スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

接写にメチャメチャ強い防水コンデジ「STYLUS TG-3 Tough」

接写にメチャメチャ強い防水コンデジ

 今回のブツはオリンパスの「STYLUS TG-3 Tough」(以下、TG-3)。防水・防塵・耐衝撃性能・耐寒性能を備えたコンパクトデジタルカメラですな。スタパブログにも書いたが、そういったアウトドア向けの性能に加え、スゴそ〜なマクロ撮影(接写)性能にも期待して予約購入した。

オリンパスの「OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough」。防水・防塵・耐衝撃・耐寒性能、F2.0の明るいレンズ、強力なマクロ撮影(近接撮影)性能を備えている。右は別売の「LEDライトガイド LG-1」を使って500円玉を接写したもの。実勢価格は4万5000円前後。

 2014年5月に「STYLUS TG-850 Tough」についてレポートした。かな〜り楽しめるカメラだった。ので、そのTG-850よりさらに高性能で「オリンパスのタフ系コンパクトデジカメの最上位機種」となるTG-3にも手を出してみた、というわけですな。

 TG-3に対し、当初は「アウトドアでの使い勝手に期待」していた。ツイデにスゴそーなマクロ撮影性能にも期待、みたいな。

 ところがTG-3を使ってみたら、そのマクロ撮影性能が凄いっていうか凄まじいっていうか、突き抜けているんであった。「接写にメチャメチャ強い防水コンデジ」と題してみたが、気分的には「水にもメチャメチャ強い接写コンデジ」かもしれない。

 上に、TG-3と別売の「LEDライトガイド LG-1」を使って撮った500円玉の接写を載せたが、こういうマクロ写真を手軽にカシャカシャ撮れちゃうのである。しかも上の写真はほんの序の口。さらに被写体を緻密に写すことができる。

接写した状態でズームアップすることができ、被写体をさらに大きく写すことができる(左)。さらに超解像ズームを使うと、硬貨のマイクロ文字まで克明に見える。ここからさらにデジタルズームでズームアップすることも可能だ。

 すっげ〜さすが顕微鏡メーカーだわオリンパス〜、そのうちオリンパスの実体顕微鏡買いてぇわ〜、あと今度オリンパスの胃カメラ飲みてーわ〜、とか、ワケのわからねえ思考モードに入っちゃうほど、怒濤のマクロ撮影性能をひっさげて登場したTG-3なのであった。前のモデルの「STYLUS TG-2 Tough」も優れたマクロ撮影性能があったらしいスけど。

 ともあれ以降、TG-3の機能や使用感についてアレコレと。なお、TG-3の詳細および画質についてはデジカメ Watchに掲載された北村智史氏の記事「OLYMPUS STYLUS TG-3 Tough 多彩なマクロ機能が楽しい防水カメラ」が詳しいのでそちらもゼヒ。また、TG-3を水中や海辺で使ってのレポート記事「南の島で STYLUS TG-3 Tough の実力をチェック! オリンパスの防水・耐衝撃デジカメ最上位モデル 機能と使い勝手を紹介」を水咲奈々氏が書かれているので、そちらもゼヒどうぞ。

顕微鏡の世界、そして深度合成モードまで!!

 まずはTG-3の概要を少々。撮像素子として1600万画素・1/2.3型の裏面照射型CMOSセンサーを採用したコンパクトデジカメで、15m防水、防塵、耐衝撃2.1m、耐荷重100kgf、耐低温-10度といったタフネス性能を備えている。

 レンズは、35mm判換算25〜100mm相当の光学4倍ズームレンズを内蔵しており、解放F値は広角端でF2.0、望遠端でF4.9となる。ほか、GPS、電子コンパス、GPSロガー機能を備えており、写真に位置情報を埋め込んだり、方角を確認したり、行動の軌跡を記録したりすることもできる。

 アウトドアに強いカメラだが、それとは別に特筆すべきはマクロ撮影性能の高さだ。まず、通常の撮影モードでもわりと接写に強い。ズーム全域で被写体に10cmまで寄れる。

 前述のとおり、TG-3は25〜100mm相当の光学ズームレンズを搭載しているので、その広角側(25mm相当)でも望遠側(100mm相当)でも、レンズ先端から被写体まで10cmまで寄って撮ることができる。つまり、ワイドマクロ撮影もテレマクロ撮影も得意なのだ。通常撮影モードで、ですヨ。

