スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

PC向け4Kモニター、EIZO「FlexScan EV3237」

PC向け4Kモニター、EIZO「FlexScan EV3237」

 スタパブログにもチラリと書きましたが、EIZOのPC向け4Kモニター「FlexScan EV3237」(以下、EV3237)を買いました。非常に気になっていたモニターだったので、EIZOショールームの「EIZOガレリア銀座」に実機を見に行きました。そしたら非常にイイ感じだったので購入。セットアップを完了し、使い始めました。

EIZOのPC向け4Kモニター「FlexScan EV3237」。フルHDモニター×4枚分である「3840×2160ドット」の解像度を持つモニターです。デスクトップを広々使え、またフォントなども十分滑らかに表示できて快適♪ EIZOダイレクトでの税込み価格は19万9800円。カラーはセレーングレイ(写真のもの)とブラックがあります。

 基本的なスペックですが、パネルは31.5型のIPSで、LEDバックライトを採用しています。解像度は3840×2160ドット。フルHD(1920×1080ドット)の4枚分に相当する情報量を表示できます。

 モニター部のサイズは横73.1×縦42.8×厚み5.95cmで、モニター部質量は約7.8kg。顔から約70cmほどの位置に置いて使っていて、慣れてきてはいますが、まだ「大きいモニターだな〜」という感覚が抜けません。

 入力端子は、DVI-D 24ピン×1(HDCP 1.x対応)、DisplayPort 1.2×2(HDCP 1.x対応)、HDMI×1(HDCP 1.x対応/AV入力対応)。USBハブ機能もあり、USB 3.0対応でポートは3つあります。音声入力に対応し(ステレオミニジャック×1、DisplayPort 1.2×2、HDMI×1)、ステレオスピーカーも内蔵しています。ヘッドホン出力端子もひとつ装備。

 付属スタンドはかなり自由に動きます。具体的には、昇降13.9cm、チルト上35度/下5度、スウィーベル(台座部)344度となっています。なお、フリーマウント穴(VESA規格)のピッチは100×100mmです。

モニター背面左側下部に入力端子類が並びます。背面左右端下にはステレオスピーカーが組み込まれています。左側面にはUSB端子などが並んでいます。
昇降可能な範囲は13.9cm。モニター下部をスタンド台座にピッタリ付けて使うこともできます。この状態でスウィーベル(横方向回転)できます。
チルト範囲は上35度と下5度。大きなモニターなので、目より高めの位置にセットする場合、下側へのチルトがけっこー重要になってきます。
スウィーベル範囲は344度。見えている台座部分ごと回転します。
操作ボタン類はモニター前面下部中央から右寄りにあります。台座後部にはケーブルを束ねられるホルダーがあります(取り外し可能)。

 で、まず使ってみての印象を書いちゃいますと、コレ、かな〜り快適です。快適に使うためにちょっと調整(OSの表示スケール調節など)が必要ですが、もっと早く導入すれば良かったと思います。ともあれ以降、EV3237の使用感などについて書いてみたいと思います。

 ちなみに、この4Kモニターのためにビデオカードも新調しました。買ったのはELSAの「GeForce GTX 760 S.A.C」。静音性が高そうで入手性&価格も現実的だったのでコレに。っていうか「4K表示できればとりあえずナンでもいいや」的にサッと決めて買いました。このビデオカードとEV3237はDisplayPortで接続し、3840x2160ドット(60Hz)で表示中です。なお、EV3237における4K対応ビデオカードの互換性情報はココに。

なんで4Kモニター買ったの?

 まず、ワタクシがなぜ4Kモニターを買ったかについて少々。それについてご興味ナシな方は、このセクションは飛ばして先をお読みいただければと思います。

 じつはPC向けの4Kモニターに関して、あまり興味がなかったワタクシでした。EV3237のパネルは前述のとおり31.5型で、そのサイズでフルHD×4枚分の3840×2160ドットの解像度を持ちます。dpi(ppi)値がかなり高く、高精細ではあるものの、UIの文字やアイコンの表示が小さすぎると考えていたのです。実際、後述のとおり、Windowsでは初期値のまま使うと表示が細かすぎ、ある程度スケーリングの調節をしないと実用的ではありません。

 そんなわけで「もう少しdpi(ppi)値が低い4Kモニターが出てきたら考えよう」と思っていました。が、あるストレスが頂点近くにs達し、「このストレスは4Kモニターを使えば解決できるかも!?」と考えるようになりました。

 以前使っていたモニターは、ナナオ(現EIZO)の「FlexScan SX2462W-HX」。これを2枚使い、デュアルモニター環境として使っていました。同型モニターを2台一緒に買ったので、発色も揃って気分良く使えていました。

ナナオの「FlexScan SX2462W-HX」。2010年8月発売の24.1型/WUXGA(1920×1200ドット)表示モニターですな。これを2枚使ってデュアルモニター環境として使っていました。

 このデュアルディスプレイ環境、当初はヒッジョ〜に快適でした。2011年の9月頃に買ったと思いますが、1年程度で両モニターの発色が僅かにズレてきました。でもキャリブレーションを施したらほぼ元通り。以降も快適に使えました。

