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マネークリップで財布類を超コンパクト化

マネークリップで財布類を超コンパクト化

 今年に入ってから自分の財布関連環境をダイナミックに変更中のワタクシ。バッグやポケットの中で嵩張らず、クイックに使える財布類を物色しつつ、アレコレ取っ替え引っ替え使ってみています。その理由は後述しますが、現在のところ行き着いているのは「マネークリップ」です。てなわけで今回は、ワタクシが試してきた各種マネークリップについて書いてみたいと思います。

紙幣を挟んで携帯する「マネークリップ」各種。チップの習慣がある国で小額紙幣をすぐ取り出すためによく使われる道具だそうですが、財布類のダイエットにも大いに役立ちます。安価なものは数百円から、ブランドものは数万円など。

 なぜ急にマネークリップ? 以前は長財布を使っていて、紙幣と貨幣とカード類などを入れていました。長財布を使っていたのは、二つ折りなどのコンパクトな財布より「嵩張り感が少ない」からです。容量も十分あるので、余計なモノが入っても「パンパンになりにくい」のも気に入っていました。

 しかしこのところ、長財布が邪魔だと感じられるようになりました。というのは主な移動手段をクルマから公共交通機関にシフトしたからです。ちなみに、シフトした理由は、クルマで走っていて「恐ろしい運転をする高齢者の方とヤケに多く遭遇するようになった」から。こちらが気を付けていても、向こうから突っ込んでくる可能性が……みたいな危惧が超高まったので、なるべく公共交通機関を使うようにしました。

 さて、クルマ移動の場合、荷物は大して気になりません。「必要そうだから……とりあえず持って行っちゃえ」が許されるわけですな。しかし、公共交通機関では荷物が多いと体が疲れますので、少しでも荷物を減らそうとします。また、公共交通機関なら移動時間を自由に使える(クルマ移動は移動時間=運転時間)ので、移動中に使うモノを持っていきたくなります。結果、荷物の必要最小限化を強く迫られるわけですな。そんな中で「考えてみればこの長財布、財布としては過剰に容積食ってるなあ」と思い当たり、財布類のダイエットを始めたのでした。

 荷物を必要最小限に絞った結果、財布類はマネークリップと小銭入れだけになりました。まあ、いつも絶対にマネークリップと小銭入れってわけでもないですし、また、ときにはマネークリップだけのこともありますが、頻繁に「マネークリップって便利ね~」と感じたわけです。って、同様のコトをスタパブログでも書いてますけど。

左はよく使うstorus(ストラス)の「Smart Money Clip (スマートマネークリップ)」。両面使えて、片面に紙幣、片面にカード類を挟めます。財布類をこれだけに絞って出掛けることも多いです。小銭を使いがちな場合、これに加えて小銭入れ(右)も。

 非常に細かいコトを書きますと、紙幣やカードがあまり必要でない場合は、小銭入れに数枚の紙幣とカードを入れて出掛けることもあります。上の写真の小銭入れは、左がABIES L.P.の「ラウンドファスナー小銭入れ」で、右がバンナイズの「カードケース付きコインケース」です。どちらも表面に交通系ICカードが入り、小銭入れごと改札にタッチして通過可能。もちろん折り畳んだ紙幣も入ります。ので、金銭少々とカード1枚程度しか必要でない場合、写真の小銭入れだけで出掛けることもあります。

 あら。ちょっと話が逸れてしまいました。ともあれ以降、いろいろなマネークリップについて見ていきたいと思います。

使って即わかるマネークリップの効果

 当初は「この長財布は過剰に容積を食ってる」と考えたので、小ぶりの財布に替えようかな程度の感覚でした。が、「マネークリップを使えばとりあえずお札は財布要らずになるな」と思いつき、まずはテキトーっていうかフツーっぽいのをAmazonで買ってみました。モノはOne threadの「マネークリップ ワイド ソリッドブラス・ノンポリッシュ」です。1680円でした。

One threadの「マネークリップ ワイド ソリッドブラス・ノンポリッシュ」。真鍮製で、2つ折りの紙幣×20枚程度を問題なく挟めました。素材自体にキズやアタリが少なくない製品ですが、メーカーは「アタリやキズもそれぞれの個性としてお楽しみください」とアピールしています。

 このマネークリップ自体は至ってフツーです。ちょっと挟む力が強めなので、紙幣を1枚ずつ抜き取る使い方には向きにくいかも!? 製品表面のキズやアタリは雑な感じなのでキレイってイメージではないとか、細かな印象はありますが、フツーでした。

 が、マネークリップそのものについては、使った途端に「こうなるのか~」という実感がわきました。アタマではわかっていたんですが、“紙幣に関しては財布が不要になる”という事実が強烈です。また、紙幣がバラけることもなく、使うときはすぐ1枚取り出すことも容易です。「アラこれは便利~♪」ということで即日常用を開始しました。