左がワイド端(25mm相当)で接写したもの、右がテレ端(100mm相当)で接写したもの。被写体まではどちらも最短撮影距離の約10cmまで寄っている。通常撮影モードの全ズーム域でこんなに寄れるってのはナイス。
左は被写体に寄れるだけ寄って広角側で撮ったワイドマクロ撮影。右は、左の写真と同じ要素が収まるようにした(やや)テレマクロ撮影。望遠側でマクロ撮影ができると、被写体の形状が歪んで見えず(正しいカタチに見え)、ピントも広範囲に合う画像が得られる。

 通常撮影モードで、被写体のかなり近くまで寄れるので、背景を整理しつつの小物撮影や料理撮影なんかも得意なわけですな。また、テレマクロ撮影も可能なので、商品撮影など被写体の形状を歪ませずに撮りたい撮影にも使えると思う。けっこー便利な仕様である。

 それから、モードダイヤルを顕微鏡マーク(スーパーマクロモード)に合わせると、被写体に1cmまで寄れるようになる。これはマクロ撮影専用モードで、被写体までの距離が1〜10cmのときにピントが合い、ズーム域は30〜100mm相当になる。また、スーパーマクロモード内で4種類の撮影モードを使い分けられる。詳しくはココにあるとおり。

 で、スゴいのが被写体に最短の1cmまで近づいての撮影。まさに顕微鏡的な視野の撮影ができる。と言うか、肉眼では見えない世界をガンガン撮れる。しかもマクロモード使用時でも30〜100mm相当の光学ズームが使える=被写体をズームアップして捉えることもできる。加えて、超解像ズームとデジタルズームのそれぞれ2倍×2種類のズームも使える。

 って、細かいスペック話より、そのスーパーマクロモードで撮った写真を実際に見てみよう。どれも超接写となるので、照明として前述の別売「LEDライトガイド LG-1」を使って撮影している。

 なお、写真は左側が全体を縮小したもので、右側が元画像の等倍切り出し(ドットバイドット)画像となる。等倍切り出し画像は、最もシャープに描画される写真の中央部分を使用している。リサイズとトリミング以外の画像処理は施していない。

青っぽいバンダナを1cmの距離で接写。30mm相当の画角で撮影している。左が写真全体を縮小したもの、右が等倍切り出し(ドットバイドット)画像となる(以下同様)。
被写体までの距離は変えず、100mm相当にズームアップしたもの。光学ズームで最大ズームですな。
さらに超解像ズーム(2倍)を加えたもの。
さらにデジタルズーム(2倍)を加えたもの。画質劣化が感じられるが、凄い倍率ですな〜。
1万円紙幣を1cmの距離で接写。30mm相当の画角で撮影。
100mm相当にズームアップしたもの。
さらに超解像ズーム(2倍)を加えたもの。
さらにデジタルズーム(2倍)を加えたもの。
iPad Air (Retinaディスプレイ表面)を1cmの距離で接写。30mm相当の画角で撮影。
100mm相当にズームアップしたもの。
さらに超解像ズーム(2倍)を加えたもの。
さらにデジタルズーム(2倍)を加えたもの。
500円硬貨を1cmの距離で接写。30mm相当の画角で撮影。
100mm相当にズームアップしたもの。
さらに超解像ズーム(2倍)を加えたもの。
さらにデジタルズーム(2倍)を加えたもの。

 すぅ〜っごいですネ〜♪ ただただ何でもかんでも接写したくなるっ!! みたいな楽しさである。楽しさだけでなく、研究や仕事にも使えるクオリティがあるのではなかろうか。

 ちなみに、TG-3での接写におけるAF合焦は、わりと素早く正確という印象だ。「LEDライトガイド LG-1」を使ってLEDライトを点けていればAFに迷うことはほとんどない感じ。AFに迷う場合は被写体に近づき過ぎているケースがほとんどという印象もある。被写体から1cm以上離れつつ、被写体が暗くならないなら、多くのケースで超接写を楽しめると思う。

 ちょっと話が逸れるが、TG-3は「デジタル顕微鏡」の代替にもなると思う。撮像素子で対象を拡大してそれを画面に出すタイプの高倍率ルーペ、みたいな製品のかわりに使えるだろう。AFも高速&高精度で、液晶モニターも見やすいので、TG-3を観察用途に使うのもアリですな。

 さておき、このスーパーマクロモードのなかで、さらにちょっとスゴめの機能がある。「深度合成モード」だ。手前から奥まで少しずつピントをずらしつつ自動で連写を行い、撮影直後にカメラ内で「ピントが合っている部分だけを合成して被写界深度の深い1枚の写真にする」という機能。具体的にどんな効果があるか、実際に「深度合成モード」で撮った写真を見て見よう。

