スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

かなりイイぞ「iPad Pro」!! 本体編

かなりイイぞ「iPad Pro」!! 本体編

 アップルの「iPad Pro」を予約購入し、現在まで約2週間程度使っています。てなわけで今回はiPad Proの使用感などをレポートしてみたいと思います。なお、今回はiPad Proを単体で使っての使用感を中心にお伝えします。魅力的な周辺機器が多いiPad Proですが、周辺機器と組み合わせて使っての使用感は次回お伝えしたいと思います。

購入したのは「iPad Pro Wi-Fi + Cellular 128GB - スペースグレイ」です。MVNOのSIMを入れて使用中。主だった周辺機器も買いましたが、これらについては次回レポートします。

 購入前の期待感としては、「大画面だからイロイロと見やすいハズ」「一望できる情報が増えるからデキることも増えるハズ」的な単純なコトでした。これまで各種のiOS端末使ってきましたが、大雑把に「画面が大きく高精細であるほうが快適に使える」と感じていたので、画面サイズと画素数からくる利便に期待したってわけですな。

 ちなみに、パソコン的な汎用性には全く期待していません。iOS端末とパソコンを併用している方ならおわかりだと思いますが、たとえば現在のMac OSとiOSは親和性が高いものの、使えるアプリやできる処理や周辺機器などが大きく異なり、いわば別モノ。ワタクシは単に「高精細で大画面なiPad」としてiPad Proを見ております。

 購入前の心配事としては、「重さと大きさに嫌気がさしてお蔵入りするかも」みたいなコト。機能的にはサイコーだけど重めデカめなので使わなくなっちゃった……なんてコトは、ポータブルなハードウェアにはアリガチですな。

 そんな期待感と心配を抱いて使い始めたiPad Proですが、結果的にはかな〜りイイ感じ♪ 屋内での使用が主(屋外で立って使うとか移動中に使うのはキビシい)ですが、その快適さからビシバシと多用中です。また、当初は使うたびに「あ〜っ、コレはイイわ〜」と小さな感動が多々あったりもしました。

片手持ちが怖い「デカパッド」

 iPad Proのワタクシ内部での愛称は「デカパッド」なんですけど、購入直後は「いやコレ予想以上にデカいな……」と感じました。サイズ感だけで言えば、iPad Air×2枚分みたいな。13インチMacBook Airとだいたい同じというイメージです。

iPad Proのサイズは、長辺305.7×短辺220.6×厚さ6.9mmで、Cellularモデルの質量は723gです。Wi-Fiモデルは713g。iPad Airを二回りくらい大きくした感じで、13インチMacBook Airとだいたい同じサイズ感です。
左はiPad Proの上にA4の紙を置いたところ。右はA4用クリアファイルを置いたところ。A4クリアファイルとほぼ同じサイズですな。

 正直な話、購入直後は「タブレットとしては大きすぎ」と感じ、「買って失敗したかも」とも思いました。また、専用アクセサリの「iPad Proシリコーンケース」や「iPad Pro Smart Cover」を装着すると、質量は1kgオーバー。「……外出時に携帯しないかも」とも思いました。

 しかし使っていたら印象が変わり、「このサイズはアリ。質量も許せる」と思うようになりました。また、外出時に携帯するようにも。考えてみれば、初代iPad(Wi-Fi + 3Gモデル)の質量は730g。その倍くらいのサイズ感のデカパッドことiPad Proですが、持ち歩けるし片手持ちもまあまあ現実的な質量なんですな。

 ただ、サイズ感は13インチノートPCくらいあるわけで、iPad Airほど気軽に持ち歩ける感じではありません。iPad miniやiPhone 6 Plusを考えると、さらに。しかし、後述の快適さや、多数のプチ感動の源泉となっている「高精細で大きな画面」により、「やっぱりiPad Proを持っていこう」という気になります。

