替えられる。

独特のルックスを持つR.A.T.9。アルミ製シャーシのワイヤレスゲーミングマウスで、電池は専用リチウムイオンバッテリーを使う。後述のサイズ調整ギミックのほか、交換用ピンキーレスト/パームレストも付属。重さを調整することもできる

 う〜ん、カッコいいマウスですな。スペック的にはゲーミングマウスなんですけど、もちろん仕事用にも問題なく使える。専用ソフトウェア(STソフトウェア)を使えば、ボタン機能のカスタマイズやマクロの登録などが行えるので、これもまたアイデア次第で「仕事用マウス」としての機能を高められるだろう。

サイズや使用感を自分好みにカスタマイズ♪

 俺的視点での「R.A.T.9の最大の魅力」は、サイズ〜使用感のカスタマイズにおける自由度の高さだ。具体的に、R.A.T.9は、マウスの長さ、幅、高さ、重さを柔軟に調整することができる。

 調整できる幅は、長さが約110/115.5/121/126.5の4段階、幅が約70〜75mm、高さが約38/39/41mmの3段階、重さが約163/169/175/181/187/193/199/205gの8段階で調節できる(実測値)。ただしmm単位g単位での精度はあまり高くないようなので、「このくらいの幅で調整できる」という目安として捉えてほしい。

パームレスト部分を前後させ、マウスの長さを約110/115.5/121/126.5の4段階で調節できる。つまみ持ち派ならパームレストを外してしまっても大丈夫かも
幅を約70〜75mmの範囲で調節できる。またボタン位置を前後に調節することもできる。幅調節やマウス左側のボタン位置前後調節には、本体に収納されている6角レンチを使う
3種類のパームレストが付属し、好みで交換できる。パームレストによってマウスの高さが変わる。写真左から、約38mm、約39mm、約41mm。写真中央のパームレストはラバー質感の滑り止め付き

 てな感じで、かな〜り細かくマウスを自分の好みのサイズ/質量に調節して使うことができる。俺の場合、何度か調節した結果、幅を最も狭く、高さを最も低く、重さを最も重くした状態がベストマッチとなった。

 マウスポインタの追従性が非常に高いマウスだが、それと同時に手へのフィット感も抜群に良く、非常に快適に使えている。いったん慣れると他のマウスに乗り換えがたいフィット感だ。後述するが、とりわけ重さは重要なようで、「これがいつもの重さ」というのを手が覚えるらしい。ウェイトを2個抜くともう「マウス操作にかなり違和感がある」と感じるようになったりする。

 結論から言って、けっこー神経質な「マウスのサイズ/重さの微調整」ができる点で、かな〜り満足度が高い。ベストフィットを探し出すまで少し試行錯誤が必要だが、キマると気分爽快。手や心にかかるストレスが最小限になったのか、気持ちよく自然にマウスポインタをコントロールできている。

操作感アップのギミック

 サイズを変えて手へのフィット感を高められるR.A.T.9だが、細かな操作感を調節できる点も秀逸だと感じた。具体的には、マウスの重さを調節できたり、マウス左側のボタン位置を前後に調節できる。ピンキーレスト(小指などを置く部分)の交換も可能だ。

本体に7個のウェイトを内蔵することができる。これにより、重さを約163/169/175/181/187/193/199/205gの8段階で調節できる。使わないウェイトは専用ホルダーに入れ、USBレシーバーに格納しておくことができる
マウス左側のボタン(進む/戻る)の前後位置を微調節できる。範囲は10mm程度。ただし、開く角度(マウス幅)に少し影響されるので、幅とボタン前後位置を完全に個別に調節することはできない
マウス右側に装着できるピンキーレストは3種類が付属する。幅広のものを使えば小指などを完全に乗せられる

 まず重さ調節。前述したが、マウスの重さ調節を実際に体験してみると、「今後は重さ調節対応マウスにしよう」と思っちゃったりする。重さは、ユーザーにより好みの分かれるところで、軽い方がイイという人もいれば重いのを好む人もあると思う。

 俺の場合は重いほーが好きで、それは「高速で大胆に動かしても低速で緻密に動かしてもマウスポインタがブレにくいから」だ。軽いマウスだと、手の角度によっては「手がプルプル」しちゃって、それが緻密なマウスポインタ操作を邪魔する。そんなわけで、ある程度重いマウスのほうが快適に使えると感じるし、その「ある程度重い」に合わせていけるマウスはホント快適だと感じる。

 マウス左サイドを前後に動かせるのもイイですな。左サイドのボタン×2の前後位置を微調整できるので、ボタン類をより押しやすい位置にもってこられる。ただこの機能は「微調整」という範囲で、調節範囲は約10mm。もう少し幅広く動かせればより実用的だと思う。

 マウス右側のピンキーレストを交換できる点も良い。マウス右側は交換できず、親指のためのフィンガーレストがある=親指を乗せて使う仕様になっている。マウスを下側にやや押すようにして操作できるのでマウスポインタコントロールの安定性が高まるが、もっと安定させたいという場合、ピンキーレストを「小指などを乗せられるタイプ」に交換するといいだろう。

 ただ、個人的にはこの「小指などを乗せられるピンキーレスト」の手前の出っ張りに違和感を覚えた。小指が引っ掛かりすぎる感じなのだ。左側にある、親指のためのフィンガーレストと同様の、単に机面と平行の小指乗せがあるだけのピンキーレストも付属させて欲しかった。

マウスのカスタマイズ

 R.A.T.9は最大6400dpiという解像度を発揮できるマウスで、スクロールホイール手前のボタン操作により感度を4段階に切り替えられる。画面全体にマウスポインタを移動したいときは高速に、画面一部で精密なマウスポインタ操作が必要なときは低速に、という切り替えができるわけですな。

