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プロ並み写真がすぐ撮れる「LEDてるてる棒」

プロ並み写真がすぐ撮れる「LEDてるてる棒」

 今回のネタはセンチュリーの充電式LEDライト「LEDてるてる棒」。白色LEDを内蔵した筒状のポータブル照明ですな。LEDを20個内蔵した「LED20個モデル CLTTB20」と、LEDを40個内蔵した「LED40個モデル CLTTB40」がある。センチュリーダイレクトにて、CLTTB20を6980円、CLTTB40を7980円で購入した。

センチュリーの「LEDてるてる棒」2機種。充電式でポータブルな筒型LEDライトだ。LED×20個内蔵の「LED20個モデル CLTTB20」と、LED×40個内蔵の「LED40個モデル CLTTB40」がある。センチュリーダイレクト価格は、CLTTB20が6980円、CLTTB40が7980円

 このLED照明器具、単純にポータブルな照明器具としてだけ考えるとちょっと高価だと感じる。のだが、汎用的な照明器具としても使える「写真撮影用ライト」として考えると、俺的には「うっ」となって「思わず買っちゃうLEDライト」なのであった。てか発売直後にサクッと買っちゃった♪

 どうしてこの高価気味なLEDライトをサクッと買っちゃったかと言うと、LEDてるてる棒は「まさにLEDライトセイバーとして使うのにピッタリ」だと思ったから。LEDライトセイバーについては「武蔵野電波のプロトタイパーズ 第22回 プロ並み写真をすぐ撮れるLEDライトセイバー」でも書いたが、写真家の伊藤裕一氏が考案した「驚異的な照明器具/撮影法」なのだ。

 どんなふーに驚異的かと言うと、白色LEDを使った棒状の照明器具だけで、まるでスタジオで緻密なライティングをしたかのような写真が撮れるのである。たとえば下の写真(右)はLEDてるてる棒のみを光源として撮ったものだが、こんなのが手軽に撮れてしまう。

左が拙宅仕事場の蛍光灯照明だけで撮った写真。右が同じ場所でLEDてるてる棒を光源として使って撮った写真。使った機材は、カメラと三脚とLEDてるてる棒だけ

 スゲくないですか? キレイに撮るためには少々の試行錯誤が必要ではあるが、LEDてるてる棒(のような照明器具)と僅かな機材だけで、こういう画像が得られちゃうのだ。

 てなわけで以降、LEDてるてる棒の機能や使用感を見ていきたいと思う。また、この記事の最後のほーに、LEDてるてる棒をLEDライトセイバーとして使っての撮影方法と作例を掲載したので、「とりあえず撮影法知りたい!!」という方はスギャッと下のほーへスクロールを。

LEDてるてる棒ってどんなライト?

 前述のとおり、LEDてるてる棒は充電式の筒型LEDライトだ。写真のように筒状の部分の片側が光る。光る部分は、光拡散カバーになっており、LEDの光をムラなく広範囲に照らせる。光の広がり方は蛍光灯みたいな雰囲気ですな。

LEDてるてる棒は、筒型・スティック状の照明器具。筒部分の片側だけが光る。もう片側はアルミと思われる金属製。放熱用かもしれない。黒いグリップ部で電源のオンオフをするほか、明るさを3段階(100%/70%/30%)に変えられる。点滅も可能。
グリップ部の端にUSB端子があり、付属のACアダプタやPCからUSB充電して使う。写真中央はオプションの「LEDてるてる棒用スタンド&マグネットホルダーセット」。LEDてるてる棒を立てたり固定したりするのにちょいと便利。センチュリーダイレクトにて1280円で購入した。

 写真のとおり、充電は付属のUSB ACアダプタもしくはPCのUSBポートを使ってUSB充電する。充電時間と連続使用可能時間は、LED20灯タイプのCLTTB20の充電が約4時間で連続使用は4.5時間(100%点灯時)〜26時間(30%点灯時)、LED40灯タイプのCLTTB40の充電が約8時間で連続使用は4.5時間(100%点灯時)〜28時間(30%点灯時)となっている。

 ライトとして使ってみた感じは、どちらのタイプも「かなり明るいポータブルLEDライト」という印象。どちらのタイプも明るさを3段階、100%、70%、30%に調光でき、点滅させることもできる。白色LEDの光色も偏りが感じられず、演色性も悪くないように思われる。

 てか棒状のライトって何かと便利すね。スポット光を出すことはできないが、「手元〜周囲を均等に照らしたい」という用途に幅広く対応できる。前述のとおりどちらのタイプも「LEDライトとしてはかなり明るい部類」だと感じられるので、日常使いから非常用までいろいろ使い回せると思う。