 あと、そのサイズから、片手持ちはちょっと怖いですな。質量的には片手でまあまあ支えられるんですが、安定的に持つのがやや難しく、「落としちゃうかも」という不安がつきまといます。単に両手で持てばイイだけなんですけどネ。

 もうひとつ、専用のケースやカバーを装着すると、前述のとおり1kgオーバー。「軽いとは言い難い」というレベルに入ってきます。外出時に携帯となると、iPad Proをハダカで持ち歩きたいところです。しかし、このくらいのサイズのタブレットになると、バッグ内などでほかのモノと干渉して傷つきやすくなります。iPad AirやiPad miniなんかなら、バッグ内面とノートなどで挟むように携帯すれば、ハダカでも傷つきにくいんですが、iPad Proだとそういう工夫もできにくい感じです。そこで現在、暫定的に下記のような工夫を。

クリアファイルの「閉じてある短辺」をカットして開けるようにします。その間にiPad Proを入れると、ほぼピッタリ♪ これならバッグ内で小物などと干渉して傷つくのを防げます……が、なんかスマート感に欠けます。

 まあ、そういう工夫までして持ち歩きたいiPad Pro。そのくらいイロイロと快適&便利そして実用的です。

大画面&高精細でイロイロ快適♪

 iPad Proの画面は12.9インチで解像度は長辺2732×短辺2048ドット。画面の短辺長さは、iPad Air(9.7インチ画面)の長辺と同じです。また、iPad Airの解像度は長辺2048×短辺1536ドット。iPad Proの短辺の長さや解像度は、iPad Airの長辺長さや解像度と同じなんですな。ドット数から計算すると、iPad Airの画面の短辺を約1.78倍に伸ばすと、iPad Proの画面と同サイズ・同解像度なる感じです。

iPad Airは9.7インチ/長辺2048×短辺1536ドットで、iPad Proは12.9インチ/長辺2732×短辺2048ドット。どちらも264dpiで、iPad Proの画面はiPad Airの約1.78倍です。

 単純に考えると、iPad Proの画面表示には、iPad Airの約1.78倍の情報を表示させることができます。まあアプリにもよるんですが、上の写真のように「より大きな文字で読むことができる」もしくは「約1.78倍の情報を表示させることもできる」というわけです。で、コレが何かと快適です。快適……と言うか「あ〜コレ凄くイイ〜♪」みたいな、小さな感動があります。「iPad Pro買ってよかったなぁ」的な。

 たとえば単純に、Webページ閲覧が快適化します。ワタクシが使用中の「Webページを閲覧できるデバイス」で、最も快適なのは「Mac Pro+4Kディスプレイ環境」です。キレイで読みやすい文字で、一望できる情報量も多い感じ。ですが、iPad Proだと、イキナリ、それに近い快適さ&情報量でウェブページを閲覧できます。

左は「Mac Pro+4Kディスプレイ環境」。快適にページを閲覧できます。また、ウェブブラウザのウィンドウを3つ開いたりもしています。iPad Proでは3ページ同時閲覧は無理(異なるブラウザを使えば2ページ同時は可能)ですが、「Mac Pro+4Kディスプレイ環境」に肉迫するウェブページ閲覧性が得られます。右の写真は、4KディスプレイとiPad Proをやや重ねるように並べて撮影したものです。

 このくらい大きな画面になってくると、iOS 9からの新機能「Split View」の利用も快適です。たとえばウェブページを閲覧しつつメモを取ったりページのテキストをコピペするのも容易ですし、異なるウェブブラウザアプリを使えば2つのウェブページを同時に閲覧することもできます。

左はSplit ViewでSafariとメモアプリを併用している様子。右はSafariとChromeを開いている様子。画面サイズが大きいので、無理なく左右の表示を同時に見られます。

