超小型の水電池で動作する水力電池電卓
「Hydro Power Calculator」


 「地球に優しい」という言葉が世界中に溢れる現代。そんな時代にはピッタリな、ほんの少しの水だけで動作するECOな電卓が存在する。米国キッカーランド社が販売するECOイメージな電卓だが、“ECO”だとか“地球に優しい”という自画自賛の枕詞がパッケージに全くないところが気に入った。

 ちょっと前に、「水電池」がかなり話題になったが、今回ご紹介する「Hydro Power Calculator」は、そんな超小型の水電池を並列に3本立てて動作する見た目もちょっとグッドな水力電池電卓なのだ。

 外観サイズは、筆者が勝手に世界のベスト電卓だと考えている独ブラウン社のET55とほぼ同一サイズ。内部には同じ素材の補強サッシが入った透明アクリル製だ。一体型でメンブレン製のキーボードは、お世辞にも使いやすいとは言えないが、シュールな全体デザインにはマッチしたデザインとカラーだ。

水力電卓と駆動のための3本の水力電池透明アクリル製のパッケージと、基盤、キーボードはECOイメージなグリーンで統一しばらくは心配で愛用のブラウン電卓で検算をやったが、ほぼ完璧に大丈夫だ。

 3本の水力電池を挿入する位置は、8桁の液晶表示機構のすぐ上、単4電池より少し太めの穴が3個空いているところだ。ねじまわしてキャップを取り去った水力電池容器の中に、ごく普通の水道水を一杯入れ、再度キャップをキッチリと閉めれば水力電池の準備は終了だ。

 先ほどの3つの穴に水力電池を順番に3本挿入する。水力電池の先端からは2枚の金属羽根が出ているが、穴の側面に切られているガイドレールに沿って正しい向きで挿入する。挿入後、電源をオンにすれば液晶の右端に数字のゼロが表示される。

 極めて簡単な準備で、あっけなく水力電池電卓が駆動した。水力電池の中の水は、2~3カ月に1回交換すれば良く、水力電池その物の寿命は2年だそうだ。 液晶能力の特性か、水力電池の限界か、液晶表示は真正面からの輝度が低く、計算過程や計算結果を読み取るには、斜めから見る必要がある。

 極端に明るい電気スタンドの照明下や、空間で液晶の背面に何も無い状態でも視認度は低くなる。片手でホールドして使用するときは、手のひらを液晶の背面に持って行けば明らかに視認度はアップする。いずれにせよ、極めて少量の水道の水で電卓として完璧に機能することには驚きだ。これで計画したビジネスモデルが限りなく上手く行けば、まさに“濡れ手に粟”の商売になってしまう。

アクリルのサッシで基盤の固定と全体を補強している。水力電池を挿入する3個のバッテリースロット小さな水力電池のキャップを外して水道水を流し込む
ガイドレールに沿って3本の水力電池を装填する蒸気機関車も水力電卓も水のパワーで動作するのは感動的だ。計算結果は背面からも見えるという極めてシュールな構造だ

商品名実売価格購入場所
キッカーランド Hydro Power Calculator2310円御徒町ガラクタ貿易

(ゼロ・ハリ)

2011/1/18 06:00