本日の一品

防水でUSB充電、小型ボディが嬉しい自転車用LEDライト

「Blinder Lights-1 STANDARD」

 自転車ブームがまだまだ衰えを見せないなか、関連グッズの進化も顕著になっている。手軽なクロスバイクから本格的なロードバイクまで幅広い種類の自転車があるとはいえ、多くのライダーが等しくお世話になるのがライト類ではないだろうか。筆者はこれまでもいくつかライトを購入してきたが、決定版に近づきつつあると感じるアイテムを紹介したい。

 “ママチャリ”であれば、昔はダイナモライト、今ではハブの中にダイナモを内蔵しペダルに重さを感じさせない発電や点灯ができるようになっているが、スポーツ自転車となると、ハンドルバーに取り付けるライトが一般的だ。かつては電球自体も交換式、電源は乾電池で、電源はやがてボタン電池に代わり、本体は小型化されていった。光源として白色LEDが登場するとさらに小型化と高輝度化が進んだが、ボタン電池は今でも多くの製品が採用している。そして、この2~3年は電源に充電式のバッテリーを搭載するモデルが登場してきた。当コーナーでも過去に紹介しているが、パソコンのUSBグッズが広まるのに合わせるように、USB端子で充電できるというのが多くの充電式ライトに共通している点だ。

 一方、USB端子を使うライトは別の課題もあった。それは自転車用ライトでは必須の防水性能を実現しづらかったという点だ。パッキン付きのカバーでライト本体のUSB端子を塞ぐモデルはカバーやパッキンの劣化が課題となり、端子部分を含めて本体をラバーパーツで覆ってしまうモデルは大型化してしまう。

 前置きが長くなってしまったが、今回紹介するknogのLEDライト「Blinder Lights-1 STANDARD」は、この防水性能について「濡れても大丈夫なUSB端子」を採用することで大胆に解決した製品だ。もちろん、高輝度なLEDを採用し、豊富な点灯パターンを備え、前回の点灯パターンを覚えている仕組みなど基本機能は成熟の域に達している。

 バンド部分は伸縮性が高く、ロードバイクの太めのハンドルにも取り付けられた。LEDは最大20ルーメンの明るさで、都市部で自分の位置を知らせるライトとして使うなら十分な光量だ。光を点滅させるフラッシュモードでは11時間使用でき、充電時間は3時間。連続使用時間が電池に比べて短いのが弱点だが、USBでいつでも充電できるので、この弱点はカバーできる。場合によっては、スマートフォン用に持ち歩いているモバイルバッテリーで充電することも可能だ。

 充電時に使うフルサイズのUSB端子は、本体の一部のような形で、むき出しになっている。充電時に別途ケーブルなどは必要なく、パソコンやモバイルバッテリーのUSB Aタイプの端子に、このむき出しの端子を差しこむだけ。充電が開始されると赤い充電専用LEDが点灯する。

 まず、「濡れたらショートして壊れないのか」と不安になってしまうのだが、このUSB端子は、充電時以外は濡れても動作に問題がない仕組みになっている。ライトとして点灯させている時でも、いくら濡れても問題はないのだ。実際にコップの中の水に沈めてもライトは点灯し続ける。本体は前面のアルミパネルを除けばほぼ一体型のラバーで構成されており、USB端子も露出しているのは金属の接点部分のみ。当然だが内部の基板は濡れないようになっている。

 勘違いしてはいけないのは、充電する時はしっかりとUSB端子に付いた水分を拭きとっておかなければいけない点だ。雨に降られるなどして濡れてしまったら、目的地に到着したところでしっかりと水分は拭きとっておこう。

 knogの製品はこれまでラバーを多用したカエルのようなデザインが主流だったが、この「Blinder」ではアルミパネルを正面パーツとして組み合わせており、従来の同社の製品とは異なるイメージになっている。もっとも、そのアルミパネルに付けられた模様は何種類も用意されており、実際に点灯させる夜は模様が見えないので関係ないものの(笑)、点灯しない昼間でもアクセントになる仕上がりだ。バックライトとして使う赤色LEDバージョンのほか、ライト部分のLEDが4灯で、少し大型になったバージョンもあるので、光量を追求するユーザーにも選択肢は用意されている。

 自転車のライトは、長く使っていると電池の交換が次第に面倒になるのだが、「Blinder Lights-1 STANDARD」はUSB充電が可能で、防水、高輝度LED、小型と、筆者的には決定版ではないかと思えるデキなのである。

端子が露出しているが防水性能には問題なし
USBでバッテリーの充電が可能。緊急時にはモバイルバッテリーでも可能だ
製品名製造元購入価格
Blinder Lights-1 STANDARDknog2730円

太田 亮三