スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

ハイテク系腕時計あれこれ

ハイテク系腕時計あれこれ

 ここ一年ほど、腕時計を多用しています。以前はずいぶん長い間「ケータイやスマートフォンで時間がわかるから腕時計しない派」でした。ですが、釣りによく行くようになったり公共交通機関を多用するようになったりで、腕時計の利便を再確認。当然ではありますが、何かをしながらでも腕をチラリと見れば時間がわかるのは便利ですな。そんなわけで、再び多用するようになりました。

 また、最近では腕時計も非常に進化していて、そこに興味を惹かれたということも大きいです。いわば「ハイテクな腕時計」が増えていて、それらの多くが実用的です。てなわけで今回は、ワタクシが使っているハイテク系腕時計をいくつか採り上げてみたいと思います。

左はシチズンのプロマスターシリーズの一機種で、ソーラー充電式の電波時計です。中央はカシオのオシアナスシリーズの一機種で、ソーラー充電式の電波時計でGPSによる時刻修正などにも対応しています。右はシチズンのソーラー充電式Bluetooth対応時計で、iPhoneとペアリングするとスマートウォッチ的な機能を発揮します。

 ちなみに、ワタクシが興味を持つ腕時計は、基本的にはソーラー充電式。光で発電してそれを電源にするタイプですな。それに加えて、自動的に時刻を修正する機能を持つ腕時計ばかり使っています。ともあれ以降、ハイテク系腕時計各種をそれぞれご紹介♪

満足度の高いカシオ「GPSハイブリッド電波ソーラー」腕時計

 まずはカシオの腕時計から。モノとしては「G-SHOCK SKY COCKPIT GPW-1000FC-1A9JF」と、「OCEANUS OCW-G1000B-1A2JF」を使っています。詳細についてはリンク先をご覧ください。

カシオのハイテク系腕時計×2本。左が「G-SHOCK SKY COCKPIT GPW-1000FC-1A9JF」で、右が「OCEANUS OCW-G1000B-1A2JF」です。どちらも「GPSハイブリッド電波ソーラー」搭載機種です。

 これらの機種に共通するのは「GPSハイブリッド電波ソーラー」搭載ということ。まずソーラー充電式の腕時計なので、電池切れをほぼ気にしなくて済むというメリットがあります。

 また、電波時計であり、標準電波を受信することにより自動的に時刻修正を行います。「マルチバンド6」対応で世界6局の標準電波を受信。日本、北アメリカ、ヨーロッパ、中国での自動時刻修正を行えます。

 さらにGPS電波を受信し、日時および位置の情報を利用できます。基本的にはGPS電波で時刻合わせをしますが、現在位置を解析することにより、タイムゾーンやサマータイムまで自動設定してくれます。

 ちなみに、GPS電波や標準電波の自動受信ですが、夜間は標準電波を自動受信し、昼間は(光が連続して当たると)GPS電波を自動受信します。なお、どちらもボタン操作による強制的な受信は常時可能です。

 GPS電波受信時にかかる時間は、状況によって開きがありますが、十数秒~1分くらいのことが多いです。手動で受信させると「ちょっと時間かかるな」という印象になります。でも、たいてい自動的に受信するので、いつもは気になりません。

 てな感じで、恐らく現在のハイテク系腕時計において「最強の仕様」だと思われます。実際に使っていても、いつもバッチリ時刻が合っていて気持ちがいいですな。いつも時刻が正確であることの実利は……人によるかもしれません。

 使い勝手ですが、まず「G-SHOCK SKY COCKPIT GPW-1000FC-1A9JF」のほーは、デカいくてゴツいです。しかも、かな~り。ムーブメント部のサイズは縦66×横56×厚さ18.8mmもあります。質量は151g。ワタクシ的には重さはあまり気にならないんですが、厚みのあるムーブメントはその大きさに慣れるまでイロイロなところにガツンガツンと当たりがち。時計側は頑丈なので問題なさげですが、当たる対象側に傷が付きそうです。

