microSDカード採用のICレコーダー


やや地味な製品パッケージ

 ロジテックの「LIC-SR500」は、記録媒体にmicroSDカードを採用したICレコーダーだ。一般的なICレコーダーにはあまり見られないスクエアな筐体は、カバンの中に収まりがよく、テーブルの上に置いても安定している。

 本製品の特徴は、内蔵メモリを持たず、microSDカードに記録することだ。microSDHCカードにも対応し、最大16GBのカードを使える。長時間モード(LP)だと2GBあたり136時間の録音が可能となっているので、仮に16GBのmicroSDカードだとおよそ1000時間もの録音が可能だ。もちろんこれはおおまかな数字である上、途中で電池交換が必要なので連続して1000時間の録音というわけではないが、こまめにパソコンに転送することなく録音し続けられるのは大きなメリットだ。

 筆者がこれまで使っていたICレコーダーと比べると、音質もよく、外部マイクなどを使わなくとも高いクオリティで録音が可能だと感じた。マイクは指向性ではなく全方向対応なので、喋っている相手に向けなくとも、スーツの胸ポケットに挿したままの状態で、周囲の会話をじゅうぶんに聞き取れるレベルで録音できる。

 またMP3で録音されるため、WAVなどと比べてファイルサイズは小さくて済むほか、パソコンに転送して再生する際も使い慣れたプレーヤーを利用できるメリットがある。特にファイルサイズの小ささは、最初に使った際、何かのトラブルがあって途中までしか録音できていないのではと思ったほどだ。

 単4電池2本で駆動するので、外出先での電池の交換も容易。試した限りではエネループも利用できるので、利用頻度が高い場合は充電池で毎回の電池購入コストを抑えることもできる。難があるとすれば、液晶画面の解像度が低く、日本語の表示文字数にやや制限があること。また電池残量表示が、中盤を過ぎたあたりから加速度的に減っていくので、やや心臓に悪いことだろうか。

 ともあれ本稿執筆時点で実売価格の最安値は4GBのmicroSDカード同梱モデルで4000円台(2GBは3000円台)まで下がっており、コストパフォーマンスは非常に高い製品だといえる。初めてICレコーダーを買う人にもおすすめしたい。

製品本体。ウィルコムの「9(nine)」を彷彿とさせるスクエアな形状左側面に、PC接続用のUSBポートと、microSDスロットを備える
microSDカードは最大16GBまでサポート液晶画面。日本語には対応しているものの、解像度が低く、あまり分かりやすいとは言えない
側面には再生機能およびMP3プレーヤー機能を利用するためのボタンも備えるが、筆者は未使用外部マイクも利用できる
単4電池で駆動。試した限りではエネループも使えるので経済的

 

製品名製造元購入価格
LIC-SR500M04BKロジテック5980円

 

(山口 真弘)

2010/2/8 06:00