スマートフォンチックにさりげなく使える韓・英対応電子辞書


BlackBerryによく似たデザインの「PW-AC40」

 多忙な社会人にとって、通勤電車などで過ごす時間は有効に活用したいもの。もちろんわたしも多忙な社会人であるので、通勤時間を有意義にすべく、どのように過ごすべきかを考えることに日々時間を費やしている。

 しかしこのままでは埒があかないわけで、なんとなく、外国語ができるようになれば最高だなと思ってみたりもするのである。通勤時間に外国語の小説を楽しみたいとか、ポッドキャストで外国語のヒアリング能力を高めたいなどと考えたりもするのだが、いかんせん頻繁に辞書を引いている姿を見られたくないのだ。「あ、こいつまた辞書引いてるわ」みたいに周囲から思われるのがイヤな小心者なのである。

 そういうわけで、どうすれば辞書と首っ引きにならず、「スマートに外国語と付き合っているバイリンガル」感を出せるのか、最近は通勤電車内でそんなことばかり考えていたところ、シャープの電子辞書、Brainシリーズのニューモデル「PW-AC40」を見つけたのだった。朝鮮語辞典(韓日辞書)と日韓辞典を搭載し「韓国語を学ぶ人」をターゲットとしつつ、大辞林や英和・和英辞典も収録している、幅広いユーザー層にマッチする製品だ。

 この電子辞書はまず見た目のインパクトが強い。ご存じRIM社のBlackBerryによく似たデザインだ。ターゲットユーザーは異なるが、前の世代のモデルである「PW-AC10」や「PW-AC20」に比べればそのテイストはやや抑え気味になったとはいえ、それでも“スマートフォンらしさ”がたっぷり詰まった外観のまま。かといって、この「PW-AC40」が単なるキワモノかというと、実際のところはそうではなく、手にしてみると思っていた以上の使い勝手のよさに驚かされるのである。

 昨今のスマートフォンに比べるとやや太めの図体ではあるが、重量はそれに反して約114グラムと軽量だ。持ち続けていても疲れにくいのは、片手で文庫本を持ち、反対の手で電子辞書を使うことを考えると重要なファクターである。同じシャープの電子辞書「Papyrus」を数年前から愛用していながら、独特のキータッチにはいまだに慣れずにいるのだが、翻って本製品のキーはおよそ4mm角とかなり小さいものの、しっかりしたクリック感があり、入力ミスをしにくい実感がある。

 また、小型ながら、大辞林、英和・和英、韓日・日韓いずれの辞書でも、キー入力による検索だけでなくタッチペンを使った手書き文字での検索が可能な点はありがたい。特にハングルを学び始めの頃は文字をどのように読むのか、文字がどの部品から成り立っているのかといった点すら混乱しがちなので、見たままを手書きして確かめられるのは大変心強いのだ。

 一つだけ残念なのは、内蔵メモリ容量が小さいためか、韓国語ネイティブ音声の収録数が約6100語分と少ないところ。とはいえ、純粋に辞書として使う分にはその点で不満を感じることはなさそうだ。別売カードによるコンテンツ追加には対応していないが、こういったハンディタイプの電子辞書の用途を考えるとデメリットに感じる人は多くはないだろう。とにかく、スマートフォンで海外のドラマを観たり電子書籍を読んだりしつつ、もう一方の手で本製品を持って辞書を操作していても、スマートフォンを2台持ちしているように見えるだけで外国語に苦戦しているようには思われなさそう……というのが個人的には大満足なポイントだ。

キタナイ字で申し訳ないが、手書き検索できるのはとても便利iPhoneと比べると、一回り大きくした程度のサイズだ
もちろんシャツの胸ポケットにもすっぽり収まるPapyrusと比べるとキーはかなり小さいが、入力しにくくはない

 

製品名製造元購入価格
PW-AC40シャープ1万9800円

 

 




(hinotomi)

2011/8/11 06:00