「GPSハイブリッド電波ソーラー」搭載のG-SHOCKはゴツくてデカめ。とくにムーブメントの厚みが20mm弱あります。ボタンを押すと光る白色LEDがナニゲに便利。

 ほかはイイ感じ。視認性も良いですし、2時方向のボタンを押すと白色LEDが文字盤を明るく照らしてくれて便利。アラームにも対応。冬場はジャンパーなどの上から装着していましたが、そういうワイルドな感じの使い方によく向く時計かもしれません。

 それから「OCEANUS OCW-G1000B-1A2JF」。フルメタルのムーブメントに「GPSハイブリッド電波ソーラー」搭載した機種です。ムーブメント部のサイズは縦51.1×横46.1×厚さ14.7mmで質量は106g。標準的な腕時計より少し厚めではありますが、上記のG-SHOCKと比べるとサイズに大きな違和感はありません。また、「こんなサイズにGPSハイブリッド電波ソーラーを詰め込んで凄いなあ」とも思います。

「G-SHOCK SKY COCKPIT GPW-1000FC-1A9JF」と「OCEANUS OCW-G1000B-1A2JF」を比べた様子。サイズ感が全然違います。

 使用感的にもイイ感じ。視認性もいいですし、装着感も自然だと思います。前述のG-SHOCKはやっぱりかなりデカい感じで、「使う人のある種の割り切りが必要」という気がします。一方こちらのOCEANUSは、そういうコトはナシにフツーに使えると思います。

サスガの高級感だけど……セイコー「アストロン」

 ある一定以上のハイテク性がある腕時計だと、そのデザインに惹かれて買っちゃうということがアリガチなワタクシです。ソーラー充電式で、自動的に時刻を合わせる機能があれば、外見で衝動買い、みたいな。セイコーの「アストロン SBXA007」もそんな腕時計のひとつです。

セイコーの「アストロン SBXA007」。ソーラー充電式のGPSウォッチで、GPS電波により時刻やタイムゾーンを合わせることができます。

 購入時に悩んだのは、ムーブメントの厚さです。サイズは縦55.9×横47×厚さ16.5mmで、質量は135g。重厚な作りということもあって、ミョーに分厚い感じがするんですな。しかし、好みのデザインで、文字盤の「掘りの深さ」も好印象だったので買いました。

 外見的には気に入って使っているんですが、やはり厚さが少し気になります。使い始めは、その厚さからけっこーブツケてしまいました。

 機能的にはだいたい満足で、GPSによる時間合わせについては大きな不満はありません。ただ、タイムゾーンやサマータイムはボタン操作で意識的に行う必要があるので、外国に度々行く人にとっては「ちょっと面倒」かもしれません。国内で使うだけなら気になりませんが。

 なお、GPS電波受信による時刻修正は、いくつかの条件はあるものの、基本的に明るさを感知したら行われるようです。また、GPS電波受信にかかる時間は数十秒から2分くらい。「けっこー時間がかかるなあ」という印象です。ただ、この時計も通常は自動でGPS電波受信による時刻修正が行われますので、いつもはほとんど気になりません。

 ともあれ、この時計、ソーラーGPSウォッチというくらいで、ほかは特に「この機能がイイ!!」みたいな点はありません。でもセイコーの時計ってサスガに独特の高級感がありますな。というわけで、機能的にはあまりオモシロみがないけれど高級感はしっかりあるというコトで、わりと仕事や冠婚葬祭などマジメな場面でよく使っております。

シチズンのGPSウォッチは爆速受信

 わりと最近購入して軽いショックを受けたのが、シチズンの「アテッサ エコ・ドライブ サテライトウエーブ CC1085-52E」です。ソーラー充電式(エコ・ドライブ)で、GPS電波を自動受信して時刻修正を行う腕時計です。

シチズンの「アテッサ エコ・ドライブ サテライトウエーブ」シリーズ。GPS電波を受信して時刻を修正するソーラー充電式腕時計です。モデルバリエーションは、左から「CC1085-52E」「CC1086-50E」「CC1080-56E」。

