スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

「OM-D E-M10」がとても良い♪

「OM-D E-M10」がとても良い♪

 今回のブツはオリンパスの「OM-D E-M10」(以下、E-M10)。マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼デジカメですな。てか、このカメラがとても良い。てゅーか、も〜ヒッジョーにイイんですわ〜♪ ちなみに、購入したのは「OM-D E-M10 EZダブルズームキット」。実勢価格にはやや開きがあるが10万円前後。

オリンパスのミラーレス一眼「OM-D E-M10」。上位機種「E-M5」の撮像素子(1605万画)と、シリーズ最上位機種「E-M1」画像処理エンジンを搭載する「OM-Dシリーズのエントリーモデル」だ。が、操作性も機能性も上位機種を食うかも的なレベルである気がする

 現在、E-M10を非常に気に入って連日のように使用中である。さっそく使用感などをレポートしてみたいが、その前にまず、このカメラを買うまでの経緯を少々書こうと思う。

 最近は全然オリンパスのカメラを使っていなかったが、オリンパスのマイクロフォーサーズ機の最上位機種「OM-D E-M1」にクラリと魅力を感じた。ココにも書きましたけど、単純に「カッコイ〜!!」と思ったのであった。往年のフィルム式カメラ「OMシリーズ」の印象と非常に近かったからだ。

その外見で思わず買った「OM-D E-M1」。取材用カメラとして使用中だが、このカメラも非常に使いやすい。ボディの実勢価格は12万円前後
左の写真にあるのは、オリンパスのフィルム式カメラ「OM-4 Ti」と「OM-2」。20〜30年前あたりに常用していた。E-M1と並べると雰囲気ソックリでしょ〜?

 余談だが、「OM-D E-M5」も「OMシリーズ」に似ている。発売当初に強い興味を持って店頭にて実機に触れたが、個人的には「OMシリーズとはなんか印象が違う」と感じられ、冷めてしまった。

 さておき、要はかつて長年愛用したOMシリーズと良く似た外見に惚れて買ったE-M1。ロクに中身を調べずに買った感じ。CDにおけるジャケ買い、的な。そして実機を手にしたら「お〜コレだよコレを待ってたんだよ〜!!」みたいな興奮があった。

 また、使ってみたらフラッグシップ機ということもあり、非常に良かった。購入直後から取材仕事に活用し始め、既にモトが取れたかな、というほど役立っている。

 のだが、このE-M1、毎日持ち歩くにはチト重めゴツめ。しかし非常に手に馴染むし、UIなども使いやすい。ので、E-M1的な使い勝手がありつつ、もう少々軽め小さめなオリンパス製カメラはナイかな〜と探してみた。ら、「STYLUS 1」というコンパクトデジカメを発見。購入した。

オリンパスのコンパクトデジカメである「STYLUS 1」。携帯性が良く、E-M1に通じる操作性の良さも備えている。実勢価格は5万5000円前後

 STYLUS 1は使いやすいコンパクトデジカメであった。外見も「OMシリーズ」にちょっと似ていてイイ感じ。満足し、しばらく常時携帯して使っていた。だが、ココにも書いたが、間もなく今回のネタであるE-M10が発表された。

 E-M10のサイズや携帯性はSTYLUS 1に近いもよう。そしてE-M10はレンズ交換式。となればE-M10買うでしょこの流れだと〜ぐぬぬぬ〜タイミングが〜ぬぬぬぬ〜ということで、E-M10購入に至ったというわけだ。

 で、E-M10を購入&使用開始した結果から言えば、ヒッジョーに良く、部分的にはE-M1より良く、STYLUS 1をお蔵入りにしてしまうほどツカエルしアソベルのであった。てなわけで以降、E-M10の使用感などについてレポートしてみたい。

 なお、画質についてはデジカメWatchにある曽根原昇氏のレビューが詳しいのでソチラを。俺的印象を簡単に述べるとすれば、多くのケースで無理のある色作りをしていない感じだし、解像感も十分高いし、イイっていうか安心して撮っていける画質だと思う。

小さい〜、けど持ちやすいし押しやすい〜

 E-M10を手にして最初に感じたことは、配置されたボタン類の密度の高さからくる高級感があること。ボディの金属質感も手伝ってか、E-M1のソレに似た凝縮感がある。初めて「OM-2」を手にしたときの感触に似ているかもしれない。

