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一生使える金属鉛筆「Beta Pen」


Beta,penは握り手の素材の違いで3種類ある。木製(手前)とアルミニウム製

 鉛筆は、誰もが子供の頃から使い慣れているモノなので、その特徴はよく知っているだろう。そもそも鉛筆は、黒鉛と粘土を練り上げて乾燥させた細い「芯」の外側を、人間が手で持ちやすく、また黒鉛で手が汚れるのを防ぐために、適度な太さの木の軸で被った字を書く道具だ。

 鉛筆はどちらかの先端を鉛筆削りやナイフで削って、芯を露出させ、その芯で紙の上に文字や絵を描くと、紙の表面と芯先の摩擦で、粉々になった黒鉛の粉が紙の表面にこびり付き、その連続線が筆跡となって文字や絵を表現する道具だ。

 人類の発明の中でも圧倒的に優れたモノに入る鉛筆だが、鉛筆の弱点は、摩擦ですり減ってゆく芯先を時々露出させるために、木軸をどんどん削ってゆくので、長く使っていると、鉛筆の全長はどんどん短くなり、そのうち人の手では持てないほど小さくなって、鉛筆はその一生を終えることとなる。

 本日、ご紹介する「Beta Pen」は、ウルトラちびにくい金属を芯材に利用した“チビない金属鉛筆”だ。記録原理は鉛筆と同じだが、黒鉛の代わりに合金の金属粉が紙に吸着し筆跡となる。モデルによっては、鉛筆の木軸にあたる部分も全部金属で作られたモデルもあるので、その重厚なソリッド感は好きな人にはたまらないほどの喜びとなる。

 筆者は、芯だけが金属で周囲を木で被ったごく伝統的な鉛筆タイプが気に入っている。書き味は人によって感じ方はまちまちだろうが、4Hとか5Hとか、かなり硬度のある鉛筆で字を書くときの感覚に限りなく近いだろう。それなりの筆圧も要求されるので、筆圧の弱い人には不向きかも知れない。

購入したのはBeta Pen 3本、マグネチックメタルペンとメタルペン各1本の5本 マグネチックメタルペン(上)とメタルペン(下) マグネチックメタルペンはキャップがマグネチックになっていてキャップの取り外しが容易で、キャップの紛失の危険が少ない

 米国の通販サイト「Vat19.com」が同様の金属合金チップを採用したペンを発売しており、YouTubeで商品のデモ動画を公開している。その動画で水の中でも書けるというデモを披露しているため、金属合金ペンの特徴として、何にでも、水の中でも書けるというふうに理解して入る人もいるかもしれない。

 しかし、水の中はさておき、光沢紙にはきわめて書きにくい。温度環境の影響はほとんど受けないが、筆記できるのは、ごく普通のコピー紙やメモ用紙、大学ノートなど、一般的な紙が対象だと考えておいた方が無難だろう。芯先も“チビない”のではなく、“チビにくい”が正しい。また、芯先がチビて丸くなってきたときには、鉛筆削りの代わりに、サンドペーパーで磨くのが一般的だ。

 “Beta Pen”を大英帝国から個人輸入して、送料別で1本約1800円。三菱ハイユニなら1ダース、ただのユニなら20本、ダイソーの100均鉛筆ならなんと200本も買えてしまう計算だ。まあこれは、機能としては同じように正確だが、5000円の腕時計を買うのと、100万円の機械式腕時計を買うのとの差違に似ているのかもしれない。蘊蓄を語るための存在意義と価値だと納得できる人だけが使う価値のあるパーマネント鉛筆だ。

実際に書いてみるとよくわかるが、光沢紙は引っかかって、きわめて書きづらい。筆跡はまさに4Hくらいの硬質な鉛筆書きのようだ 鉛筆と同じ原理なので、紙に吸着した細かな金属粉を引きはがせる消しゴムなら、軌跡を消すことも可能だ
チビにくい金属芯だが、マクロ撮影すると金属芯の先端がすり減っているのがわかる 永久鉛筆としての利用以外に、フィールドワークや暴漢からの防御用に開発されたタクティカルペン(上)にも勝るとも劣らない、攻撃力がありそうだ。取り扱いには注意

 

商品名 実売価格 購入場所
Beta Pen 21.54ドル 英Grand Illusions社直販サイト

 

(ゼロ・ハリ)

2011/3/8 06:00