 コレ、GPS電波を受信して時刻を自動修正する腕時計ですが、受信するのは日時情報のみ。位置情報は受信しません。それゆえ、GPS電波受信完了までにかかる時間が非常に短く、上空の開けた場所なら3~4秒でGPS電波受信が完了して時刻が合います。状況が悪いと10秒くらいかかったりしますが、それでも他のGPSウォッチと比べると爆速ですな。初めて手動受信させたときは、「えっ? もう完了!?」と軽いショックを受けました。

 ただし、前述のとおり位置情報を受信しませんので、ワールドタイムやサマータイムの自動設定はできません。が、どちらもリュウズを引いて回す程度の操作で容易に手動合わせができますので、さほど不便は感じないのではないでしょうか。

 それから装着感ですが、ムーブメントのサイズが横49.5×縦47.5×厚さ15.3mm(実測値)と、少々厚め。質量は114g。使用開始当初は「若干量感があってゴロつく」という感じがありましたが、慣れて気にならなくなりました。

 それとこの腕時計のメタルバンドには、シチズンならではのヒッジョーに使いやすいシクミがあります。「フィットアジャスター」と呼ばれる機構がメタルバンド部にあり、これにより数段階/数ミリのバンド長調整が「工具なしでいつでもできる」のです。

シチズン独自の「フィットアジャスター」機構。バンド横のボタンを押すことで容易にバンド長を3段階(最大約7mm)に微調整できます。特許を取得しているシクミだそうです。汗で時計が腕に密着して不快だったりする場合に、ヒッジョーに便利&快適な機構です。

 この「フィットアジャスター」機構、抜群です。とくに汗ばむ季節にはイイです。ワタクシ的な使い方としては、フィットアジャスターが最短の状態で、バンドのコマ数調整をし、時計が腕にジャストフィットするようにしています。この状態だとバンドと腕の間に指がどうにか入るくらい。腕時計が揺れたりズレたりすることがほぼないフィット状態です。

 この状態で汗をかいたりすると、腕時計と腕の間が湿ってちょっと不快な感じになります。その場合、フィットアジャスターを調節してバンドと腕の間の隙間を空けます。そうすることで汗が乾いて快適な状態に。しばらくしたら、再度フィットアジャスターで腕と時計をフィットさせます。

 こういうコトが道具なしでいつでもデキます。凄く快適。シチズンの腕時計って、操作性に関しても言えるんですが、こういう細かな使用感が非常に良いと感じます。

実用的なシチズンのBluetooth対応腕時計

 若干毛色が違うハイテク系腕時計として、シチズンの「PROXIMITY (AT7035-01E)」も使っています。ソーラー充電式(エコ・ドライブ)の腕時計で、iPhoneとBluetooth接続して時刻を自動修正するほか、iPhoneへの着信等々を腕時計へ知らせることができます。一種のスマートウォッチですな。「PROXIMITY」は「プロクシミティ」のように発音し、「相互の近接度合い」という意味のようです。

シチズンの「PROXIMITY」。ブルーが「AT7030-05E」、グリーンが「AT7035-01E」。国内では並行輸入品が販売されています。BluetoothでiPhoneとつながるスマートウォッチで、バイブレーションと秒針でメールや着信を知らせます。技術基準適合証明を受けていますので、国内でも問題なく使えます。「TELECマーク」は裏側にあります。

 この時計のイケてるトコロは、ソーラー充電式なのにスマートウォッチとしての機能を備えているところ。スマートウォッチとしての機能は、iPhoneの着信や通知を秒針の動きやバイブレーションで「腕に伝える」ことくらい。iPhoneを探すこともできます。

 まあ、スマートウォッチとしてデキることは少ないんですが、腕時計としてシッカリ実用的なのが好印象です。前述のとおりソーラー充電式なので電池切れの心配はあまりありません。ムーブメント部のサイズは約縦45×横45×厚さ15mmで、質量は101g。軽くゴツめですが、フツーの腕時計というサイズ感。10気圧防水だったりもします。

