函館少年刑務所の「マル獄」手提げ袋


昔のレトロなマッチ箱のデザインをあしらった「刑務所の手提袋 R調」

 ある方の写真展を見に九段下の科学博物館を訪れてみると、そこでは「全国矯正展」なるものが開催されていた。全国の刑務所で製造された製品の展示即売会である。入ってみると、これが大盛況でびっくり! 刑務所で製造されているものというと、筆者はなんとなく「木工品?」なんてイメージでいたのだが、醤油や味噌から家具まで、ありとあらゆるものが展示されていた印象だ。

 中をブラブラ歩いていたところ、目に止まったのが今回ご紹介する手提げ袋である。手に取ってみると、縫製がしっかりしていて丈夫で、長く使えそうである。サイズもタップリとしていて自分によさそう。レトロ調のデザインはド派手だがかわいい! リバーシブルなので、裏返すとこれまたあまり見かけないような唐草模様の渋い手提げに早変わりする。

 サンプルをこねくり回しながら、どこかで見た覚えがあると思っていたら、ウワサに聞く函館少年刑務所の「マル獄」ブランドの手提袋であった。あまり持ち合わせはなかったが、このチャンスを逃したら二度と買えないかも? と思い、購入した次第だ。

 サイズは、平置きした場合の幅が約43cm、高さが約31cm、マチが約14cm、底幅が約30cm、入り口から持ち手までの高さが約25cmである。サイズとしては一般的なレジ袋と同じくらいだろうか。マジックテープ付きのポケットが1つ付いている。

 とにかくこのアイテム、使ってみるとなかなか侮れないのであった。キャパシティと、体へのフィット感が絶妙なのだ。開封時は糊のせいでバリッとしていたが、使えば使うほどくったりして、肩から提げたときに体にフィットして心地よい。持ち手は、ちょうど肩にあたる部分が3.5cmあるうえ、持ち手の根元は太い。このため、バッグそのものにも安定感が生まれるようで、荷物をたくさんつめこんでも、肩のある1点に重さが集中せずに楽である。

 高さ(深さ)が30cmというのもいい。25cm前後のトートは多いが、筆者の場合、普段の荷物を全部入れると丸々膨らんで、バッグの口がガバッと開いてしまうのである。それが高さ30cmだと、置いたときにいい具合に中が見えなくなる。かといって、肩から提げた状態で深すぎない、25cmという持ち手の高さもすばらしい。早い話、筆者の体のサイズと荷物の量に、ちょうどよいバッグに出会ったというわけだ。

 拙宅には「微妙に深さが足りない」「同じ荷物量なのに、肩への負担が大きく感じる」という理由で使わなくなってしまったン万円のバッグなども存在する。「いつか荷物が少なくなったときにまた出番があるに違いない……」と思って保管してあるが、おそらくそれは「いつか痩せたときにまた着られるかも」に等しい確率で出番がないだろう……。逆に、今回購入した手提袋は、雨の日でも使いたくなって仕方がないから困る。

 あれこれ検索してみたが、残念なことに、今回購入したような製品は、やはり一般的なお店では出会えないものらしい。気になる方は、出会った瞬間がチャンスですぞ!

背面のデザイン他の製品とは違い、大胆な「マル獄」マークはない。ひっそりタグで分かる程度
リバーシブルなので、裏返して使ってもよい裏返すとポケットが外に出る
A4サイズのクリアファイルも持ち歩けるガンガン詰め込んでもまだ余裕! ポケットの少なさは工夫でカバー

 

製品名製造元購入価格
刑務所の手提袋 R調函館少年刑務所2100円

 

(すずまり)

2010/7/8 06:00