スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ゲーミングマウス「G602」を1カ月弱使ってみて

ゲーミングマウス「G602」を1カ月弱使ってみて

 はいはいはい、さわやかな秋晴れの日が続いている昨今、ゲームしないのに「またも」ゲーミングマウスをポチッた俺が通りますよ、はいすいませんね、あっとそっちごめんなさいね、はいはいはい、みたいな。そして今回のネタはロジクールの「G602 WIRELESS GAMING MOUSE」(以下、G602)である。ロジクールオンラインストアにて8480円で予約購入した。現在の実勢価格は8000円前後ですな。

ロジクールの「G602 WIRELESS GAMING MOUSE」。ゲーム向けの無線式マウスでありながら最大1440時間という長時間のバッテリー駆動時間を誇る。電源は単三形乾電池×2本または1本。PCとの有線接続には非対応。実勢価格は8000円前後

 このマウスを買った理由は「電池が保ちそう」だから。ぶっちゃけ、直前まで使っていたロジクールのゲーミングマウス「G700s」のバッテリー持続時間にストレスを感じるようになったから乗り換えたカタチ。

 G700sは、電源を単3形ニッケル水素電池×1本とする無線式マウスですな。これを俺的ビジネス用途で使っていて、まあだいたい朝から夜まで電池が保っていた。また、PCとのUSB接続も可能で、イザというときはUSB接続して充電しつつマウスを使えた。

 のだが、やっぱり1日で電池が心細くなるのは面倒。もっと電池保ちつつ、十分な感度と使いやすさとカスタマイズ性があるマウスが欲しいナ~、とか思っていたら、まさにそんな特徴を持ったG602が登場したのであった。なので飛びついた。

 で、結論から言っちゃいますと、G602はゲーミングマウスなのに、ヤケに電池が保つという印象。G602を使い始めてから1カ月弱経過するが、専用ドライバの表示を見ると電池残量は半分以上ある感じ。

使用開始から1カ月弱経過したが、電池残量は半分以上あるようだ。使った電池はパッケージに同梱されていたもの。G602の電源は単三形乾電池を1本または2本使うが、2本使ってこの電池残量。ちなみに、電池を1本にすると、電池持続時間とのトレードオフになるが、マウスの重さを軽くできるんですな

 てなわけで以降、G602の「ビジネス用途における使用感」を中心に見ていきたい。ゲーム用マウスとしての機能や性能はロジクールの製品紹介ページをご参照いただきたい。

G602はどんなマウス?

 まずはG602の概要から。PCとの接続は専用USBドングルを使った無線接続「のみ」のマウスで、カスタマイズ可能な11個のボタンを搭載する。動作モードは2種類で、ゲーミングマウスとしての性能を落とさず省電力動作をするパフォーマンスモードと、省電力性能重視のスタミナモードとなる。マウス上部のスライドスイッチによりこれらモードを切り替えられる。なお、メーカー公称のバッテリー持続時間は、パフォーマンスモードで最大250時間、スタミナモードで最大1440時間となっている。

マウス上部のスライドスイッチによりパフォーマンスモードとスタミナモードを切り替えられる。青点灯がパフォーマンスモード、緑点灯がスタミナモードとなる。G602のカスタマイズなど設定は、「Logicool ゲーミングソフトウェア」で行う

 光学式のセンサーを搭載し、解像度250dpi~2500dpiの間を50dpi刻みで調節できる。レポートレートは毎秒500回。マウスの本体サイズは、横83×奥行138.8×高さ44.15mmで、質量は152g(電池2本含む)。電池1本の場合は125g(実測値)だった。

G602、ビジネス用途にどうなのよ?