 使い始めて感じるのは、ボディが小型なわりにはホールドしやすく、かつ、ボタン類を操作しやすいということだ。わりとガッチリ握れて、ボタンの誤操作もしにくい。このサイズのカメラでこれら要素を両立してるのって、けっこースゴいかもしれない。こんなにボタンいっぱいあるのに。

大きめの手の男性でもわりとガッチリ握れる感じ。ただ小指がボディ下部にはみ出しちゃいますな
ボタン類は操作しやすく誤操作しにくい位置/形状。フロントダイヤルとリアダイヤルを使うと、各パラメーター調節をスムーズに行える。特に露出補正を即座に行えて快適

 ただ、個人的には「もうちょっとグリップ部が大きいとより良い」と感じられた。ので、オプション品の「OM-D E-M10 専用グリップ ECG-1」を購入した。容易に脱着できるグリップで、装着したままバッテリーやメモリカードを出し入れできる。

オプションの「OM-D E-M10 専用グリップ ECG-1」。カメラ底部の三脚ネジ穴に装着する。このグリップを装着した状態で三脚に装着できる
全ての指を使って握れるようになった。グリップ部はワンタッチで外せて、バッテリーやメモリカードを交換できる

 このオプションのグリップの重さは87g(実測値)。写真のレンズをボディに装着した状態で、E-M10の質量は485g(実測値)。グリップを装着すると572g(実測値)となり、少々重くなるが、ホールド性がググッと高まり使い勝手は明らかに良くなった。

 グリップを装着すると携帯性がスポイルされるかな? と思ったが、カメラ底部が13mm程度下部に伸びる感じで大きくなるだけなので、携帯性はさほど変わらない感じですな。

 個人的に軽く残念なのは、グリップを装着したE-M10は、外観的なバランスが少し崩れるところ。OMシリーズとのソックリさがやや失われて、う〜ん……、的な。

オリンパスの昔のレンズ交換式フィルムカメラは、というか、ペンFシリーズやOMシリーズは、背が低く横に長いフォルムが特徴的。E-M10のフォルムのバランスもそれに近いが、グリップを装着すると印象がかなり変わってしまう

 でもまあフツーは気にならないことですな。あとE-M10は、グリップ付きでもグリップ無しでも、デジタルの「オリンパスペン」シリーズのような可愛らしさがあるかもしれない。

良好な携帯性、よく効く手ブレ補正

 E-M10は携帯性が良い。「オリンパスペン」シリーズの小さい機種ほどではないが、わりと気兼ねなくバッグに入れて持ち歩けるサイズ感だ。

 個人的に軽く衝撃的だったのは、「OM-D E-M10 14-42mm EZ レンズキット」の小さいほうのレンズを装着し、レンズに「自動開閉式レンズキャップ LC-37C」を装着すると、コンパクトデジカメのような携帯性と実用性をもって使えるということだ。携帯感および気軽にサッと使える感は、「STYLUS 1」とほぼ同じという印象になる。

厳密なサイズや質量は違うが、ボリューム感はE-M10もSTYLUS 1もほとんど同じ。どちらも自動開閉式レンズキャップを装着している
実際に携帯した嵩張り感もだいたい同じだ。ソックリなカメラだが、機能性も拡張性もかなり違う

 つまりバッグなどに余裕で入れられるサイズで、取り出して電源を入れれば撮影可能な状態に。上記の状態だと、レンズキャップを外す必要すらない。お手軽〜。なのだが、E-M10は非常に高性能。ラクしつつその性能を携帯して使えるってのはナイスである。

 E-M10はいろいろとステキな性能を持っているが、多くの人が納得しそうなのがボディ内手ブレ補正だと思う。今時的デジカメの手ブレ補正機能はどれもよく効くが、E-M10はボディ内に手ブレ補正機構があるので、オリンパスの各種レンズで手ブレ補正が使えることは大きなメリットだ。オリンパス製のレンズ交換式デジカメはみんなそうですな。

 話が少し逸れるが、E-M1の手ブレ補正に「あらまあ良く効く〜」と感心したりした。「ボディー内5軸VCM手ぶれ補正」を搭載し、「撮影時に発生するあらゆる種類の手ぶれを補正する」のだそうだ。シャッター速度にして4段分が補正されるという。確かによく効き、取材仕事ではたびたびその手ブレ補正性能に助けられた感じ。