 気になったのは、調光時に音鳴きが発生すること。個体差からくるものかもしれないが、両タイプとも、70%や30%に調光して使ったとき、わずかに「ジー」という音が出る。この音鳴きはLED20灯タイプのCLTTB20のほうが大きく、静かな環境だと少々気になる。調光をPWM制御により行っているのが原因だと思うが、価格がちょい高いLED照明器具だけにやや残念だ。

撮影時の補助光として便利かも

 LEDてるてる棒の用途として、メーカーは「停電時の非常灯に、暗所での作業用に、撮影照明として、アウトドア用に」としている。確かにイロイロな用途をまかなえるライトだと思うが、俺的にはやはり撮影用途に興味アリ。早速、小物撮影に使ってみた。

 ちなみに、撮影環境は拙宅仕事場の白いテーブルの上で、光源は昼白色の蛍光灯とLEDてるてる棒。カメラはキヤノンのEOS 6Dで、三脚に固定している。露出設定などは下の写真のEXIF情報を見て欲しいが、マニュアル露光でホワイトバランスはオートにしている。

 なお、以下の写真は撮影後にリサイズしただけで、ほか一切のレタッチは行っていない。LEDてるてる棒と昼白色蛍光灯の光が混じっての発色などのご参考までに。

左が蛍光灯のみでの撮影結果、右が蛍光灯に加えてLEDてるてる棒を補助光として使っての撮影結果(以下の写真も同様)。LEDてるてる棒で影を弱めた例ですな
こちらはカメラのレンズやボディの下に強く出た影を弱めた例。カメラの細部がよりよく見えるようになった
時計の文字盤全体がやや暗かったので、その部分をLEDてるてる棒で照らした例

 てな感じで、撮影時のちょっとした補助光として便利に使えるLEDてるてる棒であった。光源が棒状で、つまりスポット光でなくてわりと広範囲に光が広がるので、レフ板的に光をやや広範囲に照らせるのも実用的だと感じた。

 オートホワイトバランスで撮り、昼白色蛍光灯と白色LEDとのミックス光源だが、色的な違和感はほとんどなかった。LEDてるてる棒、やはり演色性は悪くないように思う。まあ、よ〜く見ると、LEDてるてる棒の光が当たった部分、ちょっとだけ青に寄ったりはしてますけど。

LEDライトセイバーとしてかなり実用的♪

 次に、LEDライトセイバーとしての利用。俺的結論から言うと、どちらのLEDてるてる棒も「LEDライトセイバーとしてかなり実用的♪」だと感じられた。とりわけLED40灯タイプのCLTTB40がイイ。価格差など考えても、LEDライトセイバーとして使うならLED40灯タイプのCLTTB40がスゲくオススメである。

 LEDライトセイバーとしての使い方だが、まずは撮影環境が必要になる。具体的には以下のとおり。

 (1)部屋をできる限り真っ暗にする。
 (2)なるべく被写体の周囲を黒いモノで囲う

 (1)は、LEDライトセイバー(LEDてるてる棒)の光のみを光源としたいから。逆に言えば、LEDライトセイバー以外の光が撮影に影響するのを避けるため、部屋はなるべく真っ暗にするのだ。
 (2)は、LEDライトセイバーからの直接光のみで撮影したいから。LEDライトセイバーからの光がどこかに反射すると、その反射が被写体を照らしたり映り込むことがある。これを避けるため、被写体の周囲を光を反射しないもの(黒い紙など)で囲うというわけですな。

 それから、撮影機材。具体的には以下のとおり。

 (A)絞り値とシャッター速度とISO感度とピント合わせを手動(マニュアル)で設定できるデジタルカメラ
 (B)そのカメラを固定できる三脚
 (C)光源となるLEDライトセイバー(今回はLEDてるてる棒)

 (A)の条件に合うカメラは絶対条件ですな。これは、LEDライトセイバーによる撮影が「光源(LEDライトセイバー)の動かし方で光量やライティングを調節する方法」だからだ。

 LEDライトセイバーでの撮影は、被写体周囲でLEDライトセイバー自体を動かしたり振ったりする感じなんスよ。光を被写体に「塗る」というイメージ。光源を動かすことにより、線状の光源であるLEDライトセイバーが面光源となり、被写体に対する光源の位置を自由に調節することができる。

 場合によってはLEDライトセイバーを一箇所で止めたり、狭い範囲で振ったりすることもある。これは光を「注ぐ」「盛る」というイメージかもしれない。さておき、LEDライトセイバーは「一箇所に止めておかずに動かして使う光源」なのだ。

 そんな撮影方法は、初めて聞く人にはイメージしにくいと思う。YouTubeにいくつか「LEDライトセイバーでの撮影風景」が見られるので、とりあえずそちらを参考にするといいかもしれない。

