もっと早く買っておくべきだった、デロンギのオイルヒーター


製品本体。高さはおよそ65センチ。3~8畳向けの製品だ

 以前から買おう買おうと思いつつもなかなか踏ん切りがつかず、買ってみると案の定「ああ、やっぱりもっと早く買っておくべきだった」と後悔する製品がある。筆者の場合、だいたい1年に1つくらいこうしたアイテムが出現するのだが、昨年はこれがたてつづけに2つ出現した。ひとつはiPhone、そしてもうひとつが今回紹介するデロンギのオイルヒーターである。

 オイルヒーターの特徴は、燃料を燃焼するわけではないため、空気が乾燥せず、また汚れにくいこと。これまで室内で長時間作業をしていて、喉が乾いたり、換気を忘れて息苦しくなることがたびたびあったが、オイルヒーターに切り替えてからこうした事態にほとんど遭遇しなくなった。おかげで室内にこもる時間が長くなるという違った問題が出てきたが、原稿執筆などの生産性は目に見えて向上しており、これだけでもじゅうぶんな投資効果が得られた格好だ。

 オイルヒーターのもうひとつの特徴として、輻射熱によって部屋をあたためるため、底冷えしにくい点が挙げられる。室温が同じ25度でも、夏場に冷房をつけた状態の25度はより暑く、冬場に暖房をつけた状態の25度はより寒く感じるわけだが、オイルヒーターをつけた状態では、これが春や秋のちょうどよい季節の25度に感じられる。なかなか実感として分からなかったのが、実際に使ってみて初めて、ああなるほどこういう違いがあるのか、と実感した。

 一方でデメリットがあるとすれば、周囲の空きスペースも含めて一定の場所を占有すること、またすばやい温度調節ができないことだろう。とくに外出先から帰宅して早く温まりたいという場合には、残念ながら向かない。生活のサイクルを見越してタイマーでオン・オフするというのがせめてもの対応策と言えるだろう。運転音がまったくしないというのは、メリットである反面、スイッチを切り忘れそうでたまに怖いと感じることがある。

 電気代に関しては、これまで高い高いと聞かされてきたこともあり、実際に使った限りではまあこんなものかというイメージだ。本製品を購入してからエアコンなどの暖房器具を完全に使わなくなってしまったので、それらを差し引きして多少増えたかな、という程度である。快適さと相殺すればじゅうぶんにお釣りが来ると感じられたので、個人的にはあまり気にしていないというのが正直なところだ。

 いかんせん本製品以外のオイルヒーターの利用経験がないため、機種間の性能比較ができないのだが、実売価格は3万円強と以前よりも安くなっており、個人的にはよい買い物をしたと思っている。来年の冬にはリビング用にもう一台増えていそうな予感だ。

温度は6段階で切り替えられる。下部の電源スイッチは2基あり、ワット数に応じて切り替えて使用する。最大1200Wまで対応放熱板(X字フィン)を側面から見たところ。当然ではあるが運転中はかなり熱くなる
タイマーは珍しいディップスイッチ式。24時間のうちオンにしておく時間帯のディップスイッチを内側に押し込むという仕様だ。ディップスイッチが折れてしまうのではないかと心配になるが、慣れると便利だキャスター付で移動も容易。前面にはコードを巻き取るためのコードホルダーが備え付けられている
プラグはやや大きく、取り回しづらい

 

製品名製造元購入価格
ドラゴン3デロンギ3万1500円

 

(山口 真弘)

2010/4/2 06:00