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手軽でコンパクトな撮影用照明「フォトラ」

手軽でコンパクトな撮影用照明「フォトラ」

 ネットで写真撮影用品を探していたら、ちょっと良さそうな撮影用照明器具を見つけた。大里化工の「フォトラ PH-004 簡易デジタル撮影キット」だ。コレ使ったら小物撮影の効率が上がるかも!? と思ったのでポチっとな。ヨドバシ・ドット・コムで2万9800円(2980ポイント還元)だった。

大里化工の「フォトラ PH-004 簡易デジタル撮影キット」。ディフューザー(拡散板)付き照明で、フタがレフ板になっている。右端の写真は、左が一般の蛍光灯下で撮ったもの、右がフォトラで撮ったものだ。本体の照明器具部分は2個で1セットとなる。2万9800円で販売しているショップが多い

 購入理由はいくつかあった。以下にザッと。

 フォトラは蛍光灯を使った撮影用照明器具で、光る部分にディフューザー(拡散板)が付いている。ので、まず、単体で柔らかな光が出そうだということ。ハダカの蛍光灯などを撮影用照明に使う場合、何だかんだでディフューザーは必須。照明器具とディフューザーをそれぞれ設置する必要がある。が、フォトラの場合、照明器具とディフューザーが合体しているので、設置の手間があまりかからない感じ。

 それから、向けられる範囲は限られるが、レフ板まで一体化していること。写真のとおり、フタの部分がレフ板になっており、光を反射させる角度を変えられる。光源、ディフューザー(反射板)、レフ板が一体化しているので、被写体近くにフォトラをセットするだけで撮影を始められそうだ。

 もうひとつ、サイズが小さいこと。フォトラは何機種かあるようだが、買ったのは比較的に最近発売された「PH-004」という機種。このPH-004のカタログには「A4サイズで本棚に収納!」とある。手軽に出したり片付けたりできるのは魅力的ですな。

 ちなみに、フォトラの「PH-001」「PH-004」の違いは、後者のほうが付属の背景紙が大きく、種類も多いということのようだ。俺の場合、背景紙はあまり使わないのだが、「こういうお手軽撮影グッズに付属する背景紙ってどういうのだろう?」という興味もあり、敢えてPH-004を購入してみた。

 てなわけで早速フォトラを使い始めた俺。以降、フォトラの機能や使用感をレポートしていきたい。
 が、とりあえずの結論だけ言ってしまうと、このテの「撮影用簡易照明グッズ」としてはヒッジョーに秀逸。小物撮影限定の照明器具ではあるが、光の当たり方の調節がラクだし、設置が大がかりにならなくてこれまたラクだしで、意外なほどの実用性があると感じた。

面で照らす撮影用照明

 まず「フォトラ PH-004 簡易デジタル撮影キット」(以下、PH-004)の内容から。パッケージに含まれているモノは、フォトラ本体×2台、ランプ(昼光色蛍光管/13W)×2本、専用ディフューザー(白/黒)各2枚、背景紙×5種類、背景紙台×1枚、クリップ×2個、といったところ。

 パッケージに小物撮影に必要なモノが一式含まれている感じですな。このパッケージに加え、デジカメと小型三脚があれば、すぐに小物撮影を始められる。

本体は2個セット。サイズは幅26×高さ21×厚み8.5cmで、質量は約1kg。真っ白なプラスチックボックスという感じ
電源はAC100V(コンセント)。ケーブルは本体に収納できる。本体底面には三脚ネジ穴があり、三脚にセットしても使える

 サイズはわりと小振り。PH-004の横幅は、A4サイズの紙の長辺とほぼ同じ長さなので、フツー的な本棚などに収納できる。また、本体背面に電源スイッチ付きケーブルを収納できるので、非常にスッキリと片付けられる。

 撮影用照明としては下の写真のように機能する。カバー部分がレフ板代わりや光量調整のために利用できる。カバー角度の調節はラチェット機構式で、15度ごとに軽く固定され、最大で150度まで開く。

カバー部分はこのように段階的に開く。ラチェット機構で15度ごとに軽く止まり、最大150度まで開く
点灯させてカバーの開き方を調節した様子。カバーの開き方で、カバーがレフ板のように機能したり、カバーで光量を調節することもできる
本体内には13Wの蛍光灯×1本をセットでき、パッケージには昼光色蛍光管×2本(PH-004×2台分)が付属している。ほか、本体の発光部にセットできるディフューザー(白/黒)各2枚が付属する

 本体の発光部には、使用開始前に蛍光管とディフューザーをセットする。この時点でPH-004からは柔らかい均等な光が出る。A4の紙くらいの面全体が均等に光り、これが光源となる。ちなみに上の写真にあるディフューザーは、さらに光を和らげたり、光量を落としたりしたい場合に使う「追加分のディフューザー」ですな。

あら手軽!! 小物撮影が楽しくなる♪

 早速PH-004を使って撮影してみた結果を。以下、2枚セットで並んでいる写真は、左が天井の照明のみで取ったもの、右がそれに加えてPH-004×2台を使ったものとなる。PH-004の置き方などは、被写体に合わせて適宜変えている。
 なお、天井の照明の光源が昼白色の蛍光灯なので、PH-004にセットする蛍光灯も(付属の昼光色蛍光灯から)昼白色蛍光灯へ交換している。また、カメラ側のホワイトバランスはオートホワイトバランスとした。露出はマニュアルで行っており、シャッター速度以外のカメラ側の撮影条件は統一している。掲載した各写真は、リサイズ以外は一切レタッチを行っていない。

