てっぱんアプリ!

写真品質が大幅UP!セブン-イレブンの新型マルチコピー機と専用アプリを試す

 スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!

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アプリ名: セブン-イレブン マルチコピー
開発者: Fuji Xerox Co., Ltd.
価格: 無料
対応OS: iOS 7.0 以降、Android 4.1 以上
カテゴリ: ツール

 コンビニエンスストアのセブン-イレブンは3月、各店舗に設置しているプリンター・スキャナー機能を備える複合機「マルチコピー機」をリニューアルすると発表した。それとともに、新型マルチコピー機に対応する専用アプリ「セブン-イレブン マルチコピー」もリリース。スマートフォンからのプリントがより簡単になるとのことだが、実際の使い勝手はどうなのか、開発元の富士ゼロックスにお邪魔して、新しいマルチコピー機を試す機会をいただいた。

Wi-Fi連携でプリント・スキャンできるようになった「セブン-イレブン マルチコピー」

新型機はWi-Fi経由で素早く印刷。はがきプリントも

 セブン-イレブンのマルチコピー機を開発、納入している富士ゼロックスによれば、日本全国にある1万7000以上のセブン-イレブン店舗に、新型マルチコピー機の設置を今まさに進めている段階。人口の多少や都市・郊外に関わらず、準備が整った店舗から順次導入しており、一部店舗を除き2016年1月末にほぼ全店で導入を完了する予定で進めているという。

 全体の店舗数が非常に多いことから、導入済み店舗を見つけるのは現段階では難しい地域もあるかもしれないが、筐体の色が従来機は緑のワンポイント、新型機は紺色のワンポイントであることを覚えておけば見分けやすいだろう。

 セブン-イレブンのマルチコピー機が備えている機能は、書類のコピー、スキャン、USBメモリやSDカードなどに保存している書類・写真等のプリント。さらにはスマートフォンやPCから事前に印刷予約することで利用できる「ネットプリント」と、楽譜や地図などを印刷できる「コンテンツプリント」などがあり、これらは従来機・新型機問わず利用できる。

 新型機ではさらに、スマートフォンとの連携機能を強化し、スマートフォンとマルチコピー機をWi-Fi接続してその場でプリントできる機能を追加。備え付けもしくは持ち込んだはがきに直接印字できる「はがきプリントサービス」も新たに加わった。

新型マルチコピー機
従来機とは反対の右側にディスプレイやメモリスロットなどがレイアウトされている

昇華型プリンターで写真品質が格段にアップ

 従来機におけるスマートフォンアプリを使った「ネットプリント」機能は、あらかじめアプリ上で印刷したいデータを選んでサーバーに送信しておき、その際に取得した“プリント予約番号”を店舗のマルチコピー機に入力して印刷を実行するというもの。予約番号さえ知っていれば誰でも印刷できるので、友人や家族に教えて近くのセブン-イレブンから好きな時に印刷してもらう、といった使い方ができるメリットがあったが、最初に印刷予約の手続きをしなければならないのがやや手間だったと言える。

従来機の「ネットプリント」機能では、あらかじめ印刷したいデータを選び、“プリント予約番号”を取得しておく必要があった

 一方新型機では、同じ「ネットプリント」機能が使えるのに加え、事前の準備なしにWi-Fi経由で手軽に印刷できる機能も搭載された。印刷したいデータが入っているスマートフォンを持って店舗へ行き、スマートフォン上で選んだ写真や文書をマルチコピー機にWi-Fi(IEEE802.11b/g/n対応)で送信。その後マルチコピー機側で部数指定や画像編集などを行って印刷することができる。

 特に写真プリントは、従来機の印刷方式がレーザー式(トナー+富士ゼロックス独自の光沢加工)だったのに対し、新型機では昇華型に変更され、印刷品質がさらにアップしている。従来機でプリントしたものと新型機でプリントしたものを比べると、新型機では発色が元画像に限りなく近い自然な見た目となり、青空などで目立ちがちなノイズのような粒状感も劇的に改善されていることが分かる。