 とりわけ「くぅ〜コリャいい!!」的に快適さが増したのが、電子書籍類の閲覧です。もう後戻りできない感じ。A4くらいのサイズの雑誌なら、各ページを紙の誌面とだいたい同じ大きさで閲覧できます。もちろん見開き表示もでき、その場合でも文字がわりと読みやすいサイズです。

左は、だいたいA4サイズの雑誌(DOS/V PowerReport誌)の表紙を、紙媒体と電子書籍で並べたものです(号を揃えることができなかったので表紙が違いますが同じ雑誌です)。iPad Proだと原寸に近いサイズで読むことができます(見開きにすると表示サイズが小さくなりますが)。右はA4より少し小さいサイズの雑誌(ビデオサロン誌)を見開きで表示したところ。ぶち抜きの写真や記事でも違和感なく読めて、サイズ的にも十分読めるレベルです。

 電子書籍の中でもとりわけ良かったのはマンガ。マンガって左右ページ間の文脈がありますし、見開きの一枚絵なんかもあるので、やはり見開きで表示して読みたいですな。iPad Proを横にしてマンガの電子書籍を見開き表示させると、そういう要素を諦めずにすみます。しかも読みやすいサイズで。かなり最高度が高いですコレ。

左は「孤独のグルメ」の1ページ。見開きで読めると、右ページから左ページへの流れやテンポなど、マンガの持ち味を損ねることなく読めます。右は「恐怖新聞」の見開き1枚絵。違和感なく楽しめます。どちらのマンガも、文字サイズは十分快適に読めるサイズだと感じられました。

 電子書籍サービスやアプリによっては、見開きにできず文字サイズが大きすぎるとか、解像度が足りずiPad Proで表示させると絵や写真が美しくないなど、まだ問題もあると思いますが、iPad Proという端末自体は「電子書籍を読むのに非常に適している」と感じられました。可能なら、ぜひ展示実機などで電子書籍の読みやすさをチェックしてみてください。

音がイイ、音楽やビデオが楽しい、デジカメ写真閲覧にも◎

 Amazonプライム会員であるワタクシは、見放題の「プライム・ビデオ」や聴き放題の「Prime Music」を多用しております。それらをiPad Proで視聴したらどうなのか? 試してみたらコレもイイ感じ。

 というのは、iPad Pro、タブレット端末としてはかな〜り音がイイんです。端末短辺に2つずつ、合計4つのスピーカーを搭載していて、端末の向きに合わせてステレオ効果を自動的に調節するそうです。細かい話は省きますが、「じっくりとサウンドを堪能する」というほどでなければ、「わりとイイ音だからiPad Proの内蔵スピーカーだけでOK」てな感じ。「音楽を楽しめるレベル」だと感じますし「映画のサウンドに迫力がある」とも感じます。iPad Proをスタンドなどに立てた状態で、その背後に壁のようなものがあると、最もバランスの良い音質になると感じられたりもします。

iPad Proの短辺背面側には合計4つのスピーカーが内蔵されています。タブレット端末のスピーカーとしては高音質で、どの向きでも最適なステレオ音響が得られます。端末を立てた状態で、背面に壁などがあると、とてもバランスの良い音質になると感じました。
iPad ProでAmazonの「プライム・ビデオ」や「Prime Music」を多用しています。専用アプリで使いますが、iPad Proだと音質も画面サイズもアプリの使用感もよく、とても快適に楽しめます。

 あと、デジカメ画像の閲覧にもナイスなiPad Pro。「Lightning - USBカメラアダプタ」や「Lightning - SDカードカメラリーダー」を使えば、デジカメで撮影した画像をiPad Proに転送できるわけですが、そうするとサスガの大画面Retinaディスプレイ、非常にキレイに表示されます。画面サイズも精細さも十分で、変な言い方ですが「えっ今こんな写真撮れたの?」みたいな驚きがあったりもします。

