PCでのデータ編集に対応!
より使いやすくなったデジタル名刺ホルダー「ピットレック」


ピットレックは“スタンドアローン・キング”のキングジム社の秀作ハードウェアだ

 筆者の独断的感覚では、キングジム社は、スタンドアローンではきわめて面白い機器の企画や開発を行う会社だが、どうも機器間のコミュニケーション能力が弱いという印象だ。何でもやたらと接続したがるIT系企業の企画者とは対照的な指向と言えるが、時代の変化と共に、それも程度問題だと考えるようになってきた。

 「クラウドコンピューティング」の考え方が一般のビジネスピープルにも浸透しつつある現在、人が使うクライアント機器は、クラウドを使いこなすためには必須のアイテムだ。発売日に購入し、すでに200人以上の名刺データを飲み込んだ筆者のピットレックだが、文字の誤認識についてはピットレック単体で行うデータ修正が面倒で、最低限のキーワード修正だけをして使い続けていた。

 ところが、知人のTwitter上のつぶやきで、ピットレック内蔵のマイクロSDカードの名刺データをパソコンで読み込んで編集できる純正無料アプリがアップロードされていると知った。そこでさっそく、「ピットレック on PC」をダウンロードして使ってみた。

 筆者は、ピットレックを単なる名刺読み取り&ホルダーとしてだけではなく、メモのリーダーとしても利用している。四六時中持ち歩いているメモや名刺サイズカードに、思いついたアイディアや絶対に忘れてはならないToDoなどをペンで書き込み、その場でピットレックに読み込ませるのだ。

 データには自動的にタイムスタンプが挿入されるので、完璧に忘れ去る危険性や、期間が経過してエイジド(Aged)のToDoや賞味期限切れのアイデアになることを回避できる。

 なお、ピットレックの内蔵microDは、裏蓋を開けて、充電池を取り出さないと抜き差しができない。このため、頻繁にパソコンに読み取るには不向きと言える。いただいた名刺や思いつきのメモはその時に瞬時に読み込み、修正の必要な名刺データは月に1回とか、週に1回とかまとめてバッチ処理をするのが良いだろう。

 内蔵のmicroSDの中には、ピットレックという名称のホルダーが自動的に作成されているので、そのホルダーごとPCのハードディスクにコピーし、編集操作を行った後、再度、マイクロSDに書き戻せば 作業も簡単快適だ。

 IT系の思考で製品を考えれば、WiFiやBluetooth等のテクノロジーでクライアントとサーバーを常時接続したいと考えるのが一般的だが、ピットレックのように、クラウド世界と、その日の気分によって、フレキシブルな柔結合を実現するのもなかなかだ。コミュニケーション思考で、独自のコンセプトを持つピットレックを敬遠していたユーザも「ピットレック on PC」で、今度は、購入射程距離圏に入っただろう。

筆者は名刺管理以外に、アイデア&思いつきイメージ保管庫として活用しているデジタル接写のイメージで名刺をイメージとしてスキャンしてキーワード管理する割り切り思考が秀作だ
内蔵のmicroSDカードは取り出しが面倒だが、編集の運用で、取り出しサイクルを調整すれば極めて便利に使えるだろうPITREC on PCの使用画面。慣れたキーボード、大きな一覧画面での読み取りデータの修正はきわめて便利かつ効率的だ

商品名希望小売価格
デジタル名刺ホルダー「ピットレック」2万7300円

 

(ゼロ・ハリ)

2011/1/12 06:00