 言い方がヘンかもしれませんが、マネークリップって「紙幣を使うのがすごくラクになる」という使用感がイイです。ポケットから紙幣束を取り出して1枚抜いて払ってハイおしまい、みたいなスムーズさがナイスです。ポケットからハンカチを出して顔の汗を拭う、みたいな一時停止ナシの流れで使えるスムーズさがあると思います。

 使う毎に「マネークリップはイイかも~便利かも楽しいかも~♪」と感じたので、別のものも買ってみました。ええもんの「マネークリップ(8486)(KCMC8486)」です。税込み864円。2個買いました。

ええもんの「マネークリップ(8486) (KCMC8486)」。シンプルなマネークリップで、2つ折りの紙幣×15枚程度を問題なく挟めました。ただ、クリップ部が完全には閉じていないため、2つ折りの紙幣×5枚以下だと抜けやすくなります。

 上記のマネークリップを2個購入したのは、高額紙幣と小額紙幣を分けて携帯するためです。1万円紙幣だけ別にしたいって感じですな。

 マネークリップを使うと、買い物や食事の支払いなどのとき、当然、人前で紙幣の束を出すことになります。束ね方によっては1万円札がチラチラ見えたりして、なんかこ~、危なっかしい感じ。そういう不安要素を払拭したいというわけです。

 1万円札とそれ以外の紙幣、というふうにそれぞれマネークリップで束ねて携帯すると、確かに高額紙幣を人前でなるべく出さずに済むという点で悪くありません。が、まとまりが悪く、なんか落ち着かない結果に。高額紙幣を人前に晒したくない場合、後述の「両面タイプのマネークリップ」をうまく使って高額紙幣がチラ見えしないようにするとか、高額紙幣だけ小さめに折って小額紙幣で覆い隠すとか、いろいろやり方があると思います。

使い方イロイロ

 引き続き、ほかのタイプのマネークリップも紹介していきますが、その前にマネークリップの基本的な使い方を少々。まあ、紙幣を挟んでひとまとめにし、バラバラにならないように携帯できれば何でもアリなんですが、ひととおりの利用パターンを写真でバーッと見ておきましょう。

【紙幣を折らすに挟む】
紙幣のバラケを防止しただけのワイルドなスタイル。クリップする位置は上でも横でもお好みで。使いたい額面の紙幣を1枚だけ抜くのも容易です。携帯時は軽く2つ折りにすればコンパクトになります。ただ、このスタイルで束ねた紙幣をバッグやポケットから「バラリ」と取り出すと、「え?」みたいな顔をされることも少々。
【紙幣をまとめて2つ折りにして挟む】
写真などでよく見るマネークリップの使い方ですな。クリップする箇所は折った側でも横でもお好みで。紙幣がキレイにまとまってスマートですが、紙幣を使うときはいったん全部マネークリップから抜き出す必要が出がち(マネークリップの挟む力にもよる)です。
【紙幣を個別に2つ折りにして挟む】
あらかじめ紙幣をそれぞれ2つ折りにして挟むスタイル。マネークリップの挟む力が強すぎなければ、1枚だけ抜き出すのも容易です。パラパラめくって特定の額面の紙幣を見つけることも容易。2つ折りの準備がやや面倒ですが、実用的なスタイルです。
【紙幣を個別に3つ折りにして挟む】
上の「紙幣を個別に2つ折りにして挟む」スタイルの「紙幣3つ折りバージョン」ですな。紙幣を3つ折りにするとほぼカードサイズになり、紙幣とカードをマネークリップで束ねてコンパクトに携帯できます。カードサイズのマネークリップを最小サイズで使いたい場合も、紙幣の3つ折りは有用です。コンパクトですし、紙幣を探しやすく、抜き出しやすく、実用的な方法ですが、準備が面倒なのに加え、支払い時に紙幣を広げる手間が必要になるかもしれません。

 ほかにも使い方があるかもしれません。ともあれ、マネークリップには「どのようにスムーズに使うか」「どんなスマートさで使うか」などユーザー毎の価値観で追求していく楽しさもあると思います。

紙幣を挟めれば何でもマネークリップ

 たとえばネットでマネークリップを検索すると、も~の凄い種類があることがわかります。お好みで選んで使えばいいわけですが、もしかしたら既にマネークリップとして使えるモノをお持ちかもしれません。単純に、「紙幣を挟んで束ねられるもの」なら何でもマネークリップとして使えます。ウチにも「紙幣を挟んで束ねられるもの」がイロイロありました。

文具用のダブルクリップ。非常に事務的かつ無粋ですが、実用性は上々です。非常に小さいサイズを用い、クリップ部分を指で隠しておけば違和感ナシ&出っ張り僅少でイイ感じで使えます。いやホントに。

