スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

4Kフォト、かな〜りツカエル!!

4Kフォト、かな〜りツカエル!!

 う〜むむむむ、やはり一度やってみたいのが「4Kフォト (4K PHOTO)」だな〜、と何度も思ってきたワタクシ。4Kフォトは4K動画から1コマを切り出して静止画として使うというものです。そうして撮った(切り出した)静止画は、超高速連写のうちの1枚として扱えるので、動く被写体の決定的瞬間を容易に撮ることができます。例えば、撮れそうで意外に撮れない、以下のような写真。

「4K PHOTO」により、鳥が羽ばたく瞬間や猫が鼻を舐める瞬間を撮影しました。瞬間的なシャッターチャンスですが、毎秒30コマの4K動画から静止画を切り出せるので、容易に撮影することができます。

 こういう写真がビシバシ撮れる4Kフォト、やはり魅力的。しかし、4Kフォトに対応したカメラがまだまだ少ないのが現状。現在のところ4K動画から静止画切り出しに特化した機能を持つカメラはパナソニックからしか発売されておらず、機種は「LUMIX DMC-GH4」、「LUMIX DMC-FZ1000」、「LUMIX DMC-LX100」の3種類。どれもけっこー高価な機種です。

 が、最近ちょっとお値段お安くなり気味。具体的な実勢価格は、「LUMIX DMC-GH4」(ボディのみ)が12万円前後、「LUMIX DMC-FZ1000」が7万2000円前後、「LUMIX DMC-LX100」が8万5000円前後です。なかでもレンズ一体型ではあるものの1.0型大型センサーと高倍率ズームレンズを搭載したFZ1000は狙い目かも!! と感じたので、ズギャッと購入して4Kフォトにトライしてみました。

パナソニックの「LUMIX DMC-FZ1000」。4Kフォト対応のレンズ一体型デジカメで、1.0型の大型センサーを搭載しつつ、光学16倍ズームレンズ(35mm判換算25〜400mm/F2.8〜4.0)を搭載しています。

 てなわけで今回は、FZ1000を使っての4Kフォトについて書いてみたいと思います。が、とりあえず撮ってみての結論から言えば、4Kフォト、かな〜りイイです。毎秒30コマ連写の世界には、これまでなかなか見られなかった瞬間が多々あり、何を撮っても愉快♪ 画質的にも「これならツカエル!!」という感じ。写真の新次元さえ感じさせる撮影手法だと感じました。

4Kフォトってナニ?

 まず4Kフォトについて少々。少し前述しましたが「4K動画から1コマを切り出して静止画として使う手法」ですな。

 4K動画は、たとえば画素数3840×2160ドットで毎秒30フレームなどの非常に高解像度の動画です。約800万画素で毎秒30枚、と言ったほうがデジカメユーザーにはピンと来るかもしれません。フルHD(1920×1080ドット)が200万画素ですから、その4倍の画素数があるわけです。で、毎秒30フレームですから、この約800万画素の静止画を毎秒30コマも撮っていることになります。

 4Kフォトは動画からの静止画切り出しなので、あるいは「動画から切り出した静止画は画質がイマイチだからなあ」と思う方があるかもしれません。確かに一般向けビデオカメラで撮影した動画から静止画の切り出しを行うと、撮影状況によってはシャッター速度が遅く設定されたりして、クリアな静止画を切り出すのはあまり現実的ではなかったりします。各コマで微妙に被写体ブレしていたりするわけですな。

 しかし、前述の3機種のカメラは、4Kフォトの動画撮影時に撮影モードを自由に選べます。プログラムオート、絞り値優先オート、シャッター速度優先オート、マニュアルから選べますが、例えばシャッター速度優先オートでシャッター速度を1/1000などに設定すれば、動く被写体でもコマ毎の被写体ブレを抑えたり無くしたりすることができます。また、撮影中に露出補正を行うことも可能なので、状況に応じて手早く最適な露出を得ることも可能です。結果、瞬間の動きをクリアに捉えた静止画を切り出せるというわけです。

 なお、4K動画の連続撮影時間は約30分となっています。動画撮影用としては「もっと長く連続記録できてほしい」というイメージかもしれません。が、毎秒30コマの連写を30分程度続けられると考えれば、静止画撮影用として十二分に実用的……というか驚異的ですらあるという印象があります。

 ちなみに、撮影した4K動画から静止画を切り出す方法ですが、カメラ本体を使う方法と、PCを使う方法があります。カメラ本体を使った場合、動画を再生し、好みのところで一時停止し、ボタンを押す程度の操作で切り出せます。PCを使う場合、カメラ付属の「PHOTOfunSTUDIO」アプリケーションを使って切り出します。

FZ1000で4Kフォト機能を使っている様子。撮った動画を再生し、好みの瞬間で一時停止し、MENU/SETボタンを押せば4Kフォト静止画を切り出して保存できます。もちろんコマ送り/戻しもできます。
カメラ付属の「PHOTOfunSTUDIO」アプリケーションを使っている様子。PCに4K動画を転送し、アプリケーションで開いて再生します。好みの瞬間で一時停止し、キャプチャボタンをクリックすれば静止画を切り出せます。こちらもコマ送り/戻しができます。

