スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

消えつつあるソニー製優良Bluetoothキーボード

消えつつあるソニー製優良Bluetoothキーボード

 今回のブツはソニーのBluetoothキーボード「SGPWKB1」。ソニー製Androidタブレット用に作られたキーボードだが、コレを手持ちのAndroidタブレット「Nexus 7 (2013)」につないで使おうと考えて購入した。

ソニーのBluetoothキーボード「SGPWKB1」。ソニー製タブレット向けに発売されたキーボードだが、Nexus 7 (2013)でも基本的なキーはだいたい使えた。打鍵感、キー配列、キーサイズともに満足できた

 で、今回の記事は「ワケアリ」な感じ。というのは、どうもこのキーボード、生産完了っぽいのである。

 このキーボードは、「Sony Tablet Sシリーズ」「Sony Tablet Pシリーズ」と同時期に発表された製品。発売日は2011年10月8日となっている。

 もう2年前の製品となる。のだが、まずは後述のように「非常に快適に使える」と感じられる。やや古いが使い勝手は古びていないんですな。

 そしてもうひとつ、発売後時間が経っていることや、生産完了っぽいということもあって、ミョーに安い価格で売られていたりする。最安クラスの実勢価格は2500円くらいから。発売開始当初の実勢価格が7000円程度だったことを考えると、破格状態。一時はNTT-Xストアにて1980円で売られていたことも。

 要は、この「SGPWKB1」、恐らくもうすぐ市場から消えちゃうキーボード。でも「テンキーレスUS配列Android用Bluetoothキーボード」としての使い勝手は上々。そして現在、激安状態。

 そろそろ「SGPWKB1」を買う最後のチャンスという感じですな。「SGPWKB1」は、製品としては良くできていて、刺さる人には刺さると思われるキーボードである。

 てなわけで、恐らく生産完了と思われる「SGPWKB1」ではあるが、良い製品でもあるし、短期間とは思われるが非常にお買い得感もあるしで、今回は敢えてその実使用感などをレポートしよう、と。てコトで以降、「SGPWKB1」の使用感を中心に見ていきたい。

どんなキーボード?

 まずはSGPWKB1の主な特徴から。テンキーレスで英語(US)配列のBluetoothキーボードで、キーサイズなどは一般的なフルサイズのキーボードとほぼ同じ。キーそれぞれがやや離れて独立しているアイソレーションタイプのキーボードだ。なお、キーピッチは約19mm、キーストロークは約2mmとなっている。

 Android端末などとはBluetoothで無線接続して使う。BluetoothはVer.2.0。電源は単3形アルカリ乾電池×2本で、1日5時間週5日使用した場合で約3ヶ月使用可能となっている。キーボードのサイズは約横299×縦127×最厚部24.5mmで、電池を含んだ質量は約410g。

薄くコンパクトだが標準的なキーサイズ/キーピッチがある。PC用キーボードのF1~F12に相当するキーはないが、ほかは英語配列キーボードとしてはマトモ感の高い配列となっている。入手性の高い単3電池で動くという点も、安心感があってよい

 それから、Android端末用に作られたキーボードということで、PC用キーボードのF1~F12に相当するキーはない。ただ、それ以外の主要なキーは、PC用英語配列キーボードとほぼ同じ配列になっている。

 ちなみに、見た目も触れた感じも独特の高級感があってナイス。捨て値で売られているキーボードとは思えないですな。そして次章で述べるように、打鍵感なんかも上々だったりする。

良好な打鍵感、無理のないキー配列

 さて、肝心の打鍵感だが、これが意外なほど好印象だったりする。アイソレーションキーボードであることと、キーピッチもキーストロークも十分であること、それからキー押下時のクリック感があること、さらにキー配列に無理がないことで、俺の場合はNexus 7 (2013)とのペアリング直後からタッチタイピングが可能だった。

 キーボードとしての剛性も十分ある。モノとしては薄くペラペラした感じはするのだが、打鍵してみるとシッカリした安定感がある。音もわりと静か。VAIOなどのノートPCと同様にタイプしていけるというイメージだ。

 英語配列キーボードとしての配列のマトモ感、それからキーサイズを始めとする「フルサイズキーボードとの違いの少なさ」があるSGPWKB1。この時点で多くの携帯用Bluetoothキーボードより使いやすいと感じられる。

