アマチュアレーサーにもハイテクの波。GPSユニットを試す


ケータイよりもかなり小型の本体。動作状況はLEDで光るアイコンで知ることができる

 「GPSユニット」の一般的な使い道は、パソコンの地図ソフトと組み合わせ、歩いたり走ったりした軌跡をたどるといったものだろう。今回紹介する「Photomate 887」も、その名の通り、本来はデジカメで撮影した画像を地図ソフトと連携して楽しむ、というのがメインの用途の製品である。しかしながら今回は、あえてそのような内容ではなく、ズバリ、モータースポーツで活用することに焦点を当てたいと思う。

 「Photomate 887」の機能を簡単に説明すると、衛星からのGPS情報をキャッチして測位した結果をもとに、内蔵メモリーに位置情報などを記録し続けていく、というもの。内蔵バッテリーでおよそ10時間、12万5千ポイントまで記録できる。それ以外にも、Bluetooth接続が可能で、パソコンと対応ソフトを連携すればリアルタイムのナビゲーションシステムを構築することも可能なのだが、あくまでもキモは「位置情報などを記録し続けていく」という部分だ。

 この情報を解析することで、実に多くのデータを得ることができる。座標はもちろんのこと、走行速度、加速度、馬力、G、バンク角などだ。これらの情報は、市街地よりも、クローズドなコース上で、自動車やオートバイを走らせた際に少なからぬ示唆を与えてくれる。測位時の多少の誤差はあっても、コーナーをどのようなラインで走行しているか、くらいは判別できる。どのポイントでアクセルをオン・オフしているか、車両のパワーをうまく引き出しているかなど、他人の走行データと比べるとさらにわかりやすい。

 プロのレースの世界ではずっと以前から、さまざまなデータロガーを駆使してコンマ何秒を競ってきたわけだが、簡易的とはいえ、「Photomate 887」のような安価なGPSユニットを用いることで、アマチュアのレベルでも似たような環境を手軽に整えられるようになったのは、まさしく時代の流れといえるだろう。こういった装置を用いて理論的な分析手法も取り入れられることで、草レースであっても今後ますますレベルの高い争いが繰り広げられる予感がする。

同梱物は簡易ガイド、ドライバCD、USBケーブル、車両からの電源撮り出し用シガーソケットなど取り付け場所は、できるだけ遮られない部分に。自動車ならルーフトップ、バイクならテールカウルがよさそう
Photomate 887のデータを解析できる高機能なフリーソフトが配布されている

 

製品名製造元購入価格
Photomate 887Transystem8694円

 

(hinotomi)

2010/5/25 06:00