スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

気楽に使える多目的カメラ、リコー「WG-M1」

気楽に使える多目的カメラ、リコー「WG-M1」

 今回のネタはリコーイメージングから発売されたアクションカメラの「RICOH WG-M1」。後述のとおりタフな環境でも使える防水アクションカメラなんですけど、ワタクシの場合はその外観とコンパクトさにも惹かれて衝動予約購入してしまいました。

リコーイメージングの「RICOH WG-M1」。ハウジングなしで防水&耐衝撃&耐寒を実現したアクションカメラで、サイズは約幅6.65×長さ8.95×厚み4.25cm、使用時質量は約190gです。手のひらサイズですな。2014年12月現在の実勢価格は2万9000円前後。

 コレ、手のひらサイズのカメラで、ハウジングなしで水深10m防水/耐落下2m/耐寒-10度を実現しています。撮影可能な画像は、フルHD動画(最大1920×1080/30fps/H.264)および有効1400万画素の静止画。撮像素子は1/2.3型CMOSセンサーで、感度はISO 100〜800となっています。

 レンズは35mm判換算で約16.8mm相当(F2.8)の単焦点ですが、ワイド/ミディアム/ナローの3段階に画角を変化させられます。なお、フォーカスは固定焦点で、60cm(水中80cm)〜無限遠のパンフォーカス。手ブレ補正機構は動画撮影時のみ機能します。

 撮影モードは、静止画、動画、タイムラプス動画、エンドレス録画、動体検知録画から選べます。毎秒10コマの静止画連写にも対応。120fps(画素848×480ドット)のスローモーション動画撮影も可能です。

 本体には1.5型の液晶モニターを備え、主な操作ボタンは4つ。Wi-Fi対応で、スマートフォンから専用アプリを使ってリモート操作することもできます。電源はリチウムイオンバッテリーDB-65で、「GR DIGITAL」などにも使われているものです。撮影可能枚数は約350枚で動画撮影時間は約150分となっています。

本体上面に1.5型液晶モニターがあります。向かって本体右側にRECボタンやON/OFFボタン、左側にMENUボタンやOKボタンなどがあります。UIには若干のクセがありますが、多機能過ぎないのでわりとすぐ慣れられる感じ。
後方の蓋を開くと電池室やUSB端子などにアクセスできます。底面には三脚ネジ穴があります。
Wi-Fi機能を搭載し、スマートフォンから「WG-M1」アプリを使ってのリモート操作に対応します。アプリはiOS版(上のスクリーンショットのもの)とAndroid版があります。

 あとこのカメラ、アタッチメントも豊富に用意されてますな。上の写真のとおり、本体底面には三脚ネジ穴がありますので、一般的な多くの撮影機材と組み合わせて使うのも現実的です。

 このカメラを1カ月程度使ってきましたが、現時点での印象を書いてみますと、かなり気軽に使えるアクションカメラという感じ。アクションカメラというより、ポケッタブルな多目的カメラというイメージかもしれません。防水性能や耐衝撃性能に優れていて、そのままハダカでポケットに入れたり吊したりして持ち歩けて、「あっ」と思ったらサッと使えるのが愉快。ともあれ、以降、「RICOH WG-M1」の機能や使用感について書いてみたいと思います。

気ままに撮り歩けるカメラ

 唐突ですが、先日東京タワーの展望台に上がったら、外国人観光客が定番アクションカメラの「GoPro」で観光写真を撮りまくっていました。自分撮り用のポールを装着していて、ときには自分撮りしたり、ときには単に風景を写したり。それを見て「ああ、アクションカメラって、そういう使い方もフツーにアリだなあ」と思いました。

 で、この「RICOH WG-M1」を、そんなスタイルで使ってみました。何となくの撮り歩きですな。まずは静止画から、画質を検証しつつ「RICOH WG-M1」で撮った写真を並べてみましょう。写真は左がリサイズして縮小したもで、右が一部分の等倍(ドットバイドット)です。

小雨が降るなか、クルマのなかから撮りました。東京・青山あたりのコインパーキングは高いな〜、パチリ、的な。画質的には、わりとカリッとした描写になるようです。
ビルの上の外階段から。自分撮り棒などを使ってカメラをさらに外に出せば、恐怖心を煽る写真になったでしょうか? 画面右端を等倍で見てみると、さすがに描写が甘い感じ。超広角レンズなのでしょうがないですな。
静止画撮影時は手ブレ補正が効きませんが、しっかりホールドしていれば夜間でも撮影できます。ただ、ノイズもそれなりにあり、描写も若干甘くなりがちです。
コントラストが高い被写体だと、描写も色ノリも良好になるように感じられます。アクションカメラっぽい写りですな。細部の描写もわりとクリアです。
撮像素子は1/2.3型のCMOS(約1400万画素)ですが、十分な光量下ではなかなか侮れない写りになります。
ホテルのロビー付近で撮ってみました。暗めでしたが良好な写りです。
夕景をスナップ。コントラストも発色もイイ感じです。