 なお、動画から静止画を切り出せる機能を持つアプリケーションで、4K動画再生に対応していれば、もちろん静止画切り出しが可能です。「Adobe Premiere Pro CC」を使ったらより快適にコマ送り/戻しを行いつつ切り出せました。また、「VLC media player」でも切り出せました。

難易度の高かった写真撮影が身近になる♪

 細々した話はさておき、FZ1000の4Fフォト機能を使って撮った写真を実際に見てみましょう。写真は、左がリサイズしたもので、全体の写りのご参考用。右が等倍(ドットバイドット)で、解像感のご確認用としてみました。リサイズやトリミング以外のレタッチは施していません。撮影時露出設定については、各写真のEXIF情報は削除していませんので必要に応じてご覧ください。

 なお、FZ1000の場合、ファームウェアを2.0にアップデートすると、4Kフォトモードの設定がより簡単になったり、切り出した静止画にEXIFデータが追加されたり、画像のアスペクト比(横と縦の比率)を変えられたりします。

 また、アスペクト比によって切り出される静止画のピクセル数が違います。具体的には16:9だと3840×2160ドット、3:2だと3504×2336ドット、4:3だと3328×2496ドット、1:1だと2880×2880ドットとなります。以下の写真は3:2(3504×2336ドット)で切り出したものです。

せわしなく飛び続ける蝶を撮影しました。一瞬花に止まって蜜を吸いますが、すぐに飛び立ってしまう感じ。でも秒間30コマ連写相当なので、イイ感じに捉えられた一瞬を切り出せます。
こちらは葉に止まっている蝶ですが、羽根を動かし続けていました。羽根がいちばん広がった瞬間を切り出してみました。
こちらも動き続ける蝶。撮り始めは羽根が黒く落ち込んだ明るさになってしまったので、撮影中に露出補正。羽根がよく見えるような瞬間を切り出しました。
スズメに手からダイレクトに餌やりする人。ハチドリのようにホバリングするススメを切り出してみました。
鳥が飛び立つ瞬間。ちょっと羽根が切れてしまいました。写真ではゆっくり飛び立っているように見えますが、一瞬で羽ばたき飛び立ちます。こういう瞬間を捉えて切り出せるのも4Kフォトのおもしろみです。
こちらも同様。鳩が飛び立つ瞬間を切り出しました。
こちらは鳩が飛んでいる様子です。なかなかクリア。

 葉に止まっている蝶以外は、一般的なデジタルカメラでは撮るのが難しい、いわば撮影における難易度がかなり高いものだと思います。連写速度が速い、わりと本格的なミラーレス機や一眼レフ機ならイケるかも!? みたいなレベルと思われます。

 しかし動画から静止画を切り出す4Kフォトの場合、被写体を動画で撮影し続けておき「今のシーンは良さそうだ」と思ったら撮影終了。動画をじっくりコマ送りし、いちばん良い瞬間を切り出せばOKです。もう、瞬間を押さえるという、瞬発力的な技術がなくても撮れちゃいます。瞬間を押さえる件はカメラ任せ。撮影者は、ほかの要素───たとえば構図や露出に注力しつつ、決定的瞬間を追い求めていけます。

 さておき、ワタクシは4Kフォトでぜひやりたかったことがあります。って既にネタバレしてますが、猫が鼻をペロリと舐める瞬間を撮りたかったのです。鼻ペロリなんてよく見るシーンですが、あの動きは意外なほど速いんです。なので、鼻ペロリの瞬間をキレイに撮るのはな〜かなかタイヘン。さて、4Kフォトだと、どうでしょう?

ビシッと鼻ペロリの瞬間を収められ、切り出すことができました。
こちらもバッチリ。一瞬で鼻全体を舐めちゃうんですな〜。
公園にいた猫の毛繕いペロリも撮れまくりです♪

 てな感じで、ほんとに楽勝で瞬間を押さえることができます。また、当然ではありますが、これは秒間30コマの連続的な瞬間。細かく切り出せば、動きの様子をじっくりと静止画で観察することができます。研究用途にもある程度活用できそうです。

猫が手(前足と呼ぶ人もいる)を舐める様子。一瞬で終わってしまうような動作を観察できますな。
こちらは猫が顔を洗う様子。6コマ切り出してみました。コマとコマの間にはさらに数コマありますので、より細かく切り出すこともできます。
鳩が飛び立つ様子を9コマで切り出してみました。コマの間にはまだ1〜2コマあり、さらに細かな動きを見ることも可能です。

 動きが速めの被写体を4Kフォトで撮影し、数コマを切り出し、躍動感を表現した組み写真とするのも良さそうです。ただ撮って、あとからジックリ見て、比較的に高画質な静止画を好きなように切り出せる4Kフォト。新たな写真表現技法としていろいろと応用が利きそうですな。

