スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

腕時計ホルダーのススメ

腕時計ホルダーのススメ

 今回は腕時計ホルダーについて。腕時計のムーブメント部分を装着できるグッズで、腕時計を腕以外の箇所に装着できるようになるものだ。腕時計を服やバッグなどから吊したりして使えるようになるんですな。

ここで言う「腕時計ホルダー」とは、腕時計のムーブメント(バンドではない部分)を装着するグッズの総称。腕時計からバンドを外し、腕時計ホルダーに装着し、服やバッグに吊して使ったりする

 って、ちょっと唐突な感じのネタなんですけど、皆さんスマートフォンとか携帯電話とかお使いでしょ? 現在時刻をスマホやケータイで確認する方も多いと思われる。スマホやケータイは常時携帯するし、ネット経由で時刻合わせしたりしてくれて、現在時刻も正確。タイマーまである。シッカリと時計として役立ってくれる。

 そんな流れもあって、腕時計をしない人が増えていたりする。のだが、腕時計ってやっぱり便利。何しろ「見れば時刻がわかる」のだ。スマホやケータイみたいに、スリープから復帰させたりする必要がない。文字盤見るだけで時刻一発把握!! アタリマエなんですけど、現在時刻を知るにおいてはスマホやケータイより手っ取り早いのだ。サッスガ、専用機♪

 でも……しばらく腕時計を使っていないと、腕時計を装着する気になれなかったりする。装着してみると、いきなり手首に違和感!! しかも机とかノートPCのパームレストとかにバンドが当たったりしてイヤ~ン!! みたいな。

 そこで腕時計ホルダー。じつは便利なんだけど死蔵中&腕への装着が微妙に憚られる腕時計を、服やバッグに吊したり、あるいは懐中時計的に使えるようにして、もっと快適に時間をチェックしようゼ!! 的な。

 てなわけで以降、俺的オススメの腕時計ホルダーをいくつかご紹介したい。どのホルダーも、とくに入手性は重視している。また、誰でもできる「腕時計ホルダー自作」の例も紹介してみた。腕時計を死蔵中の方はぜひご一読ください~。

知る人ぞ知る定番的腕時計ホルダー

 まずはケイズインターナショナルが販売している「ダコタ レトロウォッチホルダー」。革製のホルダーですな。バネ棒式バンドの腕時計で、バンド幅が18mm以上の腕時計を装着できる。

「ダコタ レトロウォッチホルダー」。バンド幅18mm以上かつ上下バネ棒間隔45mm以下の腕時計ムーブメントを装着できる。ホルダー部は革製。ブラウンとブラックがある。アルミのカラビナ付き。ケイズインターナショナルでの税抜本体価格は2400円
付属のカラビナを紐と交換して、バッグのハンドルなどに装着できるようにしたもの
カラビナを交換してフィッシングベストに装着。時計が逆さなのは、ベストを着た状態で文字盤を手前に起こして見るため

 コレ、昔から愛用しているが、汎用性があって非常に便利。ちょっと工夫すれば服にもバッグにも装着できるし、パンツのベルトループから吊しても使いやすい。

 それから「ハングウェア用ウォッチバンド」。ホントは「ハングウェア」という時計シリーズ用の交換/追加用カラビナ的オプションなのだと思うが、汎用的な腕時計用ホルダーとして使える。

「ハングウェア用ウォッチバンド」。バンド幅18mm用と20mm用があり、ケイズインターナショナルでの税抜本体価格は2500円。金具片側に「HANGWARE」の刻印がある

 キーホルダー感覚で腕時計をドコカに装着できる、いわば腕時計用カラビナですな。頑丈。ただし、金具が時計の文字盤に当たることがあるので、アクティブなシチュエーションで使うには時計側もある程度タフである必要があると思う。
 ほか、ケイズインターナショナルでは汎用的な「ウォッチバンド」も売られている。これらもまた「腕時計をどこかに吊して使う」という目的で利用できるだろう。
 ちなみに、腕時計をこういったグッズに装着するには、バンドを外す必要がある。バンドを外すには、腕時計のバンドとムーブメントを結合させているバネ伸縮式の金属棒である「バネ棒」を縮めて外すことになる(バネ棒式でない腕時計もある)。
 バネ棒を脱着するには、ピンセットや精密マイナスドライバ、もしくは専用工具である「バネ棒外し」を使う。外し方はネット上で多々公開されているので、そちらをご参照いただきたい。が、ある程度慣れていないとバネ棒を紛失したり、腕時計に傷を付けたりする恐れがあるので、ホルダーと腕時計を時計店に持ち込んで装着を依頼するのが無難かもしれない。