 つまり、フツーの腕時計だけど、iPhoneと連係してメールや着信の通知機能も使える、というわけです。フツーの腕時計の常識~使用感を損なわずに、スマートウォッチ的な機能を追加しているあたり、シチズンの腕時計メーカーとしての誇りのようなものを感じます。

 なお、実際にiPhoneと連係させる場合は、iPhone側に「CITIZEN Eco-Drive Proximity」アプリもしくは「Citizen Eco-Drive Proximity 2.5」アプリをインストールし、iPhoneとPROXIMITYをBluetooth接続します。詳しい使い方はPDFのマニュアルをご参照ください。

iPhoneとPROXIMITYをBluetooth接続して使っている様子。iPhoneとのBluetooth接続時にには、アプリの操作でPROXIMITY本体のファームウェアアップデートも行えます。

 スマートウォッチ的な使用感ですが、たとえばiPhoneに着信があると、PROXIMITY本体のソフトなバイブレーションでそれを知らせます。メールなども同様。バッグの中にiPhoneを入れていても、着信があると腕時計が軽く振動するので、「あ、なんか来たな」とわかる感覚です。何が来たかはわからないわけですが、これはこれで実用的だと思います。

 なお、バイブレーションは非常に優しく静かなものです。体を動かしているときは気づかないこともあります。でも、秒針が文字盤上で着信を示していてくれたりするので、イイ感じではないかな、と。

 ただ、クロノグラフでありかつiPhone連係まで行えることから、若干操作が煩雑な腕時計かもしれません。モードやボタン操作をいくつかシッカリ覚えておかないと、「あれ? iPhoneとのBluetooth接続が切れたけど、再接続ってどうやるんだっけ?」と困ったり。説明書を読めば済むことではありますが、英語で書かれているので、ちょっと疲れたりも。

 願わくは、iPhoneとのBluetooth接続時には、専用アプリから時計の各種操作や設定が行えればいいなあ、と。全体的に操作がやや煩雑な時計なので、iPhone連係した場合はその煩雑さをアプリが吸収してくれたら嬉しいんですが……そうも簡単にはいかないのかもしれません。

何だかんだで常用中のシチズン「プロマスター BY0084-56E」

 ハイテク系腕時計をイロイロ使用中なんですけど、何だかんだで最もよく使っているのがシチズンの「プロマスター BY0084-56E」です。ソーラー充電式の腕時計で、標準電波を受信することにより自動的に時刻修正を行います。「パーフェックスマルチ3000」対応で、日本、中国、アメリカ、ヨーロッパで自動時刻合わせができます。

シチズンの「プロマスター SKY-エコ・ドライブ電波時計 ワールドタイム」シリーズで、左が「BY0080-57E」、右が「BY0084-56E」です。ソーラー充電式の電波時計ですな。

 サイズは横48.6×縦49.3×厚さ13.7mmで、質量は110g。見た目よりもスマートなサイズ感で、ここで紹介してきた腕時計のなかでいちばん装着感が良いと感じています。また、バンドの長さをいつでも微調節できる「フィットアジャスター」機構も装備。快適に使えます。

 ハイテク系腕時計としては、電波時計というだけでわりと凡庸ではあります。ですが、装着感も使用感も良好で、視認性も高いと感じられ、ついつい多用してしまいます。なお、クロノグラフとしての機能はほぼ使っていません。単なる腕時計状態。この緻密な感じの文字盤が、デザイン的に気に入っているだけでした。

 てな感じでご紹介しました、ハイテク系腕時計イロイロ。ソーラー充電式でありかつ自動的に時刻合わせをしてくれる腕時計は、とにかく手間がかからず便利です。二次電池を内蔵していますので、いずれは電池交換が必要にはなってくると思います。しかし、それを考えてもやはり「かかる手間が非常に少ない」ので、ワタクシ的にはオススメ。気になる方はぜひジックリとチェックしてみてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。