SoftBank 4G対応ルーター「ULTRA WiFi 101SI」を試してみる


ULTRA WiFi 101SIと同梱の外部バッテリー

 2月24日より、「SoftBank 4G」がスタートした。サービス開始時の対応モデルとなるモバイルWi-Fiルーター「ULTRA WiFi 101SI」をお借りしたので、早速使ってみることにした。

 「SoftBank 4G」のサービスの詳細や、「ULTRA WiFi 101SI」の主な仕様については、2月20日の本誌記事をご確認いただくとして、ここでは使用感を中心にご紹介する。

 まず、一般的なモバイルWi-Fiルーターと同様に、電源を入れてWi-Fi対応機器側で設定すれば、通信エリア内でネットに繋がる。「101SI」のディスプレイには、AXGPエリアであれば「4G」と表示され、AXGPが圏外の場合は、1.5GHz帯のDC-HSDPA/HSPA+エリア(ULTRA SPEED)に接続されて、「3G」と表示される。

 AXGPであれば最大約3時間の利用が可能と謳われているが、今回試用した限りにおいては、実動時間は2時間弱ぐらいだった。パッケージには外部バッテリーが同梱されており、こちらも常に持ち歩いた方がよさそうだ。なお、「101SI」の注意書きには、長時間利用すると端末が熱くなる場合があると案内されているが、温かくはなるものの、一般的なモバイルWi-Fiルーターと同程度だと感じた。

 サービスおよび商品上、もっとも気になるのはやはり通信速度かと思う。そこで今回、都内の複数の場所で通信速度を計測してみることにした。無線通信は、環境の影響を非常に受けやすく、なおかつ「SoftBank 4G」のサービスは開始されたばかり。通信エリアはこれから拡充されていく、計測値はあくまでも参考程度と受け取っていただきたい。


Androidアプリ「SPEEDTEST.NET」ソフトバンクのWebサイトでは7月頃に達成する“見込み”通信エリアが紹介されている

 計測日時は3月3日の17時~20時半。計測した場所は、市ヶ谷駅(地上/地下)、秋葉原駅(地上/地下)、東京駅(地上/新幹線改札)、新橋駅(地上/地下)、渋谷駅(地上/地下)、新宿駅(地上/地下)、西新宿高層ビル29階となる。計測は、Androidアプリ「SPEEDTEST.NET」(Ookla)を利用し、各場所で立ち止まって3回計った。もっとも良かった値を掲載する。なお、アクセスするサーバーが不安定だったため、サーバーは固定していない。サーバーは、Tokyo、Iizuka、韓国のソウルといずれかに繋がった。計測結果は以下の通り。

【市ヶ谷駅|17時00分】
 地上/4G接続:下り4.6Mbps、上り5.6Mbps、64ms(Ping)
 地下/圏外
【秋葉原駅|17時15分】
 地上/4G接続:下り5.9Mbps、上り6.1Mbps、68ms
 地下/圏外
【東京駅|17時45分】
 地上/4G接続:下り5.9Mbps、上り5.4Mbps、66ms
 新幹線改札/3G接続:下り3.3Mbps、上り539kbps、146ms
【新橋駅|18時15分】
 地上/4G接続:下り5.8Mbps、上り4.8Mbps、87ms
 地下/3G接続:下り551kbps、上り81kbps、152ms
【渋谷駅|19時30分】
 地上/4G接続:下り4.6Mbps、上り1.3mbps、77ms
 地下/圏外
【新宿|20時~20時30分】
 地上/4G接続:下り4.3Mbps、上り4.5Mbps、97ms
 地下/3G接続:下り2.8Mbps、上り469kbps、185ms
 高層ビル/4G接続:下り8.7Mbps、上り4.1Mbps、74ms

 というわけで、地上ではいずれも4Gエリアに繋がり、快適な通信が行えた。その一方で、屋内および地下エリアはいずれの場所も非常に不安定であり、改札付近で調査したが通信圏外となる場合も多かった。

 今回、数日に渡り日常利用をしてみたが、都内では地上で利用する分には電車の中でも概ね快適な通信が得られた。4Gと3Gの表示が切り替わる際にタイムラグがあるため、そこが若干気になったものの、スマートフォンやタブレットで利用する限り使い出がありそうだ。やはり課題となるのは、地下鉄や地下街、建物内での通信かと思う。ULTRA SPEEDがもう少しエリア拡充してくれれば、というのが本音である。

秋葉原駅地上渋谷駅地下東京駅地上
東京駅新幹線改札新宿駅地上新宿の高層ビル

 




(津田 啓夢)

2012/3/12 06:00