スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

最新版ACDSeeこと「ACDSee Pro 7」を使ってみた

 今回のネタはACD Systemsの「ACDSee Pro 7」。もとは画像ブラウザだったが、バージョンを重ねるごとにRAW現像や画像非破壊編集などまでできるようになった静止画系統合ソフトですな。

ACD Systemsの「ACDSee Pro 7」。基本的には画像などのファイルをサムネイル表示/拡大表示できるブラウザ(左)だが、RAW現像やフォトレタッチなども行える(右)。価格は1万1980円(税込)

 つい先日まで「ACDSee Pro 5」を使っていた。のだが、数日前にACDSee公式ストアから、アップグレードお誘いメールが送られてきた。アップグレード価格は5980円。さらに今なら1000円引きクーポンが使えて4980円!! みたいな。

 5000円かぁ。そろそろACDSeeアップグレードしたいかも。ヘビーユーザーなのに2バージョン前のは……。でもまあ、ちょっと考えてみるってことで、またそのうち。

 とか、やや低めのテンションで過ごしていたら、ACDSee公式ストアからまたもやアップグレード後押しメールが。「【残り6日】早得アップグレード特典!」とか書いてあるのであって、俺的には「えっえっもう1000円引きクーポン終了なんスか!?」とか若干焦ったっていうか、なんかシッカリ釣られてスコッとアップグレードしたんであった。なお、このクーポンの使用期限は2014年7月4日までとなっていた。

 てなわけで以降、最新版ACDSeeとなる「ACDSee Pro 7」の使用感や俺的使用法について書いてみたい。なお、ACDSee関連製品は15日間機能制限なしの無料体験版が用意されている。ので、ソレを試しつつ以下の記事を読むとわかりやすいかも。

 また、RAW現像などには対応していないもののフツーに使うなら十分高機能な画像ブラウザとして「ACDSee 17」がある。これも上記リンクから無料体験版をダウンロードできる。

 それと、上記のソフトはWindows版だが、Mac版の「ACDSee Pro 2 (Mac)」や、「ACDSee 2 (Mac)」もあり、これらも上記リンクから無料体験版をダウンロードできる。2014年初夏には「ACDSee Mac Pro 3」の発売も予定されている。

ACDSeeってどんなソフト?

 いきなり最新版云々と言ってもピンと来ない人が多いかもしれないので、まずはACDSeeというソフト全般について少々ご説明を。前述のとおり、基本的には画像ブラウザなんですな。

 かな〜り以前からあるソフトで、俺も歴代バージョンの愛用者。たとえば2002年には「ACDSee 4.0 J」のレビューを、2007年には「ACDSee 9 Photo Manager日本語版」のレビューを、2010年には「ACDSee Pro 3 日本語版」のレビューを書いている。

 さておき、まず画像ブラウザとしてどんな雰囲気なのか。フォルダ単位で画像を閲覧できたり、EXIFなど画像のメタデータを軸に写真を一覧することができる。いったん読み込んだ画像を多角的にブラウズしていけるわけですな。

PC上のフォルダを指定し、そのなかにある画像ファイルをサムネイル表示させている様子。サムネイルのサイズは自由に調節できる。また、サムネイル上に表示される情報(ファイルサイズやファイル名やEXIFデータ)も自由に選べる。背景色もカスタマイズ可能だ
EXIFデータをもとに、撮影日別に画像を一括表示できる。左は2004年に撮影した画像を全てサムネイル表示している様子。カレンダー(月)の上にサムネイルを表示し、さらにカレンダー内の1日の写真を表示する(右)など、時系列のサムネイル表示だけでもいろいろなスタイルを選べる
写真を一枚表示した様子。ワンクリックでドットバイドット表示と画像全体を一望できる表示を切り替えることもできる
複数枚の画像を並べて比較することもできる。拡大縮小しつつ比較する場合、各画像の拡大倍率や拡大位置を揃えて同時に拡大縮小+スクロールすることもできる

 それから、画像ファイルの簡単な処理もできる。イロイロできるのだが、たとえば画像ファイルの一括処理がけっこー便利ですな。複数枚の画像を選び、一括でファイル形式を変更したり、回転したり、縮小したり、連番でファイル名を変更したり等々。

