スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

US配列の「Wedge Mobile Keyboard」

US配列の「Wedge Mobile Keyboard」

 今回のブツはマイクロソフトの「Wedge Mobile Keyboard (ウェッジ モバイル キーボード)」だ。タブレット端末などと一緒に持ち歩けるコンパクトなテンキーレスBluetoothキーボードですな。日本国内で主に流通しているのはキーが日本語配列になっているが、俺の場合は並行輸入品の英語配列版を購入した。

マイクロソフトの「Wedge Mobile Keyboard (ウェッジ モバイル キーボード)」。コンパクトなBluetoothキーボードで、WindowsやMacOSなどに対応している。国内では日本語配列版が主に流通しているが、本記事では並行輸入品の英語配列版を扱っている。英語配列版の電池室には技適(技術適合認証)マークがあるので、合法的に日本国内で使用できる。

 コレ、去年2012年9月7日に発売されたキーボード。初めて見たとき「あらカッコイイ♪」と思ったが、相変わらず日本国内では日本語配列版しか売られない感じ。でも発売後、量販店に出かけた際に触れてみたら打鍵感もデザインも素材質感もイイ感じであった。

 ん~欲しい。「じゃあこのキーボードを皮切りに、日本語配列派に転向しようかな~」とか思った。が、そうはしなかった。というか、できなかった。20年以上も英語配列キーボードに慣れてしまっているので、日本語配列キーボードに慣れようとする行為自体が、かなりのストレスになる。結局いつも「日本語配列だから、このキーボードは諦めよう」となってしまう俺なのだ。

 そんな感じでこのWedge Mobile Keyboardの件は忘れた。のだが、わりと最近またもやウッカリと量販店でWedge Mobile Keyboardに触れてしまった。そして「ん~やっぱコレいいなあ」と。そして「英語配列版出てたりしないかな?」とか思ってスマートフォンで「Wedge Mobile Keyboard 英語」をキーワードに検索。そしたら驚きの情報を発見!!

 なんと、米国市場向け(つまり英語配列版)のWedge Mobile Keyboardの並行輸入品には、技適(技術適合認証)マークが付いているというのだ。マジか!! それなら正々堂々と並行輸入品を買って使っても合法!! イーヤッハァ~的な気分で憧れの英語版Wedge Mobile Keyboardが使えるゼ!! という流れになった。

 ちなみに、電波を出す製品で技適マークが付いていないものを日本国内で使うと、基本的には電波法違反になる。違法ですよ違法。だがこの並行輸入の英語配列Wedge Mobile Keyboardには技適マークがあるので合法~イーヤッハァ~♪ 後ろめたさゼロォ~♪ てなわけだ。

 ちなみにコレ、Amazonで買った。価格は1万290円。日本語配列版の倍以上する。高ッ。でも英語配列だからヨシとしている。

 なお、この英語配列版/並行輸入品を含め、国内では3種類のWedge Mobile Keyboardが流通している。それぞれ、簡易パッケージ版の「Wedge Mobile Keyboard for Business U7R-00022」(Amazonで4503円)、通常パッケージ版の「Wedge Mobile Keyboard U6R-00022」(Amazonで5009円)、そして英語配列版/並行輸入品/簡易パッケージ版の「Wedge Mobile Keyboard U7R-00001」(Amazonで1万290円!!)となる。

 さておき、以降、英語配列版のWedge Mobile Keyboardの使用感などを見ていきたい。

高級感アリのポータブルキーボード

 まずはWedge Mobile Keyboardの概要から。Bluetooth接続のテンキーレスキーボードで、サイズは約横257×縦101×厚み21mm、質量は254g(電池込み/実測値)。付属のカバー兼タブレットスタンドを装着した状態の質量は460g(電池込み/実測値)となった。

 キーは英語配列/テンキーレスで、キー数は82。ノートパソコンなどで多用されているパンタグラフ式で、キーピッチは18mm前後(実測値)、キーストロークは1.5mm前後(実測値)だった。

専用のカバーが付属する。カバーをかぶせるだけでキーボードの電源をオフにできる。カバー裏面は独特の質感で、シリコンのような素材と思われる。ほんの少し粘着する感じがあり、ホコリが付きやすい
カバーは中央から折れ、自由な角度に固定でき、タブレットスタンドとして使える。キーボード裏面には電池室があり、キーボードの脚として機能する。電池は単4形×2本を使用。細く黒い線は滑り止め。キーボード裏面にもカバーにも新しい「Microsoft」ロゴがある
82鍵の英語配列。Fキー部分は最近流行り(!?)のWindowsショートカットキーとなっていて、F1~F12を使う場合はFnキーと同時押しになる。左下と右下のキー配列はまずまず標準的だが、カーソルキーがやや特殊な配置で少々使いにくい

 打鍵感は一般的なノートパソコンと良く似ていて、まあ、フツー。押下時に「コクッ」といった感じのクリック感があり、タクタイルスイッチと同様にキーインしたことが指の感触でわかる。英数字キーはフルサイズキーボードと比べると少し小さめになっているが、この押下感とまあまあ余裕のあるキーサイズが相まって、使い始めて間もなくタッチタイプできるようになった。

 使いにくいのはカーソルキー。上方向と下方向に関しては「使う気になれない」というレベルで、「マイクロソフトのハードウェアなのにナゼ?」と思った。「Surface Pro(サーフェスプロ)」や「Surface RT」で使えるType CoverとTouch Coverのカーソルキーも同様ですな。

