手持ちのペンで“着せ替え”を楽しむ「Sherpa」


Sherpaキットには、外装用の太めのペンとSharpie FINE POINTが同梱されている

 「Sharpie FINE POINT」は、国内ではあまり有名ではないが、アメリカでは知らない人はまずいないという、メジャーな筆記具だ。日本の商品名で言うなら「マジックインキ」に相当するだろうか。キャップ式やプッシュペンタイプなど、いくつか種類はあるが、油性インク関連では圧倒的な市場を持っている。

 日本国内でもステーショナリ-市場は元気な産業だ。とくに筆記具の分野では、完成品販売だけではなく、ボディ本体やリフィルなどを個人の好みでカスタマイズする新しい市場が登場してきている。何種類かのボディ本体やリフィルを工場で組み立てずに、パーツとして店頭で陳列販売しているに近い売り方なのだが、ユーザーの選択肢を広げるという観点では面白い市場展開だ。

 筆記具市場の商品展開も他の市場と同じく、“廉価版100均ショップ向け商品”と“高級セレブ路線”に二極化する時代だが、“マーカー”やマジックインキを代表とする“油性ペン”市場は、残念ながら、大量消費の廉価版世界しか存在しないかに思える。

 万年筆やボールペン、シャープペンシル、鉛筆などの市場を見て、そのジャンルで最も価格の高い商品と最も安い商品を比較してみればその違いは明らかだ。最大数百倍以上の開きのある万年筆やボールペン、シャープペンシル市場に比較して、マーカーや油性ペン市場は、せいぜい2倍程度の開きのはずだ。

 そんな市場に米国製の「Sherpa」が登場した。Sherpaは、Sharpie FINE POINのメーカーが発売する「着せ替え型の外装キット」だ。Sherpaは、一見したところ、ちょっと“太めのペン”というところだ。キットには、着せ替え外装に収納するSharpie FINE POINTが1本付属する。

 実際にSharpieのキャップを外し、本体だけをSherpaに収納してみたが、懐中電灯の軸内部の様に奥にスプリングがあり、ペン先をしっかり押しだしてくれる設計だ。SharpieのFINE POINT(油性マジック)以外に、セーラー万年筆社の販売する180円の万年筆「ink-Bar」や、ドイツのスタビロ社のライン・マーカーである「ナビゲーター」などにも対応している模様だ。

 Sherpaには数種類のモデル(柄)があるが、筆者が購入したものは「City Lights(街の灯り)」というタイトルが付けられている。価格も安いので、目的に合わせて複数所持しても良さそうだ。

 メーカー間を越えて着せ替え外装が普及すれば、楽しいことになりそうだ。今後とも業界のこの動きは目を離せない。Sherpaはそのムーブメントの先頭を走るプロダクト。楽しい一品なのだ。

Sharpieのキャップを外して本体軸を着せ替えペンに入れるプラスチックではなく、多少お洒落なペン型油性インクペンができ上がる
セーラー社の超廉価版万年筆ink-BarもSherpaに内蔵可能だ180円の万年筆が収納されているとは思えない立派な外観。Sherpaには数種類の柄があるが、これはCity Lights(街の灯り)


商品名実売価格購入場所
Sherpa「City Lights」
(Sharpie FINE POINTペン外装交換キット)
3990円新大阪駅構内1階
「Stationary AURA」


(ゼロ・ハリ)

2009/7/31 11:00