16年間使い続けたWindows パソコンからMacBook Airへ


MacBook Air 13インチ

 筆者がパソコンを本格的に使い始めたのは、16年ほど前。Windows 3.1時代からWindowsばかりを使い続けてきた。業務の都合上UNIX系OSに軽く触れることはあったものの、仕事もプライベートも基本はずっとWindowsで、しかも自作パソコンが多い。パソコンを使い始めた当時、Macは「漢字Talk」と呼ばれるOSで、友人が夢中になって使っているのを見てはいたが、わたしの目にはまったく魅力的に映っていなかった。それが今や、「iPod」や「iPhone 4」を皮切りに、「MacBook Air 13インチ」を購入するに至り、さらには先日、知り合いの結婚パーティーのビンゴゲームで「Apple TV」も当たってしまって、身の回りはいつしかApple製品だらけである。

 Macへ移行するにあたって、Windowsに決定的なデメリットがあったわけではない。強いていえば、長年使い続けていると、利用するアプリケーションがほとんど固定され、仕事でもプライベートでも効率的に使うための決まりきったカスタマイズ内容になり、OSの大きなバージョンアップがあってもそれらが大きく変わることはなくなったから、というところ。端的にいうと、新鮮味が感じられなくなったのだと思う。

 さて、数あるMac製品の中でも、「MacBook Air 13インチ」を選ぶことになった経緯だが、仕事の都合上、毎日持ち歩きたかったため、自然と軽量な「MacBook Air」に絞られたのである。そして、おそらくは「MacBook Air」を購入する際に多くの人が最初に迷うであろう「11インチにすべきか、13インチにすべきか」で、2週間ほど悩んだ。用途はオフィス文書・テキストの編集、画像編集、ソフトウェア開発、Web閲覧がメイン。3Dグラフィックを扱うわけでもゲームをするわけでもなく、とにかくメモリとHDD容量(MacBook AirはSSD)が十分にあればよかった。買ったばかりのビジネスバッグに無理なく収まるかどうか、持ち運び時の重さに(人間が)耐えられるかどうかという可搬性のほか、画像の視認性、バッテリーの持ち、スペックと金額のバランスなども考慮した。

 見栄やスタイリッシュさから、一時は11インチを選びそうになったものの、店頭で確認したところではビジネスバッグにギリギリ入ることと、バッテリーの持ちの問題、カスタマイズ時の金額から、13インチをチョイスすることに。中でも、バッテリー容量の差は決定的だった。11インチが5時間、13インチが7時間と、2時間の差ではあるが、外出先で使うこともあるノートブックパソコンとしては大きな違いだ。また、11インチのモデルを自分好みにカスタマイズすると、13インチの同等スペックのモデルと遜色ない値段になってしまうため、11インチを選びにくかった。仕事柄デジタルカメラを使うことが多いため、13インチのモデルにSDカードスロットがあるのもありがたい。

 Windowsに比べ、Mac用のアプリケーションは少ないとされている点が最も不安な点だったが、実際に移行してみて、意外にも仕事上不満に感じることはほとんどなかった。業務でどうしても扱わざるを得ないオフィス文書についてはMac OS用の「Microsoft Office」があり、互換性の面でも全く問題ない。文字入力用のIMEは、Windowsで使い慣れた「ATOK」がMac OS向けにもリリースされている。統合開発環境には他のOSと同様に「Eclipse」があり、Androidアプリの開発もOK。iPhoneアプリの開発はMacでなければほぼ不可能で、Windowsにはないメリットと言える。

 また、Windowsで愛用していたファイラーに近い操作性にカスタマイズできる「muCommander」をインストールし、テキストエディターは用途に応じて「mi」と「CotEditor」を使い分け、画像ビューワーは「CocoaSlideShow」、サーバー接続やFTP等のファイル転送は「Cyberduck」と、ツール・ユーティリティ系はおそらく定番と思われるオンラインソフトで固めた。App StoreでMac OS用アプリケーションを効率的に探せるようにもなったが、小さなツール系のソフトについては地道にWeb検索して見つけたものの方が“当たり”の確率が高いように感じる。ちょっと困っているのは、マイクロソフトの「Internet Explorer」でWebページの表示確認ができないことくらいだろうか。

 操作性の面では、正直に言えばWindowsとは異なる挙動で戸惑うときも多々あるが、周辺機器のサポートも十分に整ってきており、Windowsから離れることやMacという新しい環境に移行することに対して、必要以上に恐れていたのかも、と反省。今やひとつのOSにこだわることなく、いろいろ試して楽しんでおきたいという気持ちになってきている。


マルチタッチ対応のトラックパッドは、画面スクロールやジェスチャー操作で大活躍左がSDカードスロット。右端のThunderboltポートも活用したいが……
マグネット式になっていて、脱着が楽なACアダプターのコネクター手持ちのビジネスバッグにギリギリぴったりのサイズだった

 

製品名製造元購入価格
MacBook Air 13インチ 256GBApple13万8800円

 

 

(日沼諭史)

2012/2/20 06:00