 電池の保ちを期待しつつ、初めてG602に触れたときの印象は「あっ、G700sよりスマート♪」というもの。直前までG700sを使ってきたわけだが、そのG700sよりG602のほうが左右がスリムであり、かつ、背も低いのだ。「つまみ持ち派」の俺の場合、G602だと「マウスの背中やお尻が手のひらに付きにくい」ことが、イッキナリ使いやすく感じられた。

G700sとG602を見比べると、明らかにG602が細身で背が低い。ので、つまみ持ちの人には使いやすいと思う。かぶせ持ちの人は……どうだろう。当然ではあるが、購入前には実機に触れてみることをお勧めする

 それと、G602左右は、G700sと同様の「滑りにくく手のベタつきを軽減するコーティング」がなされているようだ。滑らずベタつかず快適に使える。

 それから、使い始めてすぐに「あれ? ちょっと重い!?」と感じた。G700sは電池込みで約127g。G602は電池2本込みで152gあるので、その差を感じたんですな。ちなみに、G602を電池1本で使うと質量は約125gとなる。G700sとほぼ同じ重さになるわけだが、電池を2本から1本に減らして軽量化しようとは思わなかった。俺の場合、G602の「重さ」は2~3時間で慣れられる程度のものだったからだ。

 感度は問題ナシ。表面が樹脂の真っ白な机で使っているが、マウスポインタがワープしちゃうとかそーゆートラブルは1カ月弱の間起きていない。ワイヤレス専用のマウスということで、電波的な環境によってはトラブルが起きることもあるのかも!? まあコレは、ほかのワイヤレスマウスでも言えること。G602が「一応USB接続にも対応」という仕様だったら、より高い安心感が得られたのは確かだと思う。

 それからボタン位置。個人的にはG700sのボタン位置のほうが好きな感じ。それとG602のボタン位置は「ユーザーによっては非常に押しにくい位置のボタンがある」というのも少々残念に感じた。

左がG602のボタン位置。左サイドにボタンが集中し過ぎていて、個人的にはG4とG7に指が届かない。左クリック横に配置された感度変更ボタンも前方過ぎて指が届きにくい。右はG700sのボタン位置だが、こちらはどのボタンもまずまず快適に使えていた

 それともうひとつ、G602のホイールはチルト非対応なのが非常に残念。つまりホイールを左右に倒しての横スクロールなどができないんですな。「チルトなんて全然使わない」って人も少なくないわけだが、チルトを多用する人にとってはアイタタタ……、的な。

 あと、カスタマイズ性の高さだが、これはほかのロジクール製ゲーミングマウスと同様、相変わらずの自由度の高さがある。主にマウス左側面の6つのボタンをカスタマイズすることになると思うが、ビジネス用途のショートカットキーなどを登録しておくと、各種作業がよりスムーズに行えるようになると思う。

G602のボタン類のカスタマイズは「Logicool ゲーミングソフトウェア」で行う。マウス機能を各ボタンに割り振れるのはもちろん、キーストロークやショートカットなども割り振れる。非常に高い自由度でG602のボタンをカスタマイズできる

 とか一応書いているが、俺の場合、このマウスに限ってはあ~んまりボタン類のカスタマイズはしていない。前述のとおり、左側面のボタン類の一部に指が届きにくいからだ。また、どれがどのボタンだか、指先の感覚だけでは判断しにくいってのもあり、使いやすくない→使わない→カスタマイズ不要、みたいな流れに。

 ぶっちゃけた話、G602は細身で背も低めでつまみ持ち派としては持ちやすいマウスである。また、電池もよ~く保つ感じで、電池のことを気にするストレスから解放されてイイ気分。なのだが、せっかくのカスタマイズ可能なボタンがチト残念。ボタンの並びだけがG700sと同じであってくれたらサイコーだったのに……とか思ったりする。

 ただ、だからと言ってG602がダメとは思わない。カスタマイズできて快適に使えるボタンが多い方が有り難いが、俺の場合は「ボタンが少ないなら少ないでいいや」くらいの重要度だったりする。G602の電池の保ちと持ちやすさを知ってしまった現在、G700sに戻ることはないと思う。