選択した複数枚の画像に対し、同じ処理を一括して施せる。たとえばファイル形式がバラバラのファイル群を、一気に同じファイル形式に変換したりできる
ファイルサイズやファイル名の一括変更も可能。EXIFデータをファイル名にすることもできる。ので、たとえば大量の画像のファイル名を「各画像の撮影日時」とする一括処理も可能だ

 ブラウザとしての俺的利便は、まず比較的に高速なサムネイル表示〜1枚表示が可能なことや、サムネイル表示スタイルを必要に応じて変えられること。たとえば見やすい背景色(ライト/グレー/ブラック)でサムネイルを表示でき、1枚表示のときの背景色を自由に変えられるのが実用的。1枚表示のときの背景色を白にしておくと、写真のホワイトバランスの良し悪しをより手っ取り早く判断できたりして便利だ。

配色は「ライト」「グレー」「ブラック」の3色から選べる。ウィンドウ全体の明るさですな。3色は少々物足りないが、ウィンドウ全体の明るさを変えてサムネイルを見やすくできること自体は良い。右はグレーにしたところ。ライトにするとより明るく、ブラックにするとより暗くなる
1枚表示時の背景色も選べる。背景色を白にしておくと、写真のホワイトバランスをより判断しやすくなって便利だ

 ちなみに、俺の場合はACDSeeとPhotoshopを併用することが多い。具体的には、1920×1200ドットのディスプレイを横並びにし、デュアルディスプレイ環境として使っていて、その左にPhotoshopのウィンドウを、右にACDSeeのウィンドウを開いて作業している。

デュアルディスプレイ環境(各1920×1200ドット)で、左画面にPhotoshopを、右画面にACDSeeを表示して使っている

 右画面のACDSeeで写真を整理しつつ、フォルダ分けなんかもしつつ、左画面のPhotoshopで必要とあらばレタッチなど処理を施す感じですな。PhotoshopやAdobe Creative Suite/Creative Cloudを使っていれば「Adobe Bridge」という高機能なファイルブラウザを使えるが、長年ACDSeeに慣れちゃってるので、ついACDSeeを使っちゃう感じっス。

 ちなみに、長年ACDSeeを使ってきた身からして、ACDSeeの使いにくさもけっこー感じている。たびたび感じるのは、多機能ゆえのわかりにくさ。それぞれの機能はわかりやすいが、機能自体がどこにあるのかわからないことが多い。カスタマイズ性にも優れたソフトだが、どこをどうしたらカスタマイズできるのかもわかりにくい。こんなふうなわかりにくさは他の多機能ソフトにもあるので、多機能さやカスタマイズ性の高さとのトレードオフなのかもしれない。

お手軽画像処理ソフトとしての「ACDSee Pro 7」

 画像ブラウズからRAW現像、さらにけっこー高度なレタッチまでできる「ACDSee Pro 7」。前述の高機能さやカスタマイズ性の高さからくるわかりにくさはあるものの、現像やレタッチなどの機能はわりあいわかりやすい感じ。イジってれば何となくわかる、的な。

「ACDSee Pro 7」の「現像」モードでRAW画像を現像している様子。手軽かつ比較的わかりやすくRAW画像の各パラメータを調節でき、その結果を画面上で即確認できる
同じモードでJPEG画像を現像している様子。現像というと少々違和感が生じるかもしれないが、要は色調や明るさなどの微調節ができる。RAW画像に対する「現像」よりも扱えるパラメータは少なくなる

 ふーん、このパラメータをイジると写真がこんなふうに変わるのか〜、みたいな気楽さで「現像」を楽しんでいける。また「ACDSee Pro 7」の場合、非破壊編集対応なので、編集や現像を施した画像をいつでもオリジナルのものに戻せる。大胆に「現像」したり思い切った「編集」したりして、「やっぱヤメた、モトのがいい」となっても、簡単な操作で「現像」や「編集」を取り消せるわけですな。

「現像」や「編集」をしたあと、それを元の状態に戻すことができる。実際はオリジナル画像のバックアップが入った隠しフォルダが自動的に作られていて、そこから画像を書き戻している

 この「ACDSee Pro 7」、イロイロな画像処理に対応している。ので、このソフトだけあれば画像管理〜加工処理のかなりの部分がデキたりする。使い方は、画像を選択して画面右上の「編集」タブをクリックすれば、いろいろな画像加工処理項目が現れる。ホントに多種多様の「編集」ができるので、実際に無料体験版で遊んでみてほしい。