 って、イキナリ「文具用クリップ」は……ですな。実用的なんですけどネ。ほか、もうちょっとマトモ感のあるものを挙げてみます。

「ステンレスクリップ」などと呼ばれる汎用書類閉じ具です。ノートに留めてペンを引っ掛けるような使い方もできます。大きいほうが長さ8cm弱で、小さいほうが長さ5cm弱。どちらもマネークリップとしても実用的です。100~200円程度と安価なのでカスタマイズや改造にも向きますネ。
無印良品の「ステンレスクリップ(ペンホルダー付)」。本来はノートなどに留め、黒い部分にペンを通して使う文具です。サイズは約70×25×8mmで、まさにマネークリップサイズです。マネークリップとして使っても好印象。税込み価格500円。
アップルの「iPod shuffle」の裏側にもクリップがあり、紙幣を挟めます。たまたま全然使わない「iPod shuffle」が手元にあったのでネタとして撮影してみましたが、こんなふうに紙幣を挟んで留められれば何でもマネークリップとして使えるというわけです。

 手近にマネークリップになるモノがあるかもしれませんよ? ちょっと探してみてはどうでしょう。なければポチッと。

実用性の高い、両面タイプのマネークリップ

 マネークリップをイロイロ購入して使っているワタクシですが、とくに好きなのが「両面タイプ」です。モノにもよりますが、片面に紙幣をクリップし、もう片面にはカードをクリップして使う、みたいなタイプです。いくつかありますので順に見ていきましょう。

 まずはstorus(ストラス)の「Smart Money Clip(スマートマネークリップ)」。個人的にかなり気に入っている両面タイプのマネークリップです。片面に紙幣を挟めて、もう片面にクレジットカードなどを挟めます。

storusの「Smart Money Clip」。片面に紙幣、片面にカードを挟めます。2つ折りした紙幣×20枚以上でも余裕で挟めます。カードは5枚程度まで。薄く軽く、仕上げも美しいマネークリップです。Amazonにて税込み3280~4980円で購入できるようです。

 この「Smart Money Clip」、紙幣とカードをコンパクトにまとめて持ち歩けるという点で便利です。カードは左右の枠で軽く押されて固定されるので、抜き差しがスムーズで、カード自体に傷が付きにくい点でも実用的です。交通系ICカードを挟んだ場合、そのまま改札にタッチして通過することもできます。

 それとマネークリップとしての使い勝手も秀逸。似たタイプのマネークリップと使い比べるとわかりますが、質量約30gと非常に軽量。ステンレス素材ですが、薄いため、クリップの挟む力が弱すぎず強すぎず、とても使いやすいです。紙幣20~30枚くらいを余裕で留めることができつつ、1枚の紙幣でもちゃんとホールドしてくれて、そのあたりの機能性には文句ナシです。

 それから自分デザインラボの「両面型デザイナーズマネークリップ」。これも両面タイプのマネークリップですが、どの面に何を挟むのかは自由です。他の製品と比べると薄さ(約6mm)が魅力ですが、挟める紙幣は2つ折りで各面15枚程度までです。また、質量は55gで若干重めです。でも、全体的にはシンプルで使いやすいマネークリップだと感じました。

自分デザインラボの「両面型デザイナーズマネークリップ」。両面を自由に使えるシンプルなマネークリップです。税込み価格1998円。

 もうひとつ、NFGの「ダブルクリップ マネークリップ」。これもまた両面タイプで、どちらの面に何を挟むかは自由です。ただし枠がある側に紙幣を挟む場合、紙幣は3つ折り以下のサイズにする必要があります。質量は37gとわりと軽いんですが、挟む力がほんの少し強いという印象。作りとしては味も素っ気もない雰囲気ですが、550円という値段のわりには十分な実用性があると感じました。

NFGの「ダブルクリップ マネークリップ」。両面タイプのマネークリップで、高級感はありません。質量約37g(実測値)。Amazonにて税込み550円で購入できるようです。

 なお、ここで挙げたstorusの「Smart Money Clip」以外の両面タイプマネークリップは、ICカードを装着したままでは、改札でタッチしても反応しません(反応する場合もあるかもしれませんが)。クリップ部が通信の邪魔をしちゃうんでしょうな。ICカードを少し出した状態なら反応すると思いますが、ICカードを取り出して単体でタッチするのが無難だと思います。

 ともあれ、紙幣とカードをコンパクトにまとめられる両面タイプマネークリップ、なかなかイイ感じで使える製品が多いです。紙幣よりずっと小さいサイズのマネークリップのスマートさにはかないませんが、実用性という観点から一考の価値アリだと思います。

 てな感じのマネークリップあれこれ。マネークリップだけだと小銭をどこに入れる? という問題は残りますが、カードや紙幣を入れるための財布は完全になくせるかもしれませんので、毎日携帯している財布の嵩張りが気になる方はぜひ一度チェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。