 が、確か2013年春頃だったと思いますが、この2枚のモニターの片方の画面表面の目立つ位置に、大きめの傷を付けてしまいました。かな〜り気になる傷です。ナナオに修理を依頼したところ、パネル交換しか手がないとのこと。結局、パネル交換を依頼しました。

 で、パネルが交換されたモニターをセットしたら、あらららら!! 左右のモニターの発色がかなり違〜う!! ならば鋭意調整。しかし、どう調整しても色が合わない〜!! ……まあ、片側は新品のパネルで、もう片側は1年半くらい毎日9時間程度は使ってきたパネル。経年劣化から、やはり発色が異なるわけですな。ともあれ、その後は新品パネルの発色を基準として、もう一方のパネルの発色は諦めていました。

 でも左右の色がちょっと違うデュアルモニター環境、ことあるごとにストレスを感じていました。そしてそのストレスはついにMAXに。も〜無理!! もぉ〜ヤダ!! てゅ〜かそもそもデュアルモニターにしてるから……さらに高解像度のモニター1枚でどうにかすれば、1枚のモニターだけ色を正せば済むし、そうだ高解像度モニター1枚でやってゆきたい!! とか思ったわけですな。

 ちなみに、FlexScan SX2462W-HXの解像度は1920×1200ドット。縦の解像度がフルHDより120ドット多いわけです。が、それでも、これまで何度も「縦の解像度がもっと多いとラクなんだけどなあ」と思っていました。この問題も「より高解像度なモニターなら解決可能」というわけで、ワタクシのやる気は一気に高解像度モニターに向かっていった感じです。

 高解像度モニター、いろいろ調べました。が、結局、手が出しやすくなっている4Kモニターの導入を本格的に考え始めたというわけです。

 そして4KモニターのEV3237を導入してどうなったか? 前述のストレスも縦方向解像度の件も、全部解消!! ですっ♪ もうときどきキャリブレーションすれば色の問題は出ないと思われます。後述のとおり表示スケール調節をした結果、縦方向も横方向も十二分な解像度がありつつ、表示されるフォントなどが非常にキレイで可読性が高まりました。また、机上もスッキリと広くなりました。

表示スケールはとりあえず130%で

 前述のとおり、EV3237は31.5型で解像度3840×2160ドットです。フルHD×4枚分。このパネルサイズでこの解像度だと、たとえばWindows 7のデフォルト設定だと非常に使いにくい……というか常識的な利用は無理のような気がします。というのは、単純にUIなどのフォントやアイコンが小さすぎて見にくいからです。

 そこで、画面のスケーリングを調節し、見やすい表示にさせる必要があります。ご存知と思いますが、若干勘違いしやすいので改めて書きますと、これは「画面の解像度を3840×2160ドット以下に落として表示を拡大する」のではありません。「画面上のテキストやアイコンなどUIの要素を拡大する」ということです。

 モニター解像度はネイティブ(デバイス本来の解像度)の3840×2160ドットを使い、メニューとかダイアログとかアイコンとかそーゆー部分のみ本来より大きくし、可読性/視認性を高めるというわけですな。その方法はココに書かれています。

ディスプレイ解像度は「3840×2160」を選びます。これ以下のものを選ぶと、ディスプレイ上でスケーリングされてしまい、表示の美しさおよび情報量の多さが損なわれます。ですので、最高解像度を設定したうえで、表示スケールを調節します。表示スケールは、小(100%)、中(125%)、大(150%)から選べるほか、100〜500%の範囲で自由に設定できます(カスタムテキストサイズ設定)。ワタクシはとりあえず130%の設定で落ち着いています。

 基本的なUI要素の表示サイズを決めるのがスケール設定ですが、なかなかキマりませんな。ワタクシの場合、最初は125%としていましたが、「表示が小さいな」と思うことが多く目が疲れました。そこで150%にしたら「でか!! こども用パソコンか!!」みたいな感じになったので、140%にしたらまだ大きめで、130%にしたら「まあまあイイ感じ」となりました。

 ただ、まだ完全に落ち着いたわけでもなくて、もう数%調整したいような気がしております。4KモニターだとWordやExcelなどのドキュメントを広々開けますので「WordでA4サイズが原寸大になるスケールにしたらどうだろう」などとイロイロと試し中です。

 ともあれ、31.5型の4Kモニターの表示ってどういうサイズ? と思われがちだと思いますので、以下に相対的なサイズがわかるかもしれない設定サンプルを少々。

左から、100%、110%、120%。表示サイズ参考用に、画面手前に透明の定規を置いています。このくらいのサイズだと、多くの人が「文字が小さくて読めない」「実用的でない」と感じるように思います。視力がいい人なら「120%ならイケる」と思うかも!?
左から、130%、140%、150%。130%設定にしているワタクシですが、これでもまた「やっぱり小さいかな〜」と戸惑う表示に出くわします。140%あたりから「これならまあまあ使えるんじゃない?」と感じる人が増えるように思います。150%あたりは読みやすく快適に使えるサイズですな。
左から、160%、170%、180%。このあたりは「十分大きくて視認性も可読性も高いスケール」だと思います。ただし、UI状の文字やアイコンなどがディスプレイの情報量を下げてしまうスケールとも思います。

 なお、スケーリングの設定で少々問題が起きるケースもあります。非対応のアプリケーションだと表示を強制的に拡大して文字などがボヤけるとか、部分的に非常に小さい文字が表示されてしまって読みにくいとか。でも現在、「これじゃあまったく使えない!!」というようなシチュエーションには遭遇していません。これから遭遇するのかな? でもなんか、大丈夫そうな予感がしております。

高精細かつ広大なデスクトップが快適!!