余談:今年使ったマウスたち

 あら、今チェックしてみたら、2013年はマウスを5機種も使ってきましたヨ!! ゲーミングマウスに乗り換えてから、G602で5回目の乗り換えですな。ご興味お持ちの方もあると思うので、それら機種を振り返ってみたい。

 今年最初に使ったのが、米Razerのハイエンドゲーミングマウス「Ouroboros(ウロボロス)」だ。マウス全長(最大20mmの範囲)とバックアーチと呼ばれるマウスの背中部分の角度を調節できるマウスで、ユーザーの手に合わせてフィットさせられるのが特徴。

 使ってみたら、フィット感は非常に良かった。が、ドライバソフトウェア絡みが不調なのか、PC起動時に認識されない問題があった。USBドングルの挿抜で認識されるが、毎度そうするのはチト面倒。結局使うのをやめた。

Razerの「Ouroboros(ウロボロス)」。長さやバックアーチの角度を調節して手にフィットさせられるゲーミングマウスだ。俺環境ではPC起動時に認識されないトラブルが多発したので使わなくなった

 その次に使ったのが、Mad Catzのハイエンドゲーミングマウス「Cyborg R.A.T.9 Gaming Mouse」。マウスの長さや幅を微調節でき、さらに質量の調節もできた。が、結局のところ、電池があまり保たなかった。しかもこのマウス電池は専用品。たびたびの充電が面倒で使わなくなってしまった。

Mad Catzの「Cyborg R.A.T.9 Gaming Mouse」。手へのフィット感や横スクロールホイールの利便は魅力的だったが、電池の保ちがよくなかった。ビジネス用途では「あ~また電池切れ」という感じで、それがストレスになり使うのをやめた

 次いで、Mad Catzのハイエンドマウス「M.O.U.S.9 (MC-M9E)」を使い始めた。前述の「Cyborg R.A.T.9 Gaming Mouse」の電池の保ちの悪さを解消した感じのマウスだ。全体的によくできたマウスだったが、表面の塗装がツルツルで、手に汗をかくとヌルリと滑る感触に。それがイヤで使うのをやめた。

Mad Catzの「M.O.U.S.9 (MC-M9E)」。Bluetooth 4.0の省電力モード「Bluetooth Smart」(Bluetooth Low Energy/BLE)対応のマウスで、最大1年の電池寿命がある。サイズも少々調節でき、横スクロールホイールも便利。だが、表面がツルツルで手に汗をかくと不快な使用感となったので使わなくなった

 次に使ったのが、ロジクールの「G700s Rechargable Wireless Gaming Mouse」。今回紹介したG602の直前まで使っていたマウスですな。詳細はリンク先のレビューを読んで欲しいが、高感度で高機能なゲーミングマウスでありかつ、表面が滑りにくい素材でできているということで購入。

 ただ、前述のように、電池持続時間はギリギリ1日というイメージ。毎日USBケーブルをつないで充電する必要があり、これが面倒で、今回紹介したG602へと乗り換えたんですな。

ロジクールの「G700s Rechargable Wireless Gaming Mouse」。高機能で高感度なゲーミングマウスで、両サイドに「手のベタつきを軽減するコーティング」がなされている。汗ばむ季節でも快適に使えるのだ。が、1日1度の充電の手間が面倒で、今回紹介したG602に乗り換えたのであった

 現在のところ、G602に大きな不満は感じていない。ホイールがチルト非対応だとか、11のボタンの一部は指が届かず使えていないといった細々した不満はあるが、サイズも感度も電池持続時間も、それからベタつかないという点でも満足できている。

 ので、少なくとも年内はG602を使い続けると思う。……とか言ってても、「あっスゴそうなマウスが出た~!! 乗り換える~!!」とか突然言い出す可能性があるのが今年の俺。10カ月で5台マウスを乗り換えたヤツなので、もしまた乗り換えたら都度レポートしますのでよろしくお願いいたします~。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。