 それから、F1~F12のファンクションキーを使う場合は、Fnキーとの同時押しになる。Fnキーと同時押ししない場合、Windowsをより手っ取り早く使うためのショートカットキーとして機能する。人により評価が分かれるトコロですな。

 携帯感は悪くない。キーボード自体は片手でサッと持てるサイズで、わりと軽量(254g)。また高級感があって、出先で使っていても気分がいい。タブレットスタンドになるカバーも便利。またこのカバー、頑丈なのでキーボードをしっかり保護してくれる。

 ただ、カバーが重いのが微妙。カバーを装着した状態では460g程度になるので、だいたい7インチタブレット×1枚分の重さ。なるべく荷物を軽くしたいという人の場合、カバー無しで携帯したくなりますな。ちなみに、カバーを閉じると自動的にキーボードの電源がオフになるが、Fnキーと「Esc」キーの同時押しでも電源のオンオフができる。

Surface Proと併用

 Wedge Mobile Keyboardを最初にペアリングさせたのはマイクロソフトの「Surface Pro(サーフェスプロ)」。リンク先に書いたとおり、英語版のType CoverとTouch Coverと併用しているので、外付けキーボードは不要と言えば不要である。

マイクロソフトの「Surface Pro」。デジタルペンによる筆圧対応手書き入力も可能なタブレットPCで、Windows 8を搭載している。キックスタンドと呼ばれる内蔵スタンドを開くと自立する。専用のカバー兼キーボードを装着すればノートPC的なスタイルで使える

 Surface Pro、これで完結しているスタイルではあるのだが、実際はちょっと使いにくい点がある。それは、キックスタンドを使って自立させると、画面の向きが固定されること。また、Type Coverなどの専用キーボードと組み合わせると、画面の向きに加えて、目から画面までの距離もけっこー固定されてしまう。ノートPCのようには見えるが、ノートPCほどはセッティングの自由度が高くないのだ。

 そこでWedge Mobile Keyboard。角度自由のスタンドも使えるし、画面までの位置も自由になるし、という観点で組み合わせてみた。

Wedge Mobile Keyboardを使ったら、Surface Proの画面の向きや顔からの距離を自由に調節できるようになった。写真に見えるマウスはマイクロソフトの「Wedge Touch Mouse」(http://k-tai.impress.co.jp/docs/column/stapa/20130624_604630.html#contents-section-3)。携帯時は、お弁当用箱類を束ねる伸縮ベルトでひとまとめにして持ち出そうと考えた。Wedge Mobile KeyboardのカバーとSurface Proの画面を向き合わせて束ねると、画面に傷が付くこともない

 かなりイイ感じ~。どうしてもWindowsマシンを携帯して出張などする必要が出たらゼヒ!! この組合せで行きたい!! と考えているが、実際はまだこの組合せで外へ持ち出したことはナイっす。

Androidタブレットとも相性良好

 ほかにもいろいろな端末と組み合わせてみたが、いちばんイイ感じだったのが「REGZA Tablet AT703」「ARROWS NX F-06E」との組合せも悪くないのだが、REGZA Tablet AT703は画面が大きく解像度も高いので、テキストを書く作業によく向く。

愛用中のAndroidタブレット「REGZA Tablet AT703」と組み合わせて使った。サイズ的にも使用感的にもバッチリ。仕事マシンとして汎用的に使えると思う。これもまた、タブレット画面とキーボードカバーを合わせて束ねると、画面が傷つくこともなく、イイ感じで携帯できる
端末にはWedge Mobile KeyboardとWedge Touch Mouseをペアリングさせた。キーボードもマウスもペンも使えるREGZA Tablet AT703は非常に便利だ。なお、キー配列の設定は、「言語と入力」の「物理キーボード」から行えた。「キーボードレイアウトの設定」で各国のキー配列から選べるので、それを使う物理キーボードの配列と合わせるわけですな

 ちなみに、Windows、Android、MacOSでは「ATOK Passport」が使える。また、「ATOK Sync」を使えば、クラウド経由で辞書の単語登録や各種設定を共有できる。常用PCとほぼ同じ入力環境を、キーボードやマウスとともに使えるあたり、Android端末はテキストを扱う端末としてかなり便利だと感じる。

 なお、iOS端末とのペアリングも試し、悪くはなかったのだが、iOS端末用にはもっと高機能な専用キーボードが出ているので、やっぱりそういうのを使ったほうがいいですな。たとえばロジクールの「Logicool Wireless Solar Keyboard k760」「Ultrathin Keyboard mini (TM710)」あたりですな。

 WindowsタブレットやAndroid端末と組み合わせるBluetoothキーボードとしては、レノボの「ThinkPad Bluetooth ワイヤレス・トラックポイント・キーボード - 英語 (製品番号: 0B47189)」もかなりイイと思う。が、コンパクトさシンプルさではWedge Mobile Keyboardが好印象。個人的には英語配列のBluetoothキーボードが増えて嬉しい限りだがさておき、タブレット端末とBluetoothキーボードを組み合わせて使うと何かとイロイロ便利。なので、Wedge Mobile Keyboardを始めとするBluetoothキーボードをぜひ一度チェックしてみて欲しい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。