 適用する解像度の設定は専用のSTソフトウェア(ドライバ)によって行う。また後述のボタンカスタマイズやプロファイルの作成、マクロの登録などもこのソフトウェアを使って行う。

STソフトウェアでマウス感度を設定しているところ。上側のセクションで4種類の感度を設定しておき、これをホイール手前のボタンで切り替えられる。下側のセクションでは精密ターゲットモードの感度を設定する

 25dpiから6400dpiまで25dpi刻みで、4種類の感度を設定し、必要に応じて(ホイール手前のボタンを押して)これら感度を切り替えて使えるのだ。ゲーム用途にはもちろん、ビジネス用途にも幅広く応用できる感度切り替え機能であり、感度切り替えのためのボタン位置やその操作感も良いので非常に実用的だと感じる。

 それと、マウス左サイドに「精密ターゲットモードボタン」がある。これを押している間、設定した感度を一定の割合で下げ、マウスポインタの移動速度を落とす(精密なポインタ操作を可能にする)という機能だ。標的を精密に狙うときだけボタンを押下し、一時的にポインタ操作の正確さを高める機能ですな。

 下げられる感度の割合は、0〜100%。たとえば1000dpiの感度設定で使用時、割合を60%と設定したとしよう。このとき、通常は1000dpiの感度でマウスポインタを操作でき、精密ターゲットボタンを押したときだけ「感度が60%減」となって400dpiの感度でマウスポインタを操作できるようになる。

 FPSなど瞬時に精密なポインタ操作が必要になるゲームには便利な機能だが、ビジネス用途においても役立つ。高解像度ディスプレイ使用時、一時的に狭い範囲で緻密なマウスポインタ操作を行いたいときなどに便利だ。

 たとえば大画面全体を十分なマウスポインタ速度で移動すべく、通常は速め(dpi値高め)の設定にしておく。そして精密なマウスポインタ操作が必要になった場合、精密ターゲットボタンを押しつつマウス操作。こうして、マウスポインタの長距離高速移動も、狭いエリアでの緻密な操作にも対応できる。

 それからボタンのカスタマイズ。R.A.T.9には6つのボタンがあり、これを自由にカスタマイズできる。ボタンにはマウス機能のほか、キーボードのキー押下やキーマクロを設定できる。また、マウス左上のボタン押下により、3種類のモードを切り替えられる。6つのボタン×3モードで、18の機能を割り振れるということになる。

6つのボタンに対して機能を割り振ることができる。これを3つのモードそれぞれで行える。マウス使用中、マウス左上のボタンでモード切り替えを行えるので、合計18個のボタンに好みの機能を割り振れるということになる

 なお、カスタマイズ結果はプロファイルとして保存できる。マウスの感度設定やボタン機能などを、仕事用、ゲーム用、フォトレタッチ用等々、用途に応じて設定〜プロファイル登録しておけば、プロファイル切り替え操作だけで「○○操作専用マウス」として操作感をダイナミックに変更していける。ちなみに、ドライバの設定により、PC起動時に自動選択されるプロファイルを指定することができる。

登録したプロファイルは容易に切り替えられる。PCスタートアップ時に自動的に選ばれるプロファイルを指定することもできる。あとこのマウス、横スクロールができたりするダイヤルがあってコレが超便利♪

 個人的にズギャ〜ンと喜べたのは、マウス中央左側に見える銀色のダイヤル。いろいろな用途に使えるとは思うが、このダイヤルで「横スクロール」ができるのが非常に便利。ウェブブラウザ、画像ブラウザ、スプレッドシートなど、色々なアプリケーションで横スクロールをマウスのダイヤル操作で行えるのは、もう後戻りできない利便。

 ちなみに、横スクロールの設定は、ダイヤルに対してキーボードのカーソルキーの右や左を割り当てれば良い。これらのキーで横スクロールしないアプリケーションの場合は、そのアプリケーション用のモードかプロファイルを作り、そのアプリケーションが横スクロールするキーを割り当てれば良い。

 てな感じのR.A.T.9。ひとつだけ残念な点を挙げれば、バッテリーの消耗がやや激しい点。一般のビジネス用途なら、1本で1日保つ感じではあるが、朝から夜までマウスを使い続けるようだと、途中で電池切れになったりも。正確に測ったわけではないが、感覚的には1本が6〜8時間程度の持続時間てな感じ。

 まあ電池切れになっても、USBレシーバーで充電中の電池を抜き、マウスに挿せばいいだけではありますけどね。1日1回バッテリーを差し替える感じで使っていれば、まずバッテリー切れという状況にはならない。

 でも、だいたい、1日に1本消耗というイメージ。また予備電池などは販売されていないもよう。なのでこのマウス、も〜しかすると、マウス本体が壊れたりする以前に、バッテリーの寿命が来て使用不能になっちゃうのかも!? てな不安は残る。とは言ってもずいぶん先の話ではあるが。

 ほかは全体的に非常にイイ感じ。冒頭にも書いたとおり、半月以上毎日使ってきてトラブルには遭遇しておらず、難点もあまり見当たらない。使用感は抜群なので、予備が欲しいところだが、お値段がねぇ〜。ともあれ、ビジネス向けマウスにとって「見習うべきところが非常に多いR.A.T.9」なので、ゲーマーのみならずフツーの人にもぜひチェックして欲しい一台だと思う。

【追記】
 同マウスのバッテリーですが、Mad Catzカスタマーサポート( jpsupport@madcatz.com )にて、希望する方には「2本セットで税込1,980円」の販売を行っていることがわかりました。ご希望の方はMad Catzカスタマーサポートへご連絡ください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。