Wikipediaをまるごと収録して持ち歩ける小型端末「WikiReader」


本体は10センチ角。液晶の視野角はお世辞にも広いとは言えない

 「WikiReader」は、Wikipediaをまるごと収録した小型の電子端末だ。電子辞書、と言ってしまうと少々語弊があるかもしれない。Wikipediaを持ち歩くために開発された専用ポータブルデバイス、という表現が正しいだろう。

 筐体はほぼ正方形で、微妙に辺がゆがんだ独特のデザイン。置いた時に見やすいように若干斜めになっているのは、どちらかというと電卓ライクだ。もっとも実際の利用時には、片手で持ち、もう一方の手で操作するのが一般的なスタイルということになりそうだ。

 本体のボタンは電源ボタンと、search、history、randomの3つだけ。検索文字の入力はタッチスクリーン式の画面から行う。文字入力は一見するとiPhoneそっくりだが、もちろんフリック入力には対応していない。スクロールおよびハイパーリンクのクリックも画面に直接タッチして行うが、ボタンを押してからの応答がワンテンポ遅れたり、スクロールが微妙にずれたりと、ハードとソフトの完成度は正直いまひとつといったところだ。

 実際に使ってみた限りでは、Wikipediaというコンテンツの特性もあってアカデミックな用途には向かない印象だが、ランダム表示機能を生かして、普段は検索しないような未知の項目を表示させて読むというのが、なかなか楽しい。アニメ関係の情報が充実している日本語版Wikipediaが母体になっているだけに、これらの情報がやたらと表示される傾向はあるものの、いったん興味のある項目が表示されればあとはハイパーリンクをたどって延々と見られるので、暇つぶしには最適だ。

 もっとも、単にWikipediaを閲覧するだけであればケータイやiPhoneでもかまわないだけに、オフライン環境で動作する点と、本製品ならではのランダム表示機能にどのくらいピンとくるかにかかっているといえる。まずはユーザーの所有欲を満たすハードウェアを採用することが、普及に向けての第一歩なのではないかという気がする。

モノクロ液晶は240×280ピクセル。コントラスト調整やスタンバイ時間などの調整が一切できない。アンダーラインはハイパーリンクを表すsearch、history、randomの3つのボタンが並ぶ。これ以外の操作は基本的にタッチスクリーンで行う
若干ナナメになった筐体。電卓ライクだ背面に電源ボタンを備える以外は、全体的にのっぺりしている
電池ボックスの中にmicroSDスロットを内蔵し、コンテンツを入れ替え可能。電池は単4×2本iPhoneを模した文字入力画面を持つがフリック入力には対応せず、むしろ戸惑う。日本語フォントがチープなのも気になる
履歴表示にも対応する。ランダム表示を多用したあとはこのように無秩序な項目が並ぶ

 

製品名製造元購入価格
WikiReaderBLUEDOT1万3000円

 

 

(KURANOSE)

2010/8/27 06:00