 実際の使い心地ですが、FlexScanシリーズの最新型で、IPSパネル/LEDバックライト採用ということで、安定した発色をし、色ムラ/輝度ムラも感じられません。また、31.5型で解像度3840×2160ドットということで、何しろデスクトップが広大&高精細。非常に快適です。

 以下、どんな感じで表示されているのかをスクリーンショットでご覧ください。Windows 7で、表示スケールは130%としたときの見え方です。写真左が3840×2160ドット→1280×720ドットに縮小で、デスクトップ全体のイメージを見てもらうためのサンプルです。写真中央と写真右が一部分の等倍(ドットバイドット)で、文字やアイコンなどがどんな滑らかさで表示されるかのサンプルです。

まず普段原稿を書いているときの様子です。テキストエディタとして「秀丸エディタ」を使い、資料参照用ウェブブラウザに「Chrome」を使っています。「秀丸エディタ」のフォントは「美杉ゴシックL」で14ポイントにし、行間を1/2にしています。この設定で56行表示できます。文字もなかなか滑らか。視認性にも情報量にも満足できています。130%のスケーリングなら、タスクバー周辺もまずまず見やすいです。
ウィンドウズエクスプローラの表示例。画像表示で特大アイコン表示にしてみました。この設定で画面上に約84枚のサムネイルを表示できています。とくに使いにくさは感じられません。
常用の画像ブラウザ「ACDSee Pro 7」での表示例です。2つ起動して画面の左右に分けると、画像ファイル整理が捗ります。4K解像度(3840×2160ドット)だと、一昔前のデジカメ画像なら等倍で画像全体を表示できますな。
記事掲載用の写真をレタッチしている様子。左側にレタッチソフト「Adobe Photoshop CC」を、右側に画像ブラウザ「ACDSee Pro 7」を開いて使っています。狭さは感じられません。ただ、「Adobe Photoshop CC」側のUIのサイズがやや小さくて使いにくいです。試験機能としてUIサイズを200%に拡大できますが、そうすると(Windowsのスケーリング130%としているので)大きすぎて実用的ではありません。現在どうしたもんかと悩み中ですが、まあ、けっこー使えちゃってます。
フルHD動画編集中のイメージ。編集ソフトは「Adobe Premiere Pro CC」です。フルHD動画のプレビューを100%で行えたり、8本の画像が平行するトラックを使えたりします。ちなみにタイムラインに並んでいる動画はテキトーです。ともあれ、縦も横も解像度が高いと、こういった「時系列のタイムラインを持つソフト」の使い勝手が各段に高まります。音楽系ソフトも同様ですな。
ウェブブラウザ「Chrome」でGoogleマップを使っている様子。4Kモニターでの地図閲覧は非常に快適です。ブラウザを2枚並べてもたっぷりの情報量。その一望性は紙の地図では考えられないレベルかもしれません。
「Microsoft Word」を使っている様子。100%表示で、A4ほぼ原寸のドキュメントをほぼ3枚並べて扱えます。
こちらは「Microsoft Excel」を使っている様子。100%表示で、横36(列)×縦60(行)のセルを扱えます。実際は、ウィンドウ内に複数のシートを開いて並行的に扱ったりすると便利ですな。

 こんなふうに、何をするにも広くて快適。フォントもキレイ。ドキュメントを横並びにして視線移動だけで作業を進められたりもして、仕事の効率も良くなったような気がしております。

 とりわけ「良かった」と感じられるのは縦方向の解像度です。ウェブブラウザもテキストエディタもファイルエクスプローラも、スクロール操作が激減してとても快適です。こうなってみて改めて「これまでスクロール操作ってけっこーなストレスになってたんだな」と実感しています。

 なお現在、EV3237はアームやモニター台を使って下の写真のように設置して使っています。アームやモニターの詳しい情報については、こちらの記事の最後のセクションに書いてあります。

こんな状態でEV3237を机上に固定して使っています。付属のモニタースタンドは高機能で便利なんですが、モニターの下にスピーカーやキーボードを置きたいとか、モニターの転倒がどうしても心配などの理由から、こんな設置方法にしています。

 てな感じの「FlexScan EV3237」。個人的にはもう少しスケール調整が必要だと感じてはいますが、かな〜り快適に使えています。次期WindowsではMacOSのような仮想デスクトップが使えるようになるそうです。その機能をこういう広大なデスクトップを利用できるモニターで使えるとなると、期待が膨らみます。ともあれ、4KのPC用ディスプレイ、かなり「アリ」だと思いますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。