てっぱんアプリ!

タッチだけでゲームが完成!子供も大人もプログラマーになれる「ScratchJr」

 スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!

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アプリ名: ScratchJr
開発者: ScratchJr Team
価格: 無料
対応OS: iOS 7.0 以降、Android 4.2 以上
カテゴリ: 教育
ダウンロード: iOSAndroid

 近年のITの広がりに合わせ、コンピューターに関するリテラシーを高めようと、小学校などでプログラミングを授業に取り入れる動きが始まっているという。つい最近も小学生がアプリコンテストで優勝したり、マイクロソフトとレゴが教材を開発するといった動きもあったが、いきなり開発言語を習得するのは難しい。将来を考えて我が子に少しずつプログラミングを覚えさせたい、あわよくば大人の自分もアプリを作ってヒットさせたい、なんて思っているなら、ビジュアル開発ツール「ScratchJr」がおすすめだ。

サンプルも数多く用意されている「ScratchJr」

コーディングなしのプログラミングを体験

 「ScratchJr」は、コーディングを一切することなく、キャラなどが複雑にアクションするゲームなどを作成できるタブレット用プログラム開発ツール。MITメディアラボが中心となって開発したプログラミング言語学習ツール「Scratch」(https://scratch.mit.edu/)が元となっており、タブレットでも使いやすくなるよう機能を一部制限し、GUIを変更したものだ。

 一定の大きさのキャンバス上に、動物や人間などのキャラを配置して、ジグソーパズルのようなブロックを組み合わせることでそれらの動きを決めていく。ほとんどの場合はブロックをドラッグ&ドロップしていくだけで完成し、キーボード入力するとしてもせいぜい数字やキャラのセリフくらい。理解しにくいプログラム言語の関数や記号などを知らなくても、思い通りに動くプログラムを作ることができる。

プロジェクトを作る最初の画面
まずはサンプルでどんなことができるのか確かめてみてもよし

キャラを自由自在に動かし、シーンも切り替えて演出

 具体的に可能なのは、あらかじめ用意されたキャラや背景、あるいは自分で描いたキャラや背景を表示させること。キャラを個別に上下左右へ動かしたり、回転やジャンプをさせることができるほか、吹き出しで任意のセリフをしゃべらせたり、キャラを拡大・縮小するのもOKだ。

 また、動く速度の変更、1つもしくは複数のアクションの繰り返し、次のアクションまで空き時間を作るウエイトの処理、キャラのタッチ判定、録音した音声の再生なども行える。さらに、背景などが異なる複数のシーンに次々と切り替えていくような制御も可能になっている。

デフォルトではキャンバス上にネコのキャラが配置されている
多数ある背景から選んでもいいが、自分で描くことも可能
あらかじめ用意されているキャラを編集するのもOK
キャラをタッチしたらどう動かすか、その動きを何回繰り返すか、といったアクション要素をブロックの組み合わせで表現

機能制限は多いが、腕試しにぴったり

 本アプリの対応機種は今のところタブレットのみで、機能も元々のWeb版「Scratch」から比べると、細かな条件判定やキャラの制御機能が省かれているなど、制限は多い。それでも、気になる箇所をクリックして新しい発見をしていくアドベンチャーゲームのようなものは、すぐに作り始めることができそう。子供のために大人が作ってあげてもいいし、子供自身に触らせてみても良いだろう。

 なお、フル機能を使えるWeb版はFlashが必須で、残念ながらiOS/Androidスマートフォンには対応せず、実質的にPC専用となる。とはいえ、ジグソーパズルを組み立てていくような感覚で、ほとんど学ぶことなしに動きのあるプログラムを作れるのは、楽しい。ユーザー登録も不要なので、本格的なプログラミングを始める前の腕試しとして気軽にチャレンジしてみては?

PCで動作するWeb版の「Scratch」。できることは多いが、プログラミングの簡単さは損なわれていない
インプレスからのお知らせ
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日沼諭史