 ちなみに、俺的にけっこー好きなのが「ライティング」機能。「現像」タブでも「編集」タブでも使えるが、写真のなかの明るい部分と中くらいの明るさの部分と暗い部分を個別に調節できるという明るさ調節機能で、1枚の写真からHDR画像のような画像を作り出せるというものだ。

「ACDSee Pro 7」で「ライティング」機能を使っている様子。左がオリジナル画像。3つのパラメータを変えると、右のように「どの部分も暗すぎず明るすぎない画像」に変えていける。写真の印象がガラリと変わりますな

 それから「ACDSee Pro 7」で新たに加わった機能群。いくつかあるが、「放射状および直線のグラデーションツール」というのがイイ感じ。露出補正、彩度調節、コントラスト調節などを、グラデーション状に加えられるというのもだ。グラデーションは、直線もしくは放射状(円状)が使える。文章で書くとわかりにくいと思うが、写真で見ればピンと来るだろう。

赤い部分が濃ければより強く処理がかかる。赤い部分の範囲や向き、赤のグラデーションのなだらかさ(フェザリング)も調節できる
左がオリジナル写真。右は、上側と下側、2度に分けて直線のグラデーションツールを使ってレベル調整を行った(暗くした)写真。手軽にこんな処理を施せる
左がオリジナル写真。右は猫の顔を中心に放射状のグラデーションツールを使い、周囲を暗く落とした写真。容易に被写体の一部のみを強調することができる

 明るさのみならず、色調や彩度などいろいろな要素をグラデーションツールで調節していける。昔は撮影時に色付きフィルターを用いて写真の一部だけに特定の色を付けたりしていたが、ああいうことも一瞬でデキちゃいますな。

左のような普通の風景写真を、サクッと手軽に右のようなバタ臭いフィルター撮影写真に仕上げることもできる

 ちょっと見ただけでも、こんなふうな画像加工ができまくりなんですな。なかには「興味本位の遊びにしか使えない」という画像編集機能も少々あるが、真面目なフォトレタッチにも十分利用できる機能が多々あるので、興味のある方はぜひ試してほしい。

オマケ:大量の写真をEXIF情報で楽しむ

 ところで俺の場合、ACDSeeを使い始めてからたびたびヤッてるコトがある。それは、撮りためた大量の写真を、EXIF(イグジフ)データという切り口で閲覧することだ。

 デジタルカメラでの写真撮影時には、生成される画像ファイルに撮影に関わる各種情報が付加される。具体的には、撮影日時、画像解像度、シャッター速度や絞り値などの露出関連情報、カメラ名、カメラメーカー名等々、い〜ろいろ。これがEXIFデータだ。EXIFデータを利用できるアプリでデジカメ写真を開けば、たとえば「いつ撮影した」「撮影状況はこうだった」「カメラの機種はコレ」などということがわかる。

 もちろんACDSeeはEXIFデータを扱える。EXIFデータの書き換えや消去などもできたりする。また、一度開いた写真(ACDSeeのデータベースに自動登録された写真)は、EXIFデータから絞り込んでいけたりする。前述のカレンダー表示なんかもこのEXIFデータを使ってるわけですな。

 で、俺がよくやるのは、「カメラモデル」や「カメラメーカー名」で写真を絞り込んで閲覧すること。「あのカメラでこんな写真を撮ってたんだなあ」とか「このメーカーのカメラ、意外に多く使ってるんだな」みたいな。

「このカメラで撮った写真を一望する」ということができる。手持ちの写真をACDSeeに読み込ませれば(表示させれば)、使ったカメラの一覧も自動的に得られる感じですな。もちろん、写真を1枚表示したり、詳細なデータを見たりすることもできる
こちらはカメラメーカーでの絞り込み。いろいろな観点から写真を見ていくことができて楽しい♪

 ほかにも、レンズ焦点距離、絞り値、ホワイトバランス、ISO感度、シャッタースピード、フラッシュ発光状態等々いろいろなEXIFデータからの写真の絞り込みができる。絞り込みにかかる時間も短めで、たとえば200GB程度の写真(のデータベース)から絞り込んでも、数秒から十秒程度で表示が完了する。

 てな感じでEXIFデータを使っても楽しむもよし、画像を手軽に編集したり現像したりするのにもよし、高速ブラウザとして使うもよしの、「ACDSee Pro 7」。前述のとおり無料体験版があるので、興味のある方はぜひ一度試してみてほしい。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。