いろいろなスタイルで使えるホルダー

 次に、わりと最近発売されたバンナイズの「ベルトに付けたりバッグに吊るせるぬめ革の時計ホルダー/Type-A/Type-B/Type-C/Type-D」。4種類あるわけですな。

 どれも革製で、使用スタイル違いでナス環などの金具やストッパー付きの化繊紐が付属している。革部分のカラーはブラックとキャメルがあり、時計取り付け部の革の幅は20mmと22mmが用意されている。つまりバンド幅20mmや22mm(もしくはそれ以上幅広)の腕時計をセットできる。

 なお、「Type-C」に関しては紐のカラーが9種類ある。なので、紐カラー9種×革カラー2種で、合計18種類のラインナップがある。

左が「Type-A」、右が「Type-B」
左が「Type-C」、右が「Type-D」。「Type-C」は18種類のバリエーションがある
腕時計を取り付けたい場所やスタイルに応じて、ホルダーを選べるんですな

 どのホルダーもイイ感じ。これらホルダーは全て国産でハンドメイドなので、作りが非常に良いのも好印象だ。頑丈さも十分ある。

 税抜き本体価格は、「Type-A」が3200円、「Type-B」が2900円、「Type-C」が3500円、「Type-D」が2900円となっている。使うスタイルに合わせて選ぶことになるが、相対的に安価な「Type-B」や「Type-D」を購入し、必要に応じて好みの金具などを別途装着するのがいいかもしれない。

面ファスナーで腕時計ホルダーを自作♪

 腕時計ホルダーで汎用的で入手性が良いもの……となると以上の数点が俺の知るところ。あ~んがいナイんですな。そこで、手っ取り早く自作する方法をヒトツ。面ファスナーテープでホルダーを作ってしまうのだ。

 用意するのは、幅20mmの両面式面ファスナーだけ。俺的オススメはクラレの「マジックバンド」の「CP-09」という製品だ。バンドの表と裏がそれぞれ面ファスナーのフックとループになっていて、モノを束ねる用途全般に使える。

クラレの「マジックバンド CP-09」。幅20mm×3mの面ファスナーテープで、赤と黒があるようだ。テープの表裏がそれぞれループとフックになっているので、テープの表と裏がくっつく。ネット通販で1300円前後で購入した
腕時計ムーブメントのバネ棒に通し、まとめつつカラビナなどを装着すれば、ハイ、時計ホルダーの出来上がり♪

 前出の各種時計ホルダーを全否定するほど安上がりかつ簡単にデキちゃう「面ファスナーテープで自作する腕時計ホルダー」なのであった。が、難点としては、じっくり観察すると「あら安っぽい」みたいな感じであること。

 それからこの「マジックバンド CP-09」は、小さな面積どうしを付けた場合はあまり結束力が強くない。ので、前出のような十分頑丈な腕時計ホルダーと比べると「時計が落ちたりするかも?」的な不安が残りがちではある。

 ただ、「腕時計をバッグや服から吊して使うと便利だというので一度試したい」という目的には十分にツカエル。面ファスナーテープの幅が20mmなので、非常に多くの腕時計に使えるし、切っても使えるので融通が利く。余ったら汎用の結束バンドとして使えるので無駄も出にくいと思う。

余談───オススメの腕時計とオススメはしない自力電池交換

 ツイデなので、腕時計絡みの余談を少々。まず、単刀直入に、俺的にかな~りオススメの腕時計。カシオの「WVA-M630D-7AJF」「WVA-M630D-1A3JF」だ。

カシオの「WVA-M630D-1A3JF」(左)と「WVA-M630D-7AJF」(右)。文字盤の色違い機種と思われる。どちらもソーラー充電式の電波時計で、アナログ文字盤、漢字の曜日表示に対応している。薄め軽めなのでどこかに吊す用途にも向く。ネット通販の実勢価格は8000~9000円

 ソーラー式なので電池切れの心配が非常に少ない。電波時計なので時刻合わせ不要。文字盤はアナログ式で視認性が高く、漢字での曜日表示にも対応。軽めで薄めで時計ホルダー装着用途によく向き、実勢価格も8000~9000円と手頃。気に入って使用している。