 ほかにもイロイロ撮りましたが、全体的に「けっこー使えるなあ」てな印象に。操作感も良く、電源長押しで間もなく撮影できるようになります。電源ボタン長押しを開始し始めてから約4秒後に撮影スタンバイ。スマートフォンのカメラアプリを使う程度の軽快さで撮影できます。本体右側のOKボタンで動画/静止画の撮影モードを切り換えられますので、動画も静止画もクイックに撮影できて快適です。

 さておき、次に動画も少し見てみましょう。「気まぐれに何となく撮ったスナップ動画」なので、あまり意味がある動画には見えないかも、ですが、画質などのご参考用に。

【動画1】自販機に向かって歩いているところ。手ブレ補正が効いていますが、歩くときの振動は出てしまいますな。
【動画2】エレベーターから降りて通りに歩いて行くところ。手ブレしないよう少し注意すれば、まずまず安定した動画になります。
【動画3】エレベーターホールに向かうところ。音も良く拾うカメラで、どんな環境にいたのかを「後から思い出しやすい」と感じました。
【動画4】猫に近づいていくところ。猫の小さな鳴き声もよく録れます。
【動画5】猫がこちらを向いているところ。空中での最短撮影距離が60cmということで、被写体にあまり近寄れません。近寄ると被写体がボケ気味に。

 ポケットに「RICOH WG-M1」を忍ばせておき、いつでも「あっ」と思ったら日常を記録。手軽に映像のライフログを残すのにも向くカメラだと感じました。

 なお、ご参考までに「RICOH WG-M1」の画角を少々。35ミリ判換算で約16.8mm、最大画角が静止画で約160度(4:3 ワイド時)、動画で約137度(1280×960時)となっています。また、ワイド、ミディアム、ナローの画角変更ができます。

静止画撮影時の画角変化。左から、ワイド、ミディアム、ナローです。
動画撮影時の画角変化。左から、ワイド、ミディアム、ナローです。

 この画角変更は、メニュー内に入って行います。画角変更を直接できるボタンなどはないので、設定変更がやや面倒ですな。また、電源を切ると画角設定はワイドに戻ってしまいます。さらに、画角を狭くするほど画質が荒れてしまいます。

 要は、手軽にズームできるとかそういうイメージではないんですな。応急的になら使える画角変更機能という感じです。なので、結果、手間無く最高画質が得られるワイドを使いがちになると思います。

ドライブレコーダーとしてもイケる!?

 クルマのダッシュボードに「RICOH WG-M1」を固定し、フロントウィンドウからの風景を撮ってみました。ドライブレコーダーとして「RICOH WG-M1」はどうなのか? 的な。

 とか思ったのは、「RICOH WG-M1」に「エンドレス録画」設定があるからです。このモードにすると、設定時間(5分/10分)毎にファイルを切り分けつつ動画を撮影し、メモリカードがいっぱいになったら初回撮影分の録画から順に消していくという、ドライブレコーダー然とした動作をしてくれます。

 ともあれ、以下、いろいろなシチュエーションで撮ってみました。ドライブレコーダーとして活用可能かどうかのご参考になさってください。

【動画6】昼間の走行風景。クリアに撮れています。画角も広いのでドライブレコーダーにも適していると思います。
【動画7】逆光での走行。大きな問題はなさそうです。
【動画8】立体駐車場内。暗部が極端に暗くなるようなこともないようです。
【動画9】自動洗車機に洗車されている様子です。
【動画10】夜間走行。街灯が十分にある道です。わりと明るく撮れました。
【動画11】こちらは街灯が一切ない道です。ヘッドライトは、序盤はロービーム、後半はハイビームです。ヘッドライトだけで実用レベルの明るさになりました。
【動画12】夜間の高速道路走行。トンネル外は照明がほとんどない道路です。

 ドライバー目線では、固定した「RICOH WG-M1」がわりと振動して見えました。しかし、手ブレ補正機構の働きで動画は安定しています。

 それから、USBバッテリーなどを電源としても使えました。ので、シガーソケット対応のUSB給電機器と併用すれば、電池の保ちを気にせずに「RICOH WG-M1」をドライブレコーダー的に使えますな。

なかなか便利なスマートフォン用「WG-M1」アプリ

 チラリと前述しましたが、「RICOH WG-M1」にはWi-Fi機能があり、スマートフォンからのリモート操作などができます。使うのは「WG-M1」アプリ。このアプリはiOS版Android版が用意されています。