被写体はデジカメ。PH-004を使って撮ると、デジカメの素材質感などがよりリアルに表現された。左の写真で、デジカメ上部が黄色っぽいのは、後ろの戸の色が影響したものと思われる
釣り用のリール。PH-004で撮ったほうは、ディテイル描写や金属質感描写が良好になった
目薬。PH-004の置く位置やカバーの開き具合などにより光量を微調節できるため、半透明の容器なども容易に撮影できる
フィギュア。小物の全体に光を当てつつ、PH-004を置く位置で細部にも光を回り込ませることができた
ボール状のネオジム磁石とその半透明ケース。PH-004を使うと、半透明ケース表面のプリントまで写真に捉えることができた
表面が鏡面光沢の釣り用リール。よく出てくる被写体ですな。試しに撮影してみたら、「LEDライトセイバー撮影」とまでは行かないが、映り込みを抑えた撮影結果が得られた
こちらは表面が鏡面光沢のカップ。これもまずまずキレイに撮れた。PH-004のカバー部で被写体に屋根を作るようにして撮影している

 PH-004を使っての撮影結果は、なんか色が微妙にアンバー(琥珀色/黄褐色)に寄ってますが、なんででしょうな? カメラ側の問題? ただこれは少々のレタッチで正しい色に戻せた。

 PH-004の全体的な使用感としては、ファインダーを覗きながら、小型の面光源×2個をゆっくり動かしつつ、光の向きや強さを調節していけて、「ほぼ座ったままライティングを行える」という感覚。机上のPH-004や被写体をチョチョイと動かして、様子を見て、また動かして、てな感じで撮影していけるので、とてもラク。

 光源の位置や光の強さ手軽にコントロールできるので、つまりは「こうしたらどうかな?」「ならばこうすれば」「あんなふうにもしてみよう」という試行錯誤を容易に行える。いろいろ試していけることは、得られる写真のキレイさ向上につながり、撮影自体がどんどん楽しくなったりする。

 けっこー驚いたのは、最後の写真2組。PH-004のカバー部を屋根のようにして被写体を覆う感じで撮っているのだが、「LEDライトセイバー撮影」っぽく「鏡面光沢のある被写体でも映り込みを大きく抑えた撮影が可能」ということ。面光源が被写体に非常に近づくため、被写体が小物ならば、十分大きい面光源となってくれているわけですな。

付属の背景紙も使ってみた

 PH-004には背景紙とそのスタンド(背景紙台)も付属する。背景紙は5種類で、サイズは90×60cm。テーブルサイズなので、狭めの場所でも手軽に使えそうだ。ただ、背景紙としてはフツー。背景紙を自分で調達〜利用できるという人は、PH-004ではなく、背景紙が少ないなどの分安価なPH-001を買ったほうがいいかも。

背景紙は、ピンク(マーブル柄)、ブラック、ブラウン(英字柄)、ブルー(グラデーション)、グレー(グラデーション)の5枚が付属する。サイズはサイズは90×60cm。ピンクとブラックは紙で、それ以外は樹脂素材のようだ。樹脂素材の背景紙は、裏面が白になっている
背景紙を机上にセットするためのスタンド(背景紙台)。ダンボール製で組み立て式。付属のクリップで背景紙を留める

 写真のスタンド、ナメてたらなかなかのデキ。絶妙なバランスで倒れにくく、使いやすい。使い終えたら畳めるあたりも便利。当初は「こんな即席スタンド要らないよ〜」とか思っていたが、多用しそうな予感である。さておき、背景紙に小物を置いて撮影してみた。

背景紙の特徴を捉えるため、ホワイトバランスは光源に合わせて固定し、シャッタースピードによる露光調整を行って撮影した。写真はリサイズのみで、それ以外のレタッチは行っていない

 てな感じの「フォトラ PH-004 簡易デジタル撮影キット」。ぶっちゃけた話、俺がこれまで買ったお手軽系の撮影スタジオ/ボックス/照明の類のなかで、いちばん使いやすいと感じた。撮影中の手軽さや自由度の高さも大したモンだと感じるのだが、撮影前後の手間が非常に少なくラクで良い。

 ただ、個人で買うにはかなりお高い感じ。デジカメ買えちゃう値段ですもんネ。しかし、小物撮影を頻繁に行う人で、「なるべくキレイに撮りたい」「キレイに撮って記録したい」なら買い度の高い製品だと思う。

 たとえばフィギュアや模型、手芸や料理など、趣味の成果物の撮影など。撮影にはある程度の知識は必要になるものの、メーカーウェブサイトの「商品撮影テクニック集」は初心者にもわかりやすく参考になると思う。同じく「5分でわかるフォトラの使い方」を見れば、ライティングの実際を見られので参考になる。こういったページを見つつ撮影すれば、初心者でも気軽に小物撮影を始められ、すぐにキレイに撮れようになるのではなかろうか。

 あとコレ、仕事にもシッカリ使えると思う。もちろん仕事の内容にもよるが、たとえばウェブ媒体へ掲載する写真の撮影には十分使えるレベルの機能性だし、ハンドリング面でも高い実用性があると感じる。通販サイトやガジェット系ニュースサイトなど、「ブツ撮りして掲載」が必要ないろいろなサイト作成に役立つと思う。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。