ブレを回避してクリアな画像を得るには

 手軽に楽しめる4Kフォトではありますが、いくつかの必要条件もあります。まず必要なのは、ある程度の明るさと十分速いシャッター速度設定です。また、三脚もあったほうが有利です。

 4Kフォトがとりわけ得意とするのは、速い動きをする被写体です。そういう被写体を秒間30コマで約30分程度も撮り続けられます。そんな動画からコマを静止画として切り出すわけですが、特に意図がない限り、切り出した静止画はブレていないのが好ましいですな。

 FZ1000の場合、かなり秀逸な光学式手ブレ補正機構を搭載していますので、手持ちで撮ってもわりと手ブレせずに撮影できたりします。が、やはり三脚を使ったほうが無難。手ブレをしっかり抑えられるとともに、手動でピントを合わせるときもカメラの操作を行いやすくなります。

 また、被写体の「出待ち」においても三脚は有利。例えば鳥なら、鳥が飛び立つ瞬間や、ある場所に飛んでくる瞬間を、あらかじめ想定して狙っておくわけですな。想定した場所を狙い、構図とピントを決め、とりあえず4Kフォト撮影開始。で、鳥が動いたり飛来したりするまでしばらく待つわけですが、これを手持ちで行うのはタイヘンです。

 という感じで、わりと多くのケースで「やっぱり三脚があったほうがいいな」と思わせる4Kフォト撮影。もちろん、慣れれば手持ちでもイケたりしますが、できるだけ三脚の類を使ったほうがいいと思います。撮影中に被写体が意図せぬ方向に動いたり現れたりすることもあったりしますので、カメラを上下左右方向にスムーズに動かせるビデオ用三脚が便利だったりします。

 それ以上に重要なのは、被写体ブレを防ぐことです。構図もカンペキ、手ブレもゼロ、でも被写体が速く動いてブレていた……のでは残念過ぎますな。で、被写体ブレを防ぐには、シャッター速度を十分速く設定することです。被写体にもよりますが、1/1000〜1/2000秒くらい速いシャッター速度に設定しておきたいものです。

 その程度シャッター速度を速く設定するので、十分明るい環境下で撮影する必要もあります。シャッター速度を1/1000に設定して、やや暗くなりかけの夕方とかでも、FZ1000による4Kフォト撮影はデキちゃったりします。が、その分ISO感度が上がるので、切り出した静止画の精細感は明らかに落ちてしまいます。

夕方の日陰で撮影したもので、シャッター速度は1/1000秒、ISO3200です。左がトリミングしたもので、右が等倍(ドットバイドット)です。ノイズ多めで精細感も物足りないですな。
こちらも同様の環境にてシャッター速度1/1000秒、ISO3200で撮影。等倍にすると画像の荒れが目立ちます。

 個人的な印象では、FZ1000の場合はISO1000くらいまでなら十分クリアな画像が得られると感じました。が、それ以上のISO感度だとどうしても画質低下が目立ちます。やはり十分な光量が必要ですな。動画なのでフラッシュなどの閃光に頼ることはできません。近くの被写体なら強い照明を使う手もありますが、多くのケースで太陽光頼みという感じの4Kフォト撮影です。

 ちなみに、4Kフォト撮影は「4K動画を撮っている」ので、当然ですが動画として観ることもできます。が、結論から言って、1/1000秒など高速シャッターで撮った動画は鑑賞には向きません。動きがチラチラする感じになり、見づらいですな。実際に4Kフォト撮影で撮った4K動画をフルHD動画に変換しましたのでご覧ください。

【動画01】カメラが横に動く瞬間や笹の葉など、チラチラした感じになりがちです。4Kモニターで見るとこの違和感がさらに大きくなります。
【動画02】画像内の動いている部分は、やはりチラチラした印象になってしまいます。

 全部4Kフォトで撮っておいて、必要に応じて動画を編集して観つつ、静止画として欲しい箇所は切り出そう、とか思っていたワタクシですが、ちょ〜っと無理がありそうです。鑑賞用の4K動画と、4Kフォト切り出し用動画は、シャッタースピード設定の関係から「別モノ」と捉えておいたほうがよさそうです。

 てな感じの「LUMIX DMC-FZ1000」っていうか4Kフォト。FZ1000自体は1.0型センサーや光学16倍ズームレンズ(35mm判換算25〜400mm/F2.8〜4.0)を搭載するなど、スチルカメラとしても高画質で楽しいですな。4Kフォトも実用的で、高画質高倍率ズームカメラとしても愉快、そして実勢価格もかなり下がってきたということで、狙い目かもしれません。興味のある方は、ぜひ4KフォトやFZ1000など4Kフォト対応カメラをチェックしてみてください。

【編集部より】YouTubeにアップロードしたストリーミング動画は、オリジナルの動画ファイルより画質が低下します。オリジナルの動画ファイルは以下のリンクからダウンロードできます。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。