GF1でも周辺光量落ちを楽しめるホルガレンズ


LUMIX G用ホルガレンズ「HL(W)-PLG」

 筆者が愛用しているパナソニックのカメラ「DMC-GF1」には、周辺の光量を落とすといったトイカメラ的なモードがない。「DMC-LX5」の「マイカラー」には「ピンホール」と呼ばれるモードがあるが、それ以前に発売されたモデルである「DMC-GF1」の場合、効果として周辺の光量は落とせないのだ。新機種ほどこの手のフィルター機能が増えているので、旧型ユーザーは寂しい限り……。しかし諦めてはいけないのだ。DMC-GF1用には、「ブラック・コーナー・エフェクター」で周辺光量を落としながら、ボケやブレを簡単に生み出し、ダメダメな感じをわざと演出できるホルガレンズ「HL(W)-PLG 」があるのだ。

 このレンズは、GF3/GF2/GF1用で、全てがプラスチック製のため非常に軽い。焦点距離は25mm、絞りはF8固定なので、室内よりは屋外向きといえる。すべてがプラスチックなこともあり、オートフォーカスは使えないし、マニュアルフォーカスも不可能なので、ピント合わせには、レンズについている4つのフォーカスモードを使う。左から、0.7m、2.0m、6.0m、10mとなっており、撮影対象との距離は基本的に目測で合わせることになる。もちろん手ぶれ補正なんてない。もともとビシッとピントを合わせる目的ではないといっても過言ではないので、2.0mあたりに合わせて、ボケもブレも一緒に楽しむほうがいいだろう。

 実際に取り付けてみたところ、カメラ側の完全自動モードである「iA」では、ファインダー画面に映像は表示されるもののシャッターが切れず、撮影そのものが不可能だった。使うならモードダイヤルの「iA」以外だ。「マイカラー」や「シーンモード」のほか、動画も撮影可能。絞りは変えられないが、露出補正はできる。ISO感度、ホワイトバランス、Fnキーも有効だった。

 気になる「ブラック・コーナー・エフェクター」だが、これはレンズを裏返してよーく見ると確認できる、8つの小さな点のことらしい。確かに周辺の光量が落ちている。DMC-GF1の「マイカラー」には、「レトロ」というノスタルジックなテイストを出せるモードがあるし、「フィルムモード」の「ノスタルジック」や「B&Wダイナミック」と組み合わせれば味わいが増す。ISO感度を3200まで上げて、1:1の真四角写真にしてもいいだろう。あちこち設定をいじって、自分の好きなテイストを探すのも楽しいかもしれない。

 ただし、撮影環境によっては、「ブラック・コーナー・エフェクター」の影の形が歯車のように見えてしまうので、うまくごまかしながら楽しもう。パナソニック製カメラ用以外のモデルも用意されているので、気になる方はチェックしてみていただきたい。


アイコンは左から、0.7m、2.0m、6.0m、10mを表すフロントカバーを外した状態
バックカバーを外した状態。中央に「ブラック・コーナー・エフェクター」が見えるDMC-GF1に装着してみた。なかなかの見栄え
モードは「iA」以外で撮影する「iA」でも液晶は確認できるが、シャッターが切れない
絞り優先で試し撮り。「ブラック・コーナー・エフェクター」の影が歯車のようになってしまったベランダの花を撮影、周辺がうまい具合に暗くなっている
「マイカラー」の「レトロ」で撮影画像横縦比1:1、ISO感度3200、露出+1、「フィルムモード」の「B&Wダイナミック」で撮影してみた

 

製品名製造元購入価格
LUMIX G用ホルガレンズ HL(W)-PLGエー・パワー2680円

 

 

(すずまり)

2012/5/17 06:00