デジタル版おえかきボード(?)「Boogie Board」


到着時のパッケージ。茶箱に帯と至ってシンプル

 磁性粉と磁石ペンの組み合わせでできたお絵かきボードを小さい頃に使って遊んだ記憶のある人は少なくないと思う。好きなだけ書いて消して、また楽しめるものだった。

 この種のアイテムは、子供がそれなりの年齢に達したときに買い与えると、やはり面白がって書きまくる。「落書き」するのは誰だって楽しいということだろう。そんな楽しさをパワーアップしてくれるデジタルガジェットがある。それが今回紹介する「Boogie Board」だ。

 米Improv Electronics社が販売しているこの「Boogie Board」。すでにネット上では詳細なレビューも紹介されているが、一言で言うとA5サイズの薄型電子黒板だ。画面にはいわゆる「電子ペーパー」が使われており、付属のスタイラスペンを使ってこの上に「書く」と、白い線として軌跡が残る。感圧式なので「筆圧」がある程度反映され、弱く書くと細く、強く書くと太くなる。また指(正確には爪)で書くこともできる。何でも書けるというのは便利な反面、上から何かが触れて圧力がかかるとそこが白くなってしまい、書いてあるモノが上書きされてしまうので注意が必要だ。

 電子ペーパーなので電池で駆動しているのだが、電池の交換はできない。最初から組み込まれている電池で約5万回の書き込み/消去が可能なのだそうだ。5万回といわれてもピンとこないが、1日50回動作させても1000日となり、普通はコレで足りるということなのだろう。ちなみにボード上端の真ん中にあるボタンを軽く押すだけで、書いた内容は消去される。電子ペーパーでおなじみの、画面が一瞬白くフラッシュし、その後綺麗に初期化される動作が見られる。

 本体の厚みは約3mm、重量は120g。米国では冷蔵庫などに貼り付けるためのマグネットがオプションで販売されており、ちょっとしたメモ書きなどに使われることなどが想定されているようだ。

 画面の保存はできずコピーもできないが、一時的なメモであればこれで充分実用的だ。

 ちなみに我が家の場合は、息子のおもちゃとなった。というか取られてしまった(笑)。子供にすれば落書きには最適のアイテムに見えるらしい。おまけにe-inkの画面フラッシュも面白いらしく、ちょっと書いては消し書いては消しを繰り返している。親にしてみればゴミも出ず、手も服も汚れないから丁度いい暇つぶしアイテムだ。最近ではどこへ遊びに行くときも持ち歩き、友達にも好評らしい。これで実質4000円なら悪くないと思える。息子が飽きたら、冷蔵庫に貼りつけて連絡帳代わりにするつもりだ。

 ちなみに「4000円」で買った、と書いたのは友人との共同購入の結果だ。この製品は発売当初から供給不足で、今でもなかなか手に入らない。日本国内で入手しようと思ったらAmazon.comで探して個人輸入するぐらいしかないのだが、流通量が不足気味で、本来の価格30ドルを超える価格でしか売っていない。これに日本までの送料が入るので、1台だけの購入だとかなりの額になる。私の場合は、友人がAmazonを巡回してたまたま定価販売の複数在庫を発見できたため、送料を含めて「割り勘」で購入した結果、4000円程度で買えたという次第だ。

帯を外してパッケージを開けたところ。本体、ペン、表面清掃用のクロスの三点だけ。マニュアルすらない徹底ぶりにはむしろ潔さを感じる。このまますぐに使用可能。電源スイッチは無く、画面にペンなどで触れれば即利用できる筆者が試す間も無く子供に取られる。一心不乱に落書き。ちょっと書いたらすぐに消去。画面のフラッシュがまた面白いらしい
そして書いていたのはこちら。意外に細かい線も拾えるし、解像度もそこそこある。到着初日に何か堅いもので画面をこすったらしく、結構傷が入ってしまった。表面は比較的柔らかい素材なので注意は必要だろうマグネットクリップで挟んで冷蔵庫に貼り付けることもできる。小型、軽量、薄型であればこそ。米国内では裏面に貼り付けるマグネットシートが純正のオプションであるくらいなので磁気には強いのだろう

 

製品名製造元購入価格
Boogie BoardImprov Electronics29.97ドルと送料

 

(すずきひでお)

2010/4/19 06:00