従来機(左)と新型機(右)の印刷結果
右の新型機の印刷結果の方が、元の写真に近い自然な発色になっている

パスワードなどの文字入力は一切不要

 「セブン-イレブン マルチコピー」アプリでの操作は、最初にプリントするかスキャンするかを選び、プリントする場合は印刷したいデータを選んで「送信」するだけと、ごくシンプル。2000万画素、約5MBの写真画像の送信は数秒で完了し、待たされる感じもない。Android端末の場合は、マルチコピー機のWi-Fiアクセスポイントを自動的に検出して接続するので、Wi-Fi設定がよく分からない人でも戸惑うことはないだろう(iOSでは端末のWi-Fi設定でマルチコピー機のアクセスポイントに接続する操作が別途必要になる)。

写真を印刷したい時は、新型機のメニュー画面から「写真プリント」を選択
「無線通信 Wi-Fi」を選ぶ
スマホアプリ上で写真を指定
Androidの場合、自動的にWi-Fi接続できる。その後Wi-Fi経由でデータ送信
次にプリント方法を選ぶ
写真を個別に編集・加工することもできる
最後に印刷部数を選択してプリントを実行

 これら一連の操作の中で、パスワードやIDなどの入力が一切求められないのもポイント。マルチコピー機のWi-Fiアクセスポイント自体は公開ネットワークだが、プリントするデータの送信には独自の暗号処理が施され、セキュリティと手軽さのバランスをうまく両立した仕組みとしている。データの誤送信を防ぐためスマートフォンの画面に表示される“接続番号”をマルチコピー機の画面で入力する必要はあるが、操作手順はやはりシンプルだ。

スキャン機能ではスマートフォンで受信するか、USBメモリに保存するかを選べる
読み取る書類をセット
スキャン時のみ、誤送信を防ぐため“接続番号”の入力が必要となる
スキャンデータをスマートフォンで受信

官製はがきにも対応する「はがきプリントサービス」

 はがきプリントに標準対応したのも新型機の特徴。従来機ははがきサイズの印刷出力は可能だったものの、はがき用紙が用意されておらず、利用者が持ち込んだはがきを手差しトレイにセットし、コピー機能で印刷する形になっていた。

 新型機では、最初から内蔵給紙トレイにはがき用紙がセットされており、すぐに印刷を行える。もちろん「セブン-イレブン マルチコピー」からWi-Fi経由で印刷したり、USBメモリなどを接続して印刷するのもOKだ。

 はがき用紙は、持ち込んだ郵便はがきに差し替えられるようにもなっている。その場合は利用者が自ら内蔵トレイを引き出し、所定の手順に従って入れ替え、印刷する。表裏、上下方向を間違えないようにしたいのと、印刷が終わった後は差し替えた内蔵トレイの中身を元に戻すことも忘れないようにしたい。

はがきプリントではレイアウトを自由に変えて印刷できる
備え付けのはがき用紙の他に、持ち込んだ用紙も使える
トレイ左側にある備え付け用紙を右側に移動
中央のガイドで押さえつけるようにしてセッティング完了
プリントが終わったらトレイの用紙は元に戻しておこう

他アプリの共有機能からの印刷もOK

 「セブン-イレブン マルチコピー」は、使い方が簡単ではあるものの、6月18日現在、印刷データを選択する際に端末内の全ての印刷可能なファイルをずらりと一覧する仕様となっており、大量の写真・書類がある場合に選択に手間取ってしまう問題がある。

 今後は一覧表示画面の操作性改善を予定しているとのことだが、画像ビューワーで画像などを表示している時に、アプリの共有機能から「セブン-イレブン マルチコピー」を呼び出して印刷文書として指定する“ワザ”も使えるので、ぜひ活用してみよう。

 新型機がセブン-イレブン全店に導入されるまでは、もう少し時間がかかる。みなさんの近所の店舗で使えるようになるのもまだ先かもしれないが、もし見つけた時は操作性や手軽さがアップした新型マルチコピー機を試してみて、写真プリントの品質の高さもチェックしてみてほしい。

キャッシュ画像なども一覧されてしまうので、写真の指定時には少し注意が必要
他のアプリの共有機能から印刷データを指定するのも便利
【料金表】
写真プリント(L版)30円
文書プリント(白黒)10円
文書プリント(A4/B4/B5フルカラー)50円
文書プリント(A3フルカラー)80円
コピー(白黒)10円
コピー(フルカラー)50円
はがきプリント (白黒)20円
はがきプリント (フルカラー)60円
スキャン30円

日沼諭史