アップルの「Lightning - USBカメラアダプタ」と「Lightning - SDカードカメラリーダー」。前者はデジタルカメラとiPad Proを直接接続して画像データを転送できるアダプタです。後者はデジカメ画像入りのSDカードから画像を転送できるアダプタです。12.9インチのRetinaディスプレイで表示すると、デジカメ画像の高精細さが際立ちます。
Adobe製画像処理アプリを筆頭に、iOS向け画像系アプリは豊富にあり、最近ではiOS端末だけでかなりのレタッチ処理ができます。iPad Proは処理性能も高く、RAW画像を処理できるアプリも増えていますので、iPad Proを「モバイル写真処理端末」として役立てるのも現実的です。

 まあ、デジカメ画像を扱うこと自体は、iPad AirやiPad miniでもデキちゃうわけですが、出先にて十分大きく高精細な画面で写真を眺められるのは非常に楽しいです。「THETA S」で撮った全天球静止画や動画をiPad Pro上でグリグリ動かすのは、大画面ならではのちょっと新しい体験になったりもします。

コナレ感不足もけっこーある

 全体的にかな〜りイイ感じで使えているiPad Proですが、「まだ十分こなれていないなあ」と感じられる部分もあります。たとえばiPad Proの画面サイズや解像度に最適化されたアプリがまだまだ少ないこと。多くのiPad対応アプリなら、まあ「iPad Proだと表示がちょっと大きい感じ」程度の問題ですが、やっぱり解像度などをムダに使っている感じがして「モッタイナイ」と思います。

「Adobe FIX」アプリの表示例。iPad Proにも最適化されているアプリだと思われます。左がiPad Airで表示したもの、右がiPad Proで表示したものです。iPad Proの大きな画面を活かし、サムネイルがより多く表示されたりします。
どちらもiPad Proに最適化されていない音楽系アプリで、iPad Proで起動すると「iPad Airなどで起動したときの画面が拡大表示されるだけ」です。でも画面を操作する楽器系アプリの場合、拡大表示になると方がタッチ操作しやすくて好都合だったりもします。

 それ以前に、iOS自体がiPad Proの特性をしっかり引き出していない感じも。だいたい、ホーム画面のアイコンがムダに大きいですし、アイコンとアイコンの間隔も広くて……なんか間が抜けた感じがします。ホーム画面に無駄なスペースがあるあたりも、やはり「モッタイナイ」ですな。

iPad Proのホーム画面表示。アイコンとアイコンの間にもうひとつアイコンを置けそう。この「間延び感」が残念です。見栄えだけでなく、指の移動量が増えるので、何というかバタバタした操作感にもなります。

 ソフトウェアキーボードも同様で、iPad Proに対応していないアプリだと、ミョーに大きく従来タイプのキーボードが表示されます。iPad Pro対応アプリだと、よりキー数が多い効率的なキーボードが使えます。

左がiPad Proに最適化されたアプリで入力している様子で、iPad Pro向きのキー数の多いソフトウェアキーボードが表示されます。右がそうでないアプリで入力している様子で、キーボードも他各種表示も、従来のiPad用表示が単にiPad Pro画面サイズに合わせて拡大表示されているだけです。
ご参考までに、左がiPad Pro上での「mazec」の表示例、右が「ATOK」の表示例です。mazecは横幅が広がって、より長い手書き文字入力が行えてわりと快適です。ATOKのキーボードは変形してタイプしづらいですな。

 そういった「発展途上感」がけっこー残るiPad Proではあります。でもまあ、発売されたばかりなので、コナレ感が出てくるまでしばらくかかることでしょう。これからのiOSおよびアプリの、iPad Proへのよりシッカリした対応を待ちたいと思います。

 これらの残念感もあるわけですが、それでもしかし、前述したような「快適さ」や「ちょっとした感動」が多々あるiPad Pro。ワタクシ的には買って良かったタブレットだと感じております。また「Apple Pencil」をはじめとした各種周辺機器やアクセサリもなかなかイイ感じですので、その件についてはまた次回レポートいたします。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。