 使用スタイルや使用目的にもよりますが、アプリでの「RICOH WG-M1」リモート操作は何かと便利です。「RICOH WG-M1」本体で細かな設定をすると、ボタン数が少ないため「ちょっと設定しにくい」と思うことがありがち。ですが、アプリからならスムーズに行えます。

 また、このカメラ、撮影中に一定時間が経過すると、節電モードに入るために、本体の液晶モニターのライブビュー表示が消えてしまいます。アプリ上のライブビュー表示はずっと表示させっぱなしにできるので、「逐一映像を確認しながら撮りたい」という場合にはアプリ利用がイイですな。なお、アプリ上のライブビュー表示は、はわずかに遅延があるものの、フツーに実用的です。

 ともあれ、以下、写真とともにアプリの主な機能を見ていきましょう。

「WG-M1」アプリを使うと、「RICOH WG-M1」のリモート操作(撮影)や各種設定を行えます。全ての設定をアプリから行えるわけではありませんが、撮影モードなどの設定変更はアプリからのほうがラクですな。
右下のアイコンにタッチすれば、動画/静止画の撮影モードを変えられます。静止画撮影モードの詳細設定もアプリから行えます。
「RICOH WG-M1」本体内の画像をサムネイル表示することもできます。それら動画/静止画は、そのまま再生することもできますし、スマートフォン側に転送することもできます。もちろん動画/静止画を共有することも可能です。
スマートフォン側に転送した動画/静止画は編集することもできます。たとえば動画をトリミング(カット編集)したり、静止画の色味を変えたりエフェクトを加えたりすることもできます。

 てな感じ。動画のトリミング編集ができるのはイイですな。操作も直感的にでき使い勝手が良いと感じられます。

オマケ:家庭内エクストリームは可能か?

 やはりアクションカメラは「エクストリーム・スポーツ」で撮影してこそナンボ的なアレがナニしますな。スノーボードやMTBでジャンプとか、サーフィンやスキーでダイナミックに滑走とか、凄いクルマで物凄い走りとか、そういう動画を撮りたいものです。しかしワタクシはエクストリームな感じのスポーツは全然しません。

 そこで、家の中でエクストリームな感じの映像が撮れないかと、イロイロと考えて試してみました。結論から言っちゃうと「さほどエクストリームではない」のですが、ちょっとオモシロげな映像が撮れましたので掲載したいと思います。

 その方法は、床掃除用のモップに「RICOH WG-M1」を装着し、モップを動かしながら床面ギリギリの映像を撮っただけです。以下、道具と、得られた映像を並べてみます。

こんな感じで、いわゆる「フロアモップ」の上に「RICOH WG-M1」を固定しました。固定は強力両面テープで。「RICOH WG-M1」の下面にテープで養生すると、家庭内エクストリーム終了後に強力両面テープを剥がすとき、カメラの塗装やシールが剥がれる心配がありません。
【動画13】まずは仕事場の床をサーキット的にモップが走ります。8秒のところでモップに軽くジャンプさせてエクストリーム感を高めてみました。
【動画14】さらに距離を伸ばして走ります。5秒のところでジャンプしたように見えるのは、モップが棚に引っ掛かっただけです。途中、クイックなハンドリングを演出してみましたが、映像がブレて見づらいですね。映像最後にチラリと映る靴下の足は「足ノイズを押さえるには靴下がベスト」という示唆だと考えていただければと思います。
【動画15】続いてエクストリームお掃除です。ていうか単にお掃除風景です。途中聞こえる「ボッ、ボッ」という音は風切り音です。
【動画16】こちらはトイレ掃除です。キレイにしているつもりでも、奥まったところには汚れがけっこうあるんですね〜。
【動画17】ベッドや棚の下の掃除ですな。もはや全然エクストリームではなくなってきました。

 というわけで、やってみたけど、イマイチ予想とは反した中途半端なデキに。ただ、家庭内でも構図や構成、スピード感に配慮すれば、迫力ある映像が撮れるかもしれません。今後もトライアンドエラーを続けて精進したいと思います。

 余談ですが、見えにくい箇所の掃除をするとき、その箇所をモニターするために「RICOH WG-M1」を使うのはイイかも、です。手元のスマートフォンで見えにくい箇所を観察できる感じですな。また、上記エクストリームお掃除で、「RICOH WG-M1」はわりと埃だらけになりましたが、そこは防水カメラ。ホコリは洗い流せます。

 てな感じでイロイロ使えてかなり遊べる「RICOH WG-M1」。文字通りアクションカメラとして使うもよし、お散歩スナップカメラとして使うもよし、その汎用性に魅力を感じた次第でした。外見的にも独特で、ガジェットとしての魅力もありますので、興味のある方はぜひ一度実機に触れてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。