腕時計の文字盤を正面から接写。ピントは丸窓の中の「15」のあたりに合わせた。左が深度合成をしていない写真。右が深度合成後の写真。深度合成後は秒針の軸や文字盤周囲にもピントが合って見えるようになった。
同じ文字盤を斜めから撮影。ピントは丸窓の中の「60」あたりに合わせた。深度合成後(右)は、文字盤全体にピントが合ったように見える。

 こここ、これも凄いっ!! とか思っちゃいました。

 それぞれピント位置の違う複数枚の画像を合成して、擬似的に被写界深度が深い(ピントが合って見える範囲が広い/深い)写真を作り出すことを「多焦点合成」と言うそうだ。そういう合成をする必要があるユーザーは少ないとは思うが、シャッターボタンを一度押すだけで後は自動で「多焦点合成」処理終了までイケるとなると、写真表現の幅がググッと広がって楽しいですな〜。

 ちなみにこの「深度合成モード」での撮影、シャッターを一度押すと「カシャカシャカシャカシャカシャ……」と自動連写する。シャッター一押しで撮影完了。動かない被写体に対し、できればカメラも三脚などで固定して動かない状態で撮影するのが好ましい。が、手持ちでも、なるべくカメラを動かさないようにしていれば失敗しないようだ。たぶん店頭などでも試せると思うので、ぜひその手軽さと「これまで見えなかった世界」をご確認いただきたい。

画質もまずまず、後押し要素の多い1台

 それから、フツーに使っているときの画質だが、意外なことになかなかイイ感じであった。TG-3の撮像素子は前述のとおり1/2.3型の裏面照射型CMOSセンサーで、これは下位機種の「STYLUS TG-850 Tough」と同じ。TG-850は「画素数が多くて撮像素子サイズが小さいコンデジだから、画像の細部が潰れた感じになるのはしょうがないよな」的に使っていた。また、TG-3もきっとそうなんだろうなと考えていた。

 のだが、TG-3のほうが良好な画像が得られるという印象に。同じ被写体を撮り比べたわけではないので明言できないが、TG-3のほうがクリアに描写しているように感じる。言い方は悪いが、TG-850ほど細部が平坦なベタ塗りっぽくならないとも感じた。レンズがイイんでしょうか?

 てなわけで以下にTG-3で撮ったスナップを何枚か。左が元画像を縮小したもので、右が等倍切り出し(ドットバイドット)である。トリミングや縮小以外の画像処理などは施していない。

湖面をスナップ。細部の破綻も少なめで、精細感もまあまああると感じられる。階調の極端な端折りみたいなのも少ないですな。
釣れた魚を片手撮り。AFも正確で、手ブレ補正も案外効いている感じ。魚の瞳もクリアに捉えている。
桟橋でスナップ。ロープの質感も、水中に沈むロープの色もよく出ていると思う。
刺身をパチリ。全体的な解像感や色のバランスは良好な感じ。気楽に撮れてここまで色や階調が出れば満足、みたいな。

 画質的にも悪くないと感じられたTG-3。防水防塵耐衝撃で耐寒で、強力なマクロ撮影機能を搭載。楽しめる機能もイロイロあって、たとえばアートフィルターを使ったりピクチャーモードを変えたりすればより雰囲気のある写真が得られる。インターバル撮影した静止画から動画(タイムラプスムービー)を作れるようになったり、TG-850にあるのと同様のスローモーション動画撮影機能も使える。

 ただ、個人的には、なんで1600万画素なのかな〜とか思ったりする。前の機種の「STYLUS TG-2 Tough」は1200万画素で、コンパクトデジカメ(の小さな撮像素子で)1200万画素は悪影響のほうが多くないのかな〜、それがさらに高画素になるとどうなのかな〜、なんて思うわけですな。また、もはや「そんなに画素数要らないよ」と思う人も少なくないような気がする。まあこのカメラに限ったことではないんですけどネ。

 ともあれ、そういう高画素化の流れに乗ってしまっているという点ではややモッタイナイという気がするTG-3だが、実機の機能や使用感については不満は感じていない。動作も機敏だし、実用的な機能が豊富だし、家でも外でも晴れても雨でも水の中でも使えるオールマイティなコンデジとして、かな〜り気に入っている。

 TG-3は、ホントにいろいろな角度から楽しめるデジカメなので、興味のある方はぜひ一度ジックリとチェックしてみてほしい。また、前述のマクロ撮影機能はマジで強力なので、できれば実機で体験してみてほしい。そして可能なら、別売「LEDライトガイド LG-1」の試用も。コレを使うと使わないとでは、マクロ撮影の結果&印象が全然違うからである。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。