 携帯性も悪くない。横幅が約30cmあるので、小振りのバッグなどには入れにくいが、たとえばNexus 7 (2013)とスタンドと一緒にまとめても、ノートPC1台分未満というイメージのボリューム。なので、携帯もわりと現実的だと思う。

Nexus 7 (2013)と比べると、幅広だがわりとスリムなキーボードであることがわかる。弁当箱用のバンドでキーボードとNexus 7 (2013)と束ねてみたら、イイ感じにまとまった。さらに小振りのスタンドも束ねてまとめることができた

 なお、写真のスタンドはエレコムの「スマートフォンスタンド P-DS004SV」で、Nexus 7 (2013)には「TRAVEL COVER / Lime Green」を装着している。キーボード、端末、カバー、スタンド一式を、バンドで束ねた状態で、合計質量は892g(実測値)だった。

 余談だが、これら一式はけっこーピッタリと束ねられていて、この状態でビジネスバッグやディパック、あるいはトートバッグに縦向きに入れると収まりが良かった。次回の出張にはこの組合せを持っていこうかナ♪ 的にモチベーションが上がっている俺であった。

独自キーもわりと使えましたヨ♪

 それから、SGPWKB1独自のキー。キーボード左上に5つのボタン、左下には「◆」が刻印された「メタキー」、そしてキーボード左側にはFnキーと同時押しで機能する各種機能キーや言語切り替えキーがある。

キーボード左上に5つの機能ボタンがある。左下には「◆」が刻印された「メタキー」がある。キーボード右側にはFnキーと同時押しで機能する各種機能キーや「言語切り替えキー」がある。ただし、機能しないキーがいくつかあった。なお、電源スイッチはスライド式

 これらのキーをNexus 7 (2013)で使った場合の結論から言うと、左上の5つのキーの中央「Recent Apps」、左下の「メタキー」、それから右側の「言語切り替えキー」が機能しなかった。ほかのキーは、ソニーが意図したものではないかもしれないが、実用性を伴って機能した。ちなみに、テキスト入力時の英語/日本語切り替えは、左上の「`」キー一押しか、Alt+Spaceで行えた。

 SGPWKB1には独自のキーがわりと少ないこともあり、「機能しない独自キーが少ない」という印象になった。まあ、俺の場合はそういった独自キーに利便を求めるより、「テキスト入力を快適に行えればほかはどうでもいい」みたいなスタンスなので、SGPWKB1の独自キーの少なさはむしろ好印象となった。

 あと、写真のとおり、電源スイッチはスライド式。キーボード電源のオンオフを確実かつ容易に行える点でも好印象。長押しタイプよりも操作上のストレスが少なくてイイですな。

 てな感じで気を良くしつつ、調子コイてBluetoothマウスもつないでみた俺。つないだマウスはソニーの「VGP-BMS30」。2006年に買ったマウスだーゼ~!! そしてコレももちろん生産終了。キーボードとマウスの生産終了コンビなんだーゼ~!!

ソニーの古めBluetoothマウス「VGP-BMS30」もつないでみた。画面上にはマウスポインタが出現。なんかミニパソコン的な風情でちょっと楽しげ。実用性も高いっす。ただ、トラブルが頻発するようになった

 マウスをつないでの結論から言うと、この組合せはどこか相性が悪いらしい。というのは、マウス「VGP-BMS30」をつないだ状態だと、Nexus 7 (2013)とキーボードがナゼか切断されたりつながったりし、キーボードのキーリピートが十数秒続いたりする現象も起きた。謎。

 さておき、SGPWKB1自体は非常に気持ちよく使えるテンキーレス英語配列Bluetoothキーボードとなった。生産完了っぽいキーボードの購入を敢えてオススメするわけではないが、テンキーレスでコンパクトで打鍵感も良くて技適マークもしっかりあるという英語配列のBluetoothキーボードはそーんなに多くないので、そういうのを探している方は在庫が払底する前に急いで一度チェックしてみてほしい。

 てか、このキーボード、ぜひ後継機種が出て欲しいモンですな。どうせならAndroid端末汎用で、テンキーレスで英語配列のBluetoothキーボードを。横幅もう少しコンパクトにする方向でゼヒ!!

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。