 手にLEDライトセイバーを持って振ったり動かしたりしつつ「徐々に露光させていく撮影方法」なので、シャッター速度を5秒とか10秒とかそれ以上の「手でLEDライトセイバーを動かすのに十分な時間」にする必要がある。また、カメラ側で自動的に露出制御をされてしまうと意図通りの光量にならないので、絞り値やISO値は固定できる必要があるんですな。それと、基本的に真っ暗な環境で撮影するため、AFは機能しない。あらかじめ被写体にピントを合わせておいたりフレーミングを固定しておく必要があるので、ピント合わせも手動でできるカメラ+三脚が必要、というわけだ。

 ひとつ補足すると、LEDライトセイバーでの撮影は、基本的には静物撮影向き。動くモノをLEDライトセイバーで撮ってもおもしろいとは思うが、動かないモノをキレイに撮るときに「驚異的な効果を発揮」するの撮影方法ですな。

 撮影時の注意点としては、「LEDライトセイバーからの光が直接レンズに入らないようにする」ということ。LEDてるてる棒の場合、筒状ライトの片側からのみ光が出るので、光が出ない側を常にレンズ側に向けておけば大丈夫。だが、角度によっては光源の光がウッカリとレンズに直接入ってしまうこともあるので、必要に応じて「LEDてるてる棒の光を後側に漏らさないためのフード」などを自作して付けるといいと思う。

 細かいコトはさておき、以下にLEDてるてる棒をLEDライトセイバーとして使っての作例をいくつか。全ての写真は撮影後にリサイズをしただけでレタッチは施していない。撮影条件などは写真のEXIF情報を参照して欲しいが、今回のLEDライトセイバーでの撮影では「シャッター速度5秒」「絞り値f/22」「ISO感度100」としている。

写真左から、拙宅仕事場の蛍光灯を光源として撮った例、LED20灯タイプのCLTTB20で撮った例、LED40灯タイプのCLTTB40で撮った例(以下同様)。被写体はステンレス製の光沢のあるカップ。こういう鏡面の被写体を撮るには最高に都合の良い撮影方法ですな
被写体はツルテカでピカピカのリール。中央の写真の右上に影があるのは「そこを十分に照らせなかったから」。LEDライトセイバーでの撮影にアリガチなミスですな。右はLED40灯タイプのCLTTB40で撮った例だが、光を十分に回り込ませることができていると思う
被写体はカメラのレンズ。LEDライトセイバーでの撮影結果はイマヒトツてな感じになってしまった。さらに撮り直せばいいんですけどネ
被写体はカメラ。全体的に見て、LED40灯タイプのCLTTB40で撮った写真は光の回り込み方がよいと感じる。また、撮影していて「よりラクにLEDライトセイバーの撮影効果が得られるのはCLTTB40」という印象が残った

 てな感じ。あ。今思い出したが、LEDライトセイバーでの撮影は、「一期一会的なもの」である。同じライティングを再現するのは非常に難しい。ので、そういう再現性が求められる用途には全然向かない。

 さて、LEDライトセイバーとしてのLEDてるてる棒の使用感は、使ったことのあるLEDライトセイバー(といっても自作ばかりですけど)のなかでトップクラス。十分な光量があるし、光の拡散も良好だし、とても使いやすい。

 ただ、調光しつつの使用にはちょっと問題が。LEDてるてる棒を振る速度にもよるが、調光された状態(100%発光でない状態)で撮影すると、写真に縞模様が写ることがある。これはPWM制御でLED調光していることからくる影響だと思う。

LEDてるてる棒の調光機能を使い、光量を落としてLEDライトセイバー撮影をした結果、写真に謎の縞模様が写ることがある。リールのハンドルの部分ですな。光量の断続的なムラが縞模様として写ってしまうのだ

 なので、LEDてるてる棒をLEDライトセイバーとして利用する場合、調光はせず、100%の光量で使うのが無難だと思う。これは両タイプについて言える。

 それから、やっぱり長いほーっていうかLED40灯タイプのCLTTB40が「よりLEDライトセイバー利用向け」だと感じた。結局、LEDライトセイバーは「長時間露光と光源の移動により線光源を自在な面積の面光源として使う撮影方法」なので、面光源を作り出すための線光源=発光部の長さは、ある程度長い方がお手軽度が増すんですな。もっと言えば、LED20灯タイプのCLTTB20は、LEDライトセイバーとしてはちょっと短めで「手を動かすときの気遣いがより必要」てな感じ。

 ともあれ、LEDてるてる棒、LEDライトセイバーとして非常に実用的だと感じた。市販品で(自作せずに)、手軽に質の高い「LEDライトセイバー撮影」ができるというのは嬉しい。興味のある方はぜひ一度試してみてほしい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。