 シチズンの「Q&Q」シリーズのソーラー電波時計もイイ。理由は電波時計でありソーラー充電式で比較的に安価だからだが、やや古いモデルは「え?」という価格で売られていたりすることがある。ネットの量販店で「ソーラー電波腕時計」で検索するとすぐ見つけられると思う。

 なお、ソーラー式の時計は電池切れの心配がほぼナイわけだが、しかし、電池の劣化はある。内部に電気を蓄える二次電池があるので、これがヘタってきたらやがて時計が正しく動かなくなり、この二次電池を交換する必要が出てくる。5~6年くらいで二次電池の交換が必要になったりするらしい。機種にもよるらしい。

 さておき、ソーラー電波云々以前に、気に入っていたけど死蔵中の腕時計を復活させたいという方は少なくないと思う。「ケータイ時代になってから腕時計全然使ってないんだよな……気に入ってたんだけど」的に。「でも電池交換って2000円とか3000円とかかかるし」みたいな。そんな理由が死蔵を促しているのかもしれない。

 ていうか俺がそーゆー理由でフツーの電池式腕時計を死蔵しまくっておりました。が、腕時計の電池交換を自力でやってみたら、あら案外デキちゃう&安上がり~ってコトで、「腕時計の電池交換ってどんな感じなのか?」を俺的目線で書いてみたい。

 まず、大きなリスクがあること。腕時計の中身を見ると「人類ってスゴい~」と改めて感動するほど精密なのだ。そういう精密部品群と隣り合わせでセットされている電池を交換するのだから、最悪、その精密部品群のどれかに触れて時計を壊す可能性がある。ので、大切な時計の自力電池交換は絶対せずに、時計屋さんへ。

 てな感じなので、「まあ最悪壊れてもいっかな」くらいの時計で試して欲しい。のだが、電池交換自体がかな~り疲れる作業。ルーペも必須。最初のうちは肩こりまくりだと思う。そこまで疲労して時計壊したってんじゃ非常に悲しいので、自力での電池交換に興味津々でないなら、やはり時計屋さんへ。

 それでも「どーしてもやってみたい!!」という場合は、「時計」と「電池交換」をキーワードとしてググったりBingったりしてトライしてみてほしい。凄く詳しい情報が得られると思う。が、あくまでも自己責任で。

 さておき、俺の場合はトライした結果、けっこーハマって楽しくなっちゃったクチだが、最初の何度かはタイヘンであった。というのも、まーホントに超小さい部品やネジを相手にする作業。指先の少しの震えによりネジをピーンと飛ばしてしまうようなミスもアリガチ。ネジ1本をネジ穴に載せるだけでも十数回のトライアンドエラー、みたいな。苦労の連続だったりする。

 でも、少々コツを掴むと楽しくなってくる。たとえば「この時計のムーブメントはあの時計とまったく同じだ」とか「これはネジを回さずに交換できるパターンだな」とか、以前の苦労が知見となったことが感じられる。スキルアップですな。これが楽しい。

 工具も楽しい。工具自体はピンキリらしく、いろいろあるのだが、工具を徐々に使いこなせるようになるのが楽しさの中心。「そっか~この工具、力込める必要ないんだ~」というような上達や、「うわこの工具使うと効率凄く上がる!!」みたいな発見などなど。いろいろ愉快。以下、工具を少々ご紹介。

腕時計の裏側のフタを開くための工具。左がこじ開け工具で、右が防水時計用(ネジ式フタ)を回して開く工具
ピンセットは必需品。電池を保持するための樹脂製ピンセットもあると便利だ。右はバネ棒を外すための工具だが、精密ドライバーやピンセットで代用できたりもする
精密ドライバーも必須になりがち。青い台座がある工具は、時計のこじ開け式フタを閉じるための裏蓋閉め器

 いろいろと趣味性があるわけですな。また、電池はある程度まとめ買いすれば1個100円以下だったりするので、経済的ではある。が、時計を壊したり傷付けたりするリスクがいつも伴うわけだから、時計破損~故障まで含めた経済性を考えるなら、時計屋さんに任せるのが無難ですな。

 序盤は苦労と疲れがたっぷりあり、徐々に習得できる楽しさがあり、それを通過するとひとつの趣味になる、と思われる時計の自力電池交換。繰り返すが、小さくないリスクがあるので、決してオススメするものではない。が、こーゆーのがお好きならきっと楽しめますよ~♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。