未来からやってきたレーザーキーボード


レーザー光に合わせて本体色は赤をチョイス。上からレーザー投影口・赤外線センサー・赤外線投影口が並ぶ

 筆者はこれまで何回かクセのあるワイヤレスキーボードを紹介してきたが、とりわけアクの強いキーボードを入手した。レーザーでキーの形を投影してそれを叩く、Bluetooth接続のキーボード「magic-cube」だ。早速これでこの原稿を執筆しつつ紹介しよう。

 「magic-cube」は、レーザーで各キーの形を机などに投影し、それを叩いて入力するキーボードだ。本体の厚みはタバコ箱の倍程度、高さは2/3くらいだろうか。正面上部にはキーを投影する小窓がある。下部には同じ形に赤外線を投影する小窓があり、その赤外線が指で反射されるのを中央にあるセンサーで読み取り、入力されたと判断する仕組みだ。レーザーはただのガイドとして使われているだけなので、奥のキーを押すことでレーザーが遮られた手前のキーも入力される、といった心配はない。

 使用感は(想像に難くないと思うが)かなりクセがある。うっかり指を机につけると入力されてしまうため、ホームポジションで指を浮かせ続けなければならない。またキーの感触がないためブラインドタッチをするにはかなり慣れが必要そうだ。キー配列もかなり特殊で、使用頻度の高いカンマやピリオドが最上段にあるなど、ちょっと理解に苦しむところもある。赤外線を使っているため、直射日光下では使用できないし、人によって指の赤外線反射率が違うので、感度も異なってくる。そのためFnキーを使って感度の調節ができる。レーザーなので明るいところでは表示が薄くなり、フル充電で2.5時間しか稼働しないのもずいぶんと心許ない。また、一部のAndroid端末では認識されないこともあるようだ。

 と、先に欠点を挙げてみたものの、それを補って余りある魅力があるのも事実だ。重さ78gで英語配列のQWERTYキーボード、というのは他ではまずお目にかかれないコンパクトさだ。iPod touchと組み合わせた原稿執筆環境として、相性は抜群。机をトントン叩くだけなので、音がほとんどしないのもメリットだ。音がしないと不安という向きのために、電子クリック音を発生させることもできる。

 面白いのは、Bluetooth接続だけでなく、背面のUSB端子とパソコンを繋ぐことで、パソコンでも有線USBキーボードとして使用できる点だ。また、マウスモードを備えており、投影されているエリア全体をトラックパッドのように使ってポインタを移動したり、指ジェスチャにより左右のクリックボタン操作ができる。

 などと御託を並べてみたものの、なんといってもこの溢れる未来感こそが最大の魅力だろう。この格好良さはそうそうお目にかかれない。これまでもレーザー投影式のキーボードはあったが、本製品は本体サイズが一回り小さく、値段も1万円ほど安い。人より一歩でも先に未来にたどり着きたければ今すぐ購入すべきだろう。

背面に電源スイッチと、充電/接続用のUSBミニB端子がある。USB端子横にはHIDとSPPプロファイルの切り替えスイッチがあるが、SPPには対応していないiPhone4の2/3くらいの高さ
電気を消して撮影。この溢れる未来感!(一部ゆがんでいる箇所があるが、フローリングの溝に投影されているせい)投影面積はiPadの横幅と同程度

 

製品名販売元購入価格
magic-cubeSmoothy1万9950円

 

(ナカムラ)

2011/9/28 06:00