 E-M10は「ボディー内3軸VCM手ぶれ補正」を搭載している。シャッター速度にして約3.5段が補正されるという。

 ハイエンド機種E-M1の手ブレ補正が5軸で、エントリー機種のE-M10が3軸。エントリー機E-M10の3軸手ブレ補正って、やっぱりE-M1ほどは効かないのかな、的な不安があったわけですな。

 しかし、実際に使ってみると、5軸と3軸の差はイマイチ体感できない感じ。「どっちの機種も手ブレ補正よく効くじゃん」みたいな。なので、E-M10の手ブレ補正性能についても満足できている。

 ちなみに、どんな感じで効くかと言えば、たとえばカメラを故意に小刻みに揺さぶってみると……その状態ではファインダー像も小刻みに揺れるのだが、シャッターを半押しにするとその揺れが吸収されるようにスッと減少する。軽くビックリできる効果を体感できると思うので、ぜひ店頭で実機に触れて試してみてほしい。

いろいろ遊べるE-M10

 前述のように手ブレ補正もわりとガッツリ効いてくれるE-M10。また、携帯性も非常に良い。ので、動画もけっこー撮ったりしがちなのであった。

 E-M10に限ったことではないが、オリンパスのカメラは「アートフィルター」が魅力的だと感じている。画像に特殊効果を施して記録するという機能で、ポップアートっぽく彩度を極端に高めたり、あるいはトイカメラで撮ったように四隅の光量低下などを起こしたり、いろいろなフィルターが用意されている。「アートブラケット」を使うと。一度の撮影で各フィルター効果を適用した複数枚(フィルター種類分)の写真が得られたりして愉快ですな。

 E-M10では12種類のアートフィルターが使えるが、わりと多くのフィルターが「度を超さずほどよく処理する」という印象。「おもしろいけれど、画像処理としては極端過ぎる」というフィルターが少ないように思う。

 たとえば「ファンタジックフォーカス」は、ソフトフォーカスフィルターを使っての撮影をエミュレートしたものだと思うが、単に白く明るく眠くなるようなボカシ的エフェクトとは違い、ピントの芯を残しつつ柔らかな白みとボケが生じる。ホンモノのソフトフォーカスフィルターっぽい感じで、非常に実用的だと思う。

 ほか「ドラマチックトーン」あたりもイイですな。何を撮っても深みや歴史を感じさせる雰囲気に!! みたいな。被写体によってはオモシロ写真になってしまうこともあるが、建物や空を含んだ風景を撮ると、HDR写真が醸し出すような劇的な印象を持つ写真となったりする。

 オリンパスのアートフィルターのおもしろみは、動画の撮影でもそのまま使えることだ。フィルターの種類によっては動画がカクカクしたりもするが、なかなか楽しめる。「ジオラマ」のアートフィルターで動画を撮ると、速度は固定だがタイムラプス動画(コマ撮りによる動きの速い動画)となる。手軽にソレっぽい動画を撮れるのもまた、アートフィルターの楽しさだと思う。

 こんなふうに、E-M10は遊べるデジカメとしてもイケてる感じなんですな。静止画も動画もしっかり撮れて、ときには静止画や動画で遊べる、みたいな。

 しかしまあE-M10、「OM-Dシリーズのエントリーモデル」とはなっているが、機能も性能も非常に充実したカメラだと思う。また、ハイエンド機E-M1が先鋭的な機能をそのまま搭載していたりもする。さらに、E-M1にない機能を搭載していたりもする。

 たとえば、曽根原昇氏がレビュー中で「直ぐにこの機能が革命的に便利であることが納得できるだろう」と書いている「ライブコンポジット機能」。これもE-M10独自の機能だ。

 すっげー!! 明るさが増した部分だけ自動合成!! 星が流れる様子やクルマのライトが流れていく夜景を簡単に撮れそう!! 鋭意試してみたい!! とか思う次第……夜景撮影に出かける余裕がなくてまだ試せていないんであった。

 てな感じのE-M10。ギュッとコンパクトに凝縮された小さなミラーレス一眼だが、機能的な凝縮度も非常に高いのであった。画質も、性能も、携帯性も、楽しさも、全て備えている感じ。ヘンな言い方ではあるが、価格満足比がヒッジョーに高い、と思う。興味のある方はぜひ、